計算の理論 I 最小化 月曜3校時 大月 美佳 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科.

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計算の理論 I 最小化 月曜3校時 大月 美佳 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

今日の講義内容 正則表現の等価性と最小性 穴埋めアルゴリズム ミニテスト レポート出題 2つの正則表現(あるいはFA)が等価かどうか 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

FAの等価性と最小性 教科書4.4節 任意のDFAについて最小なDFAが存在 →最小化 最小なDFAの構成は同一である →等価 最小化=同値な状態を除けばよい 同値な状態とは? →区別可能(distinguishable) p.176 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

(表の)穴埋めアルゴリズム (p.177) Table-filling algorithm 区別可能な状態の対を再帰的に発見する 区別可能(distinguishable) = 一方が最終状態で もう一方が最終でない 同値(equivalent) 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

穴埋めアルゴリズム:手順 二つの状態が同値でないものにX印をつけていって、残ったものが同値類になる。 教科書とは別の例: a b c d e 1 1 a b c d 開始 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ1 最終状態とそうでない状態の組にXをつける。 a b c d e f g h X a b c d e f g h 1 1 1 1 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 まだXのついてない場所(区別可能か分かっていない場所)を調べる。 (p, q)から、各記号aについてr=δ(p, a)とs=δ(q, a)を求める。 (r, s)のどれかに既にXがついていたら、(p, q)にもXをつける。 (r, s)がxで区別可能なら(p, q)はaxで区別可能だから。 (r, s)のどれもXがついていなかったら、(p, q)を(r, s)のリストに加える。 将来(r, s)にXがついたら(p, q)にXをつけるため。 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

区別可能の持ち越し a a p r r’ a a q s s’ No=次の組まで持ち越し 区別可能か? 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, b) 例: (a, b)の組について (δ(a, 0), δ(b, 0)) =(b, g) (δ(a, 1), δ(b, 1)) =(f, c) ← 区別可能 a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, d) 例: (a, d)の組について (δ(a, 0), δ(d, 0)) =(b, c) ← 区別可能 (δ(a, 1), δ(d, 1)) =(f, g) a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, e) 例: (a, e)の組について (δ(a, 0), δ(e, 0)) =(b, h) →(b, h)のリストに(a, e)を加える。 (δ(a, 1), δ(e, 1)) =(f, f) ← 1で始まる列はない e 1 h f g a d b c (b, h) (a, e) 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, f) 例: (a, f)の組について (δ(a, 0), δ(f, 0)) =(b, c) ← 区別可能 (δ(a, 1), δ(f, 1)) =(f, g) a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, g) 例: (a, g)の組について (δ(a, 0), δ(g, 0)) =(b, g) →(b, g)のリストに(a, g)を加える。 (δ(a, 1), δ(g, 1)) =(f, e) →(f, e)のリストに(a, g)を加える。 e 1 h f g a d b c (b, h) (a, e) (b, g) (a, g) (f, e) 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (a, h) 例: (a, h)の組について (δ(a, 0), δ(h, 0)) =(b, g) (δ(a, 1), δ(h, 1)) =(f, c) ← 区別可能 a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (b, d) 例: (b, d)の組について (δ(b, 0), δ(d, 0)) =(g, c) ← 区別可能 (δ(b, 1), δ(d, 1)) =(c, g) ← 区別可能 a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (b, e) 例: (b, e)の組について (δ(b, 0), δ(e, 0)) =(g, h) (δ(b, 1), δ(e, 1)) =(c, f) ← 区別可能 a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (b, f) 例: (b, f)の組について (δ(b, 0), δ(f, 0)) =(g, c) ← 区別可能 (δ(b, 1), δ(f, 1)) =(c, g) ← 区別可能 a b c d e f g h X 1 1 a b c d 1 1 1 1 1 e f g h 1 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 (b, g) 例: (b, g)の組について (δ(b, 0), δ(g, 0)) =(g, g) (δ(b, 1), δ(g, 1)) =(c, e) ← 区別可能 e 1 h f g a d b c a b c d e f g h X 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ステップ2 詳細 連鎖 例: (b, g)からの連鎖 (b, h) (a, e) (b, g) (a, g) (f, e) e h f g 1 h f g a d b c a b c d e f g h X 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

例の最終結果 a ≡ e b ≡ h d ≡ f a b c d e f g h X [g] [a,e] [d,f] [b,h] [c] 1 [g] [a,e] [d,f] [b,h] [c] 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

ミニテストと次回内容 ミニテスト ミニテストを提出すること 次回(6/30)内容 教科書・資料を見ても、友達と相談しても良い 出したら帰って良し 次回(6/30)内容 文脈自由文法(CFL) 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科

レポートについて 〆切:2003年7月14日 講義終了時 内容: 配点:100点中20点 正則表現→ε-NFA→DFA→最小のDFA 注意: 平成15年6月23日 佐賀大学知能情報システム学科