SBT(Science Based Targets)について - 賢 い 選 択 - SBT(Science Based Targets)について 環境省・みずほ情報総研
目 次 SBTとは? 環境省のSBT策定支援事業 SBTに取組むメリット SBTを取入れた環境経営の例 SBTの参加企業 SBTの認定事例 SBTの設立・運営機関 SBTの手続き SBTの認定基準 SBTの設定手法 SBTの設定のサンプル例 SBT認定とCDP質問書との関係 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 7 13 33 55 67 74 78 87 120 132 141
目 次 【参考資料①】環境省SBT策定支援事業 参加企業のこれまでの感想コメント 【参考資料②】環境情報開示基盤整備事業 によるESG対話プラットフォーム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 148 156
SBTとは?
SBTとは? SBT(Science Based Targets)とは、産業革命時期比の気温上昇を「2℃未満」にするために、企業が気候科学(IPCC)に基づく削減シナリオと整合した削減目標を設定。
SBTのイメージ 排 出 量 2050年に49~72%削減を目安として、2025年~30年頃の目標を設定するもの。 2010 2025~2030 2050 2010年比49%削減(必須) =毎年同率とすると年1.7%削減 2010年比72%削減(推奨) =毎年同率とすると年3.1%削減 2050年を目指した削減率に沿って、5-15年後の削減目標を設定する
サプライチェーン排出量とは 事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出量を合計した排出量。 サプライチェーン排出量 = Scope1排出量 燃料の燃焼、工業プロセス等、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出 + Scope2排出量 他者から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出 + Scope3排出量 その他間接排出(算定事業者の活動に関連する他社の排出) 15のカテゴリに分類
2.環境省の SBT設定支援事業
2018年度 環境省 SBT設定支援 2019年2月26日現在 57社の応募企業に対しSBT設定の説明会を開催。うち21社に個社別支援を実施。 21社中1社が認定取得、2社が2年以内の設定をコミット。 ※業種内五十音順 下線付は個社別支援実施企業 赤文字はSBT認定取得済企業 青文字はSBT設定コミット企業 ○参加企業一覧(全57社) エコスタイル/大気社/前田建設工業 カルビー/日清製粉グループ本社/日本ハム/雪印メグミルク 信越化学工業/DIC/デンカ/日産化学/日本化薬/バルカー/三菱ケミカルホールディングス/ライオン エーザイ/小野薬品工業/塩野義製薬/大日本住友製薬/大鵬薬品工業 住友ゴム工業/住友理工 日本特殊陶業 フジクラ ジェイテクト アズビル/アンリツ/ウシオ電機/オムロン/シャープ/日新電機/日本光電工業/日本電産/浜松ホトニクス/ フォスター電機/富士通ゼネラル/安川電機/ローム 豊田自動織機/三菱自動車工業 凸版印刷 シチズン時計/ニコン イトーキ/堀場製作所/ミズノ/ヤマハ 佐川急便 日本航空 伊藤忠テクノソリューションズ/SCSK/エヌ・ティ・ティ・データ/西日本電信電話 ファミリーマート 三菱UFJフィナンシャル・グループ 三菱地所 NTTファシリティーズ 建設業: 食料品: 化学: 医薬品: ゴム製品: ガラス・土石製品: 非鉄金属: 機械: 電気機器: 輸送用機器: 印刷: 精密機器: その他製品: 陸運業: 空運業: 情報・通信業: 小売業: 金融・保険業: 不動産業: サービス業:
2017年度 環境省 SBT設定支援 2019年2月26日現在 63社の応募企業に対しSBT設定の合同セミナーを開催。うち42社に個社別支援を実施。42社中12社が認定取得、14社が2年以内の設定をコミット。 ○参加企業一覧(全63社) ※業種内五十音順 下線付は個社別支援実施企業 赤文字はSBT認定取得済企業 青文字はSBT設定コミット企業 化学: 食料品: 医薬品: 機械: ガラス・土石製品: 非鉄金属: 電気機器: 輸送用機器: 印刷: ゴム製品: その他製品: 建設業: 陸運業: 海運業: 情報・通信: 小売業: 保険業: その他金融: 不動産業: サービス業: 花王、積水化学工業、日産化学、日東電工、 日本ゼオン、ファンケル、富士フイルムホールディングス、 三菱ガス化学 味の素、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、ニチレイ アステラス製薬、大塚製薬(大塚HD)、塩野義製薬 グローリー、ジェイテクト、ダイキン工業、ダイフク、日立建機 AGC フジクラ、古河電気工業、YKK ウシオ電機、オムロン、京セラ、シスメックス、東芝、日本電気、三菱電機、明電舎 スズキ、テイ・エス テック、豊田合成、豊田自動織機、マツダ、三菱自動車工業 サンメッセ、大日本印刷、凸版印刷 住友ゴム工業、横浜ゴム アシックス、コクヨ 大林組、鹿島建設、住友林業、積水ハウス、大成建設、大東建託、大和ハウス工業 日本通運 日本郵船 NTTドコモ、野村総合研究所 アスクル、丸井グループ MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス、SOMPOホールディングス 日立キャピタル 東急不動産ホールディングス セコム、ベネッセコーポレーション ※業種分類は事務局が日本標準産業分類等に当てはめ作成
2018年度 環境省 サプライチェーン排出量の算定支援 企業のサプライチェーン全体のCO2排出量の算定を支援し、排出量削減の選択肢や可能性を広げるための助言・情報提供を実施。 応募企業数:28社(そのうち、全社に対して合同説明会を開催)のうち、10社に対して個社別支援を実施。 ○参加企業一覧(全28社) ※業種内五十音順 ※下線付は個社別支援実施企業 エコスタイル、熊谷組 カルビー、キユーピー、日清食品ホールディングス、日清製粉グループ本社 東洋紡 アース製薬、高砂香料工業、日本化薬、マンダム コスモエネルギーホールディングス 住友理工 小森コーポレーション アンリツ、オムロン、JVC ケンウッド、日新電機、日本光電工業、フォスター電機、 富士通ゼネラル、マクセルホールディングス シチズン時計 堀場製作所 日本航空 西日本電信電話 日鉄住金物産 MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス 建設業: 食料品: 繊維製品: 化学: 石油・石炭製品: ゴム製品: 機械: 電気機器: 精密機器: その他製品: 空運業: 情報・通信業: 卸売業: 金融・保険業:
2018年度 環境省 中小企業版SBT・RE100の設定支援 応募企業数:13社のうち5社に対して個社別支援を実施。 ○中小企業版SBT・RE100の設定支援 対象企業一覧 ※五十音順 エコワークス 大川印刷 精電舎電子工業 艶金化学繊維 リマテックホールディングス
環境省 SBT設定支援事業 現時点での実施状況 削減目標の計算については、一部のセクターを除き 手法が確立されているため、おおむね問題なし。 企業によっては、 気候変動が、どのように経営上のリスク・機会にな るのか、その関連性の分析をすること 実現できそうなものという手ごたえをもつことに苦労 している状況。 (これらが、経営層の理解を得るポイント)
SBTに取組むメリット
SBTはパリ協定に整合する持続可能な企業であることをステークホルダーに対して 分かり易くアピールできる!! 企業が、①投資家、②顧客、③サプライヤー、④社員などのステークホルダー に対し、持続可能な企業とアピールすることで、評価向上やリスクの低減、 機会の獲得といったメリットにつなげられる。 SBTは、気候科学に基づく「共通基準」で評価・認定された目標であるため、 「パリ協定」に整合していることが分かり易い。 以降、ステークホルダー別にメリットをみていく
①対投資家へのメリット 年金基金等の機関投資家は、中長期的なリターンを得るために、企業の持続可能性を評価する。 SBT設定は持続可能性をアピールでき、CDPの採点等において評価され、投資家からのESG投資の呼び込みに役立つ。
CDPには数多くの投資家が参加 CDPに署名をする機関投資家の数は年々増加している。 2016年全世界 回答企業数 CDP署名機関の推移 運用資産総額(兆米ドル) 署名機関数 気候変動署名機関数 ウォーター署名機関数 フォレスト署名機関数 気候変動運用資産総額 ウォーター運用資産総額 フォレスト運用資産総額 [出所]グリーン・バリューチェーンプラットフォーム サプライチェーン排出量算定セミナー 「CDPのサプライチェーンの取り組み~最新のサプライチェーン動向」より作成
SBT認定を受けているとCDPで得点が上がる 2017年以降のCDP質問書ではSBT認定を受けていると、「リーダーシップ」の得点を獲得することができる。 CDP気候変動2018において、多くの企業がSBTで評価を上げている。 2018年のAリストの企業とSBT対応の関係は以下の通り。 CDP気候変動2018 Aリスト企業(20社) SBTへの対応 住友林業 認定済み ソニー MS&ADインシュアランスグループホールディング コミット済み(ただし現在まで認定の手法無し) SOMPOホールディングス 川崎汽船 小松製作所 ナブテスコ 三菱電機 コミット済み 富士通 アサヒグループホールディングス ベネッセホールディングス コミット済み(ただし子会社のベネッセコーポレーションとしてコミット) 大和ハウス工業 丸井グループ 日本郵船 小野薬品工業 2018年回答時点では対応無し 積水化学工業 積水ハウス 住友化学 戸田建設 豊田自動織機
投資家からのエンゲージメントでパリ協定に整合する目標が求められている Climate Action 100+ 投資家集団とPRI、Ceresによる排出量の多いグローバル企業161社へのエンゲージメン トのための2017年から5年間のイニシアティブ。パリ協定に整合する目標へのコミットメン トが求められる。 161社の中で日本企業は、ダイキン工業、日立製作所、本田技研工業、JXホールディングス、新日鉄住金、日産自動車、パナソニック、スズキ、東レ、トヨタ自動車の10社。 ①パリ協定に整合する目標へのコミットメント ②TCFDや投資家団体がまとめたガイドラインに沿った情報開示 ③気候変動に関する取締役会の説明責任と、監視を確実に遂行するガバナンス体制の構築 エンゲージメント [出所] Climate Action 100+ ホームページ http://www.climateaction100.org/
投資家対応のためにSBT設定を行った事例 <ランド・セキュリティーズ(英国の不動産業)の場合> 「私たちの目標が承認されることは、間違いなく、私たちの評判と投資家との関係を良いものにしてくれます。長期的な投資の見通しは、今、一層良くなっています。最新の科学に沿って目標を更新し続ける限り、私たちの目標は、今後50年、投資家の要求に対して私たちの事業を確実なものとしてくれます。サステナビリティチームには、弊社の取組みを聞きたいという投資家からの電話が日々増えています。独自のSBT設定を考えている企業もあれば、目標設定を投資する企業の必須要件にしようと考えている企業もあります。」(ランド・セキュリティーズ エネルギー部門長、トム・ビルネ氏) [出所]Science Based Targetsホームページ Science-based Target Setting Manual Version3.0(みずほ情報総研仮訳、SBT設定マニュアル(ドラフト版、 Version3.0)、グリーン・バリューチェーンプラットフォーム)より作成
目標設定のメリットを企業が実感 SBTにコミットした企業のうち185社の企業の役員に対しアンケートを実施。 [出所]Science Based Targetsホームページ BLOG Six business benefits of setting science-based targets (https://sciencebasedtargets.org/2018/07/09/six-business-benefits-of-setting-science-based-targets/)より作成
②対顧客へのメリット 調達元へのリスク意識が高い顧客は、サプライヤーに対して野心度の高い目標、取組みを求める。 SBT設定をすることは、リスク意識の高い顧客の声に答えることになり、自社のビジネス展開におけるリスクの低減・機会の獲得につながる。
サプライヤーへの目標設定を求めるSBT認定企業もいる 企業名 国・セクター 目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 Land Securities 英国 欧州 不動産 Scope3 カテゴリ1 - 2023年 主要取引先である建設企業にもSBT目標設定を推奨 International Flavors & Fragrances Inc 米国 北米 化学 2025年 サプライヤー(排出量の70%相当)にSBTを目指した削減目標を設定、毎年の排出量報告をさせる ナブ テスコ 日本 アジア 電機・機械 2030年 主要サプライヤーの70%にSBTを目指した削減目標を設定させる 第一 三共 医薬品 2020年 主要サプライヤーの90%に削減目標を設定させる [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成 SBT認定を取得すればこれらの顧客からの要望に対応できる!
