電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 3 (2013年4月)

Slides:



Advertisements
Similar presentations
北海道大学 Hokkaido University 1 情報理論 講義資料 2016/06/22 情報エレクトロニクス学科共通科目・2年次・第 1 学期〔必修 科目〕 講義「情報理論」第 5 回 第 3 章 情報源のモデル [ 後半 ] 3.5 情報源のエントロピー.
Advertisements

『わかりやすいパターン認 識』 第 5 章 特徴の評価とベイズ誤り確率 5.4 ベイズ誤り確率と最近傍決定則 発表日: 5 月 23 日(金) 発表者:時田 陽一.
土木計画学 第3回:10月19日 調査データの統計処理と分析2 担当:榊原 弘之. 標本調査において,母集団の平均や分散などを直接知ることは できない. 母集団の平均値(母平均) 母集団の分散(母分散) 母集団中のある値の比率(母比率) p Sample 標本平均 標本分散(不偏分散) 標本中の比率.
第1回 確率変数、確率分布 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
クラスター変分法と確率的情報処理 --Belief Propagation と画像処理アルゴリズム--
応用統計学の内容 推測統計学(inferential statistics)   連続型の確率分布   標本分布   統計推定   統計的検定.
確率モデルによる画像処理における統計的学習理論
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2014年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2009年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第3部講義(2007年6月19日,6月26日)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2012年4月)
正規分布における ベーテ近似の解析解と数値解 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
応用統計学の内容 推測統計学(inferential statistics)   連続型の確率分布   標本分布   統計推定   統計的検定.
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2008年4月15日,4月22日,5月6日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
混合ガウスモデルによる回帰分析および 逆解析 Gaussian Mixture Regression GMR
モデルの逆解析 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
確率論の基礎 「ロジスティクス工学」 第3章 鞭効果 第4章 確率的在庫モデル 補助資料
確率伝搬法と量子系の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月14日後半
確率的情報処理と確率伝搬法によるアルゴリズム設計の数理構造
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 2(2014年4月)
ベイジアンネットと確率推論 変分原理からの再帰的確率推論アルゴリズムの解説
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2013年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2007年4月16日,4月17日,4月24日,5月10日)
量子系における 確率推論の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2006年4月17日,4月18日,4月25日,5月9日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率的情報処理の最近の動向 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
統計解析 第1回 条件付き独立性と確率的グラフィカルモデル 本講義の全体像
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率を手なづける秘伝の計算技法 ~古くて新しい確率・統計モデルのパラダイム~ その2:ベイジアンネットと確率推論の数理
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2015年4月)
ガウシアン確率伝搬法の 近似精度に対する理論解析
ベイジアンネットワーク概説 Loopy Belief Propagation 茨城大学工学部 佐々木稔
生物情報ソフトウェア特論 (2)たたみ込みとハッシュに 基づくマッチング
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 報告者 佐々木 稔 2003年6月25日 3.1 関数近似モデル
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2015年4月)
ベイズ最適化 Bayesian Optimization BO
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
物理フラクチュオマティクス論 応用確率過程論 (2006年5月9日)
確率的画像処理アルゴリズム入門 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
確率の生み出す新しい情報処理技術 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2012年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
人工知能特論II 第8回 二宮 崇.
JNNS-DEX-SMI-玉川 公開講座 「交換モンテカルロ法とその応用」
ポッツスピン型隠れ変数による画像領域分割
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
ガウス分布における ベーテ近似の理論解析 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
物理フラクチュオマティクス論 応用確率過程論 (2006年4月11日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月14日前半
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2013年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 1(2013年4月)
Q状態イジング模型を用いた多値画像修復における 周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定
ガウシアングラフィカルモデルにおける一般化された確率伝搬法
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2012年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2019年4月)
Presentation transcript:

