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豊橋技術科学大学工学部 機械工学課程3年生用 2014年後期授業 A1-101 制御工学
1/13 豊橋技術科学大学工学部 機械工学課程3年生用 2014年後期授業 A 制御工学 講師 寺嶋一彦 TUT, System & Control laboratory
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授業の概要 第1週 10月6日: 第1章 制御とは 第2週 10月13日: 第3章 伝達関数, ブロック線図(田崎先生)
2/13 第1週 10月6日: 第1章 制御とは 第2週 10月13日: 第3章 伝達関数, ブロック線図(田崎先生) 第3週 10月20日: 第2章 モデリング 第4週 10月27日: 第4章 時間応答(1) (田崎先生、真下先生) ●11月3日: 祭日 第5週 11月10日: 時間応答(2) 第6週 11月17日: 時間応答(2)の復習、 シーケンス制御(1) ●11月24日: 全学休講: 第7週 12月 1日: シーケンス制御(1)、 制御応用紹介 第8週 12月 8日: 中間テスト TUT, System & Control laboratory
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授業の概要 第9週 12月15日: 周波数応答 第10週 12月22日: 制御系の安定性(1)
2/13 第9週 12月15日: 周波数応答 第10週 12月22日: 制御系の安定性(1) 冬休みの宿題: レポート課題(提出 1月12日) 第11週 1月12日 制御系の安定性(2) 第12週 1月19日: フィードバック制御系の特性 第13週 1月26日: 制御系の設計(1) 第14週 2月 2日: 制御系の設計(2) ●2月9日: 全学休講 第15週 2月16日:システム同定と実現問題 第16週 2月23日:まとめ 第17週 3月1日: 試験日 TUT, System & Control laboratory
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第1章 制御とは この章のポイント ①制御とは何をすることか? ②フィードフォワード制御とフィードバック制御
第1章 制御とは この章のポイント ①制御とは何をすることか? ②フィードフォワード制御とフィードバック制御 ③モデリングと制御理論を用いてコントローラを 設計する意味 ④ダイナミカル制御とシーケンス制御 ⑤古典制御と現代制御 ⑥ポストモダン制御とインテリジェント制御 ⑦制御技術史と制御理論の発展
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システム制御とは(System Control):
はじめに システム制御は横断的科学技術である. システム制御とは(System Control): 時間とともに動いているシステム(動的システム:Dynamical System)を,われわれの思いどおり 動かすように人為的に操作(制御/政策)する行為である.すなわちシステムを自動制御(Automatic Control)する科学技術である TUT, System & Control laboratory
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インプリメンテーション(アルゴリズム,プログラミング,実装化)
制御とモデリングの関係 ねらいをみつける 現象をみる モデリング 現象を解析する(計測) 因果関係をとらえる ねらいに対して,制御できるか? 制御のコンセプト(アイデア) 制御 制御設計(制御理論) インプリメンテーション(アルゴリズム,プログラミング,実装化)
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自動制御沿革 1.18世紀の産業革命 James Watt の蒸気圧の制御(遠心調速機,Governor)
2.20世紀 二つの世界大戦 兵器の自動照準.追跡用レーダのサーボ機構 3.1948年 米国フォード社 自動工作機械+自動運搬機=オートメーション 4.1950~1960年 米ソの宇宙開発競争,アポロの月面着陸, 原子炉の制御,化学プラントの制御,コンピュータの開発 5.1980年~ ロボット,バイオロジー,医用,社会システム,経済システム,家電製品 6.21世紀 医療福祉,エコロジー,人文・社会システム,ナノテクノロジー, バイオテクノロジー
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ガバナー(蒸気機関の自動速度調整器)
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はやぶさ
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フィードフォワード制御
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フィードバック制御
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2自由度制御 12 (フィードフォワード制御とフィードバック制御の併合)
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制御は,自然法則である因果関係の逆, つまり逆システムを解くことである
13 入力 u=1,2,3・・・ に対して,出力 y=4,8,12・・・ のとき, 入出力関係は, y=Pu=4u となる. P: モデルのパラメータ 制御とは,出力を目標値に到達させる入力を求めること u = (1/P)y = Ky = (1/4)y ex. 目標値 r=20 のとき,u=5 K: コントローラの制御ゲイン 制御は,自然法則である因果関係の逆, つまり逆システムを解くことである
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制御におけるモデリングの重要性 そこでコントローラ(フィードフォワードコントローラ)C を用いる.これによって y=r という関係になり,
目標の出力を得る. r y C(=P-1) P コントローラ プラント コントローラCがプラントPの逆数であることから,入力値を出力として得ることができる.プラントPを求めておけば,出力yを目標の値にすることが容易となる. →プラントを求めることは制御にとって非常に重要である. もし,モデリングしたプラントPが誤差を含んでいたら?
