パレットレンタルシステムにおける在庫費用の削減策に関する研究

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パレットレンタルシステムにおける在庫費用の削減策に関する研究 流通情報工学課程 2002702 青島大志 青島大志です。発表を始めさして頂きます。 発表題目はパレットレンタルシステムにおける在庫費用の削減策に関する研究です。

物流作業は一貫パレチゼーションを中心とした 研究背景 日本の物流の高コスト構造 新総合物流施策大綱 まず、研究背景として日本の物流が高コスト構造であるということで、工場の海外進出など、国内産業の空洞化を招き低生産性という問題点が発生しています。 そこで、政府は平成13年に新総合物流施策大綱を閣議決定し、国際的レベルの物流サービスを実現を目的としました。 その中で、物流作業の効率化及び高齢者や女性に適した作業環境の整備は一貫パレチゼーションを中心としたユニットロード化を進展させる必要があると言われています。 物流作業は一貫パレチゼーションを中心とした ユニットロード化

パレットレンタルシステムの現状 ユニットロード化 普及率は70%で横ばいである パレットレンタルシステム パレットレンタル 料金が高い ユニットロードとは貨物を1つの単位にまとめて、機械、器具により取り扱いを行うことです。 このユニットロード化の普及率は平成13年度から70%(パレット化可能物量のパレット化率)と横ばいであります。 そこで、普及率向上策の1つとして、共同利用、共同回収するパレットレンタルシステムの利用が挙げられます。 しかし、パレットレンタルシステムを利用するに当たって、阻害要因の最も大きな原因として、レンタル料金が高いということが言われています。 そこで、パレットレンタルシステムを行っている会社はレンタル料金の低減化を求められています。 パレットレンタル料金低減化の 対応が求められている

パレットレンタルデポの総費用 在庫費に注目する 入庫費 6% 出庫費 7% 在庫費 13% パレットレンタルシステムを構成するデポの総費用です。 この中で補修費、入庫費などは需要の対応のために掛かる費用で、人件費、機械化の導入など必ず費用負担する費用である。 そこで、今回注目するのは在庫費です。在庫費は在庫管理を行うことで、在庫費用軽減に繋がると考え、在庫費を対象とした検討を行い、レンタル料金の低減化を目指します。 在庫費 13% 在庫費に注目する

パレットレンタルデポの中の在庫費用を対象として、 研究目的 一貫パレチゼーションを推進するため パレットレンタルデポ運営費を削減し、 レンタル料金の低減を目指す パレットレンタルデポの中の在庫費用を対象として、 料金低減のための検討を行い、 今後の改善方針をしめす。 そこで、研究目的は、一貫パレチゼーションを推進するための有効な手段の一つであるパレットレンタルシステムを構成するデポの運営費を削減し、レンタル料金の低減を目指します。 (クリック)具体的には在庫費用を対象に、料金低減の検討を行い、今後の改善方針を示すことを目的とします。(クリック)

検討の背景 問題点 改善提案 パレット協会が、JISにパレットの補修技術の標準化を提案しようとしている ①同じパレットでも業種により違う商品として扱い、パレットレンタルサービスが十分ではない ②木製パレットの乾燥時間が長くデポで余剰在庫が増えてしまう ③サテライトデポの運営費が掛かりレンタル会社の経営を圧迫している 改善提案 検討を行う前に検討の背景について説明します。 パレットレンタルシステムの運営をする上で以下の3つのような問題点に対して改善提案があります。 1つ目はこの問題点に対して、パレット協会が品質の差を無くすために補修技術の標準化を提案しようとしています。 2つ目は乾燥時間を短縮するため、木製パレットの変更を提案しています。 3つ目はサテライトデポの数を減らすためにサテライトデポの集約を提案をします。 この改善提案について在庫費の面からどの位の削減効果が示せるのか検討を行いたいと思います。 パレット協会が、JISにパレットの補修技術の標準化を提案しようとしている 木製パレットをプラスチックパレットに変更する サテライトデポの拠点集約

