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Published byあいり ねごろ Modified 約 7 年前
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火力発電所の現場で役立てた数値解析手法 1.火力発電所での技術検討の実例 電気が届くまでの概略の経路 発電所 変電所 一般家庭 工場 送電線
タービン 発電機 変圧器 送電線 配電線
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送電線の地絡故障
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高速度再閉路 時間 負荷 雷による地絡事故の発生 発電機 地絡 保護装置による検出 地絡事故の両側にある遮断器の自動開放 事故電流の消滅
地絡事故の両側にある遮断器の自動投入 地絡事故からの復旧 発電機 負荷 自動投入
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高速度再閉路が機器に与える影響 この現象の解析は電気と機械の複合問題 地絡事故が発生し、高速度再閉路をすると・・・
タービン 発電機 :タービンが発電機を回すトルク :発電機が送り出す電流により 押し返されるトルク(反作用) 地絡事故が発生し、高速度再閉路をすると・・・ 電流により押し返されるトルクが大きく変動し、 回転軸に大きな負担がかかる。 この現象の解析は電気と機械の複合問題
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質点の運動の基本式 質点 剛体の回転 力 F [N] トルク T [N・m] 質量 m[kg] 慣性モーメント I[kg・m2]
力 F [N] トルク T [N・m] 質量 m[kg] 慣性モーメント I[kg・m2] 速度 v[m/s] 角速度 ω[rad/s] 加速度 a[m/s2] 角加速度 [rad/s2] 運動方程式 運動方程式 仕事率 P[W]= Fv 仕事率 P[W]= Tω
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剛体の回転運動の基本式 質点 剛体の回転 力 F [N] トルク T [N・m] 質量 m[kg] 慣性モーメント I[kg・m2]
力 F [N] トルク T [N・m] 質量 m[kg] 慣性モーメント I[kg・m2] 速度 v[m/s] 角速度 ω[rad/s] 加速度 a[m/s2] 角加速度 [rad/s2] 運動方程式 運動方程式 仕事率 P[W]= Fv 仕事率 P[W]= Tω ここにトルクが出てくるが、これがそのまま軸にかかるトルクというわけではない
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タービンと発電機をつなぐ軸にかかるトルク
:タービンが発電機を回すトルク :発電機が送り出す電流により 押し返されるトルク(反作用) 発電機の回転運動の式と タービンの回転運動の式を個別に立てる。 軸のねじれにより伝達されるトルクは 作用・反作用の法則で逆向き・同じ大きさ
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発電機およびタービンにはたらくトルク タービン内部を流れる蒸気によるトルク 発電機を流れる電流によるトルク 軸のねじれにより
発電機ローター タービンローター 運転時の回転方向 (正方向) 発電機を流れる電流によるトルク 軸のねじれにより 伝達されるトルク (大きさ同じで逆向き)
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発電機の運動方程式 回転運動の基本式 発電機を流れる電流によるトルク 軸のねじれにより 伝達されるトルク 運転時の回転方向 (正方向)
発電機ローター 軸のねじれにより 伝達されるトルク
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タービンの運動方程式 タービン内部を流れる蒸気によるトルク 回転運動の基本式 軸のねじれにより 伝達されるトルク タービンローター
運転時の回転方向 (正方向) 軸のねじれにより 伝達されるトルク
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ねじれをどう考えるか 発電機ローター タービンローター 仮想の目印線 目 仮想の目印線 仮想の目印線 一定回転速度なら
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発電機ローター タービンローター 運転時の回転方向 (正方向) 軸のねじれによるトルクは 軸のねじれによるトルク伝達は 仮想の目印線
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ここまでの方程式を列挙 P 発電機の回転の運動方程式 タービンの回転の運動方程式 発電機の角速度は回転角の微分
タービンの角速度は回転角の微分 軸のねじれによるトルク伝達 変数7つに式5つ・・・短時間だから P t 一定と考えれば残るは1つ
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発電機の出力は 発電機の内部誘起電圧 発電機の端子電圧 発電機の同期インピーダンス 発電機の「(内部)相差角」 ってなんだろう?
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観測者が定格回転数で回っていると考える そして、出力ゼロの時の仮想の目印線を基準にして回転角を表現する。
発電機ローター タービンローター 仮想の目印線 目 そして、出力ゼロの時の仮想の目印線を基準にして回転角を表現する。 から定格回転分を差し引いた分が相差角だと考えることができる についても同様の変換をして
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これですべての方程式がそろった P 発電機の回転の運動方程式 タービンの回転の運動方程式 発電機の角速度は回転角の微分
タービンの角速度は回転角の微分 軸のねじれによるトルク伝達 発電機の出力式 P t は一定値 変数変換の2式
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連立微分方程式を整理すると f dt d Z EV k I g p 2 sin ) ( + - = 解けそうにない?