顧客対応のためにSBT設定を行った事例 SBT認定を取得した企業の声 <コカ・コーラエンタープライズ※の場合> 「テスコ、カルフール、セインズベリーを始め、私たちの主な小売顧客の多くが、自社の炭素排出量やサプライチェーンでの排出量を大幅に低減する計画を導入しています。これは、コカ・コーラ・エンタープライズを始め、主なサプライヤーが、炭素削減目標が十分に合致することを確実にする必要があることを意味しています。同様のことを私たちのサプライヤーにも期待しています。」(コカ・コーラ・エンタープライズ 企業責任及びサステナビリティ部門長、ジョー・フランシス氏) ※現在のコカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ [出所]Science Based Targetsホームページ Science-based Target Setting Manual Version3.0(みずほ情報総研仮訳、SBT設定マニュアル(ドラフト版、 Version3.0)、グリーン・バリューチェーンプラットフォーム)より作成
目標設定のメリットを企業が実感 SBTにコミットした企業のうち185社の企業の役員に対しアンケートを実施。 [出所]Science Based Targetsホームページ BLOG Six business benefits of setting science-based targets (https://sciencebasedtargets.org/2018/07/09/six-business-benefits-of-setting-science-based-targets/)より作成
目標設定のメリットを企業が実感 SBTにコミットした企業のうち185社の企業の役員に対しアンケートを実施。 [出所]Science Based Targetsホームページ BLOG Six business benefits of setting science-based targets (https://sciencebasedtargets.org/2018/07/09/six-business-benefits-of-setting-science-based-targets/)より作成
③対サプライヤーへのメリット サプライヤーが環境対策に取組まないことは、自社の評判の低下や、排出規制によるコスト増といったサプライチェーンのリスクになりうる。 SBTはサプライチェーンの目標を設定するため、サプライヤーに対して削減取組みを求めることにつながる。 SBTで設定した削減目標を、サプライヤーに対して示すことで、サプライチェーンの調達リスク低減やイノベーションの促進へつなげることができる。
サプライチェーンには様々なリスクが潜んでいる サプライチェーンには物理的・評判・規制リスクがあり、これらのリスク低減のためには、サプライヤーに対して環境対策に取組むことを求める必要がある。 【サプライチェーンを取り巻くリスク】 <物理的リスク> 潜在的サプライチェーン寸断リスク(気候変動、天災、人災、価格高騰、その他) <評判リスク> 投資家・消費者の目、評判リスク・風評リスク(管理体制、Scope3開示も投資家評価対象) <規制リスク> レギュレーション・コンプライアンス対応 [出所]グリーン・バリューチェーンプラットフォーム サプライチェーン排出量算定セミナー 「CDPのサプライチェーンの取り組み~最新のサプライチェーン動向」より作成
SBT設定をサプライヤー対応に活用した事例 <ケロッグの場合> SBTの一環として、ケロッグはスコープ3の排出総量を、2015年を基準年として2030年までに20%、2050年までに50%を削減すると宣言した。 これは、ケロッグ初のスコープ3の量的目標であり、達成のために同社は、基準年のGHGインベントリを設置し、どのような変化が可能かを特定するため、サプライヤーに働きかけている。目標を設定して以来、ケロッグは問題や改善可能な選択肢について理解を促すため、排出量や調達物に関するCDPの質問に答えるようサプライヤーに奨励し、すでにサプライヤーの75%(400社超)と関わってきた。また、農家が排出量を減らすために35のプログラムを世界中で実施しており、排出削減量やレジリエンスに注力した賢い農業の取組みを実践するため、50万の農業従事者を支えている。また、同社は、研究結果や学んだ教訓をまとめ、個人農家と共有している。 [出所]Science Based Targetsホームページ Science-based Target Setting Manual Version3.0(みずほ情報総研仮訳、SBT設定マニュアル(ドラフト版、 Version3.0)、グリーン・バリューチェーンプラットフォーム)より作成
④対社内・従業員へのメリット 企業が省エネ、再エネ、環境貢献製品の開発に取組むことは、コスト削減や評判向上といった企業価値向上につながる。 SBTは社内に対して野心的な削減目標を課すため、積極的な削減取組みを求めることにつながる。 SBTは野心的な目標達成水準であり、SBTを設定することは、社内で画期的なイノベーションを起こそうとする機運を高める。
SBTは社内の削減取組みを促進させる SBTが課す野心的な削減目標は、社内の省エネ・再エネ導入の成果指標となる。また、積極的な省エネ・再エネ導入はコスト削減・イノベーション促進にもつながる。 SBTという意欲的な削減目標は、省エネ、働き方改革、業務効率化等の生産性向上推進の動機づけとなる。 生産性向上に向けた取り組みの一つとしてとらえることで、成果指標として SBTを活用できる。 海外では再エネ調達がコストメリットを有する場合も出始めている。積極的な 再エネの導入がコスト削減につながる可能性がある。自社のエネルギー調達を 安価でクリーンなものにするために、SBTを利用したい企業もある。 SBTで求められる水準の削減は、既存の技術のみで実現できるものは少ない。 AI、IoTなどの新たなるテクノロジーをいち早く取り入れイノベーションを促進す ることができる。
SBT設定により社内モチベーションを高めた事例 <P&Gの場合> P&Gはまた、エネルギーを節約するための新たな方法を、従業員に模索するよう期待している。同社は、従業員が省エネや経費節約に関するアイデアを共有するための”Power of 5”と呼ばれるプログラムを立ち上げた。これまで、同プログラムは、2,500万ドル超の新たな省エネの機会を作り出しており、今後2~3年で実施する予定である。 <ウォルマートの場合> 「人はなんでも目の前にあるものに対して、最も難しいと感じるが、それは同時に多くの画期的なイノベーションをもたらすものでもある。SBTを設定することは、私達の具体的な目標の中でも最長の期間となるだけでなく、会社として設定する最も積極的で包括的な目標となる。それは、イノベーションを起こすために、私たちやステークホルダーを本気で推し進めることになると思う。」(ウォルマート サステナビリティ部門長、フレッド・ベドアー氏) [出所]Science Based Targetsホームページ Science-based Target Setting Manual Version3.0(みずほ情報総研仮訳、SBT設定マニュアル(ドラ フト版、Version3.0)、グリーン・バリューチェーンプラットフォーム)より作成
目標設定のメリットを企業が実感 SBTにコミットした企業のうち185社の企業の役員に対しアンケートを実施。 [出所]Science Based Targetsホームページ BLOG Six business benefits of setting science-based targets (https://sciencebasedtargets.org/2018/07/09/six-business-benefits-of-setting-science-based-targets/)より作成
SBTを取入れた 環境経営の例
A電機の場合
A ELECTRIC A A電機の事業概要 ディスプレイ分野 生活家電 分野 事業領域 電子デバイス 分野 ビジネス ソリューション分野
A 環境目標と経営戦略 SBT 環境課題の解決はコスト削減と表裏一体であり、環境対策は企業価値向上に直結するという考え。 A ELECTRIC A 環境目標と経営戦略 環境課題の解決はコスト削減と表裏一体であり、環境対策は企業価値向上に直結するという考え。 そのため、経営計画の中で環境目標の設定が必要であった。 SBT パリ協定に整合する目標という目指すべき将来目標に基づくSBTに共感。 SBTを達成するために、SBTに沿った製品の省エネ目標、再エネ導入目標、工場の省エネ目標を設定。
A SBT達成に向けた戦略① ~製品の省エネ~ A ELECTRIC A SBT達成に向けた戦略① ~製品の省エネ~ SBTからバックキャスティング方式で、製品の省エネ目標を2030年までに2015年比で30%と設定。 従来の液晶ディスプレイでは実現できない水準のため、次世代型のマイクロLEDディスプレイの開発に注力。 製品の省エネは、Scope3のカテゴリ11(販売した製品の使 用)の削減。 次世代ディスプレイは新規の需要を喚起すると考えられ、売上 向上も期待できる。
A SBT達成に向けた戦略② ~再エネ導入~ A ELECTRIC A SBT達成に向けた戦略② ~再エネ導入~ 化石燃料の規制リスクを考慮すると、再エネ導入は持続可能な発展には不可欠。そこで、再エネ電力導入100%を目指し、RE100にコミットメント。 その結果、再エネ電力の販売したいという、多数の営業を引き付ける宣伝になる。 電力価格の安さと販売量の大きさから、テキサス州の風力発電会社であるSylphide社と契約。年間約1億kWhの再エネ電力調達に。 北米拠点でのScope2排出量ゼロを達成。 系統電力の価格よりも安く再エネ電力を調達。コスト削減も 達成。
A SBT達成に向けた戦略③ ~製造効率化~ A ELECTRIC A SBT達成に向けた戦略③ ~製造効率化~ 工場の省エネ目標達成のために、生産性の向上に注力。そこ で、AIによる製造計画最適化ソフトA-Optを開発。 神戸工場に初めて導入し、生産性を3%向上させた。 将来的には全ての工場にA-Optを導入。各工場間の生産状 況をIoTでリアルタイムに把握し、需要予測と合わせてより精度 の高い最適生産を目指す。 Scope1+2排出量の5%削減が見込まれる。 また、この取組みをサプライヤーに広げることで、サプライヤーの Scope1+2を削減。つまり当社のScope3削減につなげる。
A SBT達成の経路イメージ 排 【Scope1,2の削減】 出 ・再エネ電力調達 量 ・ビックデータを生かした需要予測 A ELECTRIC A SBT達成の経路イメージ 排 出 量 【Scope1,2の削減】 ・再エネ電力調達 ・ビックデータを生かした需要予測 ・AIによる最適製造計画 【Scope3の削減】 省エネ製品の開発
B食品の場合
B食品の事業概要 冷凍食品部門 酒類部門 750億円 1,800億円 売上高 4,000億円 清涼飲料部門 1,400億円 その他 50億円 B FOODS その他 50億円 冷凍食品部門 750億円 酒類部門 1,800億円 売上高 4,000億円 清涼飲料部門 1,400億円
SBTが気候変動対策の達成指標になった! 気候変動対策に対する考え B FOODS 【気候変動対策に取組む意義】 気候変動が引き起こす、穀物収穫量の低下や生産地域の変化は、当社製品の安全で高品質な原料の長期的な調達に影響を与える。つまり、自社の事業継続リスクそのものである。 また、“自然の恵み”を消費者に届けることが企業価値の源泉。自然の恵みを守る積極的な環境取組みが、企業・製品のイメージを高める。 【課題】 どの程度の気候変動対策を行えば、リスクを低減し、自然の恵みを守るといえるのか、指標がなかった。 SBTが気候変動対策の達成指標になった!
Scope1の削減 バイオマス燃焼 当社は食料品製造時の熱需要が大きく、Scope1排出 量の削減が課題。 B FOODS 当社は食料品製造時の熱需要が大きく、Scope1排出 量の削減が課題。 また、食を扱う企業として、食料品の残渣を減らす取組み を推進している。 そこで、製造工程で出る廃棄物由来のバイオマスを燃料 として活用。 2030年までに化石燃料の使用量の30%を バイオマス由来に切替える!
Scope3の削減① 自販機の省エネ Scope3の中でも自動販売機(カテゴリ13)由来の排 出割合が大きい。 B FOODS Scope3の中でも自動販売機(カテゴリ13)由来の排 出割合が大きい。 また、自販機は消費者と企業の接する機会であり、自社 の取組みのアピール場面。 そこで、徹底的な省エネ取組みを実施。照明のLED化、 ヒートポンプ式加温を導入。さらに、本体の屋根に太陽光 発電を搭載し、自販機でも再エネを利用。 2030年までに自動販売機由来の排出量を 2015年比で30%削減!