電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 3 (2013年4月) 本実験DのWebpage: http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~kazu/ECEI-ExperimentD/2013/ 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之 kazu@smapip.is.tohoku.ac.jp http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~kazu/ April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 本講義の参考文献 田中和之著: 確率モデルによる画像処理技術入門, 森北出版, 2006. 田中和之著: ベイジアンネットワークの統計的推論の数理, コロナ社, 2009. 田中和之編著: 臨時別冊・数理科学SGCライブラリ「確率的情報処理と統計力学 ---様々なアプローチとそのチュートリアル」, サイエンス社,2006. 安田宗樹, 片岡駿,田中和之共著 (分担執筆): ---CVIMチュートリアルシリーズ--- コンピュータビジョン最先端ガイド3(八木康史,斎藤英雄編), 第6章.大規模確率場と確率的画像処理の深化と展開,pp.137-179, アドコム・メディア株式会社, December 2010. Kazuyuki Tanaka: Statistical-mechanical approach to image processing (Topical Review), Journal of Physics A: Mathematical and General, vol.35, no.37, pp.R81-R150, 2002. C. M. Bishop: Pattern Recognition and Machine Intelligence, Springer, 2007. M. Opper and D. Saad: Advanced Mean Field Method, MIT Press, 2001. H. Nishimori: Statistical Physics of Spin Glasses and Information Processing, ---An Introduction---, Oxford University Press, 2001. M. J. Wainwright and M. Jordan: Graphical Models, Exponential Families, and Variational Inference (Foundations and Trends® in Machine Learning), Now Publishers, 2008. M. Mezard and A. Montanari: Information, Physics, and Computation, Oxford University Press, 2009. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] Contents 序論:確率的情報処理とベイジアンネットワーク 確率の基礎知識 確率的計算技法の基礎 ---マルコフ連鎖モンテカルロ法と確率伝搬法--- 確率的画像処理とベイジアンネットワーク ---マルコフ確率場と確率伝搬法--- 確率推論とベイジアンネットワーク---グラフィカルモデルと確率伝搬法--- まとめ April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 計算困難のポイントは何か 2L 通りの和が計算できるか? このプログラムでは L=10個のノードで1秒かかるとしたら L=20個で約17分, L=30個で約12日, L=40個で約34年かかる. 厳密に計算するのは一部の特殊な例を除いて難しい. L 重ループ マルコフ連鎖モンテカルロ法 確率伝搬法 今回 次回 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

乱数による円周率の計算(モンテカルロ法) 1 n0 m0 nn+1 -1 1 区間[-1,1]において2個の 一様乱数a,bを発生 -1 緑の四角の枠の中に ランダムに点をプロットし, 赤い円の内部の点の個数 をカウントする. a2+b2≤1 No Yes 円周率 mm+1 試行回数 n が大きいほど 精度が上がる April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

乱数による円周率の計算(モンテカルロ法) 1 1個1個の点をランダムにプロットするという試行を行った時の x 座標,y 座標の平均 0, 分散は 1/2. -1 1 ランダムに n 個プロットした標本平均は平均が 0, 分散が 1/2n (中心極限定理)なので,その確率密度関数の幅は 1/n1/2 で減少する. -1 緑の四角の枠の中に ランダムに点を n 個プロットし, 赤い円の内部の点の個数 m を カウントする. 円周率 円周率の推定誤差は O(1/n1/2) 試行回数 n が大きいほど 精度が上がる April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 積分の計算(モンテカルロ法) 1 n0 m0 nn+1 -1 1 区間[-1,1]において2個の 一様乱数a,bを発生 -1 緑の四角の枠の中に ランダムに点をプロットし, その点の被積分関数の 値を求める操作を繰り返す. mm + f(a,b) 推定誤差は O(1/n1/2) 試行回数 n が大きいほど 精度が上がる 積分が高次元でも同様 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 確率推論でよく必要となる計算 周辺確率 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 計算のポイントは 与えられた確率分布 に従うN個の独立なサンプル x を生成するアルゴリズムが作れるか? 但し,1個のサンプルを生成するための計算量は L の多項式オーダーでなければならない. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 簡単な確率過程:マルコフ連鎖 推移確率 w(x|y)≥0 (x,y=0,1) が与えられたとき 任意の P0(x) を初期値として 推移確率行列 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 簡単な確率過程:マルコフ連鎖 遷移確率行列は と対角化可能 極限分布 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 簡単な確率過程:マルコフ連鎖 定常分布または平衡分布 極限分布 が存在すれば定常分布は存在する 定常分布が存在しても極限分布が存在するとは限らない. Example は定常分布 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖の定常分布と詳細釣り合い ただし P1(x), P2(x), P3(x),…: マルコフ連鎖 詳細釣り合い を満たすように推移確率 w(x|y) を選ぶと その定常分布は P(x) になる. マルコフ連鎖の定常分布 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 が与えられたとき 確率分布 任意の を初期値として を繰り返し計算して, となるように を選ぶにはどうしたらよいか? April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 ただし P1(x), P2(x), P3(x),…: マルコフ連鎖 詳細釣り合い を満たすように推移確率 を選ぶとその推移確率 の定常分布は になる. 推移確率 の マルコフ連鎖の定常分布 極限分布がただ一つ存在するとしたら定常分布のひとつが極限分布である. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 ランダムに生成 τ が十分大きいときサンプルx[t], x[2t], x[3t], …, x[Nt] は独立 無駄弾 独立とみなせるか t をどれだけ大きくとるべきか→緩和時間     からのサンプリングとみなすことができる 精度は O(1/t1/2) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 頻度 Xi ヒストグラムから周辺確率も計算できる April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 頻度 Xi ヒストグラムから周辺確率も計算できる April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 V:すべてのノードの集合 E:すべてのリンクの集合 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

