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Published byゆずさ たけすえ Modified 約 8 年前
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医薬品素材学 I 月日講義内容担当者 4/12 1 物質の状態 I 【総論、気体の性質】 安藝 4/19 2 物質の状態 I 【エネルギー、自発的な変 化】 安藝 4/26 3 物質の状態 II 【物理平衡】安藝 5/10 4 物質の状態 II 【溶液の化学】池田 5/17 5 物質の状態 II 【電気化学】池田 月日講義内容担当者 5/28 8 物理平衡 物質の変化 【反応速度】、【物質の移動】 安藝 6/4 9 物質の構造 【化学結合】、【分子間相互作 用】 池田 総合薬学基礎特別講義 I
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医薬品素材学 I 平成 25 年 4 月
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物質の状態 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化
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○ 物理量=数値 × 単位 ○ SI(Système International d’Unités)単位 量記号定義 長さ m 光が真空中を 1/299,792,458 秒に進む行程の長さ 質量 kg 交際キログラム原器の質量 時間 s セシウム 133 原子の基底状態の 2 つの超微細構造準位間の遷移に 対応した放射周期の 9,1926,31,770 倍の継続時間(原子時) 電流 A 温度 K 物質の熱運動が完全に止まる温度を 0 K ,水の三重点 を 273.16 K 物質量 mol 炭素 12 の 0.012 kg に存在する原子数に等しい数の構成要素を含む 系の物質量 光度 cd 周波数 540 テラヘルツの黒色放射をだし,所定の方向での放射 温度が 1/683 ワット毎ステラジアンである光源のその方向にお ける光度 地球子午線全周の 4000 万分の1を 1 メートル( 1970 年) 1 秒= 1900 年 1 月 1 日の 12 時での地球公転速度を用いて計算した 1太陽年の 3155 万 6295.9747 分の1(天文字)
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○ エネルギー:様々な変化を生じさせる :仕事=力 × 変位量 ○ 力と圧力と仕事 力 仕事 圧力
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(a) 位置エネルギー potential energy 重力場中の高さ h (m) に置かれた質量 m (kg) の物体がも つエネルギー 単位: kg m s -1 m = N m = J (b) 運動エネルギー kinetic energy 速度 v (m s -1 ) で移動している質量 m (kg) の物体がもつ エネルギー 単位: kg (m s -1 ) 2 = kg m s -2 m = N m = J
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(c) その他のエネルギー ○ 物体に力 F (N) を掛けながら距離 l (m) 移動させる仕事 単位: N m = J ○ 圧力 p (Pa) に逆らって体積が V (m 3 ) 膨張する仕事 単位: Pa m 3 = N m -2 m 3 = N m = J ○ 界面張力 (N m -1 ) に逆らって面積を A (m 2 ) 広げる仕事 単位: N m -1 m 2 = N m = J ○ 電位差 E (V) に逆らって q (C) の電荷を移動させる仕事 単位: C V = A s W A -1 = W s = J
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○ アボガドロ定数 Avogadro constant , N A N A = 6.022 10 23 mol -1 *単位があることに注意 粒子数 = 物質量 × アボガドロ定数, N N = n (mol) × N A (mol -1 ) ○ モル質量 molar mass , M (g mol -1 ) : 1 mol 当たりの質量 試料の質量 = 物質量 × モル質量 m (g) = n (mol) M (g mol -1 ) 物質量 n (mol) =
