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V240a 京大3.8m望遠鏡における 補償光学系の開発 2013/9/12 京都大学 夏目典明
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目次 装置開発の目的 極限補償光学装置 -概要 -Woofer System 実験内容と結果 -光学系組立 -AOloop構築 -結果と考察
まとめとこれから
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目的:系外惑星の直接撮像 目的は恒星近傍に存在する地球型惑星の直接撮像、 及び惑星のキャラクタリゼーション
惑星半径 (borucki et al. 2011) 木星×2 木星 海王星 地球 海王星の軌道長半径以遠の 巨大ガス惑星の直接撮像しか 達成されていない Kepler望遠鏡の観測による100を 超える地球型惑星の間接的検出 →地球型惑星は普遍的な存在 すばる望遠鏡のH-bandの画像 温度 目的は恒星近傍に存在する地球型惑星の直接撮像、 及び惑星のキャラクタリゼーション →酸素の吸収線は、酸素発生型光合成の痕跡
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極限補償光学の必要性 恒星近傍で地球型惑星を直接撮像には、 高分解能、高コントラストが必要 高感度、高速の極限補償光学装置を開発
光の強度 収差無し 1 収差有り (歪んだ波面) ストレール比 惑星光 像面 恒星近傍で地球型惑星を直接撮像には、 高分解能、高コントラストが必要 高感度、高速の極限補償光学装置を開発 目標値はストレール比(SR)=0.9
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基本的な光学系 望遠鏡 カメラ 制御系 赤外線で観測 補正された 波面 可変形鏡 (Deformable Mirror) 波面センサー
歪んだ波面 可変形鏡 (Deformable Mirror) 波面センサー 制御系 可視光で測定
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極限補償光学装置の構成 Woofer system 3つの鏡と2つのループで補正 観測光 J,H-band 望遠鏡 tip-tilt鏡
歪んだ波面 補正された波面 tip-tilt鏡 Woofer DM Tweeter DM Woofer用WFS r'-band Tweeter用WFS i'-band Woofer system Tweeter system
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3つの鏡を使った補正 歪んだ波面 一次の波面 低次の波面 高次の波面 Tip-Tilt 鏡 Woofer DM Tweeter DM
0.28 2.15 8.95 波面残渣(rad) 4.88 2.67 0.83 時間周波数(Hz) 85 250 850 一次の波面 低次の波面 高次の波面 Tip-Tilt 鏡 Woofer DM Tweeter DM 波面を3つに分けてしっかりと補正し、SR=0.9を目指す ストロークが大きく、素子数の多いDMを作るのは技術的に難しい
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3.要求仕様 各放物面鏡の設置誤差(0.1mm shift, 1' tiltと仮定)を考慮した場合に、on-axisの光 に生じる波面誤差が 望遠鏡焦点からwoofer DMまでの光学系(光学系1)で2λ 以下 OAP4からtweeter DMまでの光学系(光学系2)で0.12 λ以下 であること(λ=1.65um)。 (∵各DMの最大ストロークより十分に小さくなければならない) 同様に各放物面鏡の設置誤差を考慮した場合に、off-axis(3”)の光に生じる波面誤 差が全光学系を通して0.25λ以下であること(焦点像のEncycled Energyがairy disc radius内で80%以上)。 (∵3”の視野にわたって補償する事を目指している) 全光学系の大きさが1m×1m程度(∵ナスミス台に設置できる大きさでなければなら ない) DM周りなどのクリアランスの確保 平面鏡を極力抑える(∵無駄な波面誤差を減らしたい)
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光学設計:結果 要求仕様に基づき光学系をzemaxで設計した Size=1.25m×0.35m 焦点距離(mm) 軸外距離(mm)
軸外角度(deg) 半径(mm) OAP1 275 14 25 OAP2 640 10 OAP3 15 OAP4 OAP5 300 7.5
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光学設計 要求仕様に基づき光学系をzemaxで設計した 要求仕様
On-axisの光に対して(公差含,λ=1.65um) -望遠鏡焦点-WDMの波面誤差<2λ -OAP4-TDMの波面誤差<0.12λ Off-axis(3”) -全光学系の波面誤差<0.25λ 光学系全体に対して -サイズが1m×1m程度 -クリアランスの確保 -平面鏡をなるべく用いない Size=1.25m×0.35m
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光学設計:波面誤差評価 Zemaxで評価 公差は各OAPに0.1mm-shift & 1'-tiltを与えた PV Rms
On-axis PV rms 光学系1での波面誤差 0.0021λ 0.0005λ 光学系2での波面誤差 0.0002λ 0.0001λ ○要求仕様を満たす Off-axis PV Rms 全光学系での波面誤差 0.2829λ 0.0613λ △要求仕様を満たす? →EncycledEnergyで~77% 今後は感度測定、及びより詳細な公差測定を行う
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極限補償光学装置の構成 Woofer system 3つの鏡と2つのループで補正し、SR=0.9を目指す 観測光 J,H-band 望遠鏡
tip-tilt鏡 Woofer DM Tweeter DM Woofer用WFS r'-band Tweeter用WFS i'-band Woofer system Tweeter system
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高速ステアリングマウント(PI製) +金コーティングミラー
Tip-tilt鏡とWoofer DM 名称 高速ステアリングマウント(PI製) +金コーティングミラー DM 88-25(Alpao 製) アクチュエータ数 4 88 最大ストローク(μm) 35 15 制御帯域(Hz) 85 250 補正後のSR(理論値) 0.01
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Shack-Hartmann 波面センサ Woofer用の波面センサ シンプルな光学系で、大きな波面誤差まで計測可能