:ノード i とリンクで結ばれたすべてノードの集合 マルコフ連鎖モンテカルロ法 マルコフ確率場 E:すべての リンクの集合 :ノード i とリンクで結ばれたすべてノードの集合 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 w(x(t+1)|x(t)) x(t) x(t+1) True False xi = ○ or ● x x’ 1回の更新にかかる計算量は変数の次元 L に対してO(1) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] マルコフ連鎖モンテカルロ法 伊庭幸人, 種村正美: 統計科学のフロンティア/計算統計 II ---マルコフ連鎖モンテカルロ法とその周辺, 岩波書店, 2005. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率伝搬法 (Belief Propagation) を厳密に計算するのは一部の特殊な例を除いて難しい. 一部の特殊な例とは何か? 一部の特殊な例に適用できるアルゴリズムを一般  の場合に近似アルゴリズムとして適用できるか. → アルゴリズム化できるか?動くか? 精度はどの程度か? April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B B C D E A B B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B B C D E A B B C D E A B April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B B C D E A B B C D E A B A B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B C C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B C C D E X A B C C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B C C D E X A B C C D E B C April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E X A B C C D E X A B C C D E B C B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E A B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E A B C D E B C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E A B C D E B C D E C D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A B C D E A B C D E B C D E C D E D E April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D C E B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D A D C E C E B F B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D A D C E C E B F B F A D C E B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D A D C E C E B F B F A D D C E C E B F F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D A D C E C E B F B F A D D C E C E B F F D C E F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D A D C E C E B F B F A D D C E C E B F F D E C E F F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D C E B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D C E B F A D E = C E E F B April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D C E B F A D E = C E E F B D E = C E E F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D C E B F A D E = C E E F B D D E = = C E C E E F F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D C E B F A C D E = C E C B E F A D A C D E = = C E C E C B E F B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 A D D = = C E C E B F F E C D F A B A メッセージに 対する漸化式 C E C E B April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 A D 周辺確率のメッセージを用いた表現 C E Step 1 B F A C B C E D E F Step 2 E C D F A B E C Step 3 E C D F E C D F A B E C A B E C April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 扱いやすい確率モデルのグラフ表現 周辺確率のメッセージを用いた表現 Step 1 A D C E B F Step 2 A D C E B F Step 3 A D C E B F April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率伝搬法 (Belief Propagation) 閉路のないグラフ上の確率モデル 1 2 3 4 5 6 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率伝搬法 (Belief Propagation) 閉路のないグラフ上の確率モデル 1 2 3 4 5 6 1 2 4 3 6 5 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 閉路のないグラフ上の確率モデル 1 2 3 4 5 6 ノード1と2の周辺確率分布は それぞれ隣接するノードから伝搬されるメッセージの積により表される. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率伝搬法 (Belief Propagation) 閉路のないグラフ上の確率モデル ノード1から隣接ノード2に伝搬するメッセージは(ノード2を除く)ノード1の隣接ノードからノード1に伝搬されるメッセージの積により表される. 1 2 3 4 5 6 メッセージに対する固定点方程式 (Message Passing Rule) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 閉路のないグラフ上の確率伝搬法 閉路が無いことが重要!! 同じノードは2度通らない April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率的画像処理における 確率伝搬法(Belief Propagation) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) 着目画素とその近傍画素だけを残すと木構造になる. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) 着目画素とその近傍画素だけを残すと木構造になる. 確率伝搬法(Belief Propagation)の統計的近似アルゴリズムとしての転用 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) 2 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) 2 2 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) 1 2 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

