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自動吸引は 在宅を変えるか 大分協和病院 院長 山本 真
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両者の認可により、臨床現場で自動吸引を実施することが可能となりました
平成20年6月 徳永装器研究所製 アモレSU1 認可 低定量持続吸引が医療現場で可能に 平成22年5月 高研ネオブレスダブルサクションタイプ 認可 カニューレ内吸引が可能に 両者の認可により、臨床現場で自動吸引を実施することが可能となりました
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高研ネオブレスW-SUCTION のシェーマ(断面図)
低量持続吸引器に接続する カニューレ内からの吸引ライン 高研ネオブレスW-SUCTION のシェーマ(断面図) カニューレ内吸引孔
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吸引には低定量持続吸引器が必要です 徳永装器研究所製 アモレSU1 4本の注射器が順番にゆっくり吸引する仕組み
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すなわち、自動吸引とは、カニューレ内 低定量持続吸引なのです。
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ところで なぜ、自動吸引は、有効なのでしょうか
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ALS患者の「たん」とは何か こういう経験はありませんか? 日中の痰は多いが、夜間はかなり少ない 経管栄養を入れると、たんが増える
唾液吸引を連続的に実施するとたんも減る 喉頭分離術を受けるとたんが激減した こういう経験はありませんか?
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ALS患者の「たん」の大半は唾液の流入です
唾液は簡単にカフを越えます。 ALS患者の唾液は、食道に降りないため、口から溢れたり、気管内に流れ込んでしまうのです。 いわゆるたんの9割以上が唾液由来と考えられます 脳血管障害後遺症の患者も多くは同じです
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気管カニューレ内でこれを 捕捉すればよいのです
カフを越えて流れ込んだ唾液は? 呼気に押されて気管カニューレ内に押し込まれます。 ときには気管カニューレから噴き上げてきます。 気管カニューレ内でこれを 捕捉すればよいのです
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これが私たちの提案する 自動吸引システムの基本です
多くの患者で、用手吸引回数を1/10以下に減らす効果が実証されています。 持続的使用においても、人工呼吸への安全性は確保されています。 吸引孔はカニューレ内部のため、気管粘膜に対する影響がありません。 すなわち、非侵襲的吸引が実現します。
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カフ上部吸引との違い カフ上部吸引ポートはカニューレの外側に開口しているので粘膜吸着の可能性がある。
かえって唾液をカフ上に呼び込む可能性がある。 一旦カフを越えた「たん」には無力。
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これまで、在宅人工呼吸ケアにおける過重負担の最大のものは痰の吸引といわれてきました。とりわけ夜間の吸引は、介護者の睡眠をさまたげ、疲労を悪化させます。
自動吸引を導入された患者さんの多くで、夜間の用手吸引は不要となっています。 私たちの自動吸引は、多少役に立つ、とか少し負担が減るというレベルのものではありません。一度使ったらもとに戻れないほどの圧倒的な効果が期待できるものです。
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一度使うと、 止められない! すなわち 自動吸引は、ウオシュレットである というほどの効果があります
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当方に届いた使用者の声 貴グループ開発の自動吸引システムの導入に成功しました! 「すばらしい!」のひと言に尽きます。ありがとうございます!
長野県S市 筋ジストロフィー患者本人 稼働中はとても快適で、自分がALS患者だと言うことを忘れていました。 島根県M市 ALS患者本人 実際使い始めると、これがなかなかうまく吸引してくれるのです。 夜間吸引で起こされることもなく、日中でも一回カテーテル吸引するかしないかです。 大分県O市 ALS患者家族 このカニューレは素晴らしいです。よくぞこのカニューレを世に送り出して下さいました。妻の生きている間に間に合って本当に良かったです。 兵庫県T市 MSA患者家族 一人では寂しい、二人で頑張っていこうと言ってくれた夫が、介護の中で一番感謝していることは自動吸引装置のおかげで夜間はゆっくり眠れることです。 大分県H市 ALS患者本人
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自動吸引は、介護者のための効果だけではありません
痰の吸引による患者さんへの刺激がありません。 患者さんの呼吸に対する影響は、きわめて軽微です。 すなわり非侵襲的吸引なのです。 ポンプの音も静穏です。 夜間の用手吸引ゼロは、患者さんの安眠に寄与します。
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ただし、自動吸引は 医療行為です 主治医の理解と同意が必要です
薬事承認が取れた、内方吸引孔のある気管カニューレと、低定量持続吸引が可能である吸引器を、医師の承認のもと、現場で医療として実施していただく必要があります。 主治医の理解と同意が必要です
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これを分かりやすく説明すると 自動吸引という薬事上のカテゴリーが存在しません。 従って、メーカーのサポートは抑制的にならざるを得ません。 手術に例えると、自動吸引という手術器具があるのではなく、自動吸引という山本が提唱する手術法があるということです。 手術の実施が、術者の責任のもとに行われるように、主治医の責任のもとに自動吸引が実施されることになります。 そして現場での主体的な取り組みが必要になります。
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新規医療器具の承認を取れという意見もあります
新規医療器具の申請には、治験を含め莫大な費用と年数がかかり、現在のプロジェクトの力量では到底不可能。 新規医療器具として承認された場合、保険医療において、当分償還価格がつかない。 → 例 カフマシーン CSSなど 後発医療器具であれば、既存の償還価格を使える。 →使用者の負担を軽減できる 早く現場で使えるようにとの観点で、現状を構築しました。 しかし、新規申請をあきらめたわけではありません。
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現状での問題点は カニューレ内の吸引路が狭く、粘調たんによる閉塞が生じえます。
Vte表示の人工呼吸器では換気量低下が過大に表示されます。 LTVなど まれに低定量持続吸引を自発呼吸と誤認する人工呼吸器が存在します。 LTVなど LTVをお使いの方は、トリロジーへの変更をお願いしたい
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