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第8章 参考資料 赤外線天文衛星の概観 Overview of Infrared Astronomical Satellites

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1 第8章 参考資料 赤外線天文衛星の概観 Overview of Infrared Astronomical Satellites
平成28年度(前期) 総合研究大学院大学 宇宙科学専攻 飛翔体天文学特論II 松原英雄(ISAS、JAXA)

2 Key specification parameters
8-1. 性能比較の上での鍵となるパラメータ 

3 天体観測とは? 目で見える波長は、天体からの電磁波のごくごく一部です。
いろんな電磁波を観測するには、その電磁波を感じる「検出器」(電磁波を受けて、電気信号を生じるもの)が必要です。 また天体からの電磁波は微弱なため、光を集める「望遠鏡」(やアンテナ)が必要です。 望遠鏡 (ナスミス式の例) 検出器

4 スペースからの観測 大気の吸収・放射がない。 波長1-1000ミクロン全域で観測可能 「赤外で暗い夜空」が得られる
赤外~サブミリ波波長帯における地球大気の透過スペクトル(上段)と、放射スペクトル(下段)を色々な高度から天空を観測した場合について比較したもの。高度250km以上の衛星軌道ではじめて、惑星間塵の放射など宇宙起源の拡散放射しか存在しない「暗い夜空」が得られる。

5 赤外線観測では望遠鏡自身が 明るい「邪魔者」
次世代赤外線天文衛星SPICAの資料より

6 観測性能を決めるパラメータ 「性能」と言っても色々あります。これから紹介する天文衛星の性能に、どんな特徴や違いがあるか注意して下さい。
波長帯 波長分解能 視野 空間分解能 検出限界

7 波長帯と波長分解能 波長帯(波長域) 波長分解能 観測可能な波長の範囲 波長分解能( R = λ / Δλ )
隣り合うスペクトル線がどこまで近くの波長まで分解できるか? スリット プリズム 天体 スクリーン 目で見える 赤外線 紫外線 温度計

8 視野と空間分解能 視野 空間分解能 どれだけ広い天空の領域を同時に見られるか? 隣り合う空間の2点をどれだけ別の点と認識できるか?
(カメラの画角のこと) 空間分解能 隣り合う空間の2点をどれだけ別の点と認識できるか? 回折限界(レーリーの基準) θ = 1.22λ / D λは光の波長 Dは光を集める(カメラなら対物レンズの直径。

9 検出限界とは どれだけ暗い天体まで、天体として検出できるか、の限界能力 信号は? 雑音は? 天体からの信号と雑音の比 集光力に比例します。
観測(露光)時間に比例します。 集光力:光を集める面積。望遠鏡の口径の二乗 雑音は? 検出器自身の持っている雑音 大気や望遠鏡からの光子数のゆらぎによる雑音

10 天文衛星には、大別して二種類ある サーベイ型 天文台型
掃天観測(スカイサーベイや天体サーベイとも呼ぶ)を主に行う天文衛星のこと。サーベイとは望遠鏡を用いて一定範囲の夜空を観測することです。 観測計画は、打ち上げ前から決まっています。 天文台型 特定の天体・天空の領域を、様々な天文学上の目的のために観測する天文衛星。 観測公募とその選定を受けて、観測計画を打ち上げ後に決めることが多い。

11 Past IR Astronomical Satellites
8-2.これまでの赤外線天文衛星 

12 スペース赤外線天文学 の歴史(1) ~まず1990年代~

13 IRAS (アイラス) 1983年に米・蘭・英の三国共同で打ち上げ 口径60cm、 2Kに冷却
12、25、60、100mmの4バンドで、初めて全天をサーベイ。

14 COBE(コービィ) DIRBE FIRAS COBE(Cosmic Background Explorer)
1989年11月打ち上げ(NASA)の天文衛星 赤外~マイクロ波領域にわたり、全天の拡散放射を極めて精度良く測定 搭載装置 DIRBE (Diffuse Infrared Background Experiment) ビーム0.7角、 波長 ミクロンにわたる 10バンド測光器 FIRAS (Far-infrared Absolute Spectrometer) ビーム7 波長100~1000ミクロンの分光器

15 IR Sky observed with COBE/DIRBE
黄道光 (太陽系内の塵からの赤外線放射) 銀河系内の星間塵からの赤外線放射 Kelsall et al. (1998) ApJ 508, 44 Arendt et al. (1998) ApJ 508, 74

16 ISO(Infrared Space Observatory)(アイソ)
ESA が1995年11月打ち上げた宇宙天文台(~1998 April) 初めて2次元アレイセンサーが搭載 (32x32画素@3-17mm) 3-200mmの分光器も搭載 日本も観測プログラムに参加

17 星のうまれるところを 赤外線で見たら? 赤外線ではチリがかがやいて見える!