周辺確率(Marginal Probability) 1 2 1 2 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) In the Bethe approximation, the marginal probabilities are assumed to be the following form in terms of the messages from the neighboring pixels to the pixel. These marginal probabilities satisfy the reducibility conditions at each pixels and each nearest-neighbor pair of pixels. The messages are determined so as to satisfy the reducibility conditions. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) In the Bethe approximation, the marginal probabilities are assumed to be the following form in terms of the messages from the neighboring pixels to the pixel. These marginal probabilities satisfy the reducibility conditions at each pixels and each nearest-neighbor pair of pixels. The messages are determined so as to satisfy the reducibility conditions. 1 4 5 3 2 6 8 7 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) In the Bethe approximation, the marginal probabilities are assumed to be the following form in terms of the messages from the neighboring pixels to the pixel. These marginal probabilities satisfy the reducibility conditions at each pixels and each nearest-neighbor pair of pixels. The messages are determined so as to satisfy the reducibility conditions. 2 1 7 6 8 1 4 5 3 2 6 8 7 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

正方格子によるグラフ表現をもつ 確率モデルの確率伝搬法(Belief Propagation) 3 2 1 5 4 Message Update Rule In the Bethe approximation, the marginal probabilities are assumed to be the following form in terms of the messages from the neighboring pixels to the pixel. These marginal probabilities satisfy the reducibility conditions at each pixels and each nearest-neighbor pair of pixels. The messages are determined so as to satisfy the reducibility conditions. 2 1 7 6 8 1 4 5 3 2 6 8 7 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

閉路のあるグラフ上の確率モデル の確率伝搬法(Belief Propagation) 3 2 1 5 4 2 1 3 4 5 閉路のあるグラフ上でも局所的な構造だけに着目してアルゴリムを構成することは可能. ただし,得られる結果は厳密ではなく近似アルゴリズム April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

閉路のあるグラフ上の確率モデル の確率伝搬法(Belief Propagation) 3 2 1 5 4 2 1 3 4 5 閉路のあるグラフ上でも局所的な構造だけに着目してアルゴリムを構成することは可能. ただし,得られる結果は厳密ではなく近似アルゴリズム メッセージに対する固定点方程式 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

閉路のあるグラフ上の確率モデル の確率伝搬法(Belief Propagation) 3 2 1 5 4 2 1 3 4 5 閉路のあるグラフ上でも局所的な構造だけに着目してアルゴリムを構成することは可能. ただし,得られる結果は厳密ではなく近似アルゴリズム メッセージに対する固定点方程式 平均,分散,共分散はこのメッセージを使ってあらわされる April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

Fixed Point Equation and Iterative Method April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

確率的画像処理における 確率伝搬アルゴリズムの基本構造 4近傍の場合は3入力1出力の更新式 ひとつの画素ごとに4種類の更新パターン 画素上での 動作の様子 の一例 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 閉路のあるグラフ上の確率モデル 2 閉路のあるグラフ上でも局所的な構造だけに着目してアルゴリムを構成することは可能. ただし,得られる結果は厳密ではなく近似アルゴリズム 3 4 1 5 メッセージに対する固定点方程式 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] 確率伝搬法の参考文献 田中和之著: 確率モデルによる画像処理技術入門, 森北出版, 2006. 田中和之著: ベイジアンネットワークの統計的推論の数理, コロナ社, 2009. M. J. Wainwright and M. Jordan: Graphical Models, Exponential Families, and Variational Inference (Foundations and Trends® in Machine Learning), Now Publishers, 2008. M. Mezard and A. Montanari: Information, Physics, and Computation, Oxford University Press, 2009. April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]

電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3] まとめ 確率的計算技法の基礎 マルコフ連鎖モンテカルロ法 確率伝搬法 April, 2013 電気・通信・電子・情報工学実験D [Kazuyuki Tanaka Part 3]