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1 単位が異なっていても同じ物理量ならば,和また は差を計算することができる。 2 純物質のモル質量 M(g mol -1 )の数値は,その物 質の分子量または原子量に等しい。 3 比重はある物質の質量をそれと等しい体積の標準 物質の質量で割った値で,密度と同じ単内で表さ れる。 4 等号が成立するためには,左右両辺が同じ次元の 物理量でなければならない。 5 気体定数 R やアボガドロ定数 N A は物理量のよう に数値と単位の積で表すことはできない。 問1 単位に関する次の記述の正誤を判定せ よ。
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1 力の SI 組立単位はニュートン N であり,その SI 組立単位は kg m s -2 である。 2 圧力の SI 組立単位はパスカル Pa (N m -2 ) であ り, 1 bar は 10 6 Pa である。 3 エネルギー,仕事,熱量の SI 組立単位は ジュール J (N m -1 ) である。 4 純液体の粘度 η の SI 組立単位は Pa s -1 で表さ れる。 5 電気量,電荷の SI 組立単位はクーロン C であ る。電圧,電位の SI 組立単位はボルト V ( J C -1 )である。 問 2 単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。 10 10 5 Pa J (N m) Pa s
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【一般問題】 問 197 (物理・化学・生物) 1 1.8 10 4 2 1.8 10 5 3 3.1 10 5 4 1.8 10 6 5 3.1 10 6 腎臓のヘレン係蹄上行脚における Na + 、 Cl - の再吸収により、髄 質間質に高浸透圧が形成される。 生理的状態における髄質間質の塩化ナトリウム(式量: 58.4 ) 濃度は 29 g/L 、尿素(分子量: 60.1 )濃度は 12 g/L である。これ ら溶質が形成する浸透圧 ( Pa (N/m 2 ) ) に最も近いのはどれか。 1つ選べ。ただし、間質の体液は理想状態にあり、気体定数は 8.31 ( J∙mol -1 ∙K -1 )、体温は 37 ℃ とし、塩化ナトリウムは完全 に解離状態にあるとする。
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塩化ナトリウム濃度 : 29 g/L = 29/58 mol/L = 0.5 mol/L 尿素濃度 : 12 g/L = 12/60 mol/L = 0.2 mol/L 浸透圧 :
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物質の状態 I 1 物理量と単 位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変 化
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2-1 理想 ( 完全)気体の状態方程式 ○ ボイルの法則 ○ シャルルの法則 ○ アボガドロの原理 高温 低圧低圧
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2-2 van der Waals の状態方程式 ○ 実在気体のふるまい a : 分子間相互作用に基づく補正項 b : 排除体積に基づく補正項 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突
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2-2 van der Waals の状態方程式 物質 a (atm∙L 2 ∙mol -2 ) b (10 -2 ·L∙mol -1 ) 物質 a (atm∙L 2 ∙mol -2 ) b (10 -2 ·L∙mol -1 ) He 0.034572.370 CH 4 2.2834.278 Ne 0.21351.709 C2H4C2H4 4.5305.714 Ar 1.3633.219 C2H6C2H6 5.5626.380 Xe 4.2505.105 C6H6C6H6 18.24 11.54 H2H2 0.24762.661 CO 1.5053.985 O2O2 1.3783.183 CO 2 3.6404.267 N2N2 1.4083.913 Table ファンデルワールスの係数
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2-2 van der Waals の状態方程式 等温線 臨界点 実在気体を低温域で 温度を一定に保ったまま圧縮すると?
