気候変動交渉: 森林吸収源、土地セクター、REDD+ 2015年 2月 3日、東京 IGES/GISPRI 共催 COP20報告シンポジウム

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生物多様性保全推進支援事業 1.地域における生物多様性の保全再生に資する活動への支援
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気候変動交渉: 森林吸収源、土地セクター、REDD+ 2015年 2月 3日、東京 IGES/GISPRI 共催 COP20報告シンポジウム   気候変動交渉: 森林吸収源、土地セクター、REDD+ 2015年 2月 3日、東京 IGES/GISPRI 共催 COP20報告シンポジウム 林野庁 森林利用課 森林保全推進官 佐藤雄一

ワルシャワから、リマへ COP19 ADP/SB COP20 REDD+ 2013年12月 ワルシャワ 2014年6月 ボン 9月 NY 気候サミット 12月 リマ COP20 土地セクター 土地セクター・ 森林ハイレベル パネル 技術専門家 会合(TEM) - 土地利用 - 気候行動のためのリマ声明 High-level Panel Event on the Land Sector and Forests TEM (land use) : FCCC/TP/2014/13/Add.1 ダイアローグ、ワークショップの開催、レポートの公表 FOEN “Options and Elements for an Accounting Framework for the Land Sector in the Post-2020 Climate Regime” : GHG Management Institute “Understanding Land Use in the UNFCCC” : Meridian Institute “Land Use in a Future Climate Agreement” : OECD “Planting the Foundations of a Post-2020 Land Sector Reporting and Accounting Framework” IPCC AR5 WGII WGIII SYR REDD+ ワルシャワ REDD+枠組み 「森林のためのニューヨーク宣言」 リマREDD+ 情報ハブ Warsaw Framework for REDD-plus UN ”FORESTS Action Statements and Action Plans” Lima Information Hub for REDD-plus

『リマ声明』での土地セクター 気候行動のためのリマ声明(Lima call for climate action、2014年12月) 本文パラ14. 約束草案を提出する際に示す情報(事前情報)には、人為的な温室効果ガスの 排出及び、適切であれば、吸収を含む。 (…… including those for estimating and accounting for anthropogenic greenhouse gas emissions and, as appropriate, removals, …… ) 別添 「新たな枠組みの交渉テキスト案の要素」(Elements for a draft negotiating text) 「J. 行動と支援の透明性」(J. Transparency of action and support) 土地セクター(..land sector..)、土地利用変化及び林業(..land use change and forestry..)                                                など

土地セクターとは REDD+ 『土地セクター』とは、ほぼ、 農業 森林等吸収源 FAO FRA2005 (注)ただし、各国により解釈は異なる。 FAO FRA2005 LULUCF(Land Use, Land Use Change and Forestry) 土地利用、土地利用変化及び林業 FOLU (Forestry and Other Land Use)         林業及びその他土地利用 AFOLU (Agriculture, Forestry and Other Land Use) 農業、林業及びその他土地利用

土地セクター 特性/切り口 排出源 ・ 吸収源 : 吸収源になりうる。 先進国 ・途上国 : 途上国が参加する仕組。 土地セクター 特性/切り口        排出源 ・ 吸収源  : 吸収源になりうる。        先進国 ・途上国  : 途上国が参加する仕組。        係数が単一・多様 :  係数が多様。(例)森林=気候帯×大陸×樹種群         特定の場所・      面的に広く、関係者が多数・多様。             広い地域 :                      コンセンサス・インセンティブ構築が重要。        コベネフィット・          負のインパクト:  生物多様性保全、先住民の権利、食糧安全保障。                    自然現象の影響を受けやすい。        生態系システム  :                        応答に時間を要する。適応対策に、長期的視野。        透 明 性     :  手法・方法論の透明性を高める。                    :  各国の国情(national circumstances)と比較可能性。                      日本、UG(米・加・豪・NZ等)、欧州、途上国各グループ 緩和 適応 情報 アカウンティング

IPCC第5次評価報告書(IPCC AR5) – 部門別のGHG排出量 - AFOLU(農業、林業、その他土地利用)からの排出が全体の1/4。 新規植林、持続可能な森林経営、森林減少の抑制、農地・草地管理といった土地利用部門での対策を組み合わせるアプローチが、費用対効果が高い。 IPCC AR5 第3作業部会報告書 図 SPM.2

19世紀にはForestry and other land use (林業及びその他の土地利用)からの排出がほとんど。     IPCC AR5 – CO2の排出量 - IPCC AR5 SYR Figure SPM.1 (d) 19世紀にはForestry and other land use (林業及びその他の土地利用)からの排出がほとんど。   現在では化石燃料等からの排出が急増。 排出は、大気、海洋と共に、陸域に吸収される。 IPCC AR5 WGI Figure TS.4 (Bottom)

IPCC AR5 – オーバーシュートシナリオ - IPCC AR5 第3作業部会報告書 図 SPM.7 オーバーシュートシナリオは、BECCSや植林の利用と広範な普及を前提。 CCSを使わない場合は、AFOLUの部門で(=植林によって)、大気中からCO2を吸収することが必要。 IPCC AR5 第3作業部会報告書 図 SPM.5

REDD+ - 主な交渉の経緯 - COP11 2006年 カナダ・モントリオール ■ PNGとコスタリカが、REDDの概念を共同提案。 森林減少・劣化の    ドライバーは複合的  ・焼畑、薪炭採取、過放牧  ・違法伐採、過度な伐採  ・森林・泥炭地火災  ・過度な農地拡大  ・過度な鉱物採掘 COP11 2006年 カナダ・モントリオール   ■ PNGとコスタリカが、REDDの概念を共同提案。 COP12 2007年 インドネシア・バリ   ■ 「バリ行動計画」、REDD+を将来枠組みの対象。 COP16 2010年 メキシコ・カンクン   ■ 「カンクン合意」、REDD+の基本事項が決定。 COP17 2011年 南ア・ダーバン   ■ セーフガード、森林参照(排出)レベルの基本的技術指針。 COP19 2013年 ポーランド・ワルシャワ   ■ 「REDD+のためのワルシャワ枠組」、実施のためのパッケージ合意。  COP20 2014年 ペルー・リマ   ■ 「リマREDD+情報ハブ」、実施のための情報の透明化。 

REDD+ - リマREDD+情報ハブ - リマREDD+情報ハブ(Lima Information Hub for REDD plus) 【 「情報ハブ」の情報 】 MRVによる各期間の実績(CO2トン)、評価レポート 森林参照(排出)レベル、評価チームによる報告書 セーフガードの対処・配慮 国家REDD+戦略・行動計画 国家森林モニタリング 【期待する効果】 各国のREDD+の取組の進捗が把握でき、透明性が向上 各国の取組への支援、結果へのインセンティブ付与の公平な取扱いが期待 課題の特定が容易になり、効果的な支援、リスクへの対処・低減が期待

REDD+ - リマREDD+Day - GCF SCF 気候サミット(9月)『森林のためのニューヨーク宣言』など、様々な活動の紹介。        ・・・2030年までに天然林消失をゼロ。オイルパーム、大豆等の農産物生産に        伴う森林減少を2020年までに食い止める。・・・ 『国家森林参照レベル  提出セレモニー』  ブラジル(6月)に続き、コロンビア、メキシコ、マレーシア、ガイアナが参照レベルを提出。 成果ベースの資金 (results-based finance) に向けて、途上国は準備を進めている。 公的資金 民間資金 多国間 二国間 SCF GCF 資金制度(支援の調整等) ブラジルの森林参照レベル

ご清聴ありがとうございました。