高度人材・中小企業活用推進事業 【大阪府商工労働部雇用推進室人材育成課】 ふるさと雇用再生基金事業 実績報告 産業振興分野 高度人材・中小企業活用推進事業 【大阪府商工労働部雇用推進室人材育成課】 事業概要 現在の厳しい雇用情勢においては、高度な教育を受けた高い専門性をもつ人材にとっても、一般の若年者と同様、就職が困難な状況が続いている。一方、こうした人材については、ハローワークのような紹介システムによるマッチングではうまく機能しないことから、高い能力や技術を活かして、中小企業との共同研究を行い、その実績や成果をもとに就職につなげることをめざすもの。 委託先 オムロンパーソネル株式会社 従業員数250人 事業実績額 2,925万円 (平成21年度) 6,184万円 (平成22年度) 6,765万円 (平成23年度) 事業実施 期間 平成21年10月 ~ 平成24年3月 雇用創出数 44人 事業終了後 継続雇用人数 7人 (他事業所での雇用:11人) 業務の内容 主に、理系のポストドクター、理系大学院を卒業したフリーター等を研究員として雇用。研究員は、次世代の収益産業と見込まれる分野への進出を予定している中小企業を中心に設定された共同研究先企業に派遣の形で就労し、研究活動に取り組む。派遣先の決定にあたっては、研究員各人の専門分野や適性、受入側企業の事業内容やニーズを考慮した。 各研究員は、派遣先企業において具体的な研究プロジェクトに参画し、専門分野にさらに磨きをかけることに加え、ビジネスマナー研修等を通じて、就職に必要なスキルについても学んだ。 また、事務スタッフとして雇用した障がい者2名が、受託事業者の事務所において勤務し、本事業の各種事務に取り組んだ。
活動紹介 事業終了後の事業継続 ・雇用継続への展開 雇用創出効果以外の 事業実施効果 ○ポストドクター等の求職中の高度人材、企業、大学研究室のそれぞれにとって、次のようなメリットがあった。 求職中の高度人材:実務を通じた技術力の向上が図れる、実務対応力が身につき企業へのアピールポイントになる 企業:実務経験のある高度人材の採用が可能になる、学力のみならず実務能力も加味して採用できる、産学連携の促進 大学研究室:産学連携の促進が図れる、学生の就業促進 ○3年間で取り組んだ研究テーマは14。 (主なもの) 無線通信および画像処理の高性能化、 超音波センサーシステム開発、 Android端末アプリケーション開発 人体測定方式によるセンシング技術開発、 省エネルギー照明機器開発、 放射線等を利用した新規医療装置開発 等 事業終了後の事業継続 ・雇用継続への展開 ○事業環境悪化の為、当該事業の継続はできなかったが、本事業の関係先事業所で6人が正社員として雇用され、1人が契約社員として雇用された。また、希望者に対しては派遣先の紹介を可能な限り行い、6人が他社で正社員として雇用された。 雇用創出効果以外の 事業実施効果 ○放射線を利用した医療装置開発をめざして、大学と連携して取り組んだ研究テーマからは、放射線治療技術の効果検証を 経て、他の治療方法との差別化を確立できた。これにより、従来のがん治療機器より、遥かに小型化と費用低減を実現できる 可能性が開けたと考える。 この実用化が図られれば、より多くの府内中小企業が医療機器開発に参入できると見込まれ、産業活性化が期待される。