研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室

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硬 X 線で探るブラックホールと銀河の進化 深沢泰司(広大理) 最近の観測により、ブラックホールの形成と 銀河の進化(星生成)が密接に関係することが わかってきた。 ブラックホール観測の最も効率の良い硬 X 線で 銀河の進化を探ることを考える。 宇宙を構成する基本要素である銀河が、いつ どのように形成され、進化してきたか、は、宇宙の.
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研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室 これは日本国民の年収の分布です。ガウス分布をしたサラリーマンと「べき分布」(直線)をした高額所得者のふたつの成分があることがわかります。なぜ高額所得者が発生するのでしょう?あなたはどっちに将来はいるのでしょう? 右図は天体から来る光子数のエネルギーごとの分布(スペクトル)です。パルサーをはじめ多くの天体からやってくる光子はこのようにサラリーマンの分布に相当する熱的分布と高額所得者に相当する非熱的な、超高いエネルギーの分布を持っています。いったいどんなメカニズムで宇宙で超高エネルギー光子、そしてそのもとになる超高エネルギー粒子がつくられるのでしょう。これが研究の主テーマです。

A B A:質量の大きな恒星は最期に超新星爆発を起こしこのような星雲を作り、中性子星やブラックホールを残します。B:中心星からは高速に加速された電子が放出されます。その速さは光の速さの 99.99・・・%(9が12個も続きます)にもなり、相対性理論の効果でその質量は静止質量の100万倍にもなっています。。 C:2008年から活躍を始めたフェルミ=ガンマ線望遠鏡はガンマ線を放射する天体をたくさん見つけています。 私たちはこのような高エネルギー天体を観測し、データ解析し、理論モデルを構築し、なぜこのような活動的な宇宙になっているのか?を研究します。 D C 電気と磁気と荷電粒子の集団運動が鍵をにぎっています。 D:コンピューターシミュレーションをおこないながら高エネルギー粒子の加速機構をさぐってゆきます。Dはパルサーの磁気圏でアウターギャップという粒子加速領域が発生することを世界で始めて再現したわたしたちの計算です。