2012年夏までの成果: ヒッグス探索で新粒子発見!

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想定問答 (1) 前の特定領域科研費(ヒッグス超対称性)の延長ではないのか? 前の特定領域科研費の目的は、エネルギーフロンティアの LHC 実験と低エネルギーでの大強度実 験 MEG の2つを行うことにより、ヒッグス粒子や超対称性を発見し、関係する理論研究を総結集 して研究を広げようというものでした。お陰さまで両実験とも準備が万全に整い、期間内に実験.
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2012年夏までの成果: ヒッグス探索で新粒子発見! LHCStartUp2012-higgsV1JA0, http://atlas.kek.jp/sub/poster/index.html 2012年夏までの成果: ヒッグス探索で新粒子発見! ヒッグス粒子の崩壊比 崩壊比×生成断面積 標準理論ではヒッグス粒子の質量はわからないが、質量が決まれば、それがどのぐらいの頻度で作られるか、どのように崩壊するかを予言できる。それをもとにLHCでは100GeV-1,000GeVの範囲を広く探索し、データの蓄積と共に年々感度を上げてきた。そして2012年7月、126GeV付近についに新粒子を発見した! 2011年6月 2011年12月 2010年 H→ γγ 2012年7月 H→ ZZ 2012年7月 4μ candidate with m4μ= 125.1 GeV pT (muons)= 36.1, 47.5, 26.4, 71 .7GeV m12= 86.3 GeV, m34= 31.6 GeV 15 reconstructed vertices H→ ττ 2010年 2011年7月 2012年3月 H→ WW 2012年7月 すべての崩壊モードを総合した結果 2012年夏までのデータで、126GeV付近にγγ およびZZ*に崩壊する新粒子を発見した。 Γγに崩壊するからこの粒子のスピンは1ではない。               ←ヒッグス粒子のスピンは0 標準理論のヒッグス粒子ならばそれぞれの崩壊モードでのSignal Strengthは1になる。           ←  とりあえず満たしている → この新粒子はヒッグス粒子の性質を持っているようだ。しかし、多くのデータを使ったさらなる検証が必要。 競争相手(CMS)の結果 CMS実験も同様に、125GeV付近に新粒子を発見したという結果を出してきている。ATLASと同じようにγγへと、ZZへの崩壊でこの領域にピークが見えている。 ついに5σを超える発見(5.9σ)!