Scope3の削減② 新規容器の開発 Scope3の中で最も大きな割合を占めるカテゴリ1の削減 対策として、容器に注目。 B FOODS Scope3の中で最も大きな割合を占めるカテゴリ1の削減 対策として、容器に注目。 そこでペットボトルのサプライヤーである、X化学工業と共同 して新規容器の開発に取組み、従来型から10%軽量化。 軽量化容器は、製造時の排出量削減だけでなく、輸送 時の排出量や廃棄時の排出量の低減にも貢献。 2030年までにペットボトル製造時の排出量を 2015年比で30%削減!
C建設の場合
仮想企業(C建設)の場合 国内のビル建設を主に、土木工事、道路舗装等も扱う。また、輸送会社、資材製造会社、不動産会社等を傘下に持つ。売上高4,000億円。 震災復興や東京オリンピックなど短期的に需要は伸びているが、人口減少により将来的な国内需要は落ち込むと想定される。海外展開はできていない。
仮想企業(C建設)の経営戦略と環境目標 C建設の経営戦略 ZEB物件の建設を拡大し、付加価値の高い建築により需要減に対抗! 建設廃棄物をリサイクルすることで、持続可能な開発を実現。 サプライチェーン排出量算定、SBT設定の意義 ZEB物件建設を拡大すれば、顧客のエネルギーコストを大幅に削減でき、付加価値も上がる。これは、顧客のCO2排出量削減に大いに貢献。 これは、C建設のScope3排出量の削減につながる。
ZEB物件の普及によるカテゴリ11(販売した製品の使用)削減イメージ 仮想企業(C建設)の目標達成イメージ 目標達成による付加価値向上 2030年に新築物件のZEB化率50%、2050年には80%の達成。 ZEB単価が3割増と仮定すると、販売棟数1割減でも売上4%増! CO2排出の少ないZEBの販売が増えれば、カテゴリ11(販売した製品の使用)も削減 事前にコンクリートを形成するプレキャスト工法により、コンクリート使用量を削減。カテゴリ1(購入した製品・サービス)の排出削減とコスト減を達成! カテゴリ12 販売した製品の廃棄 カテゴリ12 販売した製品の廃棄 カテゴリ1 購入した製品・サービス カテゴリ1 購入した製品・サービス カテゴリ11 販売した製品の使用 カテゴリ11 販売した製品の使用 カテゴリ5 事業から出る廃棄物 カテゴリ5 事業から出る廃棄物 カテゴリ4 輸送・配送(上流) カテゴリ4 輸送・配送(上流) ZEB物件の普及によるカテゴリ11(販売した製品の使用)削減イメージ
D百貨店の場合
仮想企業(D百貨店)の場合 若者向けファッションを中心に扱う中堅百貨店。 近年、百貨店業界の状況は厳しく、コンビニエンスストアチェーンを買収し 事業を多角化させることで業績の大幅改善を目指している。 買収
仮想企業(D百貨店)の経営戦略と環境目標 D食品の経営戦略 百貨店業界の苦境を受け、まだ成長余地があるコンビニエンスストアを傘下に入れることで、経営を多角化。電力需要が大きい業界特性を省エネと再エネ導入でコスト減を目指す。 サプライチェーン排出量算定、SBT設定の意義 他社買収により大きく排出量が増えることが想定される中、徹底した省エネと太陽光パネルの導入で電力料金を減少させる動機づけにする。 これはScope2の削減に大きく寄与
仮想企業(D百貨店)の目標達成イメージ 目標実現による付加価値の向上 省エネ・再エネの積極導入で、コストとScope1・2のCO2を同時削減 店舗の照明・空調を高効率なものに交換 屋根等に太陽光パネルの設置 余剰電力はEV充電ステーションにも活用。 裾野の広い小売業界のサプライヤーエンゲージメント(対話)により、 サプライチェーン全体の排出削減しつつ、製品・サービスの品質を向上。
SBTの参加企業
SBT認定取得済は世界で177社,日本は38社 すでに認定を受けている日本企業38社の一覧 2019年2月26日現在 日本はアメリカと同数38社でトップ、次いでイギリス15社。 世界的には食料品製造業が、日本では電気機器業、建設業が多い。 すでに認定を受けている日本企業38社の一覧 ※業種内五十音順 建設業: 食料品: 化学: 医薬品: 金属製品: 機械: 電気機器: その他製品: 印刷: 海運業: 情報・通信業: 小売: サービス業: 住友林業、積水ハウス、大東建託、大成建設、大和ハウス工業、戸田建設、LIXILグループ アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、サントリー食品インターナショナル、 サントリーホールディングス 住友化学、積水化学工業、ユニ・チャーム アステラス製薬、第一三共 YKK AP コマツ、ナブテスコ コニカミノルタ、セイコーエプソン、ソニー、日本電気、パナソニック、富士通、 富士フイルムホールディングス、ブラザー工業、リコー アシックス 大日本印刷、凸版印刷 川崎汽船、日本郵船 野村総合研究所 アスクル、イオン、丸井グループ 電通 ※下線付の企業は環境省SBT策定個社別支援実施企業(2017年度) ※波線付の企業は環境省SBT設定個社別支援実施企業(2018年度) ※なお、金融の業種に該当する企業は、SBT事務局において業種別の認定基準を検討中であるため、認定が行われていない。 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成。業種分類は事務局が日本標準産業分類等に当てはめ作成
SBT認定取得済は世界で177社,日本は38社 世界的には食料品製造業、電力事業・エネルギー関連事業、通信業の企業が多い。 2019年2月26日現在 世界的には食料品製造業、電力事業・エネルギー関連事業、通信業の企業が多い。 すでに認定を受けている海外企業139社の一覧 1/2 空運業: 航空輸送・空港サービス: 設備機器: 商業サービス: 建設業: 化学: 消費財・耐久消費財: 容器・包装: 電力事業・エネルギー関連: 電気機器: 食料品: 食料品小売: 林産・紙製品: Bpost SA/CTT – Correios de Portugal SA/International Post Corporation (IPC)/New Zealand Post/Panalpina Welttransport Holding AG/PostNord AB/Österreichische Post AG Auckland Airport Diab International AB/Kingspan Group Plc CEWE Stiftung & Co. KGaA Ferrovial/Morgan Sindall Group plc/Multiplex Construction Europe/Outotec Oyj International Flavors & Fragrances Inc. Colgate Palmolive Company/Electrolux/Essity AB/FIRMENICH SA/Givaudan SA/Husqvarna AB/IKEA/L’Oréal/Procter & Gamble Company/Seventh Generation, Inc. /Symrise AG/Unilever plc BillerudKorsnäs/Constantia Flexibles International GmbH/SIG Combibloc/TETRA PAK ACCIONA/EDP – Energias de Portugal S.A./Eneco/Enel SpA/HK Electric Investments (HKEI)/NRG Energy Inc/Origin Energy/Red Electrica de España/Verbund AG/Ørsted HUBER+SUHNER Group/Ingersoll-Rand Co. Ltd./Legrand/Royal Philips/Signify/Stanley Black and Decker/Tennant Company AB InBev/Bacardi Limited /Carlsberg Group/Coca Cola European Partners/Coca-Cola HBC AG/Danone/Diageo Plc/Farmer Bros. Co/General Mills Inc./Kellogg Company/Mars/Muntons/Nestlé/Orkla ASA/PepsiCo, Inc./Tyson Foods, Inc. CVS Health/ICA Gruppen /Kesko Corporation/Tesco/Wal-Mart Stores, Inc. Stora Enso [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済は世界で177社,日本は38社 世界的には食料品製造業、電力事業・エネルギー関連事業、通信業の企業が多い。 2019年2月26日現在 世界的には食料品製造業、電力事業・エネルギー関連事業、通信業の企業が多い。 すでに認定を受けている海外企業139社の一覧 2/2 鉄道輸送: 接客業: 広告: 金属鉱業: 医薬品・バイオテクノロジー: 専門サービス: 不動産: 小売: 半導体: ソフトウェア: ハードウェア・機器: 通信業: アパレル・生地: タバコ: 水道事業: Canadian National Railway Company/Thalys Caesars Entertainment/Hilton/Las Vegas Sands/McDonald’s Corporation/SKYCITY Entertainment Group Limited Alma Media/News Corp/UBM plc Hindustan Zinc Limited/Mahindra Sanyo Special Steel AstraZeneca/Biogen Inc./Lundbeck A/S/Pfizer Inc. Accenture/Edge Environment Pty Ltd/Enviro-Mark Solutions/SGS SA Castellum AB /City Developments Limited (CDL) /Covivio/ Emira Property Fund Ltd/Forest City Realty Trust, Inc./Gecina/Host Hotels & Resorts, Inc./Investa/Kilroy Realty Corporation /Landsec/Prologis Kingfisher/Marks & Spencer/Pukka Herbs Advanced Micro Devices, Inc Adobe Systems Inc./Atos SE/Autodesk, Inc./Capgemini Group/Capgemini UK/EVRY ASA/Iron Mountain /Mastercard/SAP SE/Sopra Steria Group/Tech Mahindra/Wipro Cisco Systems, Inc. /Dell Technologies/Delta Electronics/ Ericsson Group/Hewlett Packard Enterprise Company/HP Inc/Nokia Oyj BT plc/Elisa Corporation/Koninklijke KPN NV (Royal KPN)/Level 3 Communications/Magyar Telekom Plc./Proximus/Singapore Telecommunications Limited (Singtel)/Swisscom/TELEFÓNICA Kering/Levi Strauss & Co./Skunkfunk Philip Morris International SUEZ [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
2年以内のSBT設定コミットは世界355社,日本34社 2019年2月26日現在 世界的には金融・保険、食料品等が多く、日本では輸送用機器、電気機器等が多い。 2年以内のSBT設定をコミットしている日本企業34社の一覧 建設業: 食料品: 化学: 医薬品: ゴム製品: ガラス・土石製品: 機械: 電気機器: 輸送用機器: 情報・通信業: 小売業: 金融・保険業: サービス業: 清水建設 味の素、日本たばこ産業、不二製油グループ 花王、小林製薬、日本ゼオン エーザイ、大塚製薬、武田薬品工業 横浜ゴム 日本板硝子 ダイキン工業、日立建機 アズビル、オムロン、京セラ、日立製作所、三菱電機、明電舎、ヤマハ トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、ヤマハ発動機、UK-NSI(日本精機) NTTドコモ、KDDI J.フロント リテイリング、ファーストリテイリング MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングス、 東京海上ホールディングス ベネッセコーポレーション ※業種内五十音順 ※下線付の企業は環境省SBT策定個社別支援実施企業(2017年度) ※波線付の企業は環境省SBT設定個社別支援実施企業(2018年度) [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成 業種分類は事務局が日本標準産業分類等に当てはめ作成