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ダイナミック制御 モデルパラメータ コントローラ システムが複雑だと, P(s)の逆行列が存在しない場合がある
対象のモデル式が微分方程式になる モデルパラメータ コントローラ システムが複雑だと, P(s)の逆行列が存在しない場合がある
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モデリングの誤差 目標値に対して DP・P-1・r ずれた値を得る.
y C(=P-1) P+DP コントローラ プラント 誤差 目標値に対して DP・P-1・r ずれた値を得る. モデリングでプラントPをうまく得られる場合もあるが,モデル化誤差DPを含む場合もある.モデル化誤差を有する場合,ここで示しているフィードフォワードコントローラでは出力yを目標値にできない.
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P=4 で設計したが,実際には P=5 だったとき, 目標値 r=20 のとき,u=5 となり,y=25 となる.
フィードフォワード制御は, モデルが正確でないと,正確な制御ができない フィードバック制御の場合 コントローラを u=K(r-y) とする 制御ゲインを K=1/4 とし,r=20 とすると, u=1/4 (25-0) y=25 e=20-25=-5 u=-(5/4) r u y K P コントローラ プラント モデルの不正確さや,外乱に強いシステムができる
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r=20 P=4 K=0.25 r=20 P=8.5 K=0.25
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制御におけるモデリングの重要性 そこでフィードバックコントローラ C を用いる. →モデリングは制御にとって非常に重要である.
r y C P+DP コントローラ プラント フィードバックコントローラCをうまく設計すれば,出力yを 目標値にすることができる.(詳細,設計の仕方は制御工学設計論) ただし,うまいコントローラを作るためには モデリングにより求めたプラントPが必要. →モデリングは制御にとって非常に重要である. 物理現象から数式モデルを作るモデリングについて授業を行う.
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ダイナミカル制御とシーケンス制御 ダイナミカル制御 シーケンス制御
ロボットアームのような動的システムに対して、目標軌道への追従制御は,制御入力(操作信号)を連続的に与えるのでダイナミカル制御とよぶ。 シーケンス制御 洗濯機のように一定時間を経過するか,あるいは,ある条件を満足すると次の動作へ移ると言う制御である.これは連続的に制御を行っているのではなく,時間も含めてある条件を満足したら次の異なる作業に移るという制御の仕方である.つまり連続でない離散的な事象(Discrete event)に対して順序づけられた制御を行うのでシーケンス制御(Sequence control)と呼ぶ.工程間の物の流れを考えたライン計画や各種条件を一定操作で制御する条件制御がシーケンス制御に相当する.