在庫費を対象とした検討について 目標 パレット協会がJISにパレットの ①パレットの品質標準化による検討 標準化を提案しようとしている ②木製パレットからプラスチックパレットの変更による乾燥時間短縮による検討 木製パレットからプラスチック パレットへの変更 在庫費を対象とした検討で、在庫費を軽減するためには先ほどの改善提案をまとめて、 以下の3つの目標に対して取り組むべきと考え、検討を行います。 ③パレットレンタルデポの拠点集約に関する検討 サテライトデポの集約

平成13年度 卒業論文 パレットレンタルデポにおける生産計画に関する研究松山健太郎より引用 検討に関する条件設定 安全在庫量 L=リードタイムk=安全係数 μ=需要の平均σ=需要の標準偏差 入荷枚数 2524枚(標準偏差1154) 出荷枚数 2218枚(標準偏差772) リードタイム 1日 安全係数(K) 1.65 初在庫 1275枚 ・在庫量=初在庫枚数+入荷枚数-出荷枚数 (その後、は在庫量+入荷枚数-出荷枚数) ・在庫費=在庫量×1枚当たりの保管コスト ・保管コスト1日1円 今回の検討では必要在庫量の式を用いて検討を行います。Lはリードタイム、k=安全係数、μ、σは単位期間中の値である。 検討で用いたデータは平成13年度卒業論文 松山健太郎パレットレンタルデポにおける生産計画に関する研究より引用しました。 データについては以下の通りです。 補足 リードタイム=毎日、作業が行われているとして1日です。 k=(1.65)とは品切れを起こさない確率95%からの値です。 初在庫=安全在庫の値です。 平成13年度 卒業論文 パレットレンタルデポにおける生産計画に関する研究松山健太郎より引用

①パレットの品質標準化による検討 統一なし 統一あり (μ1、σ1) (μ2、σ2) ( μ1 +μ2+ μ3 、 ) (μ3、σ3) A業種 (μ1、σ1) 統一化 B業種 (μ2、σ2) ( μ1 +μ2+ μ3 、             ) C業種 デポにおいて、同じパレットでも業種により違う商品として保管しているという現状がある。 そのためにデポにおいて、パレットの保管枚数が増えてしまうという問題点がある。 そこで、業種により分けているパレットを統一することで、在庫枚数が減少し、在庫費の低減策が出来るのではないかという検討です。 (μ3、σ3) 統一なし 統一あり

L=1日、μ1+μ2+μ3=2218(μ1、2、3は変化すると仮定する) ①パレットの品質標準化による検討 統一なし 統一あり パレットの統一なしと統一した場合とでは以下の用な式になります。 設定として、L=1日、μ1+μ2+ μ3=2218で(μ1、μ2、 μ3は変化すると仮定します) 統一した場合はσが集約されるので統一なしの場合と比べ、必要在庫量の値が減少します。 L=1日、μ1+μ2+μ3=2218(μ1、2、3は変化すると仮定する) σ1+σ2+σ3=772( σ1=σ2=σ3と仮定 )       =445 設定

①パレットの品質標準化による在庫費用の影響 統一化により 540円の削減 在庫費13%削減 パレットの品質標準化によりパレットの統一した場合と統一してない場合の比較を行った結果、統一した場合の方が1日当たり約540円の費用の削減が出来ることが分かった。 1日当たり

プラスチックパレットの生産量が伸びている ②木製からプラスチックパレットへの導入による乾燥時間短縮による検討 現在、木製パレットの生産量は多数占めていますが、少しずつプラスチックパレットの生産量が伸びている現状があります。 プラスチックパレットの生産量が伸びている

②木製からプラスチックパレットへの導入による乾燥時間短縮による検討 木製パレット 乾燥時間に注目する プラスチックパレット ・乾燥時間が長い ・価格が安い ・滑り難い ・パレットの厚みが薄い ・乾燥時間が短い ・価格が高い ・滑り易い パレットの厚みが木製より厚い そこで、木製パレットとプラスチックパレットの特徴の比較を行いました。 木製パレットは乾燥時間が長い、価格が安い、滑り難い、パレットの厚みが薄いです。 プラスチックパレットは乾燥時間が短い、価格が高い、滑り易い、パレットの厚みが木製やり厚いとなっています。 そこで今回は、パレットの乾燥時間に注目して検討を行いたいと思います。

