2007.4.18 DECIGO Workshop DECIGO:衛星設計/検討の進め方 JAXA宇宙科学研究本部 船木一幸
Objective DECIGO衛星本体については、具体的な設計はほとんど行われていない。 S/C 3 DECIGO衛星の概念設計を進めるにあたって、エンジニアサイドが必要とする項目を整理して、サイエンス側へ情報提供を求める。 S/C 1 S/C 2 基線長 1000km, フィネス 10 の腕共振器 直径 100cmの鏡 テストマス DECIGOの概念図 安東, 4th DECIGO Workshop, 2006
Outline DECIGOの仕様 Spacecraft Configuration L点/地球ドリフト軌道へ投入可能な重量 ミッションシーケンス システム構成・電力・Mass Budget 今後の作業方針 上記リストの中身が検討されていると良かったのですが、現状では、考えなくてはならない項目を並べただけです。。 とても大胆な仮定に基づいて、推定している数値があります。どんどん間違いを指摘してください。
DECIGOの仕様 全体 打ち上げ時期は、2024年頃(ミッションライフ3年程度) H-IIA202を想定 衛星寸法:φ4m×9m 質量:2,000kg程度(3機の子衛星と推進モジュールから構成される) 軌道:地球ドリフト軌道(≒LISA)、または、太陽・地球系ラグランジュ点(L点)ハロー軌道 消費電力:3kW程度(子衛星1機あたりで800W程度) ミッション部 Fabry-Perot共振器型重力波望遠鏡 バス部 太陽電池パドル(各子機で>800W) 姿勢制御系:IRU/RW/RCS統合制御系、および、μスラスタによるdrag-free制御 推進系:2液式RCS(20N/1Nそれぞれ複数機, Isp=310s) 通信/データ処理系
Spacecraft Configuration (1) f 4m f 5m 1.5m 15m 子機 8m 7.5m 3m 推進モジュール H-IIAフェアリングサイズ DECIGOの3つの子機と推進モジュール
Spacecraft Configuration (2) ミッション系リソース把握のために必要な検討 ミラー(100kg, f1m) ミラーとミラークランプの構造と質量、設置位置 熱および光シールドの必要性 レーザーおよび電源の質量ならびに電力 その他、ミッション系の大規模構造物や大電力(10W以上)が必要なものがあれば、リストアップ この他、 姿勢制御系/推進系に必要なリソース 通信/データ処理系に必要なリソース がわかれば、大まかな衛星設計が可能 子機モジュールの1つ
L点/地球ドリフト軌道へ投入可能な重量 太陽・地球系のL点 地球ドリフト軌道(LISA) H-IIA標準型を用いると、2,000kg程度の衛星を軌道投入可能 子機が3機とすると、各機700kg弱の20%程度が、各子機のサイエンスペイロード 電気推進の導入や軌道最適化で、ペイロード率はもう少し向上するが、結構厳しいのが現状 太陽 地球 太陽・地球系のL点 地球ドリフト軌道(LISA)
想定するミッションシーケンス H-IIAにて打ち上げ後、太陽・地球系L点ハロー軌道(または地球ドリフト軌道)投入に100〜300日程度。この間子機は連結したまま。 目標軌道(付近)へ投入後、3つの子機を分離 3つの子機の距離と姿勢を確立後、機器を徐々に立ち上げて、ドラッグフリー制御と重力波の観測を開始 データはHigh Gainアンテナにより可視中(1日に5〜6時間程度)にダウンロード 約3年間の観測を実現する
システム構成/電力・Mass Budget 各子機は次のようなシステム/電力/質量構成か? ミッション系 ミラー 200kg レーザー電源 50kg コントローラ/ドライバ 15kg バス系 電源 60kg 姿勢制御 80kg 通信 30kg 熱制御 60kg データ処理 20kg 推進系 120kg 構造 200kg 各子機の質量 845kg
今後の作業方針 ミッション系の情報(質量・電力・形状)をいただいた上で、今後1年を目処に、DECIGOの概念設計(ミッションシーケンス、衛星コンフィグレーション、各サブシステムの重量電力リソース見積)を行う DECIGO-WGの工学系メンバー3〜4人をコアに、サイエンス、通信、データ処理、構造、熱、電源、軌道計画、推進の各専門家の意見も聞きながら進める 姿勢系(formation flight + drag-free)の成立性が最大の課題だが、ミッションに必要な重量リソースを整理することも重要 衛星設計の観点から、(H-IIA1機、フルペイロード打ち上げによる)DECIGOの成立性を判断して報告