SBTに参加する企業は世界全体で年々増加 2019年2月26日現在 2017年度に57社が認定を取得。コミット企業数は106社の純増。 2016年度以前と比較して認定取得・コミット表明の増加スピードは加速。 累計企業数グラフ ※2019年2月26日までに認定企業177社、コミット企業355社、合計532社まで拡大。 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBTに参加する日本企業は2017年度急増 2017年度に10社が認定を取得。コミット企業数は26社の純増。 2019年2月26日現在 2017年度に10社が認定を取得。コミット企業数は26社の純増。 日本企業の取組拡大は世界全体と比較して、一層加速している。 累計企業数グラフ ※2019年2月26日までに認定企業38社、コミット企業34社、合計72社まで拡大。 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action(http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済み日本企業38社 1/5 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 アシックス アスクル アステラス 製薬 川崎汽船 ※50音順 2018年2月26日現在 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 アサヒグループホールディングス 1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減 - 2050年 排出量をゼロ 3 アシックス 排出量を33%削減 原単位 製品あたりの、購入した製品・サービスと販売した製品の廃棄からの排出量を55%削減 アスクル 排出量を12%削減。この目標は購入した製品・サービスと上流輸送をカバー アステラス 製薬 売り上げ当たりの排出量を20%削減 イオン 2010年 排出量を35%削減 2021年 購入した製品・サービスからの排出量の80%に相当するサプライヤーにSBT目標を設定 川崎汽船 1 2011年 輸送単位あたりの排出量を25%削減 輸送単位あたりの排出量を50%削減 キリンHD Scope1+2と同様に、排出量を30%削減 コニカミノルタ 1+2+3 2005年 排出量を60%削減 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済み日本企業38社 2/5 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 コマツ サントリーHD 住友化学 住友林業 ※50音順 2019年2月26日現在 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 コマツ 1+2 2010年 2030年 原単位 製造1単位あたりの排出量を49%削減 3 2012年 総量 排出量を46%削減 サントリー食品 インターナショナル 2015年 排出量を25%削減 排出量を20%削減 サントリーHD 住友化学 2013年 排出量を30%削減 2050年 排出量を57%削減 - 2024年 生産重量の90%に相当するサプライヤーに科学に基づくGHG削減目標を策定 住友林業 2017年 排出量を21%削減 購入した製品・サービスと販売した製品の使用からの排出量を16%削減 セイコーエプソン 2025年 排出量を19%削減 購入した製品・サービスと販売した製品の使用からの付加価値あたりの排出量を44%削減 積水化学 工業 排出量を26%削減 2016年 排出量を27%削減 積水ハウス 排出量を35%削減 販売した製品の使用による排出量を45%削減 ソニー 2000年 2020年 事業活動の排出量を42%削減 1+2+3 2008年 2050年環境フットプリントゼロに向け、90%削減 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済み日本企業38社 3/5 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 第一三共 大成建設 大東建託 大日本印刷 電通 ※50音順 2019年2月26日現在 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 第一三共 1+2 2015年 2030年 総量 事業活動の排出量を27%削減 3 - 2020年 主要サプライヤーの90%に削減目標を設定 大成建設 2013年 排出量を26%削減 販売した製品の使用による排出量を25%削減 大東建託 1+2+3 2017年 排出量を16%削減 大日本印刷 排出量を25%削減 2025年 購入金額の90%に相当する主要サプライヤーにSBT目標を設定 電通 2014年 排出量を24%削減 2050年 原単位 1人あたりの出張に係る排出量を25%削減 大和ハウス 工業 純売上高あたりの排出量を45%削減 排出量を22%削減 販売した製品の使用による床面積当たりの排出量を30%削減 販売した製品の使用による排出量を23%削減 購入先サプライヤーの90%にSBT目標を設定 戸田建設 2010年 排出量を35%削減 排出量を57%削減 床面積(施工、竣工した物件)あたりの原単位を55%改善 凸版印刷 排出量を30%削減 排出量を20%削減 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済み日本企業38社 4/5 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 ナブテスコ 日本電気 日本郵船 野村総合 研究所 ※50音順 2019年2月26日現在 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 ナブテスコ 1+2 2015年 2030年 総量 排出量を30%削減 2050年 排出量を80%削減 3 - 主要サプライヤーの70%にSBTを目指した削減目標を設定 日本電気 2017年 排出量を33%削減 販売した製品の使用による排出量を34%削減 日本郵船 1 原単位 トンキロ当たりの排出量を30%削減 トンキロ当たりの排出量を50%削減 野村総合 研究所 2013年 排出量を55%削減 出張と通勤による排出量を25%削減 2023年 排出量の70%に相当するサプライヤーとベンダーにSBT目標を設定 パナソニック 排出量をゼロ 販売した製品の使用による排出量を30%削減 富士通 富士フイルムHD 1+2+3 ブラザー 工業 購入した製品、販売した製品の使用と廃棄による排出量を30%削減 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
SBT認定取得済み日本企業38社 5/5 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 丸井 グループ ユニ・チャーム LIXIL リコー ※50音順 2019年2月26日現在 企業名 Scope 基準年 目標年 単位 概要 丸井 グループ 1+2 2016年 2030年 総量 排出量を40%削減 2050年 排出量を80%削減 3 排出量を35%削減 ユニ・チャーム 排出量を34%削減 排出量を18%削減 LIXIL 2015年 排出量を30%削減 販売した製品の使用による排出量を15%削減 リコー - ネット排出量をゼロ 排出量を15%削減 YKK AP 2013年 [出所]Science Based Targetsホームページ Companies Take Action (http://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action/)より作成
6.SBTの認定事例
海外企業事例 -①DELL- 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 米国 北米 ハードウェア・設備 1+2 2010年 2020年 総量 施設及び物流事業からのGHG排出量を50%削減 3 2011年 原単位 製品ポートフォリオからのエネルギー原単位を80%削減 コミット経緯 サプライチェーン上流・下流(特に下流の顧客側)でのGHG排出量への対応の重要性を認識し、自社目標を検討してきた 2015年に、サステナビリティ戦略見直しの一環としてSBTへコミット 顧客の製品機能等への要望を踏まえるとGHG排出は増えるため、 “顧客需要を満たすことと排出削減の両立”が論点に SBT設定メリット 自社のサステナビリティ確保と、将来ビジネスニーズ(顧客からの期待)への対応となる 潜在的な技術課題とその解決策を理解し、進捗状況を測る機能への投資となる [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (http://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-dell/)より作成
海外企業事例 -②Land Securities- 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 英国 欧州 不動産 1+2+3 2014年 2030年 原単位 1㎡あたりGHG排出量 を40%削減 3 - 2023年 主要取引先である建設企業にもSBT目標設定を推奨 コミット経緯 2015年後半、機関投資家から持続可能性目標についての問合せあり 不動産業界での持続可能性分野のリーダーとなるべく、CEOが目標設定へ挑戦すると判断 社内向けの会議やワークショップを開催。「リーダーシップとは何か?」をキーワードに、自身が変化することがチャンスに繋がることを示し、理解者を増やしていった Scope3の目標設定が難航(社内で承認を得た目標がSBTの基準を満たさず) SBT設定メリット 投資家との関係強化ができ、長期的投資の見通しが立った SBT認定を受けたことで、業界内でフォロワーの立場から、リーダーの立場に変わり 社内的に自信が得られた [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (http://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-land-securities/)より作成
海外企業事例 -③Pfizer- コミット経緯 環境医学グループ、環境法グループ、グローバル工学グループの3つの部会を立ち上げ 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 米国 北米 医薬品 1+2 2012年 2020年 総量 事業活動からのGHG排出量を20%削減 2000年 2050年 事業活動からのGHG排出量を60~80%削減 3 - 90%の主要サプライヤーに対してGHG削減目標を設定させる コミット経緯 環境医学グループ、環境法グループ、グローバル工学グループの3つの部会を立ち上げ グローバル工学グループが、省エネと再エネの促進がコスト的に負担ではなくメリットを生み出すと捉え、社内調整に尽力 取締役会で目標が承認された後は、社内調整がスムーズに SBT設定メリット エネルギー節約の見える化ができた(設備単位での効果は小さいが、2000年以降3300のプロジェクトを合算すると年間150億円の節約となっている) 社内からエネルギー節約アイデアを募り、SBTに関わる社員も増えている [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (http://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-pfizer/)より作成
海外企業事例 -④P&G- 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 米国 北米 消費財・耐久消費財 1+2 2010年 2030年 総量 事業活動からのGHG排出量を50%削減 - バリューチェーンでの主要排出源において取組を実施(冷水洗濯の推奨、リサイクル樹脂の使用増、森林伐採撲滅) コミット経緯 今と将来の世代で、世界の消費者の生活を向上させる企業使命を持っており、科学に沿った目標を追求することは自然な流れであった 元々再エネ30%調達目標を持っており、次のステップとして野心的なGHG削減目標を設定 2015年にWWFのClimate Saversプログラムに参加し、SBT目標を設定 SBT設定メリット SBT目標達成のための省エネと再エネ増加の取組は、排出削減とコスト削減を実現させ、新規消費者獲得を助ける革新的なソリューションを生み出すのに役立った 再エネと効率改善によるGHG排出削減において、過去4年間で5億ドルを節約した [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (https://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-proctor-and-gamble/)より作成
海外企業事例 -⑤Kellogg- コミット経緯 既に設定していたバリューチェーン目標の正当性を強めるため、科学を組み込むことを決定 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 米国 北米 食品・飲料製造 1+2 2015年 2020年 原単位 食品生産高当たりの排出量を15%削減 3 2030年 総量 Scope3全体でのGHG排出量を20%削減 1+2 2050年 事業活動からのGHG排出量を65%削減 Scope3全体でのGHG排出量を50%削減 コミット経緯 既に設定していたバリューチェーン目標の正当性を強めるため、科学を組み込むことを決定 NGOのアドバイザーを招集し、自社の現状や過去のコミットを調べ、これらを長期的かつ野心的にするための議論を行った 短期コミットが長期ビジョンの実現にどう影響するか、社内の認識を変えることは挑戦だった SBT設定メリット 全サプライヤーに全体的なScope3目標を設定させることができた 革新技術研究の動機づけになり、自社で使用する燃料電池技術を開発した [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (https://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-kellogg/)より作成
海外企業事例 -⑥Ørsted- コミット経緯 化石燃料事業が衰退し、将来の収益性に対する実質的なリスクに直面 国・セクター SBT目標 国 地域 セクター Scope 基準年 目標年 単位 概要 デンマーク 欧州 電力事業・エネルギー関連 - 2006年 2023年 原単位 エネルギー生産1kWh当たりのGHG排出量を96%削減(20gCO2e/kWhの電力排出係数に相当) コミット経緯 化石燃料事業が衰退し、将来の収益性に対する実質的なリスクに直面 未来において気候変動対策とGHG排出削減が求められる中で、完全な再生可能エネルギー企業へと事業モデル転換を決意 目標設定の大部分は既存の目標をSBT基準に照らして確認することで実施 SBT設定メリット 再生可能エネルギー市場において強固な地位を築いた 脱炭素への移行を決断することで事業の存続可能性を見出すことが出来た 増加、主流化傾向にある、低炭素移行を課題と認識する投資家から優良企業と見られるようになった [出所]Science Based Targetsホームページ CASE STUDY (https://sciencebasedtargets.org/case-studies/case-study-orsted/)より作成
SBTの設立・運営機関
SBTの設立・運営機関 SBTはWe Mean Business(WMB)の取組の一つとして実施。 WMBの主な取組としてCDP等のWMB構成機関が設立運営。 2016年のCDP質問書からSBTに関する質問が追加され、評価の対象となっている。
