TOBAの現状と今後の計画 坪野研輪講 2012年2月22日 岡田健志
Index TOBAについて 現状 各種の雑音 今後の計画
Index TOBAについて 現状 各種の雑音 今後の計画
ねじれ振り子型重力波検出器(TOBA) h ~θ →重力波の潮汐力を棒の回転 として読み取る検出器 テストマスの浮上: ・ ワイヤーで支持 ・ 超電導磁気浮上 回転の読み取り: マイケルソンレーザー干渉計 もしくはファブリーペロー干渉計 高感度が得られる ただし線形レンジがせまい →棒を制御する必要 →制御の雑音
原理雑音 Q 値 : 105 , レーザー : 1064 nm, 10W 長さ :10m, 温度 : 4K 重さ : 7600 kg キャビティ長 : 1 cm フィネス : 100 散逸 : 10-10 しかし、 制御の雑音は? 地面振動カップリング雑音(後述)は?
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実験装置 ワイヤー :φ60 μm ダンピングマス: Φ30mm 厚さ8mm テストマス 重さ:131 g 慣性モーメント: 9cm ダンピングマス: 7cm Φ30mm 厚さ8mm 18cm テストマス 重さ:131 g 慣性モーメント: 4.25x10-4 kg m2 片面が鏡面加工
0.1 Hz で h ~ 10 -8 現在の感度 0.1 Hz以下で超電導磁気浮上での ベスト感度とほぼ一致 ダンピングマスの 回転の共振 テストマスの並進の共振 0.1 Hz で h ~ 10 -8
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地面振動カップリング雑音 地面振動 伝達関数(m/m) 0.1 Hz 以下で h : 10-8 ~ 10 -9 地面振動カップリング雑音
地面振動カップリング雑音を低減するには h ~ 10 -11 h ~ 10 -13 地面振動の小さい場所へ移動 神岡へ移動すれば2桁低減 神岡へ移動すれば2桁低減 腕の長さを大きくする 現在:20cm → 10m で約2桁ほど低減 並進運動を制御する 1,2桁くらい低減できるのでは カップリングを小さくする 鏡面加工のテストマスを使ったが 1Hz以下で改善していない 並進をモニターしてさっぴく XYZのカップリング率を正確に測定するのは難しい? h ~ 10 -11 h ~ 10 -13
回転の地面振動による雑音
磁場雑音 磁気シールドの効果 アクチュエート用の磁石(長さ5mm半径1mm×2)が 外部磁場の影響を受けテストマスが揺らされる 一桁以上低減 (センサーノイズによってリミット) 磁場とのコヒーレンスなし
レーザーの雑音 テストマスを固定ミラーにしてピエゾを使ってミッドフリンジにロックしてレーザーの雑音を測定 現状では問題なし
制御の雑音 必要な回路は三つ オフセット・アンプ回路 フィルター回路 コイルドライバ
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円筒型静電アクチュエータによる並進制御 神岡で10mにしてもh ~ 10-13にしか ならない → 並進制御するべき ここで円筒型の静電アクチュエータ で並進制御することを考える A B AC、BDでそれぞれ X方向、Y方向を制御 D C 回転の制御 コイルコイルアクチュエータで制御することが望ましい しかし今は雑音が大きいのでコイルマグネットアクチュエータを用いる
コイルマグネットアクチュエータで並進を制御する場合 なぜ円筒型の静電アクチュエータ? コイルマグネットアクチュエータで並進を制御する場合 磁石が増えて磁場雑音が増加 それぞれのアクチュエータ間でカップリングが存在 通常の静電アクチュエータで並進を制御する場合 極板の面積を大きくするにしたがってガスダンピングが増大 インジェクション電圧を大きくするほどstiffnessが増加する 円筒型の静電アクチュエータの場合これらの問題がない
目標 並進制御を目的とするのでテストマスは あまり大きくせず30 cm程度とする
まとめと今後 今のワイヤー懸架の20cmTOBAでは並進の地面振動と不明の雑音によって感度がリミットされている 他のアクチュエータにある欠点を回避するため円筒型アクチュエータを用いて並進制御をすることで感度を1,2桁向上させたい 平行して不明の雑音も特定して可能であればこちらも1, 2桁程度低減させたい
END
制御の必要のない回転センサー 5 nrad /Hz ½ (1 ~ 0.01 Hz) 1 nrad /Hz ½ (1 ~ 0.01 Hz) 二つの非平行ビームとQPDを用いた回転センサー ヘテロダイン干渉計を用いた回転センサー 感度: 5 nrad /Hz ½ (1 ~ 0.01 Hz) 感度: 1 nrad /Hz ½ (1 ~ 0.01 Hz) →重力波検出器では不十分