超伝導磁気浮上を用いたねじれ振り子について

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超伝導磁気浮上を用いたねじれ振り子について 岡田健志 2011 6 22 坪野研輪講

Introduction 超伝導ピン止め効果による力 (frozen image法) 超伝導磁気浮上におけるseismic noise 超伝導磁気浮上におけるmagnetic noise 2m スケールTOBA実験案

Principle of Torsion-bar Antenna (TOBA) IFO detector TOBA GW GW x y z x y z mirror mirror Laser Torsion bar mirror mirror photodetector Detect differential length change Detect rotation 現在、超伝導ピン止め効果で浮上させた20cmのテストマスによるTOBAで実験中

超伝導ピン止め効果による浮上力の計算 Frozen image 法 超伝導体によるscreening currents →diamagnetic mirror image (超伝導体の面に関して対象となるよう動く) 超伝導体による磁場のトラップ →frozen image(静止) 磁石を多数のコイルに置き換えてコイル間の力を足し合わせる コイルの電流は磁石の表面磁束密度により計算

超伝導ピン止め効果による浮上力の計算 コイル間にかかる力 ・ 上下方向 ・ 横方向 それぞれの場合でコイル間の力を足していく

超伝導磁ピン止め効果による浮上力 超伝導バルク Gd-Ba-Cu-O φ60 mm, t20mm Y ネオジウム磁石 Z 表面磁束密度 : 0.37 T テストマス Z 方向の力 Y 方向の力 ばね定数 kz= 3.52 ×103 [N/m] kY= 1.76 ×103 [N/m] kz / kY = 2.02±0.02 ← J.R. Hull and A. Cansiz, J. Appl. Phys. 86 (1999) 6396

超伝導磁ピン止め効果による浮上力 ただし、テストマスは自重により下がる テストマスの重さ : 131 g → 0.4 mm 下降 このとき kZ’ = 2.75 × 103 N/m (22%減) kY’ = 1.62 × 103 N/m (8%減) 自重で下がる場合にはkZ=2 kYからずれる

現在の雑音レベル 外部磁場による雑音 地面振動による雑音

地面振動に起因したセンシング雑音 石徹白さんのD論より引用 鏡の角度のずれより並進方向の揺れが 光路変化に変化 図のようなモデルより地面振動から 並進方向の揺れへの伝達関数の理論値を得る 地面振動による雑音 地面振動から並進方向の揺れへの伝達関数 石徹白さんのD論より引用

外部磁場による雑音 磁場のDC成分はカット 深夜1:30 ~ 4:30 に外部磁場の揺らぎが低減 千代田線: JR常磐線各駅停車 金町〜松戸駅間で沿線火災のため、JR常磐線各駅停車との直通運転を中止  (01月14日 13時24分 ~ 14時24分)

m Z M m X m Y 外部磁場による雑音 Magnet Magnetic moment Nd, φ22×10 Test mass と近似 Test mass 外部磁場による雑音 30%ほどのずれ → センサーのキャリブレーションの誤差 →伝達関数測定時の誤差 →上式の近似の不正確さ

2m TOBAの実験案 腕の長さ: 20 cm → 2 m 質量: 130 g → 500 g (腕をパイプにして軽くする) 腕が重いと自重で曲がる可能性あり。しかし内部共振で揺れることも考えられる。 慣性モーメント: 3.25 × 10-4 kg m2 → 2 × 10-2 kg m2 (テストマスの下部にも磁石をつけ超伝導でピン止め →並進の振動を低減)

2m TOBAの実験案 腕の長さと慣性モーメント の増加による感度の向上 の目安 0.1 Hz で 4 ×10-10 Hz1/2 Ωgwに対するアッパーリミット :4 × 1015 (石徹白さんの結果より2~3桁向上) 下方の超伝導バルクでのピン止め効果による防振効果は計算中