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工学系研究科 技術経営戦略学専攻教授 元橋一之 http://www.mo.t.u-tokyo.ac.jp
経営戦略論/技術経営論 工学系研究科 技術経営戦略学専攻教授 元橋一之
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アジェンダ 1時限目:経営戦略とは?技術経営戦略とは? 2時限目:技術経営研究の進め方 経営戦略に関する2つの標準的理論の紹介
その中での技術経営戦略の位置づけ 技術経営の内容に関する紹介 2時限目:技術経営研究の進め方 データ(特許データなど)とイノベーションに関する指標の考え方 分析事例の紹介
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経営戦略とは 企業価値を高めるための企業活動全体に関する方向性 敵を知って己を知れば百戦危うからず
戦略:もともと軍事用語(孫子の「兵法」に遡る) MOSTの一部 Mission:基本理念、信条(「ソニーは開拓者である」) Objective:理念をより詳細化したもの Strategy:戦略、上記実現のための企業経営方針(いわゆる「経営中期計画」 Tactics:戦術、戦略を実現するための方法論 敵を知って己を知れば百戦危うからず 「外部競争環境」と「内部競争力分析」 経営の3C:Competitor, Customer, Company
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経営戦略のポイント 会社全体としての中長期的な方向性(3年~5年)
3C(自社の強み、競合他社、顧客)の将来的な分析ができているか?その前に業界構造の変化を予測し、取り入れられているか? 論理的に整合的か?戦略にストーリーがあるか?(リーダーシップとは?)
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経営戦略の階層構造 (多角化企業、多角化企業グループ)
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経営戦略分析のツール 外部環境を重視:ポーターの5フォースモデル(ポジショニング)
内部競争力を重視:RBV(Resource Based View) V(Value), R(Rarity), I(Imitability), O(Organization)
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外部競争分析-1 (ポーターの5フォースモデル)
自社の利益を損ねる要因に関する分析→ポジショニング理論
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成長過程、ファッション性やコーディネート重視志向の点で、H&M,ZARAとの競争か。
どこの企業のことでしょう? 成長過程、ファッション性やコーディネート重視志向の点で、H&M,ZARAとの競争か。 売上高は日本1位。世界でも5位。 競合他社との競争状況 しかしユニクロの低価格、高品質を実現できる新規企業の登場は考えにくい。 ファッション性からすれば製品の差別化は難しい。 新規参入を拒む障壁や規制はそれほどない。 新規参入の脅威 =製造から販売までをすべて自社で行う。(ただし主な世界のライバル社も同様) 素材提供メーカーも存在。 SPA業態 サプライヤーの競争力 目玉商品によるユニクロのブランド力→買い手集中度の向上。 スイッチングコストは小さい。 買い手の交渉力 →技術革新が与える影響は大きくない。 衣料業界 代替品、サービスの脅威 次に、ポーターの5フォースモデルを用いて外部競争力分析をしました。 新規参入の脅威 新規参入を拒む大きな障壁や規制はないようで、またベーシックカジュアルを中心に扱うという意味でファッション性からすれば製品の差別化は難しいものの、ユニクロの低価格、高品質を実現できる新規企業の登場は考えにくいでしょう。 サプライヤーの競争力 ユニクロはSPA業態という、製造から販売まですべてを自社で担う生産方法がメインなので、いわゆる小売り業態をとりいれる他社と違ってサプライヤーは存在しないとも考えられます。しかし、ユニクロに素材を提供しているメーカーも少数ながらあり、ユニクロが現在好調であるだけにこれらのサプライヤーのスイッチングコストは高いと思われます。 買い手の交渉力について 衣料品は日常生活や他の衣料品への依存がほとんどないため、消費者のスイッチングコストは小さいと考えました。しかしベーシックカジュアルチェーンとしてのブランドは国内ですでにある程度築けているため、ユニクロブランドが買い手集中度の向上につながっているとも考えられます。また、ヒートテックのような特許製品の開発はブランド力向上や買い手の集中にもつながるため、逆に他社がそのような製品開発をした場合、相対的に競争力は低下すると思われます。 代替品、サービスの脅威 技術革新によって衣料の質の向上、生産コストの低下が考えらますが、衣料品産業の場合、技術革新が生産に与える影響は少ないと思われます。 競合他社との競争状況(次のスライドへ)
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ポーターの5フォースモデルの限界は? 次のどの戦略が最も成功可能性が高いか?
