スパイロを用いて、舌下免疫療法不適応者の検討 新浦安虎の門クリニック ○戸塚成美 沼本美由紀 大前利道 石田香織 奥村真実 よろしくお願いいたします。
目的 舌下免疫療法を行うにあたり、重症喘息を合併する可能性のある患者には禁忌となります。 慎重を期すため、喘息の既往がある者は、舌下免疫療法の適応を考えることが必要です。 それには、閉塞性呼吸器障害の有無を確認する必要がある為、スパイロを行い有用性を検討しました。
対象と方法 平成25年4月1日~平成26年3月31日 当クリニック健康診断受診者で、スパイロ測定を行った者6944人を対象。 スパイロ測定をした者の中から、当クリニックの問診データを参照し、喘息既往がある者、1秒率70%未満の者を検索検討しました。
スパイロを測定する機械と曲線 努力性肺活量 肺活量
結果 問診データより喘息の既往者⇒320人 スパイロ測定で1秒率70%未満者⇒665人 喘息の既往者を除いた1秒率70%未満者 ⇒642人 喘息の既往者を除いた1秒率70%未満者 ⇒642人 スパイロ全測定者のうち、1秒率70%未満者が約10%存在することがわかった。
スパイロ測定者 9.6% 4.5%
考察 既往で喘息がある者を除き、1秒率70%未満者が全体の約10%に達しています。 スパイロ測定で事前に1秒率70%未満を把握することが、危険を回避することにつながるとわかりました。 舌下免疫療法の不適応者を見つけることにスパイロ測定が有用だと判明したことになります。
考察 従来のアレルギーに対する治療は、皮下注射による減感作療法がありますが、やや痛みを伴うことと通院も必要な為、治療を行える方は限定されていたように思います。 今年から始まった舌下免疫療法は、注射の痛みや通院もあまりせずに済むので、これから利便性が増すと考えられます。
健康アドバイス アレルギーはいま、現代病と言われています。 ご自身のアレルゲンを調べ確認し、健康医療に役立てていけたらと思います。
ご清聴ありがとうございました。