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Common Sense リーマン・ショック後の雇用創出の検証 No.32 2011.12.15
Common Sense 世界金融危機(リーマンショック08.9)に対し、麻生総理は総選挙を回避しながら、「3段ロケット」(第1次補正、第2次補正、09年度予算)で実体経済の悪化に対応した。「派遣切り」に対し、自治体が臨時採用等に踏み切り、 前代未聞の「年越し派遣村」が出現した。失業が社会問題化するもとで第2次補正( 成立)において「ふるさと雇用…」「緊急雇用…」が創設された。さらに、「雇用調整給付金」の活用が激増した。 リーマン・ショック後の雇用創出の検証 〔現在、実施されている「基金事業」による雇用創出の事業〕 ◇ ふるさと雇用再生特別基金事業 地域の創意工夫で、地域の求職者等が継続的に働く場を創り出します。 ◇ 緊急雇用創出事業 離職を余儀なくされた失業者等の一時的な雇用・就業機会を創ります。 ◇ 重点分野雇用創造事業 ・介護、医療等今後の成長が見込まれる分野で雇用創出や人材育成を行います。 ・東日本大震災の影響等で失業された方々の雇用機会を創ります。 (厚労省の説明) (平成) 2008 (20) 2009 (21) 2010 (22) 2011 (23) 2012 (24) 2013 (25) 2014 (26) 2015 (27) 2016 (28) 失業率% 4.0 5.2 4.9 (見込)4.87 失業者数 265 347 342 (10月) 288 内閣 りょryo 福田 麻生 鳩山 菅 野田 ふるさと雇用再生特別基金事業 ( ~2012.3) 2500億円 緊急雇用創出事業( ~2012.3) 1500億円+3000億円 重点分野雇用創造事( ~2013.3) 1500億円+1000億円 +1000億円+500億円 延長可 年度末までの事業開始の場合 震災対応 生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出 2011年度第3次補正で「重点分野」の拡充 ・震災等緊急雇用対応事業 ( ~2013.3、2000億円) ・生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業 ・事業復興型雇用創出事業(事業主助成) ( ~最大3年間、被災地中心、1510億円) 事業復興型雇用創出事業
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緊急雇用創出事業臨時特例交付金=「基金事業」と称される -内容は被災地(者)中心の対策が中心-
-内容は被災地(者)中心の対策が中心- 局面は「ふるさと雇用再生特別基金事業」と「①緊急雇用事業」の二つが2012年3月末で廃止され、その後は「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」(基金事業)の枠内で、「②重点分野」が継続し、2011年11月の第3次補正で予算措置された「④震災対応緊急雇用対応事業」に集約さる。なお、第3次補正では、新たに「⑤生涯…」と「⑦事業主助成」が措置されている。 〔目的〕 ①離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者等の失業者に対して、次の雇用までの短期の雇用・就業機会を創出・提供する。 ②被災地域の本格的な雇用復興を図るため、産業政策と一体となった雇用面での支援を行う。(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県及び長野県内の災害救助法適用地域) ③生涯現役で年齢にかかわりなく働き続けられる全員参加型・世代継承型の先導的な雇用復興を支援する事業。 (「実施要領」) 事業名 事業内容 終了年度(前図参照) 委託事業 ①緊急雇用事業 (1500+3000億円) 失業者に対する短期の雇用・就業機会を創出・提供する事業であって、「重点分野」以外のもの。 2011年度末 (12.6までの延長可) ②重点分野雇用創出事業 (1500+1000+1000+500億円 失業者に対する短期の雇用・就業機会を創出・提供する事業。重点分野-介護、医療、農林水産、環境・エネルギー、観光、地域社会雇用。 「実施要領」の緩和。「震災対応分野」を追加。自治体の直接雇用も可。 2012年度末 (13.6までの延長可) ③地域人材育成事業(基金活用) 失業者に対する短期の雇用機会を提供した上で、地域のニーズに応じた人材育成を行う事業. (13.6までの延長可) ④震災等緊急雇用対応事業 (2011年度第3次補正で2000億円) 重点分野の「震災対応」が、「基金」に2000億円が積み増され、期間を延長し、名称を変えて実施される。