18 衝突中の銀河の赤外線画像 NGC 4038 NGC 4039 衝突によって星がうまれたところのチリがあたためられて、赤外線で明るく見える。

19 ISOによる遠方宇宙の 赤外線で明るい銀河サーベイ 川良・谷口・松原・奥田・大薮他、1998年記者発表
ISO 90 Micron 170 Micron 予想よりもはるかに多い赤外線銀河を発見!

20 IRTS (アーツ) (Infrared Telescope in Space)
ミッション: 1995年 3-4月 (26日). HIIで打ち上げられたSFU (Space Flyer Unit)に搭載、シャトルで回収。 望遠鏡は15cm、全天の7%をサーベイ。

21 IRTSの成果ー我々の銀河系から 「拡散した有機物からの放射」 の発見
星(波長3ミクロン連続波)の分布 3.3ミクロンの有機物からの放射の分布

22 20世紀の赤外線天文衛星 性能のまとめ

23 2000年代に活躍(中)の赤外線天文衛星 あかり(2006) スピッツァー(2003) ハーシェル(2009)

24 スピッツァー (Spitzer) 2003年8月に打ち上げ。天文台型。 ミッション期間: 2.5年(5年目標) Solar Orbit

25 Spitzerの撮像バンドと視野・画素数

26 SWIRE (50平方度のサーベイ)

27 赤外線(波長2-160ミクロン)で全天の様々な天体を観測しました。
赤外線天文衛星「あかり」 赤外線(波長2-160ミクロン)で全天の様々な天体を観測しました。 あかりちゃん 作成:櫨香奈恵・櫨まどか

28 「あかり」はどんな方法で天体観測を したのか?
人工衛星 高度 700 km 昼夜の境界上を飛行 一周約100 分間 軌道 を一周する毎に、観測する方向も一回転する。 10分間ほど静止して特定方向を集中的に観測することもできます。 スキャンパスは周回毎に4分ずつずれていきます。 この方法で全天を半年で観測できます。

29 All sky in Galactic coordinatesen at 9mm
AKARI All-Sky Survey 29

30 Herschel launched 14 May 2009 Credit: ESA

31

32 衝突中の銀河の可視(左)赤外線(右)画像
衝突によって星がうまれた ところのチリがあたためられて、 赤外線で明るく見えています。 (画像:ESA提供)

33 スピッツァー あかり ハーシェル 衛星名 望遠鏡口径 望遠鏡温度 85 cm (<5.5K) 69 cm (<6K) 3.5m
観測波長 3-180 m 2-180m   60-672m   角分解能 回折限界(>6.5 m) 3” @10 m 30” @100 m 回折限界(実績 >7 m) 5" @10 m 50" @100 m 回折限界 7" @100 m 撮像・ 測光性能 5’角撮像(256×256画素) @3.6-8 m 5’角撮像(128×128画素)  @24 m 5’角撮像(32×32画素)@70m 0.5’×5’角撮像(2×20画素) @160 m 10’角撮像(412×412画素) @2-5 m 10’角撮像(256×256画素) @5-26 m スキャン型撮像 @9、18 m(2×64画素) @50-100 m(5×20画素) @100-180 m(5×15画素) m 4’×8’角撮像 (149, 88, 43画素    @250、350、500m) 分光性能 (/) 60-600 @5-40 m 20 @53-100 m 20-40 @2-26 m 160 @2.5-5 m 200 @50-200 m 1000-5000 @60-210 m 250m (194-672m同時分光) 107 ヘテロダイン分光(157-212m、240-625m ) タイプ 天文台型 サーベイ型 (一部天文台型) 軌道 人工惑星軌道 (地球より1500-9000万km) 高度 700 km 太陽同期軌道 太陽-地球L2点 リサジュー軌道 打ち上げ年 2003年8月23日 2006年2月22日 2009年5月14日 観測期間 6年(その後も近赤外は継続) 1.5年(近赤外はその後も継続) 2013年5月まで継続されました 質量 0.95トン 0.96トン 3.3トン

