スペース重力波アンテナ DECIGO計画Ⅷ (サイエンス)

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1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25.
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硬 X 線で探るブラックホールと銀河の進化 深沢泰司(広大理) 最近の観測により、ブラックホールの形成と 銀河の進化(星生成)が密接に関係することが わかってきた。 ブラックホール観測の最も効率の良い硬 X 線で 銀河の進化を探ることを考える。 宇宙を構成する基本要素である銀河が、いつ どのように形成され、進化してきたか、は、宇宙の.
重力波による一般相対論、 ブラックホール時空の直接検証 Gravitational waves 田中 貴浩   (京大基研)
宇宙年齢10億年以前におけるSMBHの存在 遠方宇宙の観測で宇宙10億歳(z~6)未満で10億M⦿程度以上の活動銀河核中のSMBHの存在を確認 赤方偏移 z SMBH質量 [M⦿] URAS J ~2×109 M⦿ 宇宙7.5億歳(z~7)
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
恒星系との相互作用による大質量ブラックホール連星の進化
情報の整理+DECIGOの仕様で検討してもらいたいこと
目次 超巨大ブラックホール(SMBH)形成モデルとバースト降着 バースト降着のもとでの超大質量星形成の計算の結果と議論
衝撃波によって星形成が誘発される場合に 原始星の進化が受ける影響
Collision tomography: physical properties of possible progenitors for
DECIGOのサイエンス ~ダークエネルギー関連~ 高橋龍一 (国立天文台PD).
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 II
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(2)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(1)
木村 匡志 極限ブラックホール近傍の 高速粒子衝突における “バックリアクション“の影響について (YITP 元OCU)
プロジェクト研究発表 重力波天文学 at Spring School, ICRR, The University of Tokyo
表紙.
ガンマ線連星LS 5039におけるTeVガンマ線放射とCTA
「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 宇宙科学シンポジウム @宇宙科学研究所 2003年1月9日
Report from Tsukuba Group (From Galaxies to LSS)
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
宇宙での重力波観測 (1) 宇宙での重力波観測 宇宙で観測するメリット : 他にはないサイエンスがある
新特定領域 「全波長重力波天文学のフロンティア」 第5回会合 (2005年7月30日 国立天文台, 東京)
超伝導磁気浮上を用いた 低周波重力波検出器の開発
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
榎 基宏 東京経済大学(4月より) 国立天文台天文データセンター(3月まで)
瀬戸直樹(京大理) CMBワークショップ 年6月8日(火) 国立天文台
CMB非等方性による、 インフレーション起源の背景重力波 のもつ偏極成分の検出法
重力波検出の将来計画 文責:川村静児(国立天文台) 2004年9月14日.
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
宇宙重力波検出器用大型複合鏡における熱雑音の研究
WISHによるhigh-z QSOs 探査案 WISH Science Meeting (10 Mar. 三鷹
Primordial Origin of Magnetic Fields in the Galaxy & Galaxies - Tight Link between GC and Cosmic B –  Y. Sofue1, M. Machida2, T. Kudoh3 (1. Kagoshima.
104K以下のガスを考慮したTree+GRAPE SPH法による 銀河形成シミュレーション ~Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe~ 斎藤貴之(北大) 幸田仁(NAOJ) 岡本崇(ダーラム大) 和田桂一(NAOJ)
小型科学衛星を用いた宇宙背景放射(CMB)偏光精密測定計画 原始重力波の発見法:CMB温度から偏光度へ
太陽を見る 可視光 X線(ようこう衛星) 太陽フレア.
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
安東 正樹池本尚史,小林洸,坪野公夫 (東京大学 理学系研究科)
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国立天文台スペース重力波アンテナWG 第2回ミーティング(第2回DECIGO検討会) イントロダクション
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京都大学理学研究科 中村卓史 2006年2月24日 国立天文台
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
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DECIGOで探る宇宙背景重力波 樽家 篤史 工藤 秀明 (UCSB), 姫本 宣朗 (東大理) (東大理) 2006/6/11
第7回 高エネルギー宇宙物理連絡会研究会 「高エネルギー宇宙物理学の将来計画」
小林・益川理論とBファクトリーの物理 (II)
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銀河座 12月番組 製作:高梨 ダークが支配 我が宇宙 2011年度 ノーベル物理学賞 解説.
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 I
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 長野晃士 (D2)
P5 田中貴浩(教授)、細川隆史(准教授)、瀬戸直樹(助教) 担当:天体核研究室の教員
木内 建太(早稲田大) 共同研究:柴田大(京大基研) 関口雄一郎(国立天文台) 谷口敬介(ウィスコンシン大)
スーパーカミオカンデ、ニュートリノ、 そして宇宙 (一研究者の軌跡)
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
瀬戸直樹 (UC Irvine) 第5回DECIGOワークショップ
連星 Gold Mine を用いたDECIGO精密宇宙論
中間質量ブラックホールの理解に向けた星の衝突・破壊に関する研究
Presentation transcript:

スペース重力波アンテナ DECIGO計画Ⅷ (サイエンス) 発表者:高橋龍一(国立天文台) 

DECIGO で期待されるサイエンス 連星からの重力波 宇宙背景重力波 ●連星中性子星 年間 events/yr SN at z=1 (     for ultimate DECIGO)     宇宙の加速膨張を測る    ●中質量BHの合体     超巨大BHの形成過程の手掛かり      SN    at z=1 ●中質量BHへ落ち込むコンパクト天体 宇宙背景重力波 感度 

中質量BH Ringdown (中野寛之さん) トピック  最近のサイエンスで面白そうな研究をいくつか挙げて頂きました  背景重力波の円偏向の観測 (瀬戸直樹さん)  中質量BH Ringdown (中野寛之さん)  宇宙初期密度ゆらぎ起源の背景重力波                  (中村康二さん) Extreme Mass Ratio Burst at Galactic Center

Intermediate Mass Black Hole (IMBH) Inspiral + Ringdown (Quasi-Normal Mode) IMBH 連星の合体率  for LISA (Fregeau et al. 2006; Amaro-Seoane & Freitag 2007) 重い星の重力崩壊  球状星団の合体  種BH

Ringdown 合体直後のBH振動 (Tsunesada et al. 2005; Nakano 2007) 質量決定精度 スピン決定精度 減衰振動  質量決定精度  スピン決定精度 

Extreme Mass Ratio Burst at Galactic Center (Rubbo, Holley-Bockelmann & Finn 2006) 近くを通り過ぎるときに出す、 バースト重力波 WD, BH ‘Gravitational Bremsstrahlung’ SMBH 15 events/yr for LISA  楕円率 大

球状星団内の星の放物軌道からのバースト重力波 球状星団内の星の放物軌道からのバースト重力波  (e >1) (Kocsis, Gaspar & Marka 2006)  1 events/yr for DECIGO  (M. Turner 1977) 

背景重力波の円偏向の観測を用いた宇宙初期(高エネ ルギー物理)でのパリティの破れの検証 (Seto 2006; 2007) 右巻き 左巻き 重力波の 円偏向 パリティ変換 初期宇宙(高エネルギー物理)でパリティ保存が破れていれば、 その兆候がインフレーション起源の重力波の右巻き左巻きの 非対称性として現れる 円偏向成分

1AU 離れた2台で相関を取るのが適当 

The cosmological gravitational wave background from primordial density perturbation ( Ananda, Clarkson & Wands gr-qc/0612013 ) Second order cosmological perturbation wave eq. for tensor perturbation source term : 2次の密度ゆらぎ起源の 非等方テンソル 感度  (n=1 Harrison-Zel’dovich) for DECIGO/BBO 初期宇宙起源の 背景重力波の下限   for ultimate DECIGO

(Smith, Kamionkowski & Cooray 2006)

citation history for Seto, Kawamura & Nakamura 2001