被災地優先である。大震災の影響による失業者、若しくは3.11以降に離職した失業者に対する短期の雇用・就業機会を創出・提供し、又は短期の雇用機会を提供した上で地域のニーズに応じた人材育成を行う。 (14.6までの延長可) ⑤生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業 (2011年度第3次補正の1510億円の内数) 被災地域において、求職者の安定的な雇用機会を創出する。地域で若者・女性・高齢者・障害者が活躍できる雇用機会を創出する。 (高齢者から若者への技能伝承、女性、障害者等の積極的な活用、地域に根ざした働き方など雇用面でのモデル性があり、将来的な事業の自立により雇用創出が期待される事業) →何でもあり? 2015年度末 (最大3年間、2014.6までの延長可) ⑥直接実施事業 失業者に対する短期の雇用・就業機会の創出・提供及び人材育成のために、都道府県が自ら実施する①~④までの事業。 ⑦事業復興型雇用創出事業 将来的に地域の雇用創出の中核となることが期待される事業の事業主が被災求職者を雇用する場合に、産業政策と一体となり、当該雇用に係る費用を事業主に助成する事業。(120万円→70万円→35万円) (2016.6まで延長可) ⑨市町村補助事業 委託事業及び⑥、⑦を実施する市町村に補助金交付。 生活・相談事業 ⑩生活・就労相談支援事業 ⑪パーソナル‣サポート・モデル推進事業 (2012.6まで延長可) 被災地中心
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これまでの対策① 「ふるさと雇用再生特別基金事業」の検証 事業のスキームにもとづき政策効果を見る
麻生内閣の第2次補正(08.10)の「生活対策」で創設。2500億円の財源は労災保険特別会計だった。「そんなことができるのか」との思いだったが、事業は平成23年度末(2012/3)で打ち切られる。 「ふるさと‥」には以下のような積極面があった。 目的-地域における継続的な雇用機会の創出を図る。 雇用期間-新規雇用する労働者の雇用期間は、原則1年以上とし、更新ができる。 継続雇用-受託者は委託事業において雇用した労働者のうち、その1/2以上を委託事業に係る契約 期終了後も継続して雇用すること。 一時金-都道府県は、委託事業の実施のために新規に雇い入れた労働者を引き続き正規労働者と して雇い入れた事業主に対する一時金を支給する。1人あたり30万円。 これまでの対策① 「ふるさと雇用再生特別基金事業」の検証 事業のスキームにもとづき政策効果を見る ふるさと雇用再生特別基金事業 (各県状況は厚労省HP参照) 事業数 雇用創出(人) 事業費 1事業所あたりの事業費 1事業所の雇用創出 2009年度 (21年度) 北海道 252 868 24億8,520万円 1,000万円 3.4人 全国 5,700 24,429 489億9,587万円 860万円 4.3人 2010年度 (22年度) 300 1,094 38億9,600万円 1,300万円 3.6人 7,287 31,692 861億580万円 1,182万円 2011年度 (3月時点の計画数) 102 392 17億6,687万円 1,732万円 3.8人 7,020 28,693 1,073億4,021万円 1,529万円 4.1人 計 654 2,346 81億2,107万円 1,241万円 20,007 84,814 2,424億4,188万円 1,211万円 4.2人 ● 2008年度は広報の準備などが中心で雇用創出なし。 ●事業費に占める新規雇用失業者の人件費割合は1/2以上。原則1年の雇用契約。 道の場合、人件費を仮に13億円とすると、1人あたり年収150万円となる。 ●雇用した失業者の1/2の継続雇用を前提にした「計画」で事業が受諾できる。 道の場合、868人の雇用創出人数のうち、継続雇用された数は示されていない。 ●委託事業では、失業者を継続して正規雇用に雇い入れると、事業主に一時金が1人あたり30万円が支給 される。この数字が安定雇用の創出ということになる。現時点では、国・道分ともに未把握である。 ●1人当たりの雇用創出費用は、(事業費÷雇用創出数、失業者の所得額ではない) 北海道346万円 全国は286万円
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これまでの対策② 「緊急雇用創出事業」の検討 緊急雇用創出事業 (各県状況は厚労省HP参照) 事業数 雇用創出(人) 事業費
