地学講義 I 第1回 太陽系と地球の起源、隕石と初期太陽系 第2回 初期地球の形成過程.

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地学講義 I 第1回 太陽系と地球の起源、隕石と初期太陽系 第2回 初期地球の形成過程

6/1: 第1回 太陽系と地球の起源、隕石と初期太陽系 6/17 第2回 初期地球の形成過程 6/24 休講 宮城教育大授業:地学講義 I の概要: 大谷栄治 (6月―7月) @230   この授業では、固体地球の起源と進化について、生命進化とのかかわりについても含めて、概説する。授業は7回を予定しており、各回は以下のような内容で授業をおこなう。また、それぞれの回に、関連する最近の学界のホットトピックスについても紹介する。 6/1: 第1回 太陽系と地球の起源、隕石と初期太陽系 6/17 第2回 初期地球の形成過程 6/24 休講 7/1 第3回 地球物質とその性質:地震波モデルと地球内部の物質モデル 7/7 第4回 地球内部の相転移と物性、そしてダイナミクス:プレートテクトニクス 7/15 海の日 7/22休講 7/29 第5回 生命の誕生と初期の化学進化 7/31 第6回 補講 生命と地球の共進化 8/5  第7回 予備 成績は出席およびレポート 教科書: 共立出版「地球・生命 その起源と進化」 大谷栄治・掛川武 著 ISBN978-4-320-04645-0(2300円)を使用する予定  参考文献:さらに深く学びたい場合には: 現代地球科学入門シリーズ 第13巻 地球内部の物質科学 大谷栄治 著 ISBN978-4-320-04721-1 (3600円)

復習 様々な隕石 月からの隕石、火星からの隕石

復習 中村昇 神戸大学名誉教授による

図10 復習 UCダイヤグラム プライヤーの法則 酸化鉄/シリコン

中村昇 神戸大学名誉教授による

火星隕石 ALH84001 南極で1984年に発見された. 復習

復習 中村昇 神戸大学名誉教授による

復習 中村昇 神戸大学名誉教授による

火星隕石の分布 復習

復習 SNC隕石

復習 中村昇 神戸大学名誉教授による

月と惑星表面のクレーター 復習 集積過程における衝突現象の重要性

月起源隕石 復習

Asuka 881757 (lunar meteorite) 復習 Fd No. 4 No. 7 No. 9 No. 11 Grain 2 the mean age of the glass and the maskelynite, 3798+/-12Ma of the 39Ar-40Ar ages Grain 1 Grain 3 Fd No. 1 No. 3 No. 4 No. 9 No. 12 No. 16 No. 22 No. 23 No. 25-26 No. 5 No. 6 No. 8 No. 11 No. 21

Coesite and Stishovite in a shocked lunar meteorite, Asuka-881757, and impact events in lunar surface Ohtani et al. (PNAS, in press) 復習 圧力 kbar

Discovery of coesite and stishovite in shocked lunar meteorite: 復習 This observation provides information of Lunar Catachrysm (heavy bombardment in the early Moon, 3.8 Ga ago)

Appolo 15 sample: 15299

Discovery of stishovite from an Apollo 15 sample Landing sites of Apollo mission Apollo 15299 sample http://www.lpi.usra.edu/lunar/missions/apollo/ ✓No high-pressure polymorphs from return samples from ex-terrestrial planets. ✓Few efforts have been made. ✓Six Apollo samples were scanned by a FEG-SEM. ✓FIB-sXRD and -TEM analyses were applied. BSE images of silica grain in Apollo 15299

TEM observation of a silica grain in Apollo 15299 breccia FIB was used for preparation of the TEM samples Stishovite was confirmed by the electron diffraction First discovery of the high pressure polymorph from the recovered extraterrestrial samples The maximum size of stishovite grains are c.a. 400 nm Stishovite Silica glass 500 nm BF-TEM image

Stishovite (and Seifertite) from the Apollo 15299 sample Tri (31-1) ? Sti (110) Sei (110) Sti (101) Sti (111) Sti (210) Sti (211) Sti (220) Sti (002) Sti (310) Sti (301) Sti (112) Sti (222) Sti = Stishovite Sei = Seifertite Tri = Tridymite Sei (200) Tri (020) 一次元XRDプロファイル Two dimmensional XRD pattern We confirmed existence of stishovite, seifertite, and tridymite by Synchrotron X-ray powder diffraction At the SPring-8 BL10XU beam line., a monochromatic incident X-ray beam with a wavelength of 0.41360(7) Å was collimated to a diameter of less than 10 μm.