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古典制御と現代制御 古典制御(1930ー) ・1入力1出力の制御理論 ・周波数領域での制御理論 ・現場的実用理論 現代制御(1960-) ・多変数制御理論 ・時間領域の制御理論 ・最適性を追求した高度な数学理論
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古典制御: 1入力1出力制御と単独コントローラによる多変数制御 g コントローラ1 コントローラ2 e r + - u y コントローラ
1入力1出力制御と単独コントローラによる多変数制御 コントローラ1 コントローラ2 g 21 12 22 11 コントローラ プラント e 1 r + - u y 2
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古典制御: 多変数制御への非干渉制御系の構築 g c e r + - u y v C ( s ) G コントローラ プラント 前置補償器
多変数制御への非干渉制御系の構築 コントローラ1 コントローラ2 g 21 12 22 11 コントローラ プラント e 1 r + - u y 2 c 前置補償器 v C ( s ) G
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多変数システム制御 非線形システム制御への挑戦
非線形システム制御への挑戦 古典制御 ・非干渉化して設計する ・しかし非干渉できないことがある。 ・非線形システムに適用できない。 現代制御 ・1入力システム、多変数システムに 区別なく設計できる理論 ・非線形システムへも適用可能
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ポストモダン制御とインテリジェント制御 ポストモダン制御(1980-) 現代制御の後のアドバンスト制御理論 ・ロバスト制御(H∞制御など) ・適応制御 ・学習制御 インテリジェント制御(1980-) ・物理的なモデルベースト制御ではない ・情報処理的制御 ・ファジィ制御 ・ニューラルネットワーク ・AI ・GA
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1800 1900 2000 1788 1930 1940 クラウドコンピューティング 航空・宇宙時代到来(米ソロケット競争)
ロボット産業の隆盛 オートマトン・機械時計・ガバナー フィードバック増幅器の発明 世界大戦でのサーボ技術 マクスウェル 重工業の発展(自動車・家電) 情報化時代 スマートグリッド フルビッツ 電気通信技術への貢献 人間・ロボット共生 ベルマン 遠隔制御・インターネット・携帯電話 ポントリーギャン ゼームス ラウス ドイル サイバネティクス ランダウ ローゼンブルック 木村英紀 ワット ウイナー マクファーレン ブラック カルマン サデー ナイキスト 21世紀の制御 (混沌の時代?) 非線形制御,ハイブリッド制御,環境制御,バイオロジー制御,エネルギー制御,ライフサイエンス制御 ボード 現代制御,状態空間モデル, 最適制御,カルマンフィルター, オブザーバ,可制御・可観測, 実現問題,安定理論 フィードフォワード制御(17世紀) フィードバック制御(18世紀) 古典制御,PID制御, 位相進み・遅れ補償, 伝達関数,周波数応答, 安定性 ポストモダン,ロバスト制御, 適応制御,学習制御,ディジタル制御, インテリジェント制御,ファジィ制御, ニューラルネットワーク,GA
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21世紀の制御の時代 Matlab などの市販ソフトで制御技術が多くの分野へ浸透しているが,20世紀のような大きな変革が無く,ブレークスルーが待たれている. 現在は,生物,生命分野への展開が, 医工学,バイオ工学の分野で期待されている. 2011年3月11日の東日本大震災における原子力発電所の問題は,機器単体でなくシステム全体の安全性・高信頼制御システムの構築の重要さを思い知らされた. 「あれば便利な制御」から,「人や社会を救うシステム制御の構築」へ,今後も安全で高信頼性のシステム船体に関する制御理論や制御技術の開発が必要.
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自動制御沿革 1.18世紀の産業革命 James Watt の蒸気圧の制御(遠心調速機,Governor)
5/13 1.18世紀の産業革命 James Watt の蒸気圧の制御(遠心調速機,Governor) 2.20世紀 二つの世界大戦 兵器の自動照準.追跡用レーダのサーボ機構 3.1948年 米国フォード社 自動工作機械+自動運搬機=オートメーション 4.1950~1960年 米ソの宇宙開発競争,アポロの月面着陸, 原子炉の制御,化学プラントの制御,コンピュータの開発 5.1980年~ ロボット,バイオロジー,医用,社会システム,経済システム,家電製品 6.21世紀 医療福祉,エコロジー,人文・社会システム,ナノテクノロジー, バイオテクノロジー TUT, System & Control laboratory
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制御理論の体系化 6/13 TUT, System & Control laboratory
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冬休みの宿題:レポート 自動制御とは何か 目次(1)