34 太陽ー地球ラグランジュ点(L2) 150万kmの彼方

35 Future IR Astronomical Satellites
8-3.将来の赤外線天文衛星 

36 将来のスペース 赤外天文ミッション SPiCA (2020年代後半) JWST (2018!) 6.5m、30K 0.6~27mm

37 JWSTに搭載する観測装置 NIRCam (Near-Infrared and visible camera): 観測波長が0.6–5 m、視野が2’.2×2’.2 の近赤外線撮像装置。 広帯域と中帯域の二つの撮像モジュールをもち、それぞれが波長2.35 mm で二分した光を受けるための2チャンネルとコロナグラフ機能を備えている。 NIRSpec (Near-Infrared Spectrograph): 視野3’.4×3’.4、ピクセルスケール∼0”.1 、100 天体以上を同時に観測することが可能な近赤外線多天体分光器。3つの観測モードを備える: (1) R=1000 の多天体分光モード、3グレーティング、波長範囲1.0–5.0 mm (2) R=2700 の面分光モードとロングスリットモード (3) R=100、波長範囲0.6–5.0 mm のプリズム分光 MIRI (Mid-Infrared Instrument): 観測波長5–28 mm の中間赤外線撮像分光器。1 つの撮像装置と2つの分光装置を備える: (1) 4つのコロナグラフを持つ、視野1’.88×1’.27、フィルター12 枚の撮像装置 (2) 5–10 と10–27 mm の2チャンネルを持つ、R=3000、視野3”×3” の面分光装置。 (3) R=100、観測波長5–10 mm の低分散ロングスリット分光装置。 NIRSS (Near-InfraRed Imager and Slitless Spectrograph): 近赤外線グリズム撮像分光器。2つの分光装置と2つの撮像装置を備える: (1) R∼150、観測波長1.0–2.5 mm の低分散広視野分光装置、 (2) R∼700、観測波長0.6–3.0 mm の中分散単天体分光装置、 (3) 観測波長3.8–4.8 mm のNRM (非冗長開口マスク) をもつ干渉計撮像装置、 (4) 観測波長1.0–5.0 mm 、視野2’.2×2’.2 の広帯域撮像装置。

38 JWST Spectroscopic Sensitivity

39 SPICA 仕様 軌道: 太陽-地球ラグランジュ点(L2) 8 Kの全冷却望遠鏡 国際ミッション 圧倒的な高感度赤外線天文台
  宇宙の歴史をひもとく 圧倒的な高感度赤外線天文台 SPICA 仕様 望遠鏡口径 2.5 m以上 望遠鏡温度 -266℃(絶対温度8 K(ケルビン)以下) 総質量 約3.7t 以下 打上げ 目標2027-8年 軌道: 太陽-地球ラグランジュ点(L2)

40 どうやって望遠鏡を冷やすの? あかり 観測装置: 42 kg 冷却装置: 460 kg 200 kg はクライオスタットの外壁
液体ヘリウム170リットルで寿命が制限(1.5年)

41

42 SPICA ラインフラックスに対する感度 Projected spectroscopic sensitivity of the SPICA instruments as compared to other facilities. SAFARI sensitivity is based on a detector NEP of 2×10-19W/√Hz.

43 SAFARI(SPICA遠赤外線装置)の仕様

44 SMI(SPICA搭載中間赤外装置)ブロック図

45 SMI の仕様

46 SPICAの予想解像度 「あかり」 口径70 cm 深宇宙探査 SPICA 口径2.5 m (シミュレーション)
Courtesy to Ko Tokyo

47 将来の赤外線天文衛星による遠方の 赤外線銀河(L=1012L8)からの赤外禁制線の 観測可能性

48 飛翔体天文学特論II レポート課題 以下の課題のいずれか一問に回答すること。(二門以上回答 しても差し支えない) 課題1.太陽近傍の星間空間における熱平衡ダストの放射平衡温度を計算する(第5章3節)。 簡単のために星間放射場(𝐼𝑆𝑅𝐹 =1.6× 10 −6 𝑊 𝑚 −2 )に対 する Q abs λ =0.3(UV~可視で一定)とし、ダストからの熱放 射については、そのEmissivity を Q emis λ = Q emis V λ 0.55μm −s 、 Q emis V =0.3 を仮定し、s=1及び2のそれぞれの場合について、ダストの温度を求めよ。また、仮に、すべての波長で Q abs = Q emis =1であったならば温度はどうなるか? なおRiemanのツェータ関数ζ(4)=1.082、ζ(5)=1.037、ζ(6)=1.017である。

49 飛翔体天文学特論II レポート課題(続) 課題2.スペースからの赤外線天文観測に関する以下の設問に解答せよ。単に答えだけではなく、その理由について簡潔に論述すること。 1) 地上観測と比較してスペースからの観測の利点を二つ以 上挙げて説明せよ。 2) 波長10 mm帯の「大気の窓」には、[Ne II] 12.8 mm線という ネオンイオンからのスペクトル線が存在する。今、波長分解能 R=600のグレーティング分光装置を、地上(ハワイ)の国立天 文台すばる望遠鏡(口径8.2 m)あるいはスペース赤外望遠鏡 Spitzer(口径85 cm)に搭載した場合、 [Ne II] 12.8 mm線の検 出感度が高いのはどちらか? 3) スペースからの高感度赤外線観測を実現する上で、観測 装置が満たすべき主要な性能要求について述べよ。それに関 して、太陽ー地球L2点の長所は何か?

50 前半・後半の課題それぞれについてのレポートを期限(9月2日)までに山村・松原にそれぞれ提出していただきます。
提出期限その他 前半・後半の課題それぞれについてのレポートを期限(9月2日)までに山村・松原にそれぞれ提出していただきます。 電子メールか紙のレポートを提出してください。 両方のレポートの内容により評価します。 全ての資料は以下に置いています


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