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マイコプラズマ感染とその問題点 基礎と臨床の相互理解を目指して 久留米大学 医学部 感染医学講座 清水 隆.

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1 マイコプラズマ感染とその問題点 基礎と臨床の相互理解を目指して 久留米大学 医学部 感染医学講座 清水 隆

2 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子

3 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子

4 ①肺炎 ●肺胞および肺間質に生ずる炎症。 ●感染性の肺炎以外にもアレルギー,誤嚥,放射線,化学薬品,外傷などによっておこる。

5 ●炎症は生態防御の一環だが、過度の炎症は組織を傷害する。 ●好中球などが出す過酸化物も組織を傷害する。
②炎症とは 「免疫生物学」, 南江堂 ●炎症は生態防御の一環だが、過度の炎症は組織を傷害する。 ●好中球などが出す過酸化物も組織を傷害する。 ●感染性の炎症の場合は菌の出す毒素が組織を傷害することも。

6 病院内で発生した肺炎 老人施設、長期療養施 免疫抑制状態 誤嚥 肺結核 慢性下気道感染 胸部X線写真 赤血球数、CRP 肺炎
③市中肺炎 ●病院外の在宅者に発症した肺炎。 ●⇔院内肺炎。 ●健康な人に感染、発症する肺炎 局所症状(咳嗽、喀痰) 全身症状(発熱、頭痛、倦怠感) 除外項目 病院内で発生した肺炎 老人施設、長期療養施 免疫抑制状態 誤嚥 肺結核 慢性下気道感染 胸部X線写真 赤血球数、CRP 肺炎 市中肺炎

7 ④非定型肺炎、異型肺炎 ●細菌学的検査によって原因微生物を検出できない肺炎。 ●⇔細菌性肺炎 ●その後の微生物学の進展により原因微生物が同定され、それらの微生物による肺炎の総称として用いられている。  マイコプラズマ、クラミジア、リケッチア、ウイルスなど。 特徴: 乾性咳嗽=喀痰がでない 発症が緩徐 発熱 X線写真で間質性陰影が多い 白血球数が上がらない 聴診でラ音がみられないことが多い

8 ●市中肺炎の原因菌として肺炎球菌、インフルエンザ菌に次いで3番目に多い(10%前後)。
基幹病院 大学病院 診療所 欧州10カ国 入院 外来 349例 400例 106例 168例 5961例 肺炎球菌 23.8 26.3 12.3 22 28 インフルエンザ菌 6 13 4.7 14.3 4 マイコプラズマ 11.2 9.3 27.4 14.9 8 クラミドフィラ ニューモニエ 3.4 6.8 11.3 25 12 レジオネラ 1.4 1.5 0.6 黄色ブドウ球菌 3.3 0.9 7.1 2 クラミドフィラ シッタシ 0.3 1.3 1 モラクセラ 1.7 3.5 1.9 6.5 クレブシェラ 1.2 ミレリ 1.1 1.8 嫌気性菌 5.5 コクシエラ 0.5 緑膿菌 真菌 ウイルス 3 その他 2.9 0.8 複合感染 6.1 14 7.5 17.9 不明 45.6 34.5 47.2 27.9 日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドライン(1998, ) ●市中肺炎の原因菌として肺炎球菌、インフルエンザ菌に次いで3番目に多い(10%前後)。 ●非定型肺炎のうち6-7割程度がマイコプラズマ。

9 ⑤マイコプラズマ肺炎 ●感染様式は感染患者からの飛沫感染による ●小児や学童・若年成人に多く発症 ●粘膜表面に接着、気管支、細気管支の粘膜上皮を破壊する。 ●潜伏期は通常2~3週間。 ●主症状は咳嗽と発熱である。 ●乾性の咳。解熱後も長く続く(3~4週間)。後期には湿性の咳となることが多い。 ●肺炎にしては元気で予後も悪くない。 ●多量の胸水、呼吸困難がみられる重症例が散発的に見られる。

10 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子

11 ●細菌性肺炎と非定型肺炎では使用する抗生物質が違う。
迅速に判断する必要がある。 菌の培養には1-2週間かかる。 培地が特殊。 ①非定型肺炎の鑑別 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断キット

12 ①細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別(呼吸器学会ガイドライン、2000年)
60歳未満 基礎疾患がない 頑固な咳嗽 胸部聴診上所見が乏しい 喀痰がない。迅速診断で原因菌が見つからない。 抹消白血球が10000/ml以下 1-6の4項目以上: 1-5の3項目以上:非定型肺炎の疑い 1-6の3項目以下 1-5の3項目以下:細菌性肺炎