冬休みの宿題:レポート 自動制御とは何か 目次(1) 8/13 自動制御とは何か 早大名誉教授・北陸先端科学技術大学院大名誉教授 工博 示村悦二郎 著 第1章 制御とはどういうことか 身近にたくさんある制御 制御とは制し御すること いろいろな分野にある制御 自動制御と手動制御 なぜ自動制御をするか 制御技術は働かせる技術 「あれば便利」から「なくてはならない」自動制御へ 第2章 制御システムの基本的な構成 制御の対象は何か 制御量と操作量・外乱 ブロック線図で表す 制御量と操作量は1つずつとは限らない 多変数システムに特有の相互干渉 制御システムの操作係:アクチュエータ 制御システムの頭脳:コントローラ 制御のシステム フィードバック制御とフィードフォワード制御 TUT, System & Control laboratory
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自動制御とは何か 目次(2) 第3章 フィードバック制御の起源 蒸気機関とフィードバック制御 負荷で変わる蒸気機関の速度
自動制御とは何か 目次(2) 9/13 第3章 フィードバック制御の起源 蒸気機関とフィードバック制御 負荷で変わる蒸気機関の速度 ワットの発明を生んだ1通の手紙 リフトテンタからガバナへ ボイラにもあった自動制御装置 浮きを巧妙に利用した制御 紀元前からあった(?)浮きを使った制御技術 ボイラに必要な安全弁 大規模なワットの制御システム 第4章 フィードフォワード制御 ご飯をおいしくたくには ご飯はフィードフォワードで 外乱にはお手上げのフィードフォワード制御 フィードフォワードはホワイトボックスに センサがないとできないフィードバック 間接的なフィードバック制御 間欠的な直接フィードバック ブラックボックスと特性の同定 フィードフォワード制御とオートマトン フィードバックと自由主義思想 TUT, System & Control laboratory
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自動制御とは何か 目次(3) 第5章 制御理論の芽生え 最初の観察 フィードバックの本質を見抜く 安定問題への挑戦 マクスウェルとラウス
自動制御とは何か 目次(3) 10/13 第5章 制御理論の芽生え 最初の観察 フィードバックの本質を見抜く 安定問題への挑戦 マクスウェルとラウス 学問の世界から出なかったマクスウェルとラウス ヴィシュネグラードゥスキーの貢献 ストドラとフルヴィッツ 第6章 サーボメカニズム 位置や姿勢を制御するサーボメカニズム サーボメカニズムのアクチュエータ:サーボモータ 即応性の尺度:時定数 速応性はシステム固有の性質 定常状態に達する仕組み システムの感度:ゲイン サーボモータは無定位なシステム サーボメカニズムのセンサ サーボメカニズムの構成 コントローラで決まるサーボメカニズムの特性 TUT, System & Control laboratory
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自動制御とは何か 目次(4) 第7章 プロセス制御システム プロセスオートメーションの立て役者:プロセス制御 制御量の種類は多くない
自動制御とは何か 目次(4) 11/13 第7章 プロセス制御システム プロセスオートメーションの立て役者:プロセス制御 制御量の種類は多くない 標準化の効果が上がるプロセス制御 プロセスコントローラにも標準品が 制御システムに要求されるもう1つの特性:定常特性 定常偏差の残るP制御 定常特性と応答特性のジレンマ 定常偏差をなくすI動作 動特性を改善するD動作 相互干渉の多い制御対象 外乱対策が主目的のプロセス制御 TUT, System & Control laboratory
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自動制御とは何か 目次(5) 第8章 近代制御技術の展開の系譜 ワット以後の制御技術 サーボメカニズムの誕生 ファルソのサーボメカニズム
自動制御とは何か 目次(5) 12/13 第8章 近代制御技術の展開の系譜 ワット以後の制御技術 サーボメカニズムの誕生 ファルソのサーボメカニズム プロセス制御技術の展開 ガス工業の生んだ圧力制御 巨大な水車の出現 蒸気機関のガバナが水車に 電信時代を開いたサーボメカニズム フィードバック増幅器の誕生 フィードバック増幅器が生んだ安定性の理論 電気の制御技術・制御の電気技術 近代制御技術の系譜 TUT, System & Control laboratory
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自動制御とは何か 目次(6) 第10章 古典制御理論の成立 問題解決形ツールから理論系へ 古典制御理論の成立 主役は周波数特性
自動制御とは何か 目次(6) 13/13 第10章 古典制御理論の成立 問題解決形ツールから理論系へ 古典制御理論の成立 主役は周波数特性 線形システムを前提とした古典制御理論 非線形システムを近似的に扱う 古典制御理論の成果 古典制御理論の限界 古典制御理論のサバイバルストラテジー 古典制御理論の不滅の栄光 第11章 新しい制御理論の誕生と展開 10年目のブレークスルー 理論の流れを変えた状態の概念 最適な制御を求めて 制御の概念の確立 新しい制御理論の枠組み リャプノフの安定論 対象をぐんと広げた新しい理論 限界に挑む新しい理論 特性変動に取り組むロバスト制御 適応制御にみるニューフロンティア 果てしなく広がる制御の宇宙 TUT, System & Control laboratory
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