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実際に解析したモデル もっと解けそうにない? 刻めば解ける! HIP LP-A LP-B Ge P1 k12 θ1 (φ1) θ2 (φ2)
θ3 (φ3) θ4 (φ4) k34 k23 P2 P3 I 1 I 2 I 3 I 4 P4 高中圧タービン 低圧Aタービン 低圧Bタービン 発電機 もっと解けそうにない? 刻めば解ける!
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2.副産物としてできた単純明快な数値解析手法
最も基本的な オイラー法による数値解析 微分の定義式(速度と位置の例) が十分小さいときの近似式 変形すると ある瞬間における速度が、その後の微小時間継続するとみなして、 微小時間経過後の位置を求めるという考え方
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オイラー法とは・・・直線近似 :位置 :時刻 この点における接線(速度)が 曲線を近似していると考える
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オイラー法の計算例 1分きざみで速度計の読みがわかっているとき 時刻0分の時の速度を0~1分の速度だとみなす方法
570 540 8 9 10 550 610 580 590 680 450 490 4 5 6 7 1 300 2 3 時刻(分) 速度計(m/分) 570 300 550 610 580 590 680 450 490 7~8 8~9 9~10 時間内の移動(m) 0~1 時間(分) 代表速度(m/分) 1~2 2~3 3~4 4~5 5~6 6~7 4820 2630 3310 3760 4250 8 9 10 位置(m) 300 850 1460 2040 時刻(分) 1 2 3 4 5 6 7 (+) 区間の速度を初期速度で代表させる 「前進オイラー法」とも呼ばれる
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別のオイラー法 区間の速度を終期速度で代表させる 「後退オイラー法」と呼ばれる
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運動方程式でのオイラー法の活用 運動方程式では加速度が関数として表されるので、 上の2式を使って計算を進めることができる。
位置と速度の関係式 速度と加速度の関係式 運動方程式では加速度が関数として表されるので、 上の2式を使って計算を進めることができる。 では、一番単純な単振動で計算してみよう。
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単振動をオイラー法で計算 ・おもりの質量:m=1[kg] ・t=0における 位置:x(0)=0.1[m]、 速度:v(0)=0[m/s]
自然長の状態 ・おもりの質量:m=1[kg] ・t=0における 位置:x(0)=0.1[m]、 速度:v(0)=0[m/s] ・ばね定数:k=1[N/m](ばねの質量は無視できる) ・ばねの力=-x なので運動方程式は a(t)=-x(t)
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表計算ソフトに式を入れてみる a(t)=-x(t) v(t+Δt)= v(t)+a(t)・Δt x(t+Δt)= x(t)+v(t)・Δt
時刻をΔt 進める
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オイラー法で計算・グラフ作成ができた!?
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しかし、よく見ると振動が発散していく・・・
刻み時間0.01秒 刻み時間0.005秒 オイラ-法では時間の経過と共に,振動が発散 細かくきざめば精度は向上するが・・・ やはり振幅に拡大傾向
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オイラー法を改善してみる 速度と加速度の関係式 位置と速度の関係式 速度を平均速度に
結果は・・・振幅の増大は改善されたが依然として発散する傾向
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さらに改善してみる 位置と速度の関係式 速度を平均速度に 平均速度をこのように考える 初期速度と終期速度の比率が 0.5:0.5
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初期速度と終期速度の最適比 修正オイラー法をさらに修正するための視点として、 x(t+Δt)算出に用いるv(t)とv(t+Δt)の比率に着目
区間初期速度 v(t)の比率 区間終期速度 v(t+Δt)の比率 評価 オイラー法 1 0 精度低い 修正オイラー法 0.5 やや改善 さらなる改善 ? 最適比は 0.4:0.6? or 0.3:0.7? or・・・・・???