1事業所あたりの平均事業費 1事業所平均の雇用創出数 2008年度 (20年度) 北海道 11 151 2,721万円 247万円 13.7人 全国 442 4,552 9億9,486万円 225万円 10.3人 2009年度 (21年度) 951 6,379 54億2,785万円 571万円 6.7人 23,612 187,678 1,266億6,900万円 536万円 7.9人 2010年度 (22年度) 688 4,403 45億5,870万円 662万円 6.4人 20,342 189,714 1,506億8,116万円 740万円 9.3人 2011年度 (3月時点の計画数) 360 2,268 26億6,492万円 6.3人 16,340 121,611 1,368億2,268万円 837万円 7.4人 計 2,010 13,201 126億7,868万円 630万円 6.6人 60,736 503,555 4,151億6,770万円 684万円 8.3人 事業規模4,500億円、2011年度末まで 失業者の人件費割合は事業費の1/2以上 雇用・就業期間-原則6ヵ月以内、1回更新可 重点分野雇用創造事業の検討 重点分野雇用創造事業 (各県状況は厚労省HP参照) 事業数 雇用創出(人) 事業費 1事業所あたりの平均事業費 1事業所平均の雇用創出数 2009年度 (21年度) 北海道 - 全国 30 497 1億1,224万円 374万円 16.6人 2010年度 (22年度) 692 4,836 68億2,709万円 987万円 7.0人 9,329 80,072 1011億2,583万円 1,084万円 8.6人 2011年度 (3月時点の計画数) 783 4,507 120億5,268万円 1,539万円 5.8人 11,157 95,705 2,076億5,354万円 1,861万円 計 1,475 9,343 121億6,492万円 824万円 6.3人 20,516 176,274 3,088億9,161万円 1,506万円 事業規模4,000億円、2012年度末まで 失業者の人件費割合は事業費の1/2以上 雇用期間は1年以内 雇用期間中に講義等(OFF‐JT)、職場実習等(OJT)
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まとめ的に…… 764,643 「3事業」の全体像の検討 事業数 雇用創出(人) 事業費 1事業所あたりの平均事業費
1事業所平均の雇用創出数 「ふるさと」「緊急」「重点」の「3事業」合計 北海道 4,139 24,890 329億6,467万円 796万円 6.0人 全国 101,259 764,643 9,665億0120万円 954万円 7.6人 1人の雇用創出に「賃金」(事業費の1/2以上)+「企業の利益、経費」等で約126万円がかかっている。 (事業費÷雇用創出数) 政府の「緊急雇用創出事業臨時特例交付金=「基金事業」は、法的根拠がなく、閣議決定による予算措置である。 職業安定法(政府の行う業務) 第5条 政府は、第一条の目的を達成するために、次に掲げる業務を行う。 二 失業者に対し、職業に就く機会を与えるために、必要な政策を樹立し、その実施に努めること。 雇用対策法(国の施策) 第4条には国の施策が12項目にわたり規定されているが、「公共雇用創出」に相当するものはない。 -雇用対策法の基本方針を改正すべき- ①労働力需要の急減、②需要不足失業の拡大、③失業の長期化を雇用対策法に明示し、求職者への生活保障給付の拡充として、職業転換給付金に代えて求職者手当を新設し、同時に個人担当制の導入など就労支援サービスの拡充をはかるべきである。 布川日佐史 「全労連」11.11 「雇用対策」にいくらかかるか、得られる月収額で試算すると… 月30万円 月20万円 月10万円 創出雇用数 100人 → 3億6,000万円 2億4,000万円 1億2,000万円 10,000人 → 360億円 240億円 120億円 100,000人 → 3600億円 2,400億円 ,200億円 1,000,000人→ 3兆6,000億円 2兆4,000億円 兆2,000億円 雇用対策の予算の概要 〔雇用保険から-麻生内閣の09年度第1次補正後〕 ●失業等給付-2兆2605億円(積立金4兆7868億円) ●2事業からの支出-1兆1811億円(積立金3552億円) 雇用調整助成金(1兆2165億円、麻生~鳩山内閣) ふるさと雇用再生特別交付金-2500億円 〔一般会計から〕 ●緊急人材育成・就職支援-7000億円 ●緊急雇用創出事業(基金)-4,500億円 ●雇用対策等の地方交付税-1兆円(麻生内閣09年度予算) ●貸付・給付のセーフティネット関係-3647億円(麻生~鳩山内閣) 生活保護費 政府予算 2009年 2兆596億5200万円 2010年 2兆2021億2400万円 +1424億7200万円
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