13 ②画像診断ー胸部X線写真ー 肺胞性肺炎と間質性肺炎 「ゼッタイわかる胸部写真の読み方」, 医学教育出版社 肺胞性肺炎 間質性肺炎

14 「ゼッタイわかる胸部写真の読み方」, 医学教育出版社

15 マイコプラズマ肺炎における画像診断 多くの場合すりガラス状の間質性陰影がみられる。 陰影が散在してみられる skip lesion を呈することが多い。 問題点 肺胞性肺炎の像を呈することもある。 必ずSkip lesionがみられるわけではない。細菌性肺炎でもSkip lesionが見られることがある。 画像診断のみでマイコプラズマ肺炎を診断することはできない。

16 ③血清診断 血清中に含まれる感染微生物の抗原に特異的な抗原に対する抗体量を測定することで感染を診断することが出来る。 ペア血清診断 ●感染の前あるいは初期(急性期)の血清と,感染後期(回復期)の血清におけるマイコプラズマに対する抗体価を測定・比較する。 ●回復期で急性期の4倍以上の抗体価上昇が認められた場合は有意義とする。 問題点 ●ペア血清は診断は確実だが、回復期の血清を必要とするため、治療を目的とした診断には向かない。 ●単一血清は信頼性の問題。

17 受身微粒子凝集法(Passive Particle Agglutination : PA)
●高比重複合粒子は径1.8μmの均質サイズの着色粒子。 ●M.pneumoniae の脂質抗原で感作してある。 ●2倍段階希釈患者血清を加え凝集を見る。 ●血清中に抗体が存在すれば粒子が凝集し粒子は沈殿しない。 ●単一血清(急性期血清)では 倍以上(に希釈しても凝集する)で陽性。 ●ペア血清で4倍以上の抗体価上昇で陽性 「カラーアトラス微生物検査」, 医歯薬出版

18 ④迅速診断法 イムノカード:㈱TFB ●血清中のマイコプラズマ抗体(IgM)を検出する方法。 ●操作は簡単で、測定は短時間(総反応時間は10分間) ●結果判定は目視で容易 問題点 ●マイコプラズマ肺炎の病像が形成されてからIgMが産生されるまで3-4日かかり、感染初期には陰性になることが多い。 ●偽陽性の判断が難しい。 ●分離培養陽性にもかかわらず、抗体価が上がらない症例がある。 (岩沢篤朗 他、JARMAN 、2006日本マイコプラズマ学会) ●抗原を高感度に検出するキットの開発、併用が望まれる。

19 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 ③副作用 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子

20 ①抗生物質の選択 マイコプラズマは細胞壁を持たないため、ペニシリン系をはじめとするベータラクタム系の抗生物質を使うことが出来ない。 マクロライド: タンパク質合成阻害 炎症反応調節効果 テトラサイクリン: タンパク質合成阻害 ニューキノロン: DNA合成阻害

21 原因菌不明 細菌性肺炎 アモキシシリン ペニシリン系  +ベータラクタマーゼ阻害剤 非定型肺炎 マクロライド テトラサイクリン ニューキノロン 3日間改善無し 問題点 日本においては肺炎球菌のマクロライド耐性が多いためマクロライドは市中肺炎の第一選択役になり得ない。 迅速な診断が求められる。

22 ●1999年以前は全く存在していなかったマクロライド系抗生物質に対する耐性菌が2000年以降増えている。15%程度。
②耐性菌 ●1999年以前は全く存在していなかったマクロライド系抗生物質に対する耐性菌が2000年以降増えている。15%程度。 (成田光生, 2006, 日本マイコプラズマ学会) ● , 日本10施設, 169検体中12株がマクロライド耐性菌 Morozumi M, Hasegawa K, Kobayashi R, Inoue N, Iwata S, Kuroki H, Kawamura N, Nakayama E, Tajima T, Shimizu K, Ubukata K. Related Articles, Links Emergence of macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae with a 23S rRNA gene mutation. Antimicrob Agents Chemother Jun;49(6):

23 ③副作用 テトラサイクリン: ●骨や歯牙形成への有害作用。色素沈着=歯牙黄染。 ニューキノロン: ●光線過敏症、悪心、下痢、横紋筋融解症、軟骨の成長阻害。 ●妊婦・授乳中の母親、8歳以下の小児への投与は原則として避ける。 小児領域に患者が多いマイコプラズマ肺炎ではこれらの薬剤が使えない可能性が考えられる。 現在までは耐性菌の問題は表面化していない マクロライド耐性菌は増加傾向

