図1 斑紋異常の子牛 出生 性別 精液の銘柄 症例1 H27.3.13 雄 Ⅰ 症例2 H27.5.26 雄 Ⅱ 図1 斑紋異常の子牛 出生 性別 精液の銘柄 症例1 H27.3.13 雄 Ⅰ 症例2 H27.5.26 雄 Ⅱ 症例3 H27.9.21 雌 Ⅲ 症例4 H27.11.7 雌 Ⅲ 斑紋異常の概要です。 平成27年3月から写真の様な、ホルスタイン種様斑紋を有するF1子牛が続けて4頭出生しました。 性別は雄雌それぞれ2頭ずつで、人工授精により生産されていました。 精液は市販の精液で、農場で使用している3銘柄で、みられていました。 写真は症例1と4の子牛ですが、斑紋はホルスタインに酷似しており、ここまで酷似した事例は、これまでありませんでした。 (スライドお願いします) 症例1 症例4 1
図2.外貌所見 下顎短小、舌の露出 肛門の欠損 前膝稍腫大し伸展屈曲常 複数の奇形が認められた 奇形子牛の外貌所見です。 起立、歩行は可能でしたが、前膝は、稍腫大し伸展・屈曲を伴っており、長時間の起立は困難でした。 頭部は下顎短小で、舌が常に露出していました。 また、肛門部分には、しわの様なものはあるものの、肛門は完全に欠損しており、 これら複数の奇形が認めれたことから、原因究明のため、病性鑑定を実施しました。 (スライドお願いします) 下顎短小、舌の露出 肛門の欠損 前膝稍腫大し伸展屈曲常 複数の奇形が認められた 2
図3.奇形子牛の病性鑑定 ○剖検 ○血液生化学的検査 ○ウイルス検査 抗体検査 : 抗体検査 : アカバネ病、アイノウイルス感染症チュウザン病、イバラキ病、牛流行熱 PCR検査 : 牛ウイルス性下痢・粘膜病 ○細菌検査 病性鑑定です。 外貌所見を観察後、剖検、血液生化学的検査を行いました。 ウイルス検査については、抗体検査については、スライドに示す疾病について実施し、PCR検査については、下顎短小が見られたことから牛ウイルス性下痢粘膜病について行いました。 細菌検査については、一般細菌検査及びサルモネラ検査を実施し、 各器官・臓器について、病理組織学的検査を行いました。 (スライドお願いします) 一般細菌検査、サルモネラ検査 ○病理組織学的検査 3
図4.剖検所見 盲腸・空回腸 (ガスで膨満) 直腸 (胎便で充満) 腸管形成不全 陰睾丸 馬蹄腎 剖検所見です。 空回腸及び盲腸はガスにより膨満し、結腸、直腸は胎便等の内容物で充満し、直腸末端は、肛門部に繋がらず閉鎖し、腸管の形成不全が認められました。 また、黄色の腹水が貯留し、腹腔内に陰睾丸を確認し、腎臓は、2つの腎臓が融合した、いわゆる馬蹄腎となっていました。 (スライドお願いします) 馬蹄腎 4
図5.血液生化学的検査 RBC 6.81×106/μl GOT 39mg/dL WBC 8500/μl GGT 443mg/dL HCT 27% T-Pro 6.2mg/dL Glu 67mg/dL Alb 2.9mg/dL T-Cho <50mg/dL Ca 9mg/dL BUN 47mg/dL IP 8.4mg/dL T-Bil 0.7mg/dL Mg 2.4mg/dL 血液生化学的検査ですが BUNが47、リンが8.4と高い値を示していました。 また、T-Bil及びGGTも高い値を示していました。 その他はスライドのとおりです。 (スライドお願いします) 5
図6.ウイルス及び細菌検査 ・PCR検査 陰性 ・抗体検査 ・一般細菌検査 有意菌分離せず ・サルモネラ検査 サルモネラ分離せず ・PCR検査 牛ウイルス性下痢・粘膜病 陰性 ・抗体検査 アカバネ アイノ チュウザン イバラキ 牛流行熱 母牛血清 8倍 <2倍 32倍 <2倍 <2倍 子牛血清 8倍 <2倍 4倍 <2倍 <2倍 ・一般細菌検査 ウイルス及び細菌検査成績です。 PCR検査において、牛ウイルス性下痢・粘膜病は陰性で、抗体検査については、スライドのとおりです。 一般細菌検査及びサルモネラ検査については、スライドに示す検体で実施しましたが、どちらも分離されず、感染症は否定されました。 (スライドお願いします) 肝、心、脾、肺、脳、全血 有意菌分離せず 脳脊髄液、腹水 ・サルモネラ検査 胆汁 及び 全血 サルモネラ分離せず 6
図7.病理組織学的検査 ・腎臓 ・肝臓 :肝細胞索の不整 肝細胞の空砲変性 胆汁色素沈着 未熟な糸球体 尿細管腔の拡張 病理組織学的検査の結果です。 腎臓において、未熟な糸球体や、尿細管腔の拡張が観察されました。 また、肝臓においてもスライドの様な病変が観察されましたが、 その他の臓器・器官では、特に病変は認められませんでした。 (スライドお願いします) ・肝臓 :肝細胞索の不整 肝細胞の空砲変性 胆汁色素沈着 7