SBTの設立・運営機関の詳細 組織 概要 国連 グローバル コンパクト 参加企業・団体に「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野で、本質的な価値観を容認し、支持し、実行に移すことを求めているイニシアティブ。 1999年に当時の国連事務総長が提唱し、現在のアントニオ・グテーレスも支持。現在1万3000以上の企業・団体が加盟(日本は260の企業・団体が加盟(2017年8月28日時点))。 CDP 企業の気候変動、水、森林に関する世界最大の情報開示プログラムを運営する英国で設立された国際NGO。 世界数千社の環境データを有するCDPデータは機関投資家のESG投資における基礎データとしての地位を確立。 世界資源 研究所(WRI) 気候、エネルギー、食料、森林、水等の自然資源の持続可能性について調査・研究を行う国際的なシンクタンク。 「GHGプロトコル」の共催団体の一つとして、国際的なGHG排出量算定基準の作成などにも取り組む。 世界自然保護基金(WWF) 生物多様性の保全、再生可能な資源利用、環境汚染と浪費的な消費の削減を使命とし、世界約100カ国以上で活動する環境保全団体。
【参考】We Mean BusinessとSBT We Mean Businessは、企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が構成機関となって運営しているプラットフォーム。構成機関は、このプラットフォームを通じて連携しながら、7つの領域で企業による取組12種を広める活動を推進。2019年2月26日現在、863の企業が参加。 SBTは、企業取り組み10種の一つであり、SBTイニシアティブ(CDP等4機関が設立)もプラットフォームの1構成機関との位置づけ。 Coalition Partners ※その他BSR, CERES,等合計7者 The Climate Group RE100 CDP WBCSD GHG Protocol ※WMBの対象取組ではない Implementation Partners ※その他CGIAR,NBi等合計13者 SBTイニシアティブ UN Global Compact WWF WRI Network Partners ※その他World Bank, IETA,等合計44者 Japan-CLP CLC PRI Teri UNEP Fi
SBTの手続き
SBTの検討から実施までの一連の手続き ①【任意】Commitment Letterを事務局に提出 ②目標を設定し、SBT認定を申請 ・2年以内にSBT設定するという宣言 ・SBT事務局、CDP、WMBのウェブサイトにて公表 ②目標を設定し、SBT認定を申請 ・Target Submission Formを事務局に提出 ③SBT事務局による目標の妥当性確認・回答 ・事務局は認定基準への該否を審査し、メールで回答(否定する場合は、理由も含む) ④認定された場合は、SBT等のウェブサイトにて公表 ⑤排出量と対策の進捗状況を、年一回報告し、開示 ⑥定期的に、目標の妥当性の確認 ・大きな変化が生じた場合は必要に応じ目標を再設定(少なくとも5年に1度は再評価)
【参考】Commitment Letter 企業名 連絡先 企業の説明 日付とサイン サインはだれでもOK SBTトップページ (http://www.sciencebasedtargets.org/) SET A TARGET Step-by-step guide からダウンロードできます。
Target Submission Form(目標認定申請書) 希望する妥当性確認の方法(次頁参照) 基本情報(企業名、担当者など) GHGプロトコルへの準拠状況 基準年と最新年のGHGインベントリ(Scope1~3の排出量情報) 削減目標(Scope1~3について絶対値or原単位、その他目標) Scope3の削減に向けた取り組み 補足資料 ※SBTトップページ(http://www.sciencebasedtargets.org/)SET A TARGET Step-by-step guideからダウンロードできます。
目標の妥当性確認に関する新サービス内容 目標の妥当性確認は、事前と正式の2種類から選べる 認定申請後、目標妥当正確認チームによる最大2回(事前確認と正式確認1回ずつあるいは正式確認2回)までの目標評価が受けられる 各評価に関して、該当する箇所があれば適合していない事項に対応するための提言を含め、総合的な目標妥当性確認報告書1通と、書面での決定通知を30営業日以内に得られる 各評価を行った後に最大60分のフィードバックを受けられる 正式な妥当性確認のみ、目標の最終文言の策定に対する支援を受けられる
事前の目標妥当性確認と正式の目標妥当性確認の概要 1/2 目標の妥当性確認は、以下の2種類の違いがある。 項目 事前の目標妥当性確認 正式の目標妥当性確認 評価対象企業 全ての企業(業界問わず) 金融機関と石油ガス会社(開発・生産活動を含む)を除く全企業。企業は正式確認の申請前に事前確認を受けられる。 評価対象目標 目標を全てのSBT基準に照らして評価 部分的な目標の評価(例:Scope3目標のみ、いくつかの適用セクターのみ) 目標認定申請書 申請する妥当性確認ごとに、必要に応じて目標申請書を記入しなければならない 申請書は全て記入しなければならない レビュー実施者 テクニカルワーキンググループと運営委員会 優先順位 正式な妥当性確認と同レベルの優先順で、CDPスコアリングのための正式妥当性確認が優先される3月~8月間※を除く。8月から3月までは、目標はすべて先着順に評価される。 事前の妥当性確認と同レベルの優先順で、CDPスコアリングのための正式妥当性確認が優先される3月~8月間を除けば先着順。 提供されるフィードバック水準 詳細なフィードバックが提供される フィードバックレターが発行される(最終決定ではない) 最終決定通知が発行される ※毎年3月~8月には、CDPスコアリングのため、SBT事務局には多数の目標認定申請書が提出される。この妥当性確認をCDPスコアリングに間に合うように終えるために、この期間はCDPスコアリングのために提出された正式妥当性確認が優先される。
事前の目標妥当性確認と正式の目標妥当性確認の概要 2/2 項目 事前の目標妥当性確認 正式の目標妥当性確認 決定の効力 SBT事務局は、事前の妥当性確認で提出された目標を公表しないが、フィードバックが「認定基準に適合」だった場合、企業がフィードバックレターを受け取ってから6か月間、この判断は有効となる。つまり、企業は6ヵ月以内に認定された事前確認目標と同一の目標を再提出すれば、正式な妥当性確認に通るはずである。旧バージョンのツール/手法を用いてモデル化した目標は、最新のツール/手法の改定後、6か月以内に正式な妥当性確認に提出しなければならない。当該期間が過ぎると、目標は新しい/手法を用いて再計算されなければならない。 旧バージョンのツール/手法を用いてモデル化され、認定された目標は、最新のツール/手法の発効後、6か月のみ有効。当該期間が過ぎると、目標は新しいツール/手法を用いて再計算されなければならない。 公表 結果が公式に公表されることはない 正式な妥当性確認を通った目標のみが、公開資料に掲載される。企業は適当な期間内に認定された目標を公式に発表しなければならない。
認定申請に伴う費用など 目標妥当性確認の新サービスは、USD4,950(外税)の申請費用が必要(最大2回の目標評価を受けられる) 再提出は1回の目標のみを評価する(事前または正式妥当性確認) 再提出の申請費用は、以下の企業に適用される 少なくとも一度は目標妥当性確認の新サービスを利用した企業 現状の目標評価により既に認定を受けている企業
新サービスへの移行期間 新サービスは2018年10月から利用開始 従来の無料サービスは2019年1月末(1月31日)まで利用可能であるが、新サービスに含まれる迅速な妥当性確認プロセスや詳細なフィードバック等は受けられない※企業ごとに1回までの目標提出回数制限がある 2019年以降は、一部地域に本社のある企業を除いて、全て新サービスでの目標提出となる 2018 2019 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 全ての企業は無料サービスでの目標提出が可能 全ての企業は、新サービスでの目標提出と、上記期間内における1回までの無料の目標妥当性確認の制限のある従来のサービスのどちらかを選択することが可能 発展途上国または市場経済移行国に本社があり、免除を望む企業以外の全ての企業は、新サービスを利用して目標を提出しなければならない
SBTの認定基準 本章に掲載の内容は、2018年5月23日に公開された 「SBTi Criteria and Recommendations Version 3.0」の内容に基づいて事務局が作成。 新 Version3.0において新たに追加された項目
SBTの考え方 SBTの削減目標設定(特にScope1+2)は下記の経路が基本となる。 ②削減経路を算出 ①削減シナリオを選択 (総量削減か原単位削減、あるいはベストプラクティスに則った排出削減目標) 事業セクターによっては、セクターの特性を踏まえた算定手法も用意されている(SDA) 新 (参考)SBTの基本的な削減経路 ③SBT目標年を 公表年より5年~15年 の範囲から選択 GHG排出量 ②削減経路を算出 ①削減シナリオを選択 2010年比49%削減(必須※) ④目標値 の決定 2010年比72%削減(推奨) 2010 2022~2032 2050 年
SBT認定の基準概要 1/2 内容 項目 企業全体(子会社含む)*のScope1及び2をカバーし、すべてのGHGが対象 1.バウンダリ(範囲) 企業全体(子会社含む)*のScope1及び2をカバーし、すべてのGHGが対象 2.基準年・目標年 基準年はデータが存在する最新年とすることを推奨(未来の年を設定することは認められていない) 目標年は公式提出時点から最低5年、最長15年以内** 3.目標水準 最低でも2℃目標に則した削減目標を設定していかなければならない。さらに、1.5℃目標を目指すことを推奨する。 →SBT事務局が認定するSBT手法(7手法)と 排出シナリオ(4シナリオ)の組み合わせにより目標設定 Scopeを複数合算(例えば、1+2、または1+2+3)した目標設定が可能。ただし、Scope1+2はSBT水準を満たすことが前提。 *親会社のみの目標設定を推奨。ただし、子会社が独自に設定することも可能。 **長期目標(例えば2050年目標)の提出も推奨。
SBT認定の基準概要 2/2 内容 項目 4.Scope3 Scope3排出量がScope1+2+3排出量合計の40%以上の場合にScope3目標を設定。 Scope3排出量全体の2/3をカバーする以下のいずれかを満たす目標を設定すること。 ①1つ以上の排出削減目標を設定 ②サプライヤー・エンゲージメント目標を設定 Scope3の目標は「野心的」であることが求められる。「野心的」の水準は後述の詳細情報を参照。 5.報告 企業全体のGHG排出状況を毎年開示 新 新
SBTの基本要件1. 範囲設定(バウンダリ) (必須事項) GHGプロトコル企業基準に則った、企業全体(子会社含む)のScope1、2の排出量をおさえる必要がある。 Scope1と2の排出量の5%程度(実績と目標の両者)を除外 してもよい。ただし、除外の理由については説明が必要。 GHGプロトコル企業基準において必要とされるすべての温室効果 ガスについてカバーすること。 バイオマスやバイオ燃料の燃焼による直接排出、及び生物起 源のGHG吸収量は、SBT設定や目標に対する進捗報告の際に、 企業のインベントリと目標範囲に含めなければならない。 新
SBTの基本要件1. 範囲設定(バウンダリ) (推奨事項) 子会社:親会社のみが目標を提出することを推奨。子会社が希望する場合、別途目標の提出も可。両者提出している場合は、親会社の目標に子会社の目標が含まれるかどうかを明示する必要がある。 排出回避量(削減貢献量) :企業のインベントリそのものではな いため、目標設定に算入するのは不可。 直接的土地利用変化に伴う排出量:関連性があれば、土 地利用変化による排出量を算定し、目標範囲に組み入れること が推奨されている。土地利用変化を計算する手法は大きく異なる ため、企業はGHGインベントリ内のこれらの影響を計算するために 用いた手法を開示することが望ましい。 新
【補足】GHGプロトコルにおける企業範囲とは? 「支配力基準」と「出資比率基準」の2種類のグループ範囲がある。 【支配力基準】 関連会社の中で、 支配力を及ぼしている先については、相手先企業の排出量の100%を 自社の排出量として計上、 支配力を及ぼしていない先については、相手先企業の排出量は、自社 の排出量と見なさない、とする考え方。 「支配力」は、株式保有割合を基準とする「財務支配力」と、実質的な経 営の意思決定への影響力を基準とする「経営支配力」に分類される。 連結対象までを自社とする場合は、「財務支配力基準」に該当。 ⇒ 企業範囲について自社+連結対象事業者と考えればよい
【補足】GHGプロトコルにおける企業範囲とは? 「支配力基準」と「出資比率基準」の2種類のグループ範囲がある。 【出資比率基準】 株式保有している企業全てについて、対象企業の排出量の出資比率相 当分を自社の排出量とする考え方。
出資先の排出量は、出資比率に比例して自社分として計上 【補足】企業範囲のイメージ 支配力基準 (財務支配or経営支配の2種) 出資比率基準 関係会社 関係会社 単体 単体 大 支配力 小 出資比率 支配力内の関係会社の排出量は100%自社分に計上 (支配力外は0%計上) 出資先の排出量は、出資比率に比例して自社分として計上
A社の製品がB社の製 品を代替するとき、B社 の製品使用時のGHG 排出が回避された 【補足】削減貢献量とは 削減貢献量は、従来使用されていた製品・サービスを自社製品・サービスで代替することによる、サプライチェーン上の「削減量」を定量化する考え方。 企業は、自社の製品・サービスによる他者の削減への貢献を 削減量としてアピールすることができる。 ・・・ A社の バリューチェーン B社の C-1 C-2 C-3 カテゴリ1 (C-1) C-11 販売した製品の使用 C-12 C-13 A社の製品がB社の製 品を代替するとき、B社 の製品使用時のGHG 排出が回避された
【補足】削減貢献量の例 削減貢献量は主張できる主体は、素材、部品、最終製品等のメーカーやITサービスを提供する企業など多岐に渡る。 例) 家電メーカー:製品の省エネ性能向上 ⇒ 従来品より使用者の排出量が減少 素材メーカー:超軽量材料を航空機に採用 ⇒ 航空機の軽量化により燃費向上 ⇒ 航空機の運航に伴う排出量を削減 建材メーカー:高断熱住宅へのリフォーム ⇒ 住宅の冷暖房の使用量削減 ⇒ 電力消費量の削減分だけ排出削減 ソフトウェア会社:テレビ会議システム ⇒ 電車などの移動に伴う排出量を回避した分だけ排出削減 ・・・
【補足】削減貢献量はScope3でどう評価されるのか 削減貢献量?? Scope 3 2016年度 2017年度 削減貢献量をScope3の単純な差分で評価することは困難!
