大野川ダムにおける情報の提供 佐渡地域整備部 大野分室
目次 ダムの役割 大野川ダムの概要 大野川ダムの情報の提供 7月24日梅雨前線豪雨の洪水調節の状況 佐渡地域整備部 大野分室 ●日頃の土木行政への協力の感謝。 ●目次の内容説明 ・ダムの役割 ・大野川ダムの概要 ・大野川ダムの情報提供 ・平成29年7月24日梅雨前線豪雨の洪水調節の状況 佐渡地域整備部 大野分室
1.ダムの役割 大雨のとき → 治水 日照りのとき→上水道・用水 ダムがないと ダムがないと ダムがあると ダムがあると 大雨のとき → 治水 ダムがないと ダムがあると 山中で降った大雨がそのまま下流へ流れて洪水になります。 大雨の一部はダムに貯められ、天気が回復してから下流にながします。 日照りのとき→上水道・用水 降った雨はそのまま下流へ流れるため、日照りが続くと水不足になります。 ダムがあると 降雨はダムに貯められ、日照りが続いた時でも貯水を利用して、上水道や用水を供給できます。 ダムがないと ●ダムの役割→治水と上水道・用水確保、水力発電 ●日照りの時 ・ダムが無いと降った雨はそのまま下流へ流れるため、日照りが続くと水不足となり、飲み水や田んぼの水が無くなる。 ・ダムが有ると降った雨がダムに貯められているので、日照りが続いた場合はダムに貯めている水を利用して飲み水や田んぼの水に使う。 ●大雨のとき ・ダムが無いと山中で降った大雨がそのまま下流へ流れてしまい堤防から水が越流する等の被害が発生する可能性が高くなる。 ・ダムが有ると、大雨の一部はダムに貯められ下流の河川が安全な量を放流するため、被害が発生する可能性が低くなります。
1.ダムの役割(大雨のときの操作イメージ) 普通の状況 常時満水位を越えない 流入量とほぼ同じ量を放流 常時満水位 サーチャージ水位 大雨のときの操作 大雨の水を一時貯めて 流入量より少なく放流 サーチャージ水位 常時満水位 治水容量 (洪水調節容量) ●大雨の時のダムの操作 ・普段は常時水位(青色)の所までダムに水を貯めている。 ・常時満水位からサーチャージ水位の間が治水容量(洪水調節容量)。洪水をためる場所。 ・普通の状況では上流からの流入量と同程度の量を放流。 ・大雨となった場合、ダムへの流入量が40となりますが、40そのまま放流すると下 流で被害が発生するので、安全な量の20放流します。残りの20はダム内の 治水容量に貯めておき、大雨が終わったら放流。こうする事で下流の被害 発生を防いでいる。
2.大野川ダムの概要 ダムデータ クレストゲート ・異常出水のときに使用 ・※ダムの専門用語で「ただ し書き操作」のときに使用 ・完成:昭和53年10月 ・重力式コンクリートダム ・高さ47m 堤頂長183m ・総貯水容量139万m3 ・治水・上水道・河川用水の目的 ・計画洪水量86m3/sの内75m3/s をカットし、11m3.sを放流 クレストゲート ・異常出水のときに使用 ・※ダムの専門用語で「ただ し書き操作」のときに使用 ホロージェットバルブ ・洪水調節時の放流に使用 ・放流量1~11m3/s ジェットフローゲート ・通常時の放流に使用 ・放流量0~1m3/s以下 ●大野川ダムの概要 ・新潟県で管理している19個のダムの一つで、佐渡にある3ダムの内の一つ。 ・S44年からダム設置位置等のための調査を実施し、S48年に本体部分工事を着工し、5年後のS53年10月に竣工。 ・「重力式コンクリートダム」形式で、ダム堤体の重さによって貯水池の水圧を支えます。一般的に地震等に対して強固な構造であり、最もポピュラーな形式。 ・大野川ダムの高さは47mあり、堤頂長は183m。 ・大野川ダムの目的は2つあって、一つ目は洪水調節、二つ目は上水道や農業用水のための利水を目的。 ●【重要】大野川ダムの決壊について ・ダムは、大雨が降って満水になった時に、地震が発生して、波がぶつかった時でも安全であるように設計されていますので、滅多なことでは決壊しない。 ・震度4以上の地震が発生した場合は職員により緊急点検を行い管理している。 ・ダムが壊れた事例ですが、1,889年にアメリカではダムの決壊で下流の街が壊滅して、2,200人の死者を出しており、ギネスブックにのっています。 出しており、ギネスブックにのっています。 ●放流設備 ・ジェットフォローゲート ・ホロ-ジェットバルブ ・クレストゲートは100年に1度の超大雨が来たときに使うゲート。