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思い切って 0:1 で試してみると 振幅の拡大傾向がなくなった 区間速度を終期速度で代表させるのがベスト
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求めた最適比による式をながめる 速度と加速度の関係式 位置と速度の関係式 この式は後退オイラー法の式
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前進オイラー・後退オイラーの組み合わせ 「ミックスオイラー(Mixed-Euler)法」と呼ぼう 計算ステップ 計算方法 オイラー法の種類
加速度から速度への計算 前進オイラー 速度から 位置への計算 後退オイラー 「ミックスオイラー(Mixed-Euler)法」と呼ぼう
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文献調査結果 【各手法の代表的な解説内容】 2π 非減衰自由振動方程式: x”+ ( ) 2 x = 0 に対する時刻歴応答波形 T
【各手法の代表的な解説内容】 ○オイラー法: 『大きく発散。……不安定であり,精度も悪いため, 実際に用いられることは少ない』 ○ホイン法(修正オイラー法): 『発散が現れる。 オイラー法より精度は改善され 2次の精度を有するが……あまり実用されていない』 非減衰自由振動方程式: x”+ ( ) 2 x = 0 に対する時刻歴応答波形 T 2π (参考)破線は厳密解 時間刻み幅 h=0.02T h=0.05T h=0.1T 文献調査結果 発散する事実が 述べられている程度 単純に計算を進めることができず繰り返し計算が必要に。 しかも解析結果は減衰する。 ○後方(後退)オイラー法: 『安定ではあるが,精度が悪く,実用には不向き』
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ルンゲクッタ4次法とミックスオイラー法との比較(ばねの単振動)
計算の手数が約1/4に圧縮,精度は同等 x[m] t[s] ・ :オイラー法 ・ :ルンゲクッタ(4次)法 ・ :ミックスオイラー法
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ミックスオイラー法の限界 振幅は発散しないが、位相のずれが誤差として発生する
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手法の限界は事実上問題あり? また、ルンゲクッタ法との併用も可能 ○ 「振動」のような実際の問題を取り扱う場合、
○ 「振動」のような実際の問題を取り扱う場合、 「位相」は「振幅」ほど重要ではない。 ○ 刻み時間を細かくすることによって改善が可能 また、ルンゲクッタ法との併用も可能 特徴 活用方法 併用の効果 ミックス オイラー法 単純 精度やや劣 概略検討 スクリーニング ダブルチェックによる解析結果の確認が可能 ルンゲ クッタ法 複雑 精度良 スクリーニング後の詳細検討
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何故か? (概念図で理解) 【オイラー法】 t=0 t=Δt t=2・Δt a v x
何故か? (概念図で理解) 【オイラー法】 t=0 t=Δt t=2・Δt 加速度 a 速 度 v 変 位 x a → v → x の段階的近似において,時刻の適用は全体的に遅れ気味 【修正オイラー法】 t=0 t=Δt t=2・Δt 加速度 a 速 度 v 変 位 x オイラー法よりは改善 【ミックスオイラー法】 t=0 t=Δt t=2・Δt 加速度 a 速 度 v 変 位 x a → v 時刻の適用は遅れ v → x 時刻の適用は進み 全体的に補正しあう効果が期待できる (参考)後退オイラー法 t=0 t=Δt t=2・Δt 加速度 a 速 度 v 変 位 x a → v → x の段階的近似において, 時刻の適用は全体的に進み気味
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テイラー展開的な理解① 【テイラー展開】 第1項 第2項 第3項 第(n+1)項 【オイラー法】 テイラー展開の第2項までに相当
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テイラー展開的な理解② 【テイラー展開】 第1項 第2項 第3項 第(n+1)項 【修正オイラー法】 テイラー展開の第3項までに相当
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テイラー展開的な理解③ 【テイラー展開】 【ミックスオイラー法】 テイラー展開第4項以下の合計を第3項に等しいとおいた式に相当 第1項
第2項 第3項 第(n+1)項 【ミックスオイラー法】 テイラー展開第4項以下の合計を第3項に等しいとおいた式に相当
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エピローグ 算出したトルクを強度評価に活用 タービン発電機の軸ねじれの解析結果 (ミックスオイラー法を活用) 主要計算シート 諸元入力シート
出力(グラフ) 算出したトルクを強度評価に活用
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ミックスオイラー法を役立てる 解析が必要となる問題の認識 背景となる知識 モデル化(方程式化) 解析作業 解析作業 結果の妥当性チェック
解析手法 解析ツール の活用 解析作業 解析作業 ネックだった解析作業の難解さがミックスオイラー法により解消!! モデル化への意欲が増す 結果の妥当性チェック 解析結果の評価 問題の解決へ
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エピソード・・・発電機の内部相差角を測定する
アルミ箔 レーザー装置 (検出器つき) 発電機端子電圧 時刻 レーザー光線パルス 発電機無負荷運転時 ずれ 時刻 発電機負荷運転時 おわり
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