【補足】削減貢献につながってもScope3総量は増加する例① 家電メーカーが新規に冷蔵庫の販売に挑戦。 この冷蔵庫は業界平均と比べて年間の排出量が30tも少ない。 家電メーカーは元々冷蔵庫を販売しておらず、販売前の冷蔵庫の使用によるScope3はゼロ。冷蔵庫が売れた分だけScope3総量は増加する。 自社のScope3 冷蔵庫販売前 Scope3 PC 冷蔵庫が売れた分だけScope3総量は増加する。 冷蔵庫販売後 Scope3 PC 冷蔵庫 CO2排出量 削減貢献量であれば1台当たり30tの削減と主張できる
【補足】削減貢献につながってもScope3総量は増加する例② 家電メーカーが販売する旧PCは使用時の年間排出量が10t。新規開発に成功した新PCは8tであるため、新PCの方が2t少ない。 新PCが2万台売れると16万tの排出。旧PCが1万台売れていたとすると排出量10万t。新PCの販売増により6万t分Scope3総量が増加。 旧 PC 新 比較対象製品 (自社旧PC) 評価対象製品 (自社新PC) CO2排出量 販売した旧PCの 総排出量 販売した新PCの PC1台の 排出量 2t少ない 新PCが2万台売れれば、削減貢献量を4万tと主張できる
【補足】 Scope3の範囲外にある削減貢献の例 建材メーカーが従来よりも断熱性能の高い断熱材を開発。新断熱材へのリフォームにより、住宅の冷暖房使用に伴う排出量を10%削減する。 しかし、建材メーカーのScope3にリフォーム住宅の排出量は含まれないため、断熱材の効果をScope3の削減としての評価はできない。 住宅の排出量 比較対象 (リフォーム前) 冷暖房 住宅の排出量削減は建材メーカーのScope3の範囲外 評価対象 (リフォーム後) 冷暖房 CO2排出量 削減貢献量であれば1件のリフォーム当たり10%の削減と主張できる
【補足】削減貢献量の課題 比較対象によって削減貢献量が大きく左右される 算定範囲をどこまでにするか 削減貢献量は、販売量が増加した分だけ削減量を主張できるため、低炭素製品開発の促進や、顧客への環境配慮のアピールなどにつながる。 しかし、削減貢献量の評価は下記のような課題があり、一般化は容易ではなく、GHGプロトコルのような国際基準も存在しない。 例) 比較対象によって削減貢献量が大きく左右される 算定範囲をどこまでにするか 様々関係者が関わる中で削減量をどのように分配するのか
【補足】削減貢献量のガイドライン 国際的な基準としてのガイドラインはないものの、業界団体(化学・電機電子等)や学界(日本LCA学会)によるガイドラインの策定が行われている。 LCA学会によるガイドライン 化学業界によるガイドライン
SBTの基本要件2. 基準年・目標年 (必須事項) 提出期日までに既に達成している目標は、SBT目標として認定されない。SBT事務局は、目標が事務局に提出された(あるいは直近でGHGインベントリを作成した)年からの削減率を目標の野心度として評価するとしている。 新 (推奨事項) 基準年:データが存在する最新年を基準年とすることを推奨(未来の年を設定することは認められていない) 目標年:中期目標に加えて長期目標(例えば2050年目標)を開発することを推奨 整合性:中期目標と長期目標は、基準年が同じ年であることが望ましい
存在する直近年を基準年とすることを推奨) SBTの基本要件2. 基準年・目標年 基準年と目標年のイメージ 基準年を設定 できる範囲 SBT事務局提出時 目標年を設定 できる範囲 2018年 2022年 (5年後) 2032年 (15年後) 2017年 (排出量のデータが 存在する直近年を基準年とすることを推奨)
SBTの基本要件3. 目標水準 (必須事項) 少なくともScope1および2の目標は、世界の気温上昇を2℃以下に抑える水準での削減目標を最低限構築し、可能であれば1.5℃以下に抑える。 Scope1および2の原単位目標は、その目標が気温上昇を2℃未満に抑える気候シナリオに沿う排出総量削減目標につながる場合や、認められた部門の改善経路またはSBT事務局が承認した手法を用いてモデル化された場合にのみ設定可能。 削減は、2℃目標に則った排出シナリオの中でも、少なくとも最低基準と合致するか、部門別脱炭素アプローチ(Sectoral Decarbonization Approach:SDA)で設定されている各部門の改善経路と合わせる必要がある。
SBTの基本要件3. 目標水準 (補足事項) 原則として総量で目標を設定する。 ※原単位目標を算出する際は、SBT事務局が指定した方法論(SDA等)を用いればよい。
SBTの基本要件3. 目標水準 (必須事項) 目標は、最新の方法やツールよって計算されていなくてはならない。古いバージョンのツールや方法を利用して計算した目標については、改訂後6か月以内に正式提出をしたときのみ有効。 Scopeを複数合算(例えば、1+2、または1+2+3)した目標設定が可能。ただし、Scope1+2はSBT水準を満たすことが前提。※Scope1+2は水準未満、Scope3は水準を超える削減、合算してScope1+2+3で水準を満たす、では認められない。 (推奨事項) 手法の選択:SBT事務局としては、早期に削減し、累積排出が最も少ない削減シナリオの利用を推奨。 他者のクレジット(排出権)の取得による削減(カーボン・オフセット)は、企業のSBT達成のための削減に算入できない。ただし、SBT達成を超えた貢献をしたいという場合のみ、認める。
【補足】クレジットを取得した削減について クレジット(排出権)は、あるプロジェクト(排出削減対策)を実施した ことで認定された方法で設定されたベースライン対して追加的とみなされ た削減分、又は定められた排出枠(キャップ)に対する削減分。 他者のクレジットを自社に移転する行為は、地球全体の排出量は削減し たことにはならない。つまり、他者のクレジットを取得することによる自らの削 減は、総量削減を求めるSBT達成のための削減には使えないという整理。 ただし、SBTが要求する以上の削減を実施し、排出量をゼロ(カーボン・ ニュートラル)を目指す企業がクレジットを使うことは支持。 ベースライン排出量 (削減対策を行わなかった場合の架空の排出量) プロジェクト排出量 (削減対策を行った場合の現実の排出量) 他社に移転ができるが、 地球全体の排出量は減らない クレジット
SBTの基本要件4. Scope2への対応 (必須事項) 企業は基準年やSBT達成の度合を検証するために、GHGプロトコルScope2ガイダンスのロケーション基準、マーケット基準のどちらを利用しているのか開示が必要。 再エネ電力を2℃シナリオに準ずる割合で調達する目標は、Scope2排出削減目標の代替案として認められる。 新 (推奨事項) 熱・蒸気:熱と蒸気による排出は直接排出(Scope1)として計算。 目標年における電力の排出係数を設定することが必要な場合、電力セクターも2℃シナリオに沿ったSBT水準の排出削減を行うことを想定して、設定することを推奨。
【補足】Scope2排出量の報告方法 基準年の排出量を算定する際は、GHGプロトコルScope2ガイダンスのロ ケーション基準又はマーケット基準のどちらか一方を選択。 国・地域によらず基準は統一する必要がある。 マーケット基準を選択したものの、マーケット基準で適用する排出係数がない 国・地域(電力自由化等が未実施)は自動的にロケーション基準の排出 係数となる。
SBTの基本要件5. Scope3への対応 (必須事項) バウンダリ: GHGプロトコル企業バリューチェーン(Scope3)算定報告基準に則って概算した企業のScope3排出量がScope1,2,3を合わせた量の40%以上を占める場合、Scope3の目標の設定が必要。 Scope3目標は、 Scope3全体の少なくとも2/3をカバーする、1つ以上の排出削減目標かつ/または、サプライヤー・エンゲージメント目標を設定する必要がある。 新
SBTの基本要件5. Scope3への対応 (必須事項) 排出削減目標を設定する場合の目標水準: 排出削減目標を設定する場合の目標水準: Scope3の目標は「野心的」であることが求められる。以下のいずれかを満たした目標が「野心的」であるとみなされる。 総量削減:世界の気温上昇が産業革命以前の気温と比べて、2℃未満に抑えるようにした脱炭素化の水準に合致する総量排出削減目標 原単位削減:原単位の削減が、世界の気温上昇が産業革命以前の気温と比べて、2℃未満に抑えるようにした脱炭素化の水準に合致する時に、物理的あるいは経済的な排出原単位の削減に繋がる目標 現行のベストプラクティスに則り、目標が野心的で、総排出量の増加につながらないと企業が明示できるその他の排出削減目標。 (例)Walmartの「Project Gigaton」 ⇒Scope3排出量を2030年までに2015年比で10億t削減 新
【補足】Walmart “Project Gigaton” バリューチェーン全体を通じて、Scope3排出量を2030年までに2015 年比で1Gt(10億t)削減。 サプライヤー(商品納入企業)向けのCO2排出量削減への取組活動と して、「エネルギー」「廃棄物」「パッケージ」「農業」「森林破壊」「製品利 用」の6つのテーマを設定。参加サプライヤーは、上記6テーマの中から1つ 以上のテーマに対してコミットし、毎年進捗の報告をすることが求められる。 ウォルマートは、サプライヤー参加促進のための排出量削減事例の紹介や、 サプライヤーへの支援活動として、世界自然保護基金や環境保護基金な どのNGOと協働してオープンソースのツールキットを開発。 参加サプライヤーのうち、具体的で現実的かつタイムリー、測定・達成可能 な目標を設定し、一貫した進捗状況を報告・公開している企業は “GigaGurus”(プロジェクトのリーダー企業)認証を受け、参加(目標 の設定や公開、報告)に合意している企業は“Others Sparking Change”の認証を受けている。 [出所]Walmartホームページ Walmart Launches Project Gigaton to Reduce Emissions in Company’s Supply Chain (https://news.walmart.com/2017/04/19/walmart-launches-project-gigaton-to-reduce-emissions-in-companys-supply-chain)、 Walmart Sustainability Hub(https://www.walmartsustainabilityhub.com/)、Sustainable Japan 2017/4/27最新ニュース(https://sustainablejapan.jp/2017/04/27/walmart-project-gigaton/26548)より作成
SBTの基本要件5. Scope3への対応 (必須事項) サプライヤー・エンゲージメント目標の場合: サプライヤー・エンゲージメント目標の場合: サプライヤーに対して、気候科学に基づく排出削減目標の採用を進める企業目標は、以下の要件が満たされたときに認められる。 関連する上流カテゴリの排出量の何%がエンゲージメント目標によってカバーされるかSBT事務局に報告しなければならない。排出量が不明の場合は、年間の調達金額の何%が目標に含まれるか※を報告する。 企業は、関連ある上流カテゴリのどれでも目標の設定が可能。 目標は、SBT事務局に正式に提出された日から遅くとも5年以内に達成する必要がある。 サプライヤーは、気候科学に基づいた排出削減目標を設定しなければならない。 ※対象範囲を支払額で測る場合、企業はバウンダリ基準(P91 2項目目)が準拠されていることを示す妥当性確認のため、その支払額に関連した排出量範囲の見積もりを提供することが推奨される。 新
SBTの基本要件5. Scope3への対応 (必須事項) 直接使用段階目標: 化石燃料を販売している事業者: Scope3期間設定: 直接使用段階目標: Scope3の削減目標として、カテゴリ11(製品・サービスの使用)の目標を設定する場合、少なくとも直接使用段階の排出削減目標についてP114 1項目目に示す排出削減目標設定水準を満たす目標を設定する必要がある。 化石燃料を販売している事業者: 天然ガスやその他化石燃料製品を販売している企業は、Scope1,2,3の総排出量に対しこれらの製品の排出量の比率がいかなるものであっても、販売した製品の使用(カテゴリ11)についてのScope3目標の設定が必要。 Scope3期間設定: 基準年と目標年についての前述の要件(Scope1,2)を参照 新
