Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係

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Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係 2010年7月24日 Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係 塩谷泰広 (Nakajima et al. 進捗状況)

Introduction 星生成率は、銀河の進化を考える上で重要な観測量。 星生成率を評価する方法はいくつかある。 Hα輝線の光度∝大質量星から放射された電離光子。紫外連続光と比べれば軽微だが、星間塵による吸収の影響を受ける。 紫外連続光(UV):主に大質量星から放射。星間塵による吸収の影響を受けやすい。 赤外線(IR):星間塵が吸収したエネルギーを再放射。主に紫外連続光を吸収。 Hα、紫外連続光、および赤外線の観測を通じて、星間塵の吸収に起因する星生成率の不定性を除去し、銀河の星生成率について、より正確な描像を得ることが出来る。

カタログ Photometric catalog  Capak et al. (2009) Photo-z catalog  Ilbert et al. (2009) Spec-z  Compiled by Salvato (2008) Photometric catalog を使用する際の注意点 Galactic Reddening と Offset (Ilbert et al.)を補正する GALEX(UV) のデータは total magnitude 地上望遠鏡(from U to Ks) のデータは 3”Φ  total への変換には auto_offset (Capak et al)を使用 Spitzer (NIR-MIR)のデータは 3.8”Φ  total への変換は x1.72

輝線天体の選択: iz-NB816 vs. NB816

Hα輝線天体の選択:二色図 ・Hα輝線天体 ・その他の輝線天体 ・Hα輝線天体 ・その他の輝線天体

SFR の計算(Salpter IMF) Hα(Kennicutt 1998) NUV(2300Årest 1850Å) (Kennicutt 1998; Salim et al. 2007) MIR(8μmrest 6.5μm)(Zhu et al. 2008) Kennicutt (1998) は Solar metallicity & Salpeter IMF。Salim et al. (2007)と Kennicutt (1998) の SFR(UV) の違い、および SFR(MIR) の較正については補遺を参照

SFR(UV), SFR(Hα), SFR(8μm) の相互の関係 の銀河が存在するように見える。 SFR(8μm)>1Msunyr-1 では SFR(8μm)>SFR(Hα) & SFR(8μm)>SFR(UV)。 それ以下では SFR(8μm)~SFR(Hα) & SFR(8μm)<SFR(UV)。

SFR(UV)/SFR(Hα)>1 の解釈(1) (星生成史による違い) Constant SFR の場合、> 10 Myr ではほぼ SFR(UV)~SFR(Hα) Simple Stellar Population では、 >5Myr で SFR(UV)>SFR(Hα)

SFR(UV)/SFR(Hα)>1の解釈(2) (SSPにおけるEW(Hα)の進化) Simple Stellar Population の場合でも、age~10Myr では EW(Hα)>10Åである。

補遺 星生成率の評価法

SFR(UV)‐Salim et al. (2007) (Brinchmann et al. 2004) (左) Salim et al. の SFR(“UV”) は SED fitting で評価。SFR(“UV”) は Brinchmann et al. が輝線強度のモデルを用いて評価した SFR(“Hα”) に比例。 (右) L(Hα) と Brinchmann et al. の SFR(“Hα”) の比(換算係数)の分布を星質量ごとに示したもの。垂直の点線が Kennicutt (1998) のもの。

SFR(8μm)‐Zhu et al. (2008) Spitzer SWIRE field の銀河で得られた 8μm dust emission と Hα光度の間の相関。(左) Total luminosity、(右) aperture luminosity。 それと Kennicutt (1998) の SFR(Hα) の関係から、SFR(8μm) を得た。

SFR(PAH)‐ Sargsyan & Weedman (2009) (Houck et a. 2007, ApJ, 671, 323) (左) 7.7μm の flux で規格化した starburst galaxies の Spitzer IRS spectra。 Sargsyan & Weedman (2009) では、Houck et al. (2007) の関係(右)を用いて以下の関係を得ている。