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北大MMCセミナー 第65回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年4月20日(木) 16:30~18:00 Speaker: 後藤田 剛(北海道大学電子科学研究所) Takeshi Gotoda (Research Institute for Electronic Science, Hokkaido University) Place: 電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館                 5F北側講義室(北12条西7丁目) Title:二次元Euler-Poincaré方程式の測度値解とエンストロフィー散逸の数学解析 Anomalous enstrophy dissipation via measure valued solutions of the 2D Euler-Poincaré equations アブストラクト: 等高線法を用いた結晶のスパイラル成長の数理モデルを用いて、共回転対と呼ばれる、 同じ回転方向を示すらせん転位の対による結晶表面の成長速度について考察する。 Burton-Cabrera-Frankによると、対の距離がある臨界距離より遠い場合は 単独のらせん転位による結晶表面の成長と見分けが付かないとされる。 他方その臨界距離より近い場合は、対を限りなく近づけた時の成長速度が 単独のらせん転位の2倍になるとされるが、その中間の距離において 成長速度がどうなるかという評価式は与えられていない。 そこで上記の事実について数値計算実験を行った結果、臨界距離にずれがあることを発見した。 そこで共回転対による成長速度の評価を行い、その観点から臨界距離の新しい定義とその数値を与え、 これが数値計算実験の結果と非常に良く合うことを報告する。 評価と臨界距離の改善において重要な役割を果たしたのは単独のらせん転位により 与えられるスパイラルステップの回転速度で、Burton-Cabrera-Frankはこれを アルキメデスのらせんによる近似から計算していた。この結果をより精度の良いものに 改めることによりある程度の指標となる成長速度の評価式を得ることができた。 Abstract: 乱流現象はNavier-Stokes方程式の粘性ゼロ極限における解によって記述できると期待されている. 特に二次元において乱流状態を維持するにはその粘性極限で流体のエンストロフィーが散逸していることが重要であるとされている. しかし, 非粘性流体の運動を記述する二次元Euler方程式の解については, その渦度が一般には可解性が知られていないラドン測度のような空間に属さない限り散逸が起きないことが証明されており, このような散逸的弱解の構成には困難が伴う. 本研究ではEuler-Poincaré方程式と呼ばれる正則化Euler方程式を利用した散逸的弱解の構成に取り組んでいる. 本セミナーでは二次元Euler-Poincaré方程式のラドン測度空間での時間大域的可解性を解説し, 特に二次元Euler-α方程式の点渦解に注目したエンストロフィー散逸解の構成についてお話する予定である. 連絡先: 北海道大学電子科学研究所           附属社会創造数学研究センター           人間数理研究分野 長山 雅晴  内線: 3357 nagayama@es.hokudai.ac.jp