戦争と平和1 何故戦争が起きるのか 戦争と正統性.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2013 現代文明論 第4回第4回 1492 年 世界システムの始まり. 世界地図を描いてみよう.
Advertisements

日下部絵美 中村里沙 田中理絵 金日成とは? 1912.4.5 金日成(本名金成桂)誕生 1929抗日運動に参加 名前 金日成に改める 1932~1941頃 抗日パルチザン運動展開 1941 ソ連に渡る 1942 金正日誕生.
1.欧州. 特許会社  特許会社とは …. 経営権が国に保留されている事業の、 一部または全部の経営権を、法律などに より付与された会社。  世界で最初の特許会社 モスクワ会 社.
第9回(11/20)  立憲制度と戦争.
政治思想の説明 ~右翼ってなに??~.
チベット問題 井上奏汰.
国際システム理論によるイラン問題へのアプローチ
Web.sfc.keio.ac.jp/~thiesmey/shakainote.htm.
モンロー主義からの脱却 Manifest Destiny 戦後のアメリカ外交
トルコ及び中欧からの人の移動とそのEU加盟問題に与える影響
ドイツとロシアの比較 ↓ 全体主義という概念の変遷 ドイツの日本の比較 戦前と戦後の連続・不連続 ふたつの反ユートピア小説
米ソ 冷戦       ~今現在とのつながり~       11-3      福島 愛巳.
情報社会とガバナンス 歴史的経緯から 吉田寛.
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
銃社会アメリカ 銃規制をめぐる対立.
第12章 現在のグローバル化を考える.
現代のグローバル化を考える 冷戦体制解体 民主主義とグローバル化.
二度のアフガン戦争 ソ連からアメリカへ.
イラク戦争2 イラク-アメリカの絡み合い.
民営化とグローバリゼーション 国家の役割は何か.
比較教育と国際理解 1 What is education? educate e duc atus ラテン語 外に 引き出す 能力
失われた10年 日本経済の現状と課題 日本の平和への貢献
4 国際通貨 1 国際通貨の基礎理論 2 国際通貨の機能と選択 3 管理通貨制度下の国際通貨 国際金融2002(毛利良一)
戦争と平和 戦争は不可避か 正義の戦争はあるか.
フォレストガンプにみる世紀末のアメリカ人像
地政学2 「新しい地政学」の登場 政治地理学の理論と方法論 第3週.
~パルナス島事件~ 1928年4月4日 オランダVS米国 参考文献:国際法基本判例
資源ナショナリズムについて 2012/01/20 長谷川雄紀.
米国の対スーダン経済制裁解除 2017年1月13日の大統領令
2017現代文明論 7 近代化=西欧化(16-18世紀)←1492年に始まる世界システム(前回の講義参照)
アメリカ社会 競争的自由と公的平等の併存.
公共政策大学院 鈴木一人 第10回 各国比較:アメリカ 公共政策大学院 鈴木一人
対北朝鮮「最大限の圧力へ」.
公共政策大学院 鈴木一人 第7回 政治と経済の関係 公共政策大学院 鈴木一人
宗教の問題 宗教的対立をどう克服するか.
社会主義の教育理論.
国際社会論 授業のやり方.
コーヒーから世界が見える!  藤田 香菜子.
教育行政組織(1) 指導助言と監督命令.
§7. 平和主義 2007年7月3日・10日 社会科学部 憲法.
§5. 平和主義 人間科学部 憲法.
第9条改正について考える c 谷央輔 2012年1月23日.
オランダ社会論 究極の合理主義と寛容.
ベトナム戦争 戦争の正義・勝者の苦悩.
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
ベトナム戦争 戦争の正義・勝者の苦悩.
国家.
日本政治の第一歩 第1章 戦後の日本政治.
民主主義ってどういうこと? 1、始まり 2、見方 3、政治 4、課題 5、これから.
日本教育の特質 国際教育論2.
世界から見たら? サンフランシスコ講和条約 敵国条項 日米地位協定 日米安保条約 日米原子力協定 憲法改正 基地問題 経済問題 原発問題
二度のアフガン戦争 ソ連からアメリカへ.
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
Common Sense           No.21 2011.4.19 日本社会に「戦争を選択しない」という「戦争観」は確立されたか。
オランダ社会(2) 柱社会の特質.
アメリカのプロパテント政策 2002.10.11.
2017 現代文明論 第5回 1492年 世界システムの始まり.
ドイツとロシアの比較 ↓ 全体主義という概念の変遷 ドイツの日本の比較 戦前と戦後の連続・不連続 ふたつの反ユートピア小説
米国の対スーダン経済制裁解除 2017年1月13日の大統領令
戦争と平和 正義の戦争は 戦争で利益を得る者は.
国際教育論1 オリエンテーション.
教育行政・財政 導入説明.
討議テーマ② 現行憲法9条に自衛隊について 明記すべきという意見がありますが どう思いますか?
新しい日本の安全保障戦略ー多層協調的安全保障戦略
アジア地域 跡見学園女子大学 山澤成康.
平成から「令和」へ 日本の針路 情報パック4月号.
現代資本主義分析 資本主義という見方.
アメリカ社会 競争的自由と公的平等の併存.
公共政策大学院 鈴木一人 第9回 各国比較:アメリカ 公共政策大学院 鈴木一人
Presentation transcript:

