北大MMCセミナー 第100回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年7月11日(木) 16:30~18:00

Slides:



Advertisements
Similar presentations
第24回応用物理学科セミナー 日時: 7月7日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
Advertisements

新しい科学の文法を目指して - 統計科学の立場から -
第2回応用物理学科セミナー 日時: 6月 2日(月) 16:00 – 17:00 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
リスク評価 ・管理技術開発 有害性評価手法 暴露評価手法 リスク評価手法 リスク管理手法 化学物質総合管理分野のロードマップ(1) (目標)
北大MMCセミナー 第60回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2016年7月28日(木) 16:30~18:00
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 宇宙物理研究室 B 木村悠哉
第1回応用物理学科セミナー 日時: 5月19日(月) 15:00ー 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室 Speaker:鹿野豊氏
第23回応用物理学科セミナー 日時: 6月23日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
セルロース学会北海道・東北支部セミナーの案内
生物統計学・第2回 注目要素を決める まず木を見る、各種グラフ、ウェブツール
生物統計学・第2回 全体を眺める(1) 各種グラフ、ヒストグラム、分布
癌幹細胞を標的とした治療−基礎から臨床への道筋
北大MMCセミナー 第74回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年8月4日(金) 15:00~16:30
北大MMCセミナー 第76回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年10月12日(木) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第38回 Date: 2015年2月13日(金)16:30~18:00 Speaker: 宮路 智行(明治大学)
現実の有限密度QCDの定性的な振る舞いに
GaAs(110)表面の形成機構と緩和過程の動的モンテカルロシミュレーション
支援課題名 フッ素化合物の合成(課題番号:S-13-NI-21)
ベイジアンネット混合モデルによる 強化学習エージェントの方策改善
北大MMCセミナー 第20回 Date:2014年1月30日(木) 16:30~18:00 ※通常とは曜日が異なります
正規分布における ベーテ近似の解析解と数値解 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
第25回応用物理学科セミナー 日時: 7月21日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
奈良女子大集中講義 バイオインフォマティクス (9) 相互作用推定
第19回 HiHA Seminar Hiroshima Research Center for Healthy Aging (HiHA)
北大MMCセミナー 第70回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年7月6日(木) 16:30~18:00
DNAメチル化とクロマチン構造の変化による転写制御のモデル
遺伝的アルゴリズムを用いた 構造物の最適形状探索の プログラムの作成
ゲノム科学概論 ~ゲノム科学における統計学の役割~ (遺伝統計学)
酵母細胞プロジェクト研究センター 春期シンポジウム
Environment Risk Analysis
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
千葉大学とJSPS北京研究連絡センターとの共同シンポジウム
卒業研究進捗報告 2009年  月   日 研究題目: 学生番号:         氏名:          
「骨粗鬆症や癌を予防するビタミンDの作用メカニズム 」
北大MMCセミナー 第95回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年2月13日(水) 16:30~18:00
ATP合成酵素の分子進化と活性制御 久堀 徹 博士 (東京工業大学資源化学研究所附属資源循環研究施設)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
北大MMCセミナー 第77回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年11月24日(金) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第7回 Date : 2013年3月6日(水) 16:30~18:00
細菌べん毛モーターを用いて泳ぐ仮想生物の寸法と速度の関係
北大MMCセミナー 第92回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2018年11月20日(火) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第97回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年3月5日(火) 11:00~12:00
北大MMCセミナー 第62回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2016年11月4日(金) 16:30~18:00
情報経済システム論:第13回 担当教員 黒田敏史 2019/5/7 情報経済システム論.
シミュレーション論 Ⅱ 第1回.
Department of Neurogenomics
北大MMCセミナー 第81回 附属社会創造数学センター主催
HMM音声合成における 変分ベイズ法に基づく線形回帰
構造的類似性を持つ半構造化文書における頻度分析
北大MMCセミナー 第75回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年9月28日(木) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第16回 Date:2013年11月8日(金)16:30~18:00
α decay of nucleus and Gamow penetration factor ~原子核のα崩壊とGamowの透過因子~
北大MMCセミナー 第22回 Date:2014年3月6日(木) 14:30~16:00 ※通常と曜日・時間が異なります
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
北大MMCセミナー 第68回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年6月15日(木) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第72回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年7月20日(木) 15:00~16:30
課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857)
第29回応用物理学科セミナー 日時: 11月10日(木) 16:10 – 17:10 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
植物のCa2+-活性酸素情報伝達ネットワークと自然免疫・形態形成の制御
YBCO線材の高磁界中における臨界電流特性
北大MMCセミナー 第65回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年4月20日(木) 16:30~18:00
第20回応用物理学科セミナー 日時: 2月25日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8階第2セミナー室
北大MMCセミナー 第82回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2018年4月26日(木) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第23回 Date:2014年3月6日(木) 16:30~18:00 ※通常と曜日が異なります
北大MMCセミナー 第17回 Date:2013年12月16日(月) 16:30~18:00 ※通常とは曜日が異なります
集中講義(東京大学)「化学システム工学特論第3」 バイオインフォマティクス的手法による化合物の性質予測(1) バイオインフォマティクス概観
分子生物情報学(0) バイオインフォマティクス
北大MMCセミナー 第28回 Date: 2014年10月3日(金)14:30~16:00 ※通常と開始時間が異なります
北大MMCセミナー 第94回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年1月25日(金) 16:30~18:00
Presentation transcript:

北大MMCセミナー 第100回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年7月11日(木) 16:30~18:00 Speaker: 飯田渓太(大阪大学蛋白質研究所・助教) Keita Iida (Institute for Protein Research, Osaka University) Place: 電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館                 5F北側講義室(北12条西7丁目) Title: 1細胞レベルの確率遺伝子発現モデリング、解析、パラメータ推定 Stochastic modeling, analysis, and parameter estimation for single-cell gene expressions Abstract: 生命の最小単位である細胞は、遺伝子発現と呼ばれる生化学反応を行い、細胞の恒常性維持や環境適応に必要な分子を絶えず産生している。システム生物学の主目的は、遺伝子発現全体の構造を解明し、生命の理解を目指すことにある。これには大きく二つのアプローチが存在する。一つは、知識ベースのシステム解析であり、比較的小さな遺伝子セットの調節機構の推定が行われる。もう一つは、次世代シーケンスなどの巨大データに基づくシステム同定であり、より大きな遺伝子セットが解析対象となる。本研究の目標は、これら二つのアプローチを同時に達成できるような新規理論の構築にある。  最近、我々は、2値マルコフ連鎖を用いた遺伝子スイッチと、ジャンプ型マルコフ過程を用いた蛋白質の生成崩壊モデルを結合した混合確率過程を提案し、その定常確率密度関数を導出した。また、大腸菌ラクトース代謝系の1細胞データを基に、ラクトースオペロンと呼ばれる遺伝子セットの発現調節パラメータを推定する手続きを発表した(Iida, Obata, Kimura, J. Theor. Biol., 2019)。この結果は、システム生物学において、個別の遺伝子を定量的に解析できる点でボトムアップ的であるが、同時に、scRNA-seq(single-cell RNA sequence)などのゲノムワイドな1細胞データを用いたトップダウン的解析への応用可能性も見込まれる。発表の前半では、本研究の基礎となる確率解析の結果(前述の論文の内容)を紹介する。後半では、本研究の展望と現状の問題点について、具体的な理論背景をもとに議論したい。 アブストラクト: 等高線法を用いた結晶のスパイラル成長の数理モデルを用いて、共回転対と呼ばれる、 同じ回転方向を示すらせん転位の対による結晶表面の成長速度について考察する。 Burton-Cabrera-Frankによると、対の距離がある臨界距離より遠い場合は 単独のらせん転位による結晶表面の成長と見分けが付かないとされる。 他方その臨界距離より近い場合は、対を限りなく近づけた時の成長速度が 単独のらせん転位の2倍になるとされるが、その中間の距離において 成長速度がどうなるかという評価式は与えられていない。 そこで上記の事実について数値計算実験を行った結果、臨界距離にずれがあることを発見した。 そこで共回転対による成長速度の評価を行い、その観点から臨界距離の新しい定義とその数値を与え、 これが数値計算実験の結果と非常に良く合うことを報告する。 評価と臨界距離の改善において重要な役割を果たしたのは単独のらせん転位により 与えられるスパイラルステップの回転速度で、Burton-Cabrera-Frankはこれを アルキメデスのらせんによる近似から計算していた。この結果をより精度の良いものに 改めることによりある程度の指標となる成長速度の評価式を得ることができた。 連絡先: 北海道大学電子科学研究所           附属社会創造数学研究センター           人間数理研究分野 長山 雅晴  内線: 3357 nagayama@es.hokudai.ac.jp