SBTの基本要件5. Scope3への対応 (推奨事項) 燃料のScope3算定: GHGプロトコルScope3基準により、企業は、自社のバリューチェーンで消費される燃料とエネルギー(カテゴリ3(Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)を除く)に係るScope3排出量を算定するために、ライフサイクル排出係数の使用が推奨されている。 サプライヤー・エンゲージメント: サプライヤーがSBT目標を設定する際に、SBTガイダンスやツールを使用することを推奨している。 間接使用段階目標: エンドユーザーの行動に影響を及ぼす目標(例、啓蒙活動)や法人顧客にSBTの採用を促進する目標(例、顧客エンゲージメント目標)は求められていないが、間接使用段階の排出量が大きい場合は目標の設定が推奨される。直接および間接使用段階で排出量を発生させる製品の一覧に関しては、GHGプロトコルScope3基準を参照。 新 新 新
SBTの基本要件6. 報告 (必須事項) 企業は企業全体のGHG排出量インベントリと目標に対する進捗を年に1度報告しなくてはいけない。 (推奨事項) 開示の場所:インベントリの開示場所について、公開である限り特定の要件はない。推奨としては、年次報告、サステナビリティ報告書、企業のWEBサイト、または、CDP質問書への回答など。
SBTの基本要件7. 再計算 (推奨事項と新規ガイドライン) 目標の再計算:削減実績を整合的に追跡するために、目標の整合性や妥当性に影響あるような大きな変化があった場合は必要に応じて目標を再計算しなくてはならない。 企業が年に1度目標について妥当性を確認することを推奨。最低でも、目標は5年に1度は再評価をしなくてはならない。企業は大きな変更があった場合、SBT事務局にその旨を知らせ、その変化について必要に応じて公開する必要がある。 ※以下のような場合、目標の再計算の検討をすることが望ましい ・企業の組織変更(例えば、買収、売却、合併、仕事の企業内部化、外注) ・成長予測 ・目標設定に利用したデータの変更(例えば、大規模な間違いを見つけたり、小さな間違いが積み重なって大きな規模の修正になっているもの) ・排出インベントリの計算方法の変更(基準年のインベントリの再計算も必要になってくる) ・それ以外のSBT設定手法で利用した予測や想定の変更
SBTの設定手法
SBTの設定手法 SBTの設定手法は下記7手法があり、このうち一つを選択することとしている。※Scope1,2を前提としている 総量削減 概要 基準 シナリオ 制約 備考 総量削減 Absolute Emissions Contraction 認定排出シナリオと同じ軌道、または同じ削減率で削減する手法 総量 ー SDA Sectoral Decarbonization Approach IEAが定めたセクター別の原単位の改善経路に沿って削減する手法 原単位/総量(部門別) IEA 2DS 算定ツールあり 3% Solution 米国企業について、2020年の国の目標を達成すべく 部門別に目標を設定する手法。同率削減となる。 総量(部門別) 米国政府目標(2020年) 米国のみ適用可能 C-FACT Corporate Finance Approach to Climate-stabilizing Targets 総量目標だが、付加価値(粗利益)あたり原単位を どの程度減らすかの計算を含む手法。同率削減となる。 ※原単位含む AutoDesk社がWEBツールを提供 CSI Climate Stabilization Intensity Targets 付加価値あたりGHG排出量を、世界全体の比率と同率で削減。 原単位 CSO Context-based Carbon Metric CSIに、OECDの排出総量についてバジェットを上回らないようにする調整ロジックを追加。 GEVA Greenhouse Gas Emissions per Value Added
SBT設定のための排出シナリオ SBTにおいては下記4つの排出シナリオが選択可能。 1990年 2010年 2013年 シナリオ 基準年 目標年及び削減率 IPCC AR4 (A-450ppmCO2eq※1) 1990年 2020年 付属書Ⅰ国 ▲20%~▲40% 2050年 付属書I国 ▲80%~▲95% 2020年 非付属書Ⅰ国 地域によって異なる 2050年 非付属書I国 IPCC AR5 (Overshoot <0.4W/m2) 2010年 2050年 ▲49%~▲72% ※SBT上では▲49%が最低基準 (RCP2.6) ▲41%~▲72% IEA 2DS 2013年 ▲56% ※1 温室効果ガス濃度を、450ppmCO2換算で安定化させるための排出経路
IPCC AR5シナリオの特徴 1/2 IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル、第5次評価報告書) 大幅なオーバーシュート(温室効果ガス濃度の超過)が起こらない (Overshoot<0.4W/m2) オーバーシュートとは・・・ ・ 今世紀中のピーク濃度が一時的に2100年の濃度を超えること。 放射強制力が0.4W/m2以上の状態を指す。 ・ 放射強制力は平衡状態にある大気と地表とのエネルギーのバランスが、 温室効果ガスの濃度変化などの要因により変化した際、その変化量を圏界面 (対流圏と成層圏の境界面)における単位面積あたりの放射量の変化であらわす指標。 (1平方メートルあたりのワット数) ・ 正の放射強制力は地表面を暖め、負の放射強制力は地表面を冷やす。 すなわち放射強制力が大きいほど、温暖化を引き起こす効果が大きい。
IPCC AR5シナリオの特徴 2/2 IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル、第5次評価報告書) 温室効果ガス濃度が低位安定しており、将来の放射強制力が小さい(RCP2.6) RCPとは・・・ ・ Representative Concentration Pathway(代表的削減経路) の略。将来の温 室効果ガス安定化レベルと、そこに至るまでの経路のうち、代表的なものを選んだシナリオ であり、“RCP”に続く数値が小さいほど、2100年における放射強制力が小さい。 年間GHG排出量[GtCO2換算/年] 2000 2020 2040 2060 2080 2100 140 120 100 80 60 40 20 -20 RCP8.5 RCP6.0 RCP4.5 RCP2.6 RCP2.6 低位安定化シナリオ
IEA 2DSの特徴 IEA 2DS(International Energy Agency 2℃シナリオ) 少なくとも50%の確率で、平均気温の増加を2℃以内の抑制できる、エネルギーシステムとCO2排出量の推移 2DSにおけるCO2排出量削減シナリオ ・2DSでは2014年比、2060年までにCO2排出量70%削減という目標設定 ・2013年から2050年までの累積排出量は約1,000Gtにとどまる見込み。 ・この排出量を各セクターに配分。 ・この目標達成のために、化石燃料の消費や産業部門におけるCO2排出量は2050年以降も、カーボンニュートラルを達成するまで、削減を継続する必要がある。 70% 削減
手法その1 総量削減(Absolute Emissions Contraction) 2050年に向けた世界全体の排出シナリオの4種類のうち一つを選択 基準年からシナリオと同じレベルで2050年に向けて削減していく想定で、現在から5~15年後の目標を設定 シナリオと同じレベルの削減率を達成するための削減経路は、「同率削減」、「同量削減」の2パターン ※シナリオ:IPCC AR5 (Overshoot < 0.4W/m2) の場合 ⇒ 2050年までに2010年比49%~72%削減 ⇒ 毎年1.7%~3.1%の削減率で削減すればSBT!
2050年に2010年比で49%削減 するシナリオの削減経路(SBT認 定において最低限必要な基準) 【参考】「同率削減」と「同量削減」 2050年に2010年比で49%削減 するシナリオの削減経路(SBT認 定において最低限必要な基準) このシナリオでは年率 1.7%の削減が必要 ①総量同率削減: 毎年の削減率を一定とするパス ②総量同量削減: 毎年の削減量を一定とするパス
手法その2 SDA(部門別脱炭素化アプローチ) 総量削減アプローチでは、世界全体の排出シナリオをそのまま各企業に当てはめるものであるが、当然、部門・業種・業態によって、排出の実態やこれまでの削減取組みの進捗も異なる。 このため、SBTではいくつかの部門について、2050年の、何らかの活動量当たりの原単位の低減水準を設定し、その部門に該当する企業は、その原単位まで下げるという目標を設定するアプローチも用意している。 ⇒ Sectoral Decarbonization Approach(SDA) ※具体的な2050年の部門ごとの原単位目標は、IEAが実施した最適化計算による原単位予測をベースにして、SBT事務局にて設定している。
手法その2 SDA(部門別脱炭素化アプローチ) SDAの設定ではSBT事務局が公開している計算ツールを利用。 計算ツールに「部門」、「基準年・目標年」、「事業活動・排出量に関するデータ」を入力すれば、目標とする原単位の改善率、削減量、削減率、削減経路が自動で計算される! ※単一の財やサービスを提供していない部門(例えば機械製造業など)は、「その他 製造業」としてまとめて、かつ原単位ではなく総量同率削減にて設定している(この 削減率は、世界全体のものとは若干異なる)。 ※最新のSDA計算ツール(Ver.8.1)では、化学・石油化学部門のScope1、2計 算には利用できない。 ※自動車製造業のScope3算定はSDA計算ツールの「Transport Tool」を利用す る必要がある。
SDAが設定されている部門 以下のセクターに対してSDAが用意されている。 ※農林部門、他の土地利用変化、石油・ガス製造、熱供給、産業用エネルギー利用、家庭用建築物については扱っていない。
各部門ごとの2050年までの原単位改善経路 (SBT事務局が設定) Source: Pedro Faria and Nicole Labutong, “A Review of Climate Science Based GHG Target Setting Methodologies for Companies”, March, 2015 1.2 セメント 1.0 化学・石油化学 鉄鋼 0.8 紙・パルプ アルミ 0.6 その他製造業 サービス・商業ビル 0.4 乗用車 バス 0.2 鉄道 航空 電力 2010 2020 2030 2040 2050 その他輸送
SBTの設定の サンプル例
SBT設定のサンプル ーA電機ー 排出量データ Scope別排出量 カテゴリ別排出量 排出量の特徴 排出量の大半はScope3である。 カテゴリ11 販売した製品の使用 Scope2 カテゴリ4 輸送・配送(上流) Scope1 カテゴリ1 購入した製品・サービス 排出量の特徴 排出量の大半はScope3である。 カテゴリ1(購入した製品・サービス)約25%:プラスチック等の資材の調達 カテゴリ11(販売した製品の使用)約45%:液晶パネルや家電の電力消費 Scope2がScope1よりも多く、工場の製造ラインの電力消費量が大きい。
SBT設定のサンプル ーA電機ー Scope1・2目標 排出シナリオ:IEAの2DSに基づく、その他製造業のシナリオ SBT手法:SDA(セクター:Other Industry) セクター特性を踏まえた削減目標を設定するため、SDA(Sectoral Decarbonization approach)を用いて設定 SDAツールで算出し、2030年に2015年比31%削減 Scope3目標 Scope3目標は、排出量の2/3以上を占めるカテゴリ1、11がターゲット Scope3目標:2030年までに製品ポートフォリオのエネルギー効率を 2015年比30%向上。 2030年までに直接取引のあるサプライヤーの調達金額 当たり排出原単位を2015年比20%低下。
SBT設定のサンプル ーB食品ー 仮想企業排出量データ Scope別排出量 カテゴリ別排出量 排出量の特徴 排出量の約半分を占めるカテゴリ1(購入した製品・サービス)は、 原料(農作物等)と容器資材(プラ、鉄、アルミ、ガラス)が半々。 排出量の約8%を占めるカテゴリ13(下流のリース資産)は自動販売機の利用による排出。
SBT設定のサンプル ーB食品ー Scope1・2目標 認定排出シナリオ:IPCC AR5 における2℃未満シナリオ ⇒2050年に2010年比56.5%削減(SBT推奨水準) SBT手法:世界全体の削減率と歩調を合わせて削減していく目標を示すため、総量同率削減を選択。 ⇒2030年に2015年比27%削減 Scope3目標 排出量の上位3カテゴリのカテゴリ1(購入した製品・サービス)、4(上流の輸送)、13(下流のリース資産)で目標設定。 Scope3目標:上位3カテゴリで2030年に2015年比15%削減