戦争と平和1 何故戦争が起きるのか 戦争と正統性

今日の課題 戦争は何故起きるのか 政治の延長(手段) 現在のテロ戦争をどのように考えるのか (戦争を防ぐ手段は何か) 「戦争は誰も望まない」? 戦争で利益を得る者は? 政治の延長(手段) 戦争には政治的目的がある 現在のテロ戦争をどのように考えるのか 勧善懲悪的見方は妥当か? (戦争を防ぐ手段は何か)

戦争とは何か1 戦争とはある政治目的のために政治,経済,思想,軍事的な力を利用して行われる政治集団間の闘争(平凡社大百科事典) 「戦争は政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治に他ならない」(クラウゼヴィッツ) 政治目的・多様な分野・政治集団間の闘争

戦争とは何か2 政治目的 様々な領域 領土の拡張 戦争相手を征服し服従させる 戦争相手の殲滅 直接的な軍事衝突 経済戦争 サイバー戦争 思想・イデオロギー戦争

戦争とは何か3 戦争主体 国家の軍隊(正規軍) 民兵・義勇軍 パルチザン・ゲリラ テロ 銃後の市民

平和時の法と戦時の法 グロチウスの「戦争と平和の法」以後、戦争における「秩序」のルール化(多くの国際条約) 宣戦布告・講和 捕虜の扱い 正規軍と市民の区別(正規軍の印と市民への非攻撃) 化学兵器の禁止

戦争形態の変遷 前近代 近代 現代 主体 王 国民国家 政府・組織 兵 傭兵 国民(徴兵制) 専門家(軍人)・テロ 兵器 銃 大砲・機関銃・化学兵器・空爆 ハイテク兵器(コンピュータ制御) 一般人 逃亡・被害少 総力戦・被害甚大 ポンポイント爆撃・被害少・限定戦争のため、無関係の人は「観戦」 被害が少というのは、近代の総力戦に比較してという意味であって、被害はあまり なかったという意味ではない。戦争は常に兵以外の民間人にも大きな被害をもた らすものであった。 自爆テロの実行者は、子どもや女性もいる。(洗脳・ドラッグ)

領土の拡張(政治目的1) 植民地拡大(帝国主義) イギリスのインド(プラッシーの戦1757→セポイの乱1857-59) 東インド会社の支配からイギリス帝国の支配へ(「神は世界地図が、より多くイギリス領に塗られる事を望んでおられる。できることなら私は、夜空に浮かぶ星さえも併合したい」セシル・ローズ)

