Flavor Symmetry Breaking on Orbifolds

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Flavor Symmetry Breaking on Orbifolds 吉岡 興一 (京大理) Phys.Rev. D78 (2008) 115006 with 小林 達夫 (京大理)、大村 雄司 (KIAS)

動機と目標 実験結果 質量行列 Flavor alignment Tri-Bimaximal 型の 世代混合 5次元 の性質  実験結果  質量行列 U_\text{MNS} \,= \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{6}} & \frac{1}{\sqrt{3}} & 0 \\[2mm] \frac{-1}{\sqrt{6}} & \frac{-1}{\sqrt{2}} \\[2mm] \frac{1}{\sqrt{2}} \end{pmatrix} M_\nu \;=\; \frac{m_1}{6} \begin{pmatrix} 4 & -2 & -2 \\ -2 & 1 & 1 \\ -2 & 1 & 1 +\frac{m_2}{3} 1 & 1 & 1 \\ 1 & 1 & 1 \\ 1 & 1 & 1 +\frac{m_3}{2} ~~ & & \\ & 1 & \!-1 \\ & -1 & 1 \langle\,\phi\,\rangle \;\propto\; (2,-1,-1)\,, \;\; (1,\,1,\,1)\,, \:\; (0,\,1,\,-1)\,, \ldots Flavor alignment 5次元 の性質 スカラー真空期待値 ( Haba-Watanabe-KY, PRL 97 (2006) 041601 )

やること Flavor symmetry Flavor sym breaking on Orbifolds (non-Abelian) (S_3,\;A_4\;\ldots) Flavor alignment の実現 Alignment の安定性 (= 補正項の抑制) 複雑な (人為的な) ポテンシャル構築は不要

… 高次元 (orbifold) 境界条件 スペクトラム etc 有限な余剰空間: (例) ただし 等の 無矛盾条件 がある \phi_i(-x_5)\,=\,\textcolor[rgb]{1,0,0.4}{Z_{ij}}\,\phi_j(x_5) \phi_i(x_5+L)\,=\,\textcolor[rgb]{1,0,0.4}{T_{ij}}\,\phi_j(x_5) TZ\,=\,ZT^{-1} ( Kaluza-Klein モード展開 ) スペクトラム etc ただし        等の 無矛盾条件 がある

境界条件と alignment 多成分スカラー (flavor sym breaking) 期待値 = 0 Neumann 条件 zero mode + massive KK modes 期待値 = 0 Neumann 条件 Dirichlet 条件 期待値 = 0 massive KK modes 1成分のみ zero mode を持つような境界条件 Flavor alignment また、無矛盾条件を満たすこと Flavor 群や Orbifold の種類による

具体例 : A4 flavor symmetry A4 群 Orbifold 3次元表現 1つ 1次元表現 3つ 3次元表現 1つ 1次元表現 3つ Orbifold 1,\;\;P,\;\;R,\;\;PR,\;\;R^2,\ldots,\;\;R^2PR \textcolor[rgb]{1,0.4,0}{P} \textcolor[rgb]{0.2,0.2,1}{R} T^2/Z_2 T\,, \;\, T' Z_n = fixed points

スカラー期待値 の 3表現スカラー 無矛盾条件 Alignment 解 期待値 : 並進(の表現行列) : 回転( ″ ) \langle\phi\rangle (Z_2)^2=1 (Z_2T')^2=1 (Z_3)^3=(Z_3T)^3=1 Z_3T=T'Z_3 TT'=T'T (Z_4)^4=1 (Z_4^2T)^2=1 Z_4T=T'Z_4 (Z_2)^2=(Z_2T)^2=(Z_2T')^2=1 (Z_3)^3=(Z_3T)^2=1 Z_2Z_3=Z_3Z_2 Z_2,\,T,\,T' = 1 \;\,\text{or}\;\, P Z_3,\,T,\,T' = 1 \;\,\text{or}\;\, R Z_4,\,T\;(=T') = 1 \;\,\text{or}\;\, P Z_2=P, \quad Z_3=T=T'=1 Z_3=R, \quad Z_2=T=T'=1 \textcolor[rgb]{1,0,0.4}{(v,\,0,\,0)} \textcolor[rgb]{0.2,0.2,1}{(v,\,v,\,v)} : 並進(の表現行列) : 回転(  ″  )