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内部競争力分析:Capability理論
Resource Based View 企業における経営資源(人財、技術、サプライヤーとの関係、企業文化)に着目 「希少」でかつ「模倣困難」な技術をいかに有しているか? コアコンペテンス経営(Pamel & Praharad) キャノンの事例 Dynamic Capability(Helfat, Teece) 業界構造の変化に対応できるか?
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ユニクロの経営資源は? V:経済価値(Value)に関する問い R:希少性(Rarity)に関する問い
I:模倣困難性(Inimitability)に関する問い O:組織(Organization)に関する問い Value Rarity Inimitability × ○ Organization →? →? →? →?
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技術経営(Management of Technology)
イノベーション 技術的発見・アイディア 遺伝子機能 情報検索アルゴリズム デザイン、軽量>機能 経済価値化・収益化 バイオ医薬・遺伝子治療 Google i-pod イノベーションマネジメント 資金(ベンチャーファイナンス) 市場(テクノロジーマーケティング) 組織(研究所と事業部門リンケージ) 知財(ライセンシング) 技術企画(ポートフォリオ、ロードマップ) 分析データ 特許・論文データ 有証・財務諸表 政府・業界統計 インタビュー 分析ツール 計量モデル分析 多変量解析 ネットワーク分析 ケーススタディ 評価・分析
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技術経営戦略の重要性 企業の利益=(P-MC)*Q-F
新興国市場(Good Enough Market):P↓ 新興国企業の台頭:MC↓ 製品モジュラー化→バリューチェーンの分解→専門サービス企業の台頭(垂直的統合→水平分業)によるF↓ イノベーションエコシステムテム(企業を超えたオーケストレーション戦略)の必要性
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技術革新と破壊的イノベーション 技術スピード>顧客の要求スピード→モジュール型製品
Innovator’s Dilemma by Clayton Christensen
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ハードディスクの世代交代 14インチ:メモレックス 8インチ:シュガート・アソシエーツ、マイクロポリス 5インチ:シーゲート、ミニスクライブ
14インチ:メモレックス 8インチ:シュガート・アソシエーツ、マイクロポリス 5インチ:シーゲート、ミニスクライブ 3.5インチ:コナー・ペリフェラルズ (シーゲート、ミニスクライブからスピンアウト) HDの技術特性としては、 破壊的技術革新が比較的容易(HDコンポーネントの パッケージング) 既存顧客の要求によるプロセスイノベーションの継続的な要求 既存企業の衰退と新規参入企業の登場の繰り返し
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ハードディスクの競争フェーズ (「イノベーションのジレンマ」クリステンセン)
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Product architecture and value creation
Aircraft (CoPS) Modularization Mainframe computer Size of value added Unbundling, competition EV? Auto-motives IT services Scalability in services? Service science PC Level of complexity (difficulty in imitation)
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Growing “Good Enough Market”
Driving forces Protection of propriety technology (IPR), increasing complexity, strategic investment in complex system innovation Aircraft (CoPS) Growing “Good Enough Market” Size of value added EV? Auto-motives Scientific approach for innovation (digitalization, modularization..) and technological catching up PC Level of complexity (difficulty in imitation)
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Types of Open Innovation
Dominant Player Pharma, P&G Open Innovation Key Stone Tech User The style of open innovation is different across industry. The first type is called “dominant player model”, where a collaborations takes place by strong leadership by one dominant players. The second type is “technology user model”, where a firm in-license external technology, as well as out-license its technology which is not needed anymore. The third type is “innovation eco-system” where a multiple key stones (important players) as well as small marginal ones are interacted each other to form up complicated eco-system like structure. MS, Toyota Dominant model Fabless-Foundry Eco-system
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技術経営戦略の策定方法
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技術シーズ主導型MOT
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マーケット主導型MOT
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Technology PushとMarket Pullの統合
既存の技術的資産 新規の技術的資産 既存の顧客資産 純粋な搾取 Pure Exploitation 顧客資産優位性の活用 Leveraging Customer Competence 新規の顧客資産 技術資産優位性の活用 Leveraging Technology Competence 純粋な探索 Pure Exploration 技術資産:製造技術、品質管理、知財、研究人材 顧客資産:既存顧客ベース(顧客ロイヤルティ)、チャンネル、ブランド
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