経済利益の確保(政治目的2) イラン石油国有化→王政復活 チリ、アジェンデ政権の転覆1973 ブッシュによるイラク戦争 アングロ・イラニアン石油会社の独占 イラン首相モラデクによる国有化1951 国際石油資本がイラン石油締め出し CIAの援助による皇帝派クーデター1953 チリ、アジェンデ政権の転覆1973 ブッシュによるイラク戦争

政治的征服(政治目的3) ナポレオン(軍事的) ヒトラー スペイン、エジプト、オーストリア ロシア(失敗、ナポレオン没落の原因) ポーランド、フランス(軍事的占領) チェコ、オーストリア(政治的圧力で) ユダヤ人抹殺

経済戦争 レーガンによるソ連攻撃 軍縮政策を止め、軍拡、ソ連を「悪の帝国」と非難→軍拡競争によって、ソ連を経済的に疲弊させる→ソ連崩壊、冷戦の勝利 経済制裁 対北朝鮮(日本による2013年) 北朝鮮籍者の原則入国禁止・すべての北朝鮮籍船の入港禁止 ・北朝鮮を仕向地とするすべての貨物の輸出を禁止・北朝鮮を原産地又は船積地域とするすべての貨物の輸入を禁止 ・北朝鮮と第三国との間の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引(仲介貿易取引)を禁止・輸入承認を受けずに行う、原産地又は船積地域が北朝鮮である貨物の輸入代金の支払の禁止 対キューバ(アメリカ) 対イラン(アメリカ・ヨーロッパ)

サイバー戦争 ウィキリークス オーストラリア人のジュリアン・アサンジが中心となって、各国の機密情報をリーク。サイト運営と有力新聞に情報提供。 アサンジは追われる身に パナマ文書 パナマの法律事務所の1970年代からの文書(各国の税金逃れに関わる)が2016.4に一部公表された。アイスランド首相が辞任、各国首脳が弁明・抗議 アメリカによるサイバー・経済戦争との説も

思想・イデオロギー戦争 イスラム国(昔のイスラムカリフ帝国を復活) ベトナム戦争(共産主義によるドミノ防衛) アメリカ南北戦争(奴隷解放) インド・パキスタン紛争(宗教対立)

戦争は誰が起こすのか 政府の領土拡張戦争は少なくなっている(他国の政治支配は過重負担)→経済権益、同盟国の支援 政府を包み込む主体による戦争(cf ナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」 産軍複合体説(存続のために戦争が不可欠?) 国際金融資本説(双方に金融支援し、どちらが勝利しても利益) 反政府の戦争(非正規軍)

21世紀はテロ戦争の世紀? 2001年、アメリカ同時多発テロ以後、世界中でテロが起きている。 「起こされる国家」=善玉で「テロリスト」=悪玉 アメリカ憲法修正2条「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない」 この「民兵」はイギリス正規軍に反抗した「反乱軍」であった。

非正規軍の系譜 正規軍の協力部隊として 植民地支配者への反乱軍として 内乱、革命軍として スペインの対ナポレオン戦争のゲリラ1806- ロシアの対ナポレオン戦争のゲリラ1812- 植民地支配者への反乱軍として アメリカ独立戦争の民兵 ユーゴの対独戦争パルチザン(チトー)1941- ベトナム戦争(ホーチミン)1941- 内乱、革命軍として 中国紅軍(毛沢東)1937-

正統性 正規軍と非正規軍、正統性は転換することがある。(革命) 当初から非正規軍が「正当」であることもある。(植民地独立戦争、対侵略戦争) 非正規軍に実力がある場合には、交渉当事者性を認めるときに、事態の収拾が可能になる。(ベトナム戦争時の「民族解放戦線」)

・「反体制派=アルカイダ」「サウジとISは、完全対立ではない(スンニ派) 「トルコとISは、不干渉から敵対的に変化」「米国とサウジアラビアは同盟国だが、イランと石油をめぐって冷やかに」「フランスは、パリのテロ後、反ISを明確に」「アメリカは、表面ほどISと敵対的ではない(反アサド)」「イスラエルは、ISと非敵対的」「シリアとイランに援助されるレバノンのヒズボラ組織がある。イスラエルの滅亡を意図 」