8. Terrain Camera (TC) image of the landing site of Apollo 15 by SELENE Apollo 15 Landing site Apollo 15299 50 km

Impact event: 月と地球への隕石重爆撃の痕跡か? レゴリス研究の重要性 The Sm-Nd age and the 39Ar - 40Ar age of A-881757 [1] indicate their source basalt flow crystallized at 3870 Ma and was impacted at 3800 Ma. [1] Misawa et al. (1993) GCA 57, 4687-4702 Impact event: 月と地球への隕石重爆撃の痕跡か? レゴリス研究の重要性

サンプルリターンへの期待 月表層で生じている現象:特に月・地球系の理解 衝突・攪拌 レゴリス形成 太陽風のについて 月の希薄大気: 月のNa大気 特に レゴリス層は、情報の宝庫 隕石重爆撃の情報地球への隕石重爆撃の記録をもつ。どのような物質が、どのような規模で衝突したのかの記録を保持。 地球からの情報(40Ar, Nと地球の磁場の起源など)

隕石に含まれる主な鉱物 復習

復習 中村昇 神戸大学名誉教授による

レポート課題1 1.石質隕石はその構成物質によって2つに分類できる。その2つの名を挙げ、特徴を述べよ。 2.隕石は、太陽系のどこからもたらされると考えられるか。主な、場所を3つ述べよ 3.隕石集積のベルトコンベアモデルとは何か、説明せよ。 4.宇宙存在度の大きな特徴を3つ述べよ.

初期地球の形成過程

図14 原始太陽系星雲の冷却と凝縮(Condensation)、そして集積 (accretion)

図11

図13

スノーラインSnow line (Ice line, Frost line) 45

図12

水や氷は太陽系の様々な惑星や衛星に存在する トリトンの氷火山 (海王星の衛星) 木星の衛星 ガリレオ衛星 イオ エウロパ ガニメデ カリスト 地球 月 海王星 ボイジャー2号画像 46 9

図15 

ジャイアントインパクト ジャイアントインパクトは必然的な過程 ジャイアントインパクトによる月の形成 月の軌道進化とジャイアントインパクト 月の化学組成の特徴とジャイアントインパクト ジャイアントインパクトの地球への影響

Giant impact was an energetic process Deep magma ocean or total melting of the Earth is compatible with the giant impact model A.G.W. Cameron 2011/12/21 ここまで

How deep was the terrestrial magma ocean ? What is the condition of the metal-silicate equilibrium, low pressure or high pressure ?

図17 Sm Eu Gd

図 5 (Mantle+Crust)/C1 1.0 0.1 0.01 低 高 0.001 難揮発性の元素 揮発性・やや揮発性の元素 <1300K 親鉄元素 Re Os Ir Au Fe Co Ni Cu Zn P In Cd Ge Ag Cr Mn Ga Sn Na K Rb Cs Tl Pb Bi Zr Mg Nb Al Si Ca Sc Ti Sr Y Ba La Ce Nd Sm Eu Tb Yb Lu Ta Th U V Li 強親鉄元素 難揮発性の親石元素 揮発性の程度 低    高 揮発性元素

図18 固液密度逆転と上部マントルにカンラン石の濃集 カンラン石の密度 固液密度逆転 マグマの密度

図16

マグマオーシャンの形成と進化 地球の層構造の形成:核・マントル・地殻 マグマオーシャンは本当にあったのか? 熱源は十分であった。 集積の熱 大気による保温効果:水素ヘリウム大気 vs 水蒸気大気  酸化大気Vs還元大気 マグマオーシャンの深さは? 200km~2000km? ジャイアントインパクトによる月の形成と地球への影響

マグマオーシャン中での核形成 マグマオーシャンの深さを探る 鉄・ケイ酸塩反応と核の形成過程 核の構造と物性:核に含まれる軽元素  親鉄元素のパラドックス  強親鉄元素のパラドックス  金属・ケイ酸塩間の元素分配 核の分離機構  力学的不安定と浸透による分離

