温暖化・大気組成変化相互作用モデル グループの現状と課題について

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温暖化・大気組成変化相互作用モデル グループの現状と課題について 地球フロンティア研究システム 滝川雅之 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

温暖化・大気組成変動相互作用について IPCC 2001 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

上部対流圏から下部成層圏でのオゾン変動を正確に評価することが重要 オゾン変動の地表気温への影響 カラム数密度10DU相当の変化を与えた場合 その場のオゾン量を10%増加した場合 Forster and Shine (1997) 上部対流圏から下部成層圏でのオゾン変動を正確に評価することが重要 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

温暖化・大気組成変動相互作用には HOx (OH) が重要 温暖化・大気組成変動相互作用概念図 CO NMHCs CO2 O3 NOx HOx CH4 H2O2 H2O SO2 sulfate 温暖化・大気組成変動相互作用には HOx (OH) が重要 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

成層圏での水蒸気量は、極域での PSC およびオゾンホールに影響大 CH4 sink (TgCH4/yr) Soil 30 Tropospheric OH 506 Stratospheric loss 40 Total 576 成層圏での水蒸気量は、極域での PSC およびオゾンホールに影響大 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

循環場が変わると雷による NOx 生成も変化する? NOx source (TgN/yr) Fossil fule 33.0 Aircraft 0.7 Bimass burning 7.1 Soils 5.6 Lightning 5.0 Stratosphere <0.5 Total 51.9 循環場が変わると雷による NOx 生成も変化する? 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

本グループの目標 光化学結合大気大循環モデル(CCSR/NIES AGCM + 成層圏・対流圏光化学モデル)の開発 高分解能モデルを用いた成層圏・対流圏物質循環の定量的評価 光化学結合大気大循環モデルを用いた温暖化予測 エミッションシナリオに基づく大気質予測 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

対流圏光化学モデル(CHASER)の現状 水平解像度: T21(5.6度)/T42(2.8度) 鉛直分解能: 32層(大気上端は高度35km程度) 移流スキーム: Flux-Form Semi-Lagrangian [Lin and Rood, 1996] 放射スキーム: DOM+k-distribution [Nakajima et al., 1996] 化学スキーム: 高度20km程度までの光化学反応を考慮 [Sudo et al. 2001] 化学種: 51種類 気相反応: 94種類 光解離反応: 24種類 液相反応: 4種類 不均一反応: 1種類 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

ENSO・大気組成変動相互作用 Sudo et al. (2001) 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

成層圏光化学モデルの現状 水平解像度: T21/T42 鉛直解像度: 30層~67層 (大気上端は高度80km程度) Ox-HOx-NOx-ClOx(-BrOx) の反応系を考慮 主な研究例 オゾンホール将来予測 [Nagashima et al., 2001] ピナツボ火山噴火 [滝川, 2000] 成層圏硫黄循環 [Takigawa et al., in press] nudging-CTM によるオゾンホール実験 オゾンQBO [Nagashima et al, 1998] 火山噴火の QBO への影響 [蜷川, 2001] 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

全体概念図 Climate (CCSR/NIES AGCM 5.7) Aerosol (SPRINTARS) Chemistry radiation cloud distribution radiation Climate (CCSR/NIES AGCM 5.7) transport transport SST production Aerosol (SPRINTARS) Chemistry (CHASER) heterogeneous reaction mineral Sea Salt dust, OC CO2 NMHCs DMS Ocean (an NPZD-type model) Land Surface (MATSIRO,Sym-CYCLE) 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

モデル開発スケジュール (渡辺) 永島 滝川 須藤 2年目 3年目 4年目 成層圏力学場の検証 適切な鉛直解像度、 モデルトップ高度の決定 成層圏化学スキーム の改良 高解像度成層圏化学モデル でのオゾンホール実験 滝川 222 Rn, SF6 などを用いた 移流スキームの検証 CHASERへの成層圏化学 過程の取り込み 須藤 CHASER(対流圏光化学モデル) の改良 SPRINTERSとの 結合 2年目 3年目 4年目 2002/12/18 共生第二課題運営委員会

本グループの課題 水平、鉛直分解能の設定 多トレーサー時の計算パフォーマンスの改善 各種スキームの検証 モデルトップはどのあたりの高度に置くべきか? 1度x1度、鉛直層間隔500m程度での計算が可能か? 多トレーサー時の計算パフォーマンスの改善 移流スキーム 積雲対流スキーム 各種スキームの検証 放射スキーム 化学スキーム etc. 2002/12/18 共生第二課題運営委員会