②木製からプラスチックパレットへの導入による乾燥時間短縮による検討 木製パレット =供給リードタイム 供給リードタイム =生産時間+輸送時間+乾燥時間 =乾燥時間による短        縮時間 プラスチックパレット 木製パレットの式は以下の通りです。 Lというのは供給リードタイムのことで、生産時間、輸送時間、乾燥時間を足した和です。 そこからプラスチックパレットに変更した場合は乾燥時間による短縮時間L‘が発生し必要在庫量が削減します。

リードタイムについて プラスチックパレットを使用すると、 リードタイムが5日短縮になる 木製パレットとプラスチックパレットにおいて輸送時間、生産時間をデポで毎日作業すると仮定して1日と置くと乾燥時間が木製が7日プラスチックで2日なのでリードタイムが5日縮まります。 プラスチックパレットを使用すると、 リードタイムが5日短縮になる

②木製からプラスチックパレットへの導入による乾燥時間短縮による検討 木製パレット 2020円の削減 在庫費21%削減 プラスチックパレット 木製パレットとプラスチックパレットの比較において1日当たり2020円の削減効果が分かりました。 1日当たり

結果 パレットの標準化促進 ①の検討 パレットの補修技術の標準化 在庫費13%削減 木製パレットからプラスチックパレットへ の変更 ②の検討 パレットに光触媒を塗り乾燥時間を短縮 ②の検討 在庫費21%削減 パレットレンタルシステム推進のために、必要在庫量の式を用いて、パレットの標準化、リードタイム短縮、拠点の集約の検討を行い在庫費用削減傾向を示しました。 削減効果として、①品質標準化の検討で13%の削減、②乾燥時間短縮の検討で21%の削減、③拠点集約の検討で19%の費用削減傾向が分かった。 今後の改善方針として以下の3つの方針が挙げられる。 ①の検討ではパレットの標準化、補修技術の標準化を上げます。 しかし、パレットの標準化を行うための設備投資、品質を維持するための雑菌作業などを考えると実施が困難なように感じます。 ②の検討では木製パレットからプラスチックパレットに変更することを上げます。また、木製パレットに光触媒を塗り乾燥時間の短縮を行っています。 また、木製パレットからプラスチックに変更することで、環境面においても良いと考える。 ③の検討では、今後の新規デポの運営改善、立地計画に取り入れることを考えています。 今後の新規デポの運営改善、  立地計画に取り入れる ③の検討 在庫費19%削減

結論 パレットレンタルシステム推進の支援のために、必要在庫量の式を用いて検討を示した。 パレットの標準化、リードタイム短縮、拠点の集約の検討を行い在庫費用削減傾向を示した。 在庫費用削減のための今後の改善方針を示した。

③パレットレンタルデポの拠点集約に 関する検討 拠点集約なし 拠点集約あり 現在、直営デポから輸送されたパレットをそれぞれの需要地に対してサテライトデポという保管機能を持つデポにおいて需要地を対応しています。 しかし、サテライトデポの運営費が掛かり、パレットレンタル会社の経営を圧迫しているという現状があります。 そこで、それぞれの需要地に対応したサテライトデポを1つのデポに集約することで、在庫費軽減のための検討を行います。 拠点集約あり

③パレットレンタルデポの拠点集約に 関する検討 拠点集約なし 拠点集約あり 設定 N 集約する数 拠点集約した場合としてない場合において式はそれぞれ、このようになります。 Nはデポを集約する数としています。 設定 N 集約する数

③パレットレンタルデポの拠点集約に 関する検討 1600円の削減 在庫費19%削減 1日当たり 拠点を集約した場合としてない場合において、1600円の在庫費の削減効果が分かりました。 1日当たり

(補足1)データについて パレットの品質標準化 L=1日 μ1+μ2+μ3=2218 σ1+σ2+σ3=772( σ1=σ2=σ3と仮定 ) K=1.65 =445 (σ1=σ2=σ3と仮定すると、 3σ=772となる。σに√が掛かるので、σ=     )

(補足2)パレットレンタルシステム