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Published byはな もてぎ Modified 約 8 年前
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2-①:調査地 多摩川は,関東を代表する都市河川の一つである. 河原固有の植物が衰退する一方で,クズ,アレチウリなどのつる植物が侵入,優先してい る. 本研究では,多摩川の中流域を調査対象地とし,土壌環境や繁茂状況の異なる 3 地点において 調査を行った. 2-②:調査内容 現地調査 本研究は,現地調査を 2008 年 6 月~ 2009 年 1 月, 2009 年 4 月~ 8 月にか けて,月 1 ~ 2 回の頻度でサンプリングを行なった. 屋内分析 1-①:全国の河川敷における問題 1ー②:研究対象としたつる植物 アレチウリ (Sicyos angulatus) , クズ (Pueraria lobata) を研究対象とする. 目的:各地点におけるクズ,アレチウリの比較による,両植物の生態 の解明 ・クズが繁茂する一方アレチウ リはごくわずか ・クズ,アレチウリともに 繁茂 ・粗粒、細粒の土壌が混在 しており, Site O と同様にク ズ,アレチウリがともに繁 茂 1. 土壌分析 含水率 粒度組成 2. 植物分析 採取した両植物の形態を記録 植物のバイオマスの測定 3. 植物および,土壌 全窒素,全炭素の分析( elementar 社製 Vario MICRO CUBE 使 用) 4. 安定同位体比 N15 の分析 ( MICROMASS 社製 Isoprime 使用) 5. 安定同位体比 δ15N を用いた,クズにおける根粒菌由来の窒素の比率の計測 根粒菌由来の窒素の比率の計算式 Ndfa ・・ ・ N derived from air (根粒菌由来の窒素) δ15N-fixing plant ・・ ・ 窒素固定された窒素を吸収した植物の δ 15N ?(クズ) δ15N-Reference plant ・・ ・ 比較対象の植物の δ 15N (アレチウリ) B ・・ ・ 空気中からのみ窒素を吸収した植物の取り得る δ 15N (≒ 0 ) ( Robert M. Boddey , 2000 ) 3-①:土壌サンプルの分析結果 アレチウリはある程度の細粒,かつ栄養塩の豊富な土壌にのみ生息可能であるのに対 し, クズは多様な土壌環境に生息可能であることが確認できる. 3-②:植物サンプルの分析結果 炭素含有率については,両植物共に土壌環境の変化による影響が見られない.一方で 窒素含有率については,土壌環境の変化によって大きく変動している事がみられる。 アレチウリが概ね高い値を示す一方,クズは 0 に近い値を示している. 3-③:植物 - 土壌の関連性 Fig.15,16 において,アレチウリの窒素含有率, δN15 が土壌中の値と正の相関を示すのに 対し,クズは一定の値を保つ.これはクズが根粒菌から窒素を得るために,土壌環境に大 きく影響されず生育している事を示していると考えられる. Fig.17 に,各地点におけるクズの根粒菌由来の窒素と推定される割合を示す. 比較的粗粒かつ貧栄養な土壌である Site F, Site K においては根粒菌由来の窒素に大きく 依存している.一方で全体的に細粒であり富栄養である Site O においては根粒菌由来の窒 素への依存度が低く,土壌中の窒素をより多く取り入れている事がわかる. Fig.13 において, Site F , Site K におけるクズの窒素安定同位体比 δ15N が低い値となって いる事は,両地点においてクズがより多くの窒素を根粒菌から得るため,根粒菌が固定す る大気中の窒素の安定同位体比に近づいていると思われる. 1.背景・目 的 河川敷の 樹林化 礫河原の 消失 河原固有の生態系 の消失 根粒菌との共生 マメ科であるクズ は,空気中の窒素を 固定する根粒菌と共 生している. クズ は根粒菌から窒素を 得ることにより,貧 栄養土壌においても 繁茂することが考え られる. 2.調査方法 3.結果、考 察 この研究により,アレチウリの生育には富栄養な土壌環境が必要であり,土壌が富栄養である ほど大きく繁茂する事が確認された.一方で,クズは大気中の窒素固定を行う根粒菌との共生に より,土壌環境に大きく左右されず繁茂することが分かった.今後は他の植物との比較を行う事 でクズ,アレチウリの生態をより詳細に明かすとともに,実際に現地でどのように在来種を駆逐 し繁茂していくかの観察を行う事で,両植物の繁茂を抑制する対策に結び付けていきたいと考え る. 4.まとめ 1. クズ・アレチウリとその周辺植生の変遷の調査 2. 両植物の生長の観測 3. 両植物と土壌サンプルを,屋内分析用に採取 1 多摩川外来種対策調査プロジェクト報告 Project of Reserch for invasive species in Tamariver 小田切 宗一郎 (Kotagiri Soichiro) , Nazim Uddin ,劉 顯傑( Ryu Kenkets u ) 浅枝隆 (Asaeda Takashi) 市民団体 20 団体(特定非営利活動法人自然環境アカデミー ,リバーミュージアム研究会,他,多摩川の水辺の楽校) ,国土交通省京浜河川事務所 近年の多摩川において,河原固有の植物が衰退している一方でクズ ( Pueraria lobata ) , アレチウリ ( Sicyos angulatus ) などの繁殖力旺盛なつる植物が河川敷へ侵入,優先している. 本研究の目的は,クズ,アレチウリの生態と, 攪乱に対する応答の解明である. 3 地点の窒素 含有率を比べると, Site O , K , F の順に含有率が高く,栄養塩が豊富である事を確認した. また,アレチウリとクズの窒素安定同位体比の比較によって,根粒菌と共生するクズは,約 60 %の窒素を根粒菌から得ていることが分かった.さらに土壌中,植物体内における窒素含 有率, δ15N の比較より,窒素が限られている状態の氾濫原において,アレチウリは肥沃な 土地においてのみ繁茂する一方,クズは貧栄養な土地においてさえ,共生する根粒菌から窒 素を得ることで繁茂することが考えられる. Ative opportunistic plants are disappearing from floodplain associate with wide spreading of lianas, regardless of native or alien, (ex. Pueraria lobata and Sicyos angulatus), in spite of poor nitrogen content of riparian soils. The purpose of this study is to elucidate the possible mechanism of Puraria lobata and Sicyos angulatus to colonize on such steraile condition. It found that nitrogen content of the soil was ordered as to be Oguri, Komae, and Fuchu, similar trend was obtained also for organic matter and soil water contents, and the fraction of plant nitrogen trapped by nodule. For P.lobata’s about 60% of nitrogen is originated from the symbiotic Rhizobium bacteria, similalrly to three sites. It was clearly shown that the habitat of these species highly depends on the soil characteristics, such as S.angulatus colonizes on fine and fertile solis, thus fine sediment accumulation likely make it possible. While P.lobata can even on coarse sterile soil. It is likely because P.lobata is provided with a large fraction of nitrogen from nodules. 要因 Fig13. δ15N of P. lobata Fig12. δ15N of S. angulatus Fig17. Nitrogen uptake from the Rhizobium bacteria Fig8. Soil particle size D50 of P. lobata and S. angulatus in root zone Fig16. The relation between δ15N of soil and stem
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