モデル 境界条件 unique Tri-Bimaximal 質量行列は 世代混合 4次元 \textcolor[rgb]{1,0,0.4}{T^2\!/Z_2} \begin{array}{c|cccccc|cc} & \ell & e_1 & e_2 & e_3 & h & \eta & \phi & \phi' \\[1mm] \hline A_4 & 3 & 1 & 1' & 1'' & 1 & 1 & 3 & 3 \\[1mm] Z & \omega & \omega & \omega & \omega & 1 & \omega & \omega & 1 \end{array} {\cal L} \;&=\; (y_1\bar e_1\ell\phi' +y_2\bar e_2\ell\phi'+y_3\bar e_3\ell\phi') h \\[2mm] &\qquad\quad +f_1\phi\overline{\ell^c}\ell h^2 +f_2\eta\overline{\ell^c}\ell h^2 \phi(-z) \,=\, P\,\phi(z) \phi'(\omega z') \,=\, R\,\phi'(z') \langle\phi\rangle \,\,=\> v\,(1,\,0,\,0) \langle\phi'\rangle \,=\, v'(1,\,1,\,1) M_e \,\propto\, \begin{pmatrix} y_1 & y_1 & y_1 \\ y_2 & \!\!\omega^2 y_2\!\! & \omega y_2 \\ y_3 & \omega y_3 & \!\omega^2 y_3 \end{pmatrix} \qquad M_\nu \,\propto\, \begin{pmatrix} f_2\eta & & \\ & \!\!\!f_2\eta & \!f_1v \\ & \!\!\!f_1v & \!f_2\eta \end{pmatrix} unique 質量行列は Tri-Bimaximal 世代混合

(cf.) 4次元モデルのポテンシャル MSSM に加えて… extra scalars Altarelli et al. hep-ph/0512103 MSSM に加えて… extra scalars \begin{tabular}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|} & $h_{u,d}$ & $\varphi_T$ & $\varphi_S$ & $\;\xi\;$ & $\;\tilde{\xi}\;$ & $\varphi_0^T$ & $\varphi_0^S$ & $\xi_0$ \\[1mm] \hline $A_4$ & $1$ & $3$ & $3$ & $1$ & $1$ & $3$ & $3$ & $1$ \\ \hline $Z_3$ & $1$ & $1$ & $\omega$ & $\omega$ & $\omega$ & $1$ & $\omega$ & $\omega$ \\ \hline $U(1)_R$ & $0$ & $0$ & $0$ & $0$ & $0$ & $2$ & $2$ & $2$ \\ \end{tabular} W &\;=\; M\, \varphi_0^T \varphi_T+ g\,\varphi_0^T \varphi_T\varphi_T +g_1\varphi_0^S \varphi_S\varphi_S+ g_2\,\tilde{\xi}\varphi_0^S \varphi_S+ g_3\,\xi_0\varphi_S\varphi_S \\[2mm] & \qquad\qquad +g_4\,\xi_0 \xi^2+ g_5\,\xi_0 \xi \tilde{\xi}+ g_6\,\xi_0 \tilde{\xi}^2 V \,=\, \sum_i\left\vert\frac{\partial W}{\partial \phi_i}\right\vert^2 +m_i^2 \vert \phi_i\vert^2+\cdots \varphi_T \,=\, (v_T,0,0) \varphi_S\,=\,(v_S,v_S,v_S)

Alignment の安定性 × × Flavor sym は、どの fixed point 上 でも破れている SM × Flavor sym は、どの fixed point 上 でも破れている Alignment (Tri-Bimaximal 混合) は 大きく乱される Z_2=P, \quad T=T'=1 Z_3=R, \quad T=T'=1 Z_2=1, \quad T=T'=P Z_3=1, \quad T=T'=R SM × Flavor sym は "hidden sector" で 破れている Alignment (Tri-Bimaximal 混合) は locality で守られる

まとめ ニュートリノ世代混合は flavor alignment を 示唆している 世代をつなぐ対称性とその破れが重要  示唆している 世代をつなぐ対称性とその破れが重要 高次元における破れと flavor alignment Orbifold 上の境界条件 無矛盾条件より、破れ方 (alignment) はごく少数 ポテンシャル構築や解析が不要 補正の抑制