24 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子

25 ①マイコプラズマの産生する毒素=直接組織を傷害する ●過酸化水素:細胞障害
Cohen G, Somerson NL. Related Articles Mycoplasma pneumoniae: hydrogen peroxide secretion and its possible role in virulence. Ann N Y Acad Sci Jul 28;143(1):85-7. Low IE, Zimkus SM. Related Articles, Links Reduced nicotinamide adenine dinucleotide oxidase activity and H2O2 formation of Mycoplasma pneumoniae. J Bacteriol Oct;116(1): ●community-acquired respiratory distress syndrome toxin  (CARDS TX) :百日咳毒素様タンパク質、細胞傷害性 Kannan TR, Baseman JB. Related Articles, Links ADP-ribosylating and vacuolating cytotoxin of Mycoplasma pneumoniae represents unique virulence determinant among bacterial pathogens. Proc Natl Acad Sci U S A Apr 25;103(17): Epub 2006 Apr 14.

26 ②マイコプラズマの産生する炎症誘導因子 =過度の炎症を惹起する いずれもアシル基を2本ないし3本有するリポタンパク質

27 2 kDaタンパク質=MALP-2 (ジアシル)
M. fermentans 2 kDaタンパク質=MALP-2 (ジアシル) Muhlradt PF, Kiess M, Meyer H, Sussmuth R, Jung G. Isolation, structure elucidation, and synthesis of a macrophage stimulatory lipopeptide from Mycoplasma fermentans acting at picomolar concentration. J Exp Med Jun 2;185(11): M. saliverium 44 kDaタンパク質=FSL-1 (ジアシル) Shibata K, Hasebe A, Into T, Yamada M, Watanabe T. The N-terminal lipopeptide of a 44-kDa membrane-bound lipoprotein of Mycoplasma salivarium is responsible for the expression of intercellular adhesion molecule-1 on the cell surface of normal human gingival fibroblasts. J Immunol Dec 1;165(11):

28 =F0F1 ATPase(ジアシル)、N-ALP1、N-ALP2(トリアシル)
M. penumoniae 20、37、6 kDaタンパク質 =F0F1 ATPase(ジアシル)、N-ALP1、N-ALP2(トリアシル) Shimizu T, Kida Y, Kuwano K. Triacylated lipoproteins derived from Mycoplasma pneumoniae activate nuclear factor-kappaB through toll-like receptors 1 and 2. Immunology Apr 13 A dipalmitoylated lipoprotein from Mycoplasma pneumoniae activates NF-kappa B through TLR1, TLR2, and TLR6. J Immunol Oct 1;175(7): M. arthritidis 41、37、34、17kDa タンパク質(トリアシル) Hasebe A, Mu HH, Washburn LR, Chan FV, Pennock ND, Taylor ML, Cole BC. Inflammatory lipoproteins purified from a toxigenic and arthritogenic strain of Mycoplasma arthritidis are dependent on Toll-like receptor 2 and CD14. Infect Immun Apr;75(4): Epub 2007 Feb 5.

29 Toll-Like Receptor Family
lipoprotein PGN LPS DNA flagella TLR1 TLR2 TLR2 TLR6 TLR4 TLR9 TLR5 TIRAP MyD88 Toll like receptor (TLR)と呼ばれる一連の受容体ファミリーは、細菌の様々な菌体成分を認識し、最終的にNF-kBを含む転写因子を誘導することにより、免疫反応を誘導することが報告されています。本研究ではマイコプラズマ・ニューモニエの菌体成分のうちTLRを介してNF-kBを誘導する因子を探索した。 AP-1 IRAK4 TRAF6 IRAK1 MKKs NF-kB TAK1

30 今後の課題 ●毒素と炎症誘導因子のどちらが主要因か? ●ワクチンの抗原となりえるか? ●重症例との関連? ●マクロライド系抗生物質の炎症抑制作用との関連?

31 マイコプラズマ肺炎 ①肺炎 ②炎症 ③市中肺炎 ④異型肺炎 ⑤マイコプラズマ肺炎 診断と検出 ①異型肺炎の診断 ②画像診断 ③血清診断 ④迅速診断 化学療法 ①抗生物質の選択 ②耐性菌 病原因子 ①毒素 ②炎症誘導因子 おしまい。


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