先進予防医学共同専攻臨床疫学 臨床疫学とは 現在の取り組みと成果 研究材料・手法 未来のあるべき医療を見つめて改革の手法を研究します。 特徴 千葉大学医学薬学府博士課程大学院 先進予防医学共同専攻臨床疫学 未来のあるべき医療を見つめて改革の手法を研究します。 過去の統計データを解析する疫学研究と、そこから導かれる将来推計をもとに、未来の医療をデザインします。 特徴 臨床疫学とは 地域疾病管理を目指す学問です。医学が進歩し専門分化が進んだ現在、一つの医療機関だけでがんや慢性疾患を管理することは困難です。つまり地域の多数の医療機関が、様々な職種が一致団結して診療にかかわることが必要です。またがんや慢性疾患は環境、生活習慣、遺伝子、感染などの様々な因子によって疾病が起こり、悪化したり軽快したりします。一方心筋梗塞や脳卒中など一刻を争う病態では地域の救急病院がわかりやすい分担体制をとって迅速に高度な医療を提供する必要があります。臨床疫学では地域での疾病の発生状況と診療体制を分析し、将来予測に基づく最適な医療提供の仕組みを設計します。 地域の疾病発生状況を分析し、過去のデータを解析し、将来を予測し、国民により良い健康を提供する仕組みを考えます。将来を予測する手法として私たちは過去から現在を予測し(順行推計)、現在から過去を予測する手法(逆行推計)を開発しました。これによって過去のトレンドが明らかになり、そのトレンドから高い精度での将来予測が可能になりました。 現在の取り組みと成果 2000年以降2011年まで、我が国の入院受療率が毎年1%強の割合で改善していることを発見しました。この成果を基に2014年を推計した結果が正しいことが2014年の患者調査により明らかになりました。現在の傾向が2025年まで続くと仮定すると、全国で多くの病院が来b氏状態になることが判明しました。このような変化によって国民の健康管理に悪影響が出ないような改革手法を検討しています。 研究材料・手法 統計資料 OECD統計、各種政府統計、保険診療データ、医療機関管理データなどを用いて順行推計と逆光推計を駆使します。 地理情報推計(GIS推計) 地域の特性をわかりやすく表現し、また医療機関へのアクセス性の影響を調べるためにGIS推計を駆使します。 SHACHI 患者中心の医療とは患者さんが自分の健康データを登録し、医療機関のデータと合わせて解析し、その結果に基づいて患者さんが自ら積極的に健康改善に努める医療です。このような医療を実現するためにデータの登録、活用して健康改善をサポートする仕組みとしてSHACHIを設計し、平成28年8月5日から実際に使っていただきます。 SHACHIを用いることで朝昼晩の血圧変動や運動状況などのリアルなデータを収集可能になります。これを活用したビッグデータ解析によってきめが細かく精度の高い健康指導が可能となります。 心理学 地域疾病管理を推進したり、患者中心の医療を普及したりするためには心理学を学び応用することが大切です。 OECD Statから作成 eStat患者調査結果から作成