(Mantle composition/(CI-chondrite+Mg) 親鉄元素の枯渇 枯渇の理由   核に分配された (+揮発性) 分配係数, D McDonough and Sun (1995) Mg Al Si Ca Ti Fe Co Ni (Mantle composition/(CI-chondrite+Mg) Depletion factor C(mantle) = ━━━━━━━━━━━━ C(CI chondrite) F(core)・D + F(mantle) C (M) in metal C (M) in silicate, oxide D = ━━━━━━━━━━━ 低圧・高温の値を載せる F (core)=0.325 F(mantle)=0.675(wt.fraction) C: abundance(wt.%) 低圧での平衡に比べてマントルに Niが多すぎる。 3

図 5 (Mantle+Crust)/C1 1.0 D~200 0.1 D~3100 0.01 低 高 0.001 難揮発性の元素 揮発性・やや揮発性の元素 <1300K 親鉄元素 Re Os Ir Au Fe Co Ni Cu Zn P In Cd Ge Ag Cr Mn Ga Sn Na K Rb Cs Tl Pb Bi Zr Mg Nb Al Si Ca Sc Ti Sr Y Ba La Ce Nd Sm Eu Tb Yb Lu Ta Th U V Li 強親鉄元素 難揮発性の親石元素 揮発性の程度 低    高 揮発性元素 D~200 D~3100

3100 200

図19 ニッケルはマントルに入りやすくなる。 ニッケルのパラドックスの説明

3100 200 マントル内のCo/Ni 比は、低圧で高温の実験結果とあわない。 での核形成 3100 200 Ni D, 分配係数 Co >40 GPa 圧力, GPa Co/Ni in the mantle implies very deep magma ocean

ニッケルのパラドックスの解釈 深いマグマオーシャンでの核マントルの平衡と分離 核とマントルが非平衡であった。

強親鉄元素のパラドックス: 強親鉄元素は、マントルに多すぎる。 マントル中に強親鉄元素、Ir, Pt, Au, などは金属鉄とケイ酸塩の元素分配で期待されるよりも過剰に存在する。

3100 200 >3x104 >4x104 105

地球集積のなごり:隕石重爆撃 マントルの強親鉄元素存在度と隕石衝突 Late Veneerの存在の有無 海の起源とLate Veneer Late Veneerの存在の有無 海の起源とLate Veneer Late Veneerによる有機物の供給: 生命の起源 小天体衝突と恐竜絶滅:イリジウムの異常の説明 隕石中の強親鉄元素

衝突現象: 月と地球への隕石重爆撃の痕跡か? レゴリス研究は重要 A-881757隕石のサマリウム(Sm)-ネオジム(Nd )年代:結晶化 3870 Ma アルゴン39(39Ar) -アルゴン 40(40Ar) 年代 :衝突年代3800 Ma. [1] Misawa et al. (1993) GCA 57, 4687-4702 衝突現象: 月と地球への隕石重爆撃の痕跡か? レゴリス研究は重要

月と惑星表面のクレーター 集積過程における衝突現象の重要性

Asuka 881757 (lunar meteorite) Fd No. 4 No. 7 No. 9 No. 11 Grain 2 the mean age of the glass and the maskelynite, 3798+/-12Ma of the 39Ar-40Ar ages Grain 1 Grain 3 Fd No. 1 No. 3 No. 4 No. 9 No. 12 No. 16 No. 22 No. 23 No. 25-26 No. 5 No. 6 No. 8 No. 11 No. 21

月隕石[玄武岩質)には衝撃をうけ融解した痕跡が残っている。

強親鉄元素のパラドックスは: 地球集積のなごり:隕石重爆撃 マントルの強親鉄元素存在度と隕石衝突 Late Veneerの存在の有無 Late Veneerの存在の有無 海の起源とLate Veneer Late Veneerによる有機物の供給: 生命の起源 小天体衝突と恐竜絶滅:イリジウムの異常の説明 隕石中の強親鉄元素

初期地球の諸過程

課題 地球の形成期の最初の数億年を冥王代という.この時期に生じた主なできごとを4つ挙げよ.