波面の歪みを焦点の移動量として測定 Δx W:波面形状 Δx,Δy:重心の移動量 Andor社 sCmos camera Zylaに マイクロレンズアレイを装着 観測波長 r'-band 限界等級 12等級 マイクロレンズアレイ 64枚,pitch=0.3mm,f=8.7mm
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実験 京大3.8m望遠鏡の環境を模擬した補償光学実験 (Woofer システム) -光学系の組立 -AO loopの構築
目標値 -制御帯域:250Hz
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実験室での光学系 ピンホール 大気位相板 白色光源 と (8等級@R-band) 開口絞り 観測カメラ 大気乱流の シュミレートをする
(仮想)望遠鏡焦点 Tip-tilt鏡 ピンホール 大気位相板 と 開口絞り 白色光源 ダイクロイックミラー Woofer DM 観測カメラ SHWFS 大気乱流の シュミレートをする 500~700nm 綺麗な波面からの寄与
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光学系組立
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光学系組立 Wooferシステムまでの光学系を構築した。 Woofer DM88 SHWFS Tip-Tilt鏡 大気位相板
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AO loopの構築 Matlab上でAO loopの構築 ループ速度~130Hz(露光時間は3msec) SHWFS 波面計測
重心移動量の計算 波面形状の計算 DM PDI制御 重心の移動量の計算 SHWFSの画像
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AO loopの構築 Matlab上でAO loopを構築した。 ループ速度は~130Hz(露光時間は3msec) SHWFS Matlab
重心移動量の計算 波面形状の計算 DM それぞれの重心をとり、 移動量を計算する SHWFSの画像
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結果 風速1m/sでSR~0.31@H-band 風速20m/sでSR~0.19 1m/s 5m/s 10m/s 20m/s AO off
風速 1m/s 5m/s 10m/s 20m/s AO off Strehl 0.31 0.28 0.21 0.19 0.009 減少
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結果 Woofer補正有り、無しでのサイエンスカメラでの焦点像変化 (大気位相板は回していない状態) シュトレール比は0.31となった
補正無し 補正有り
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考察 今後: -軸外放物面鏡(PV:λ/20)の使用 -設置台の製作(公差を50μmに) 今後:
なぜSRが0.49に 届かないか レンズの使用による色収差 Non common pathによる収差 DM&マイクロレンズアレイ上に瞳が形 成されていない On pupil ? 今後: -軸外放物面鏡(PV:λ/20)の使用 -設置台の製作(公差を50μmに) Non common path! なぜ風速が上がると SRが低下するか ループ速度の不足 今後: -ROIの改善 (640×540→128×128で1.5kHzに)
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今後 装置由来の収差を抑える 風速20m/sで SR=0.49を目指す ループ速度を向上させる -設置台の製作(誤差を100μm以下に)
-軸外放物面鏡(PV:λ/20)の仕様 装置由来の収差を抑える 風速20m/sで SR=0.49を目指す Zemaxでの設計(size=1.25m×0.35m) 現在 実験時 ループ速度を向上させる -ソフトウェアの改善(大阪電通大と協力) -ROI(Region Of Interest)の改善 SHWFSの画像(size=540pix×640pix)
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考察 遅い風速でもSR=0.49に届かない理由 -non common pathによる収差 -DM上、マイクロレンズアレイ上に瞳が上手く形成 されていない 風速が早くなるにつれSRが低下する理由 -ループ速度が足りていない 対策 レンズでは無く設置台を製作し、誤差を50umまで抑 える 風速が早くなるにつれSRが低下する理由 -ループ速度が足りていない
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まとめ 地球型惑星の直接撮像には極限補償光学が必要である。
Woofer システムでSR=0.49まで波面を補正し、 TweeterシステムでSR=0.9まで補正するような 補償光学装置を開発する。 Wooferシステムの光学系とAOループの構築をした。 遅い風速でSR=0.31まで達成したが、風速の上昇ととも にSRは低減した。 今後は設置台を製作し、軸外放物面鏡を用いた実機仕様の光学系 を組み立てる。また、ソフトウェアの改善を行い、 風速20m/sでSR=0.49を目指す。
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AO loop:重心の移動量の計算 Matlab上でAO loopを構築した。 W:波面形状 Δx,Δy:重心の移動量
それぞれの重心をとり、 移動量を計算する SHWFSの画像
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AO loop:波面形状の計算 行列計算により Zernike係数が求まる →波面形状が求まる 波面形状は直交多項式で記述される
微分 行列計算により Zernike係数が求まる →波面形状が求まる SHWFSから導出した式 代入
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AO loop:アクチュエータ移動量の決定
MatLab DMの形状はinfluence functionの 重ねあわせで記述される 1 2 𝑊= 𝑊 𝐷𝑀 𝑥,𝑦 = ∑ 𝑛 𝑓 𝑛 𝑥,𝑦 目標値 Influence function Influence function あるアクチュエータを動かした時の DMの形状 アクチュエータを動かす SHWFS Woofer DM
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結果 Woofer補正有り、無しでのサイエンスカメラでの焦点像変化 (大気位相板は回していない状態) シュトレール比は0.31となった
補正無し 補正有り
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