SBT設定のサンプル ーC建設ー 仮想企業排出量データ Scope別排出量 カテゴリ別排出量 排出量の特徴 カテゴリ12 販売した製品の廃棄 カテゴリ11 販売した製品の使用 カテゴリ1 購入した製品・サービス カテゴリ5 事業から出る廃棄物 カテゴリ4 輸送・配送(上流) 排出量の特徴 排出量の大半はScope3である。 カテゴリ1(購入した製品・サービス)約30%:コンクリート、鉄骨等の建築材の調達 カテゴリ5(事業から出る廃棄物)約15%:がれき類のリサイクル及び最終処分 カテゴリ11(販売した製品の使用)約20%:ビル、ホテルといった建築物の使用 Scope1がScope2よりも多く、特に建設現場での重機の燃料消費が大きい。
SBT設定のサンプル ーC建設ー Scope1・2目標 認定排出シナリオ:IPCC AR5 における2℃未満シナリオ ⇒2050年に2010年比49%削減(SBTの最低水準) SBT手法:世界全体の削減率と歩調を合わせて削減していく目標を示すため、総量同率削減を選択。 ⇒2030年に2015年比22%削減 Scope3目標 Scope1,2と同じ総量同率削減の考え方に基づきタイムスケール、 同じ削減率とした。 2030年に2015年比22%削減
SBT設定のサンプル ーD百貨店ー 仮想企業排出量データ Scope別排出量 カテゴリ別排出量 排出量の特徴 小売業であるため、仕入れが多くカテゴリ1(購入した製品・サービス)の 排出量が全体の半分以上を占める。 物流をすべて他社に委託しているため、カテゴリ4(上流の輸送)も10%と比較的大きい。
SBT設定のサンプル ーD百貨店ー Scope1,2目標 認定排出シナリオ:IEAの2DSに基づく商業ビル業界のシナリオ SDA手法:セクター特性を踏まえた削減目標を設定するため、SDA(セクター:サービス/商業ビル)を用いて設定する ⇒ 2025年に2015年比床面積当たり排出量を44%改善 (買収などにより、床面積が約5割増える前提で、総量16%削減) Scope3目標 排出量の9割以上を占めるカテゴリ1(購入した製品・サービス)、4(上流の輸送)で目標設定。 企業買収によって事業構造の変化により排出量が大きく変化することが想定されるため、定性的な目標とする。 Scope3目標:2025年までに、カテゴリ1・4に該当する調達先の金額 上位70%に、SBT水準の削減目標を設定してもらう。
SBT認定とCDP 質問書との関係
SBT認定を受けているとCDPでも得点が上がる 2016年のCDP質問書からSBTに関する質問が追加され、評価の対象となっている。 SBT認定を受けていると、CDPでも「リーダーシップ」の得点を獲得することができる。 総量目標でSBT認定を受けている場合:3.1aでフルポイント 原単位目標でSBT認定を受けている場合: 3.1bでフルポイント 正式な認定 CDP質問書回答より評価 または リーダーシップ (Leadership) ※3.1a総量目標のみ ※3.1a, 3.1bの両方または いずれかにてフルポイント 2点 以下のすべての要件を満たす スコープ内における削減目標対象排出量割合が70%以上 目標がスコープ1と2両方を対象にしている 中期目標を設定している(目標年が2020-2035年) 長期目標を設定している(目標年が2035年以降) 基準年から目標年に渡って年平均削減率が最低2.1% ※リーダーシップスコアを獲得するためには、中期目標と長期目標の両方をカバーするため複数の目標設定が必要です。 管理 (Management) 認識 (Awareness) その削減目標はSBT(科学と整合した目標設定)ですか? ※3.1a, 3.1bの両方またはいずれかにてフルポイント CC3.1のディスクロ―ジャーレベルで満点をとっていることが条件 1点 Yes No, but we anticipate setting one in the next 2 years Yes Don’t know No, but we are reporting another target which is science-based No, but we anticipate setting one in the next 2 years No, and we do not anticipate setting one in the next 2 years 【スコープ内における目標対象排出量割合、目標年、基準年、基準年排出量、基準年からの削減割合】を全て回答し、2.5点をとれていることが条件 開示 (Disclosure) 0.5点
CDP気候変動2017 C3.1削減目標 3.1a 総量目標の詳細について回答してください。 (記述式) (ⅰ)対象スコープ Scope 2(location-based):ロケーション基準手法 Scope 2(market-based):マーケット基準手法 (ⅱ)スコープ総量に対する削減目標対象排出量の割合 (ⅲ)基準年からの削減率 (ⅳ)基準年 (ⅴ)基準年排出量 (ⅵ)目標年 (ⅶ)科学的根拠に基づいた排出削減目標(Science-Based Target)かどうか YESの選択肢が2つにパターン化(SBTだがSBTイニシアチブに認められて いない/SBTイニシアチブに認められている) 自社セクターにおけるSBTの基準がないことが、設定していない理由の選択肢として追加された(例:金融サービスセクター)
CDP気候変動2017 C3.1a削減目標 3.1a 総量目標の詳細について回答してください。 (記述式) 3.1aと3.1b両方選択・入力の場合、高得点を採用 2種類の削減目標を設定している場合、目標ごとに目標に合った(総量目標または原単位目標)評価基準で評価される。最も高得点となった目標が最終的に点数に採用される。 基準年から目標年に渡って年平均削減率が最低2.1%の根拠 ⇒SBTの根拠となるのが、IPCC第5次評価報告書のRCP2.6のシナリオ。これでは、2050年 に2010年比41-72%減で、平均56.5%減を求めている。この56.5%減について、毎年の 平均削減率を算定した結果が2.06%となり、本質問での評価の「2.1%」に繋がる。
CDP気候変動2017 C3.1b原単位目標 3.1b 原単位目標の詳細について回答してください。 (記述式) 原単位目標の場合は、SBT目標として公式に認められていることが、リーダーシップスコア獲得の要件。 3.1aと3.1b両方選択・入力の場合、高得点を採用 2種類の削減目標を設定している場合、目標ごとに目標に合った(総量目標または原単位目標)評価基準で評価される。最も高得点となった目標が最終的に点数に採用される。 原単位目標の、マネジメントスコアは最高でも2点。 (総量目標のマネジメントスコアは最高で3点)。 ⇒マネジメントスコアでは、総量目標が優位。
CDP気候変動2017 C3.1c排出総量の変化 3.1c (原単位目標を選択した場合)排出総量の変化について回答してください。 (ⅰ)目標達成時のスコープ1+2排出総量の変化予測 (ⅱ)スコープ1+2排出総量の変化量予測(%) (ⅲ)目標達成時のスコープ3排出総量の変化予測 (ⅳ)スコープ3排出総量の変化量予測(%) 「増加」、「減少」、「変化なし」から選択。 3.1b(ⅰ)で回答したスコープについて回答。スコープ3に関する目標設定を行っていなければ(ⅲ)、(ⅳ)を回答する必要はない。
参考資料 (環境省)グリーンバリューチェーンプラットフォーム SBT事務局ウェブサイト https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/ SBT事務局ウェブサイト http://sciencebasedtargets.org/ こちらには、SBTマニュアル(常に改訂中),基準,企業事例,目標一覧など全公開情報が掲載されています。
環境省SBT策定支援事業 参加企業のこれまでの 【参考資料①】 環境省SBT策定支援事業 参加企業のこれまでの 感想コメント
参加企業のこれまでの感想コメント SBT設定のモチベーション・経緯・背景 中期経営計画発表にあわせて削減目標も公表。 イノベーションしつづける、世の中の社会課題に対応しつづけるという姿勢を示すもの 今後は投資を必要とする環境対策が増えるので、 その社内説得の定量的な論拠としてSBTを活用。 環境に良いことは、顧客サービス向上になる。 商品の電子化により、利便性が高まるし、省エネ。
参加企業のこれまでの感想コメント SBT設定の内外からのプレッシャー 役員報酬の中長期業績連動で、サステナビリティ評価が加味されるようになった。 CDP評価の影響力の大きさを痛感している。 シェアの大きい●●業界から●●用●●の製造における排出量を下げることを求められている。他者との競合もあるので、サプライチェーン上のビジネスリスクが大きい。 IR部門から、「機関投資家の半数が海外の投資家であり、削減目標を何故作らないのか」と問われた。
参加企業のこれまでの感想コメント 設定と実践に向けた課題、工夫 なぜその目標なのか、経営方針、経営計画、事業に結び付けたストーリーが必要。ビジネスにとっての将来のリスクと機会がつかめるよう、社会の環境分野の将来像を示す青写真がほしい。 削減策と根拠が伴った数値目標にしたい。 自社の社員にも訴求できるようなものにしたい。 設定前の省エネ対策の成果は含められないのでなかなか難しいが、子会社や、再エネの低価格化が進む海外拠点は、削減余地は大きいと判明。
一社の努力だけではできない、企業間連携や社会全体の変革が必要 参加企業のこれまでの感想コメント 一社の努力だけではできない、企業間連携や社会全体の変革が必要 2℃目標達成は一社だけの削減努力だけではなく、企業が協同して排出量を減らしていく必要がある。 削減の肝になるのが●●●(省エネ製品)が政府目標の●●%まで普及できるのかどうか(消費者の消費行動の変化も重要) 技術革新、電力会社の係数の変化、再エネ調達環境の変化、カーボンプライシング等を想定。カーボンプライシングがかけられれば、十分な投資効果が得られる。
参加企業のこれまでの感想コメント 再エネ電力 製造プロセスでの省エネ対策は限界に近く、製造プロセスの周囲の対策(自家発電、再エネ導入)が必要。 ロケーションベース、マーケットベースどちらかに一本化する必要がある。再エネ電力購入の効果を活かすのであれば、マーケットベースの方が良いと考える。 営業車のEV化を進めていくが、電力原単位の影響を強く受けるので、再エネ調達も視野に入れている。
SBTの経営層への説明フォーマット案① まず何よりもリスクと機会の分析が重要。 リスク 機会(リターン) 自社への影響 主要生産拠点のある国での排出規制 原材料調達に重大な変化 ・・・ 省エネ・再エネによる エネルギーコスト削減 顧客や取引先との関係 顧客(BtoB)の 調達条件の厳格化 自社製品の低炭素化による競争力及び収益の拡大 ESGの評価向上
SBTの経営層への説明フォーマット案② 事項 内容 削減目標 と 達成計画 <Scope1・2> 目標:20XX年に201X年比で●%削減 計画:事業所の燃料転換、電化(再エネ) ※蓄電池を導入してBCPに <Scope3> 目標:20XX年に201X年比で●%削減など 計画: ・ サプライヤーと連携し、容器包装の軽量化 ・ 省エネ製品研究開発投資を増加
環境情報開示基盤整備事業によるESG対話プラットフォーム 【参考資料②】 環境情報開示基盤整備事業によるESG対話プラットフォーム
環境情報開示基盤整備事業 企業・投資家間の橋渡しを実現! 平成30年度予算案2.5億円 委託 (平成29年度予算額1.7億円) 企業・投資家間の橋渡しを実現! 担当課:大臣官房環境経済課(03-5521-8229) ○「データベース(DB)機能」と「直接対話機能」を一体化した世界初のシステム ○企業・投資家間の活用だけでなく、企業間、企業内、海外との対話など様々な関係 者間のESG情報の共有、分析、対話へと波及 ○本事業には400超の企業・投資家(平成28年度)が参加。ESG情報の公表と対話の 経験を環境省が支援し、適正な実務の収れんを図っているところ ○実証運用期間を経て、平成32年度までに本格運用を目指す 【環境報告ガイドラインと連携】 GRIスタンダードやTCFD報告書等国際的動向を見据え改定 【データベース機能】 ・E(SG)コア情報に絞り込み ・入手、分析も容易 【直接対話機能】 E(SG)情報の作成部署と投資家の 対話をSNS感覚で直接対話可能 ESG対話 プラットフォーム
企業・金融機関等の参加状況・全体計画 参加状況の推移(2013-2016) 現在の参加状況(2018年3月2日) 参加登録 442社 環境情報開示 189社 各種報告書登録 265社 対話実施 294社
Aグループは、本年度は報告書作成段階から 環境情報開示システムの活用事例 企業 投資家 レポートの作成、ご指導お願いします グループA 地域活性化に対する貢献を 強調してもよいように感じました。 投資家B アパレル業界はサプライチェーン 上のリスクが懸念されます。 投資家C 株式を保有することで貢献に なると明確に書かかれても 良いかと思われます。 投資家D Aグループは、本年度は報告書作成段階から コミュニケーションツールを活用予定