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Z = 1 理想気体 Z < 1 引力が優性 Z > 1 反発力が優 性 実際の気体には,引力や反発力といった分子間相互 作用がある。そこで,実在気体の性質を考える上で便 利な量に,圧縮因子 Z がある。
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1 分子の体積と分子間の相互作用が無視できる気体である。 2 ドルトンの分圧の法則は,「一定温度の下で,混合気体 の全圧はそれぞれの気体の分圧の和に等しい。」 3 理想気体の状態方程式は, p V = n R T である。 4 気体定数 R は 1 モル当たりのエネルギーである。 5 1 mol の理想気体の圧縮因子 Z = (p V) / (R T) は, 1 より大 きい。 6 理想混合気体では,体積分率はモル分率に等しい。 問3 完全(理想)気体に関する記述の正誤。 19 R = 8.314 J mol -1 K -1 理想気体の圧縮因子は Z = 1
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1 T と V が一定のとき, p は理想気体の方が大きい 2 p と V が一定のとき, T は実在気体の方が低い。 3 T と p が一定のとき, V は実在気体の方が大きい。 4 T と p が一定のとき, V はいずれも同じ。 5 T と p が一定のとき, V は理想気体の方が大きい。 問4 物質量の等しい理想気体と実在気体の比較 に関する次の記述に関する正誤 20
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2-3 気体の分子運動論 完全気体の状態方程式は,気体分子の 力学的運動によって導出することができる。 気体分子は絶えず乱雑な運動をしている。 (並進運動) ↓ 気体の運動量の変化,壁にぶつかる力から圧力 p を求める。 ↓ 分子運動の速度にはばらつきがあるので,速度 v の代わりに 平均速度(根平均二乗速度) c を用いて表す。 ↓ M :モル質量 並進運動 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突
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2-3 気体の分子運動論 ○ 根平均二乗速度 ○ マクスウェルの速さの分布
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2-4 気体の運動エネルギー ○ 気体分子の1モル当たりの平均並進運動エネルギー ○ 気体分子の 1分子(1個)の平均並進運動エネルギー k B :ボルツマン定数 k B =R/n
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○ エネルギーの量子化: 分子の並進,回転,振動運動のエネルギーは,電子の エネルギー準位と同様に,準位をもち,量子化されて いる。 熱エネル ギー 10 -21 kJ/mol 10 -4 ~ 10 -2 kJ/mol 4 ~ 40 kJ/mol 100 ~ 1000 kJ/mol
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○ ボルツマン分布 : エネルギーの高順位にある分子数は低い順にある分子 数より指数関数的に小さくなる, k B :ボルツマン定数
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○ 並進運動エネルギーの間隔は,k B T よりも狭い。 分子はどの準位にも 均等に分布できる エネルギーの等分配の法則が成立する。 ○ 振動運動エネルギーでは,ほとんどの分子が最低エネ ルギー準位に存在する。
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1 根平均二乗速度は,酸素分子より窒素分子の方 が大きい。 2 速度の異なる分子の数をプロットすると,温度 が高いほど速度分布の幅は広くなる。 3 気体の水素分子 1 mol 当たりの平均運動エネル ギーは温度が低い方が大きい。 4 25 ℃での気体分子 1 分子当たりの平均運動エネ ルギーは,窒素も酸素も等しい。 5 理想気体 1 mol の平均並進運動エネルギーは, (3/2) R T である。 6 単原子分子 1 個の平均並進運動エネルギーは, (3/2) R T である。 問5 気体分子の運動論に関する記述の正誤 27
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1 並進運動のエネルギー間隔は非常に狭く,実際上は連 続的と考えても良い。 2 極低温では気体分子の回転運動は励起されない。 3 小さな分子の振動運動のエネルギーは低温で励起され る。 4 固体結晶中の分子は低温では並進運動のみが励起する。 5 固体結晶中の分子は振動の運動エネルギーとポテン シャルエネルギーをもち,高温ではそれぞれに等量の エネルギーが分配される。 6 エネルギーレベルの最も低いのは,振動運動のエネル ギーである。 問6 エネルギーの量子化に関する記述の正誤 28 振動運動のエネルギーは大きく,高温にならないと励 起されない。 振動運動 並進運動
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1 100 K より低い温度では、水素分子が液化しているため、定容熱容量は低 い値を示す。 2 100 K より低い温度での定容熱容量は、水素分子の並進運動のみが寄与す る。 3 298 K における定容熱容量は、水素分子の並進運動エネルギー、回転運動 エネルギー、振動運動エネルギーより求められる。 4 温度の上昇に伴い水素分子が、回転運動、振動運動のエネルギー準位へと 分布できるようになり、定容熱容量が増大する。 5 10,000 K においては、水素分子の開裂が起こるため、定容熱容量が高い値 を示す。 問 92 図は、水素分子のモル熱容量(定容熱容量 C v,m )と温度との関係 を表す。の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2 つ選 べ。ただし、この温度依存性に、水素分子における電子運動は関与し ないと仮定する。 R は気体定数( J∙mol -1 ∙K -1 )を表す。
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