2.大野川ダムの概要 洪水でないときに ●常時満水位 ダムに貯水できる 最高の水位。 ●サーチャージ水位 洪水時に貯留できる 満杯の貯水位。 ただし書き操作開始水位 標高148.40m ●常時満水位 洪水でないときに ダムに貯水できる 最高の水位。 ●サーチャージ水位 洪水時に貯留できる 満杯の貯水位。 ●治水(洪水調節)容量 常時満水位とサーチ ャージ水位までの容 量。洪水調整に用い る。 ●貯水容量について ・常時満水位 ・サーチャージ水位 ・治水容量(洪水調節容量) 720千m3 ・ただし書き操作→100年に1回の大雨→クレストゲートの開く操作 治水容量の8割の水位で設定 ●ただし書き操作 ダムの計画規模を越える異常出水が発生し、サーチャージ水位 を越えると予想されるとき、サーチャージ水位を超えないように放流量を増加させ、流入量に 近づける操作
ただし書き操作を行ったケース(平成10年8月 大野川ダム) 2.大野川ダムの概要 ただし書き操作を行ったケース(平成10年8月 大野川ダム)
3.大野川ダムの情報の提供 体制移行基準 関係機関連絡 一般住民への周知 ●大野川ダムの情報提供 ●課題 佐渡地域振興局 (大野分室) ・大雨警報(浸水害)、洪水 警報発令等の待機基準となった場合 警戒体制開始 FAXで連絡 ・佐渡市 ・佐渡市消防本部 ・西・東警察署 ・流入量が9.6m3/sを超過 洪水調節開始 「ただし書き操作」開始3時間前、1時間前 ●大野川ダム警報所以外の警報所 のサイレン吹鳴 (すいめい) ●警報車により周知 「ただし書き操作」開始30分前 「ただし書き操作」開始約7分50秒 ●大野川ダム警報所のサイレン 吹鳴(すいめい) ●大野川ダムの情報提供 ●課題 ・ダムから一般住民の方々への周知が「ただし書き操作」のみ。その他の必要情報の周知について佐渡市と 考えなければいけいない。 ・標高148.40mに達する 「ただし書き操作」開始 FAXで連絡 ・佐渡市 ・佐渡市消防本部 ・西・東警察署 ・放流量が計画最大放流量11.0m3/s以下 「ただし書き操作」終了 ・流入量が9.6m3/sより低下 洪水調節終了 ・大雨警報(浸水害)、 洪水警報解除 ・今後、大雨の可能性なし 警戒体制終了
3.大野川ダムの情報の提供 スピーカ サイレン
4.平成29年7月24日梅雨前線豪雨時の洪水調節の状況 ダム洪水調節状況図 最大流入量 12:30 33.35m3/s 最大放流量 15:50 9.93m3/s 最大貯水位 15:30 144.65m ●平成29年7月24日梅雨前線豪雨時の洪水調節の状況 ・7/24 5:12 大雨警報(浸水害)発令により5:30に待機 ・表の見方説明 ・上記のとおり
4.平成29年7月24日梅雨前線豪雨時の洪水調節の状況 普通の状況 平成29年7月24日の状況
4.平成29年7月24日梅雨前線豪雨時の洪水調節の状況 矢田ヶ瀬橋 高橋 大野川橋 大野橋 与五郎橋 ●出水状況 ●効果
【参考】 平成10年8月4日豪雨の洪水調節の状況 平成10年8月4日 ダム洪水調節状況図 最大流入量 9:30 84.63m3/s 平成10年8月4日 ダム洪水調節状況図 最大流入量 9:30 84.63m3/s 最大放流量 11:50 22.92m3/s 最大貯水位 11:40 148.81m 最大流入量 9:30 84.63m3/s 最大貯水位 11:40 148.81m ●参考に平成10年8月4日 ・時間50㎜が3時間 ・1時間50㎜以上の大雨が降る頻度1970~80年代と比較して3割増 最大放流量 11:50 22.92m3/s