オープンデータ政策における 活用事例集の意義:Open Data 500からの考察

Slides:



Advertisements
Similar presentations
オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 事務局 オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 民間保有データの有効活用に関する意見の とりまとめ 平成26年度 第2回データガバナンス委員会資料 資料4.
Advertisements

一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 事務局 オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 データの利活用・公開に有用な ツール集 概要 資料4-4.
オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 事務局 オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 評価版ツールの状況報告 平成26年度第3回 技術委員会 資料3-1.
スマートフォン、タブレット端末、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及等を背景に、多種多様な情 報を相互に連携させて新たな価値を生み出すことが期待されている。 地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要 0.ガイドラインの位置付け 国が掲げるオープンデータ取組の意義 1.経済の活性化、新事業の創出.
資料3-7 NIEM等 海外調査報告 経済産業省 CIO補佐官 平本健二.
Web2.0とは? テクノロジー、コミュニティ、ビジネス
1.利活用・普及委員会 平成25年度の活動内容(案)
資料1-4 平成27年度 第1回技術委員会 2015年度技術委員会の目標と 検討項目(案)
オープンデータ流通推進コンソーシアム 利活用・普及委員会報告
2012年度の主な活動.
国際的なオープンガバメントに関するフォーラム
これまでの取組から得られた示唆① ①ニーズ把握・課題抽出 ②データ提供 ③技術・法制度 1.ニーズ把握の重要性
Linked e-Stat インディゴ株式会社 STAT DASH グランプリ 2016 行政サービス開拓部門 2016/3/5
共同調査研究事業 地方公共団体におけるコンピュータ利用及び住民サービスの向上に資する研究を、複数の地方公共団体が主体となって行う事業
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要
オープンデータ流通推進コンソーシアム データガバナンス委員会 利活用・普及委員会 実施報告
2016年3月10日(木) 内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
資料4-2 平成26年度第4回技術委員会 他の委員会の活動報告
標準空間情報の整備及び 異種データベース間のデータ交換手法 に関する研究開発
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2011年度.
International Open Data Dayの結果について
ビッグデータとオープンデータの違い オープンデータ ビッグデータ <イメージ> 民間 行政 ビッグデータ オープンデータ 活用の目的
地方におけるデータ活用人材の育成について
中小企業の発展と管理会計 ~戦略とBSCに焦点を当てて~ 発表者:商学部3回生 萬徳貴久.
警察施設の存在しない地域と犯罪発生の傾向に相関があるかを地図上で視覚的に確認できる!
東京大学空間情報科学研究センターを 中心とした空間情報データベースの整備
1.保有データを自治体Webサイトで公開しよう①
非営利組織論 プレゼンテーション 増山亮介・玉田奈月 中島有理・永谷真美 (THU)
『Open Data 500』日本版の作成について(事務局提案)
室蘭市GIS情報の(一部)オープンデータ化事業
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2009年度.
世界のオープンデータ動向と 日本の位置 OKConとIGFからの考察
オープンデータシンポジウム 2012年12月10日 川島宏一 利活用・普及委員会委員
データサイエンティスト 人材像(1/2) (2014/6/9)
『副首都・大阪』連携プロジェクト 成果発表会 「大阪の地場産業(伝統産業)」 「海外と繋がりを持っている企業」から 『副首都・大阪』を考える
オープンデータ伝道師一覧 藤井 靖史 越塚 登 庄司 昌彦 関 治之 村上 文洋 新井 イスマイル 福野 泰介 牛島 清豪 氏 名
紙芝居まであと→ 秒 2 3 1 5 30 20 4 10 国際オープンアクセス ウィーク
1.保有データを自治体Webサイトで公開しよう①
「福島」×「脱炭素・資源循環・自然共生」
資料6 平成24年度活動報告と平成25年度活動計画案 オープンデータ流通推進コンソーシアム事務局.
全国6,000以上の図書館からリアルタイムの貸出状況を確認できる
えっ、そこまでわかるの!?企業のつながり! オープンデータ活用基盤:LOD4ALL
「水都大阪2015」(仮称)の推進について 資料2-2 水都大阪パートナーズ 1.趣 旨
平成25年度オープンデータ実証実験 自治体行政情報実証(概要)
自治体職員向けオープンデータ研修 実施報告
紙芝居まであと→ 秒 2 3 1 5 30 20 4 10 国際オープンアクセス ウィーク
資料2-2 平成26年度 第2回技術委員会資料 次年度検討テーマ案
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要(案)
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要
公共データWGにおける 利用条件等に関する検討状況等について
製品またはサービスの販売 サブタイトル.
DATA METI構想を進めていくためのロードマップ(工程表)(案)
先進予防医学共同専攻臨床疫学 臨床疫学とは 現在の取り組みと成果 研究材料・手法 未来のあるべき医療を見つめて改革の手法を研究します。 特徴
地域の課題解決に向けた 事業を戦略として構築する JC地域総合戦略 各地の自治体の地域総合戦略を分析・研究し、
株式会社デュナミス コーディネータGrの 提供できることカタログ お客様の新事業への サポートを通じて 組織の成長をお手伝い。
地方創生に向けた自治体SDGs推進事業 平成30年度予算案5億円(平成30年度からの新規事業) 実施期間:平成30年度~(新規)
参考資料 平成26年度 利活用・普及委員会  勝手表彰に関するご照会 2015.2.13.
VLEDが目指すべき方向性(案) 資料6 ① オープンデータベストプラクティスの創出 ⇒ 利活用・普及委員会で方向性について議論。
中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインについて
資料6 平成28年度 第3回利活用・普及委員会資料 勝手表彰の受賞者について
社会的企業(Social Business)
  平成18年度 eシルクロード構想推進事業 eシルクロード構想推進委員会.
紙芝居まであと→ 秒 2 3 1 5 30 20 4 10 国際オープンアクセス ウィーク
資料3-2 平成26年度 第3回技術委員会資料 次年度テーマの検討
オープンデータリーダ育成研修 資料集 講義ノート:
2004年9月9日 第2分科会 国際競争力のある人材育成.
紙芝居まであと→ 秒 2 3 1 5 30 20 4 10 国際オープンアクセス ウィーク
1.保有データを自治体Webサイトで公開しよう①
資料2 2 政府標準利用規約(1.0版)の見直し.
Presentation transcript:

オープンデータ政策における 活用事例集の意義:Open Data 500からの考察 資料1-9 オープンデータ政策における 活用事例集の意義:Open Data 500からの考察 渡辺智暁 (国際大学GLOCOM、オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン) 一般社団法人 オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 利活用・普及委員会第1回会合 発表資料 2015.1.30. 於:TKP赤坂駅カンファレンスセンター

Open Data 500 概要 ・商業利用事例を500件収集・公開するもの http://www.opendata500.com/ ・米国のNYUで元副CTOのBeth Noveck氏が率いる、GovLab発の取り組み ・ODについての著書もあるJoel Gurin氏が主導 ・収集手段: Gurin氏の著書からの採録、ネットでの呼びかけ、専門家からの情報提供などを通じた収集 ※体系的網羅性は志向していない ・対象: ODを中核に据えた、米国の収益事業 ・公開方法: CSV、ビジュアライゼーション(業種別、地域別、提供者別など)

Open Data 500 結果・効果 ・産業・地域をまたがるOD利用の広がりは見えやすくなった ・収集内容は更なる充実が課題 ・数が集まることで得られる感触や知見がある ・活用事例からビジネスモデルを分類する論文も登場 ・メキシコ、豪州も対象に展開(OD 100) ・英国ODIが正式に連携、英国でも展開 http://theodi.org/open-business-uk

アジア版Open Data 500構想 ・OKFJとして提案・着手しているもの ・日本だけでなく、アジア諸国と連携して進めてはどうか ・互いに学び、刺激を与え合う効果も期待 ・オープンデータを利用した商業目的の製品やサービス事例収集に日本では着手

期待と課題 期待 ・政府・自治体などデータ提供者側のモチベーション向上 ・経済効果を知る手がかり* ・OD活用ビジネスのヒント* *・・・GovLabの掲げる目的と共通 課題 ・事例は見つけにくいものも多い

オープンデータの経済効果 ・数千億~数十兆円の経済効果が推計・予想されている* ・大きな幅のある数字 ・どこに効果が出ているのか、簡単にはわかりづらい →数字だけでは足りない。事例も重要。 ・The Climate Corporationなどめざましい事例だけでは「例外的な成功」と片付けられてしまうことも →多種多様な規模、産業、地域などの事例を集めることも重要。 →広くODのメリットが存在していることがわかりやすくなる *実積、八田、野田、渡辺 (2013) Innovation Nippon 研究会報告書 オープンデータの経済効果推計 http://innovation-nippon.jp/reports/2013StudyReport_OpenData.pdf

データ提供者側 事例を知ることができると・・・ ・動機付けになる (政策推進の手段) ・どの程度手厚く実施すればよいかを考える材料になる (政策評価の手がかり)

事例収集の困難 ウェブの検索で拾いにくい利用例 ・社内利用 (戦略策定に、オペレーション最適化に、…) ・B2B利用 (一般向け広報資料の乏しい製品・サービス) ・組み合わせ・分析利用 (データセットではなく、それを組み合わせ、分析したアドバイス・インテリジェンスなどを提供) ⇔ ・特定データの可視化などシンプルなもの ・万人向けの無料ウェブサービス

われわれの学習状況 ・どのようなデータが何の役に立つのか、学習は続いている。 ※「思わぬところに相関が見つかる」が今後も続く ・データの有用性を広い範囲の人が学べることに意義がある→経済の高度化を後押しする効果 ※Open Data、Big Dataに共通の事情