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毎月レポート ビジネスの情報 (2016年7月号)
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ビジネスの情報 2016年7月号 ■パパママ抜きで楽しもう! 広がってます、祖父母と孫の「孫トモ消費」。
祖父母が孫のために支出する消費を「孫消費」あるいは「3世代消費」と呼ばれています。その額は、年間およそ3兆8000億円(2015年)という想像を上回るマンモス市場。内訳は、プレゼントやお祝い・お年玉が圧倒的で、次いで外食、旅行、レジャー、衣料品、習い事と続きます。 ところが最近、これまでの「孫消費」のパターンに若干の変化が現われてきました。単に、孫のためにモノを買ってあげるだけでなく、孫と共に過ごす、友達感覚で一緒に行動するという「孫トモ消費」の傾向が強くなっています。孫を通して自分も楽しむという祖父母が増えており、積極的に孫を連れ出します。孫にとっても、両親とは違い、日常的なことを口うるさく言われることもなく気楽につき合えるし、時にはお金も出してくれる。 “おばあちゃん”と呼ばせずに下の名前で呼び合って、ショッピングや映画、食事に出かけ、若者に人気のファストファッションで“おそろいコーデ”にも挑戦。エステやジム、流行の食べ物、デジタル機器など、孫からのトレンド情報に刺激を受け、共有します。孫が通っている英語教室に送り迎えしているうちに自分も始めてしまったという祖母や、孫のためにと購入して一緒に遊んでいた知育玩具を、“脳活”になっておもしろいと、自分用にも追加購入したケースも。 孫と一緒に遊びたいので、というユーザーの声に応え、「リカちゃん」のおばあちゃん人形も登場しました(タカラトミー)。初期のリカちゃん世代が祖母になり、娘、孫の3世代でリカちゃんの楽しさを共有できるというわけです。 実は、「孫トモ消費」の主役は、“祖父母×娘の子”の関係が濃密だといわれています。特に“育ジイ=孫育ての積極的な祖父”と育児サポートを求める母親(娘)との間に、父娘時代とは異なる新たな相互関係が構築されているという点も興味深い傾向といえます。 いまの祖父母世代の主流は、団塊世代。消費トレンドの担い手であり、感覚が若く、消費することの喜びや楽しみ方を知っている世代です。だからこそ成立する「孫トモ消費」といえます。 10月の第3日曜日は「孫の日」(日本百貨店協会が提唱)。孫の喜ぶ顔見たさに、日本中の祖父母の財布のヒモが緩むことでしょう。しかし、このような「孫トモ消費」現象で最も恩恵をこうむっているのは、孫たち本人よりも、おかげで自由な時間といくばくかの経済的支援まで手に入る、孫の親たちかもしれません。 ※参考 タカラトミー 日経МJ (2016年4月18日付)
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ビジネスの情報 2016年7月号 ■まだまだ進化が止まりません、「機能性肌着」の新機能。
[ユニクロ]の「ヒートテック」に代表される保温・涼感をうたった機能性肌着の大ヒットから13年。その間、徐々に新鮮味も薄れ、価格以外での差別化が年々難しくなってきており、市場の一服感は否めません。そこで繊維各社は、一段上の、あるいは既存の商品にはないまったく別の角度からの“機能”を模索して、さながら開発合戦の様相を呈しています。 今春、日本初の“着る化粧品”“化粧品ウエア”として業界の注目を集めてデビューしたのは、[帝人フロンティア]が開発した「ラフィナン」という新素材。医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づいた、れっきとした“化粧品”の製造販売許可を取得した女性用肌着です。着るだけで肌荒れを防ぎ、皮膚に潤いを与える機能が特長で、開発には5年を費やしました。健康な肌に近い弱酸性の化粧品成分“リンゴ酸”をポリエステル繊維に浸み込ませたもので、入浴後など、肌が乾燥しやすい時に着れば保湿クリームや乳液が要らないほどの効果を発揮。今後は化粧品メーカーと組んで化粧品売り場での販売も視野に入れており、16年度に10億円、20年度には60億円の売り上げをラフィナン関連用品で見込んでいます。 [トリンプ]から昨秋発売された新機能性肌着は、保湿性に優れた「温泉インナー」。温泉の粘土鉱物“スメクタイト”と、“美人の湯”で知られる新潟「月岡温泉」の源泉に含まれる硫黄・ミネラル成分を生地に後加工で付着させた“着る温泉”です。未加工の商品に比べて最大3度も高い発熱効果が得られます。トップ、ボトル、ネックウォーマーの3アイテムで展開中です。 家電量販店のパソコンコーナーなどに“PCスーツ”として展示されているのが、オーストラリア生まれの着圧ウエア「スキンズ RY400」(販売・デサント)です。高密度の繊維が全身に適切な着圧をかけて姿勢の補正や血行を促進。就寝中や運動後のオフタイム、長距離移動など、身体の疲れを回復させたい時に着ると効果が期待できる“着るサプリメント”です。トップス、ロングタイツ、共に男女用がラインアップ。 新たに美容・健康分野に活路を見い出そうとする繊維メーカー。中高年女性だけでなく、男性や訪日外国人客に広がるとの期待も高まります。 見た目や触れただけでは良さがわからないのがこの商品の難点とはいえ、売り方次第で再びヒット商品に“大化け”しそうな魅力を秘めています。 ※参考 帝人フロンティア トリンプ・インターナショナル・ジャパン デサント 日経МJ (2016年4月15日付)
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ビジネスの情報 2016年7月号 ■賢く使えば便利でお得。生活のアチコチに、「定額制サービス」浸透中。
月々、一定額を払えば、〇〇が“し放題”になるという、「定額制サービス」。先行する音楽や動画、電子書籍の配信サービス以外でも、様々な生活シーンに登場し、急速な広がりを見せています。 不況が続く音楽産業のなかで、唯一元気なのが“ライブ・エンタテインメント市場”。年間動員数が4000万人以上(コンサートプロモーターズ協会)というビッグマーケットです。その勢いに乗じて昨年登場したのが、日本初となる定額制ライブ行き放題サービス「ソナーユー(sonar-u)」(東京)です。月1600円(税別)で、提携する全国のライブハウスで行われる指定ライブに何度でも通えることができるというもの。現在、提携ライブハウスは、東京・大阪を中心に約70カ所。2020年以降には一気に海外展開を目指しています。 昨春スタートした「レスパス」(東京)は、ヨガやピラティスなどのフィットネスレッスンの定額制サービス。月会費9800円(税別)で、提携する100以上のフィットネススタジオのレッスンを何回でも受け放題。スタジオ側にとっても、平日昼の利用者の少ない時間帯が埋められるというメリットが。 日本初の、定額制アクセサリーレンタル「スパークルボックス」(東京)が昨秋、登場しました。月額2500円(税込)で、一回当たり総額2万5000円相当のアクセサリー3点を、月に何度でも借り放題のサービスで、送料無料・返却期限なし。気に入ったら、定額の20%オフで購入も可。 月額6800円(税別)で高級ブランドバッグ借り放題(一回1個)のサービスは、「ラクサス」(広島)。送料無料・返却期限なし。 全国4カ所の劇場で行われる一年間の全公演が見放題となるチケットが販売され、世界的にも珍しい試みとして話題となりました。販売元は京都の小劇場「アトリエ劇研」。年会費は3万円(税込)です。 今春、JTBとタクシー会社が提携して「タクシー定額乗り放題」という実証実験が福岡市内でスタートしました。70歳以上の高齢者を対象に、月額2万8000円から6万4000円(距離による)で、事前登録先の区間を何度でも往復できるというサービスです。 これだけ払えばいいという心理的な安心感、そして利用回数をこなすことで元が取れるというお得感、コストパフォーマンスの自己充足感、などなど。利用者と提供者、双方にwin-winの「定額制サービス」のうまみは、波状効果となって、さらに裾野を広げていきそうです。 ※参考 ソナーユー レスパス スパークルボックス ラクサス アトリエ劇研 JTB PRESIDENT (2016年3月14日号) 日経МJ (2016年4月8日付) <SL16-X05-013>
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