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宇宙大規模構造の最近の話題 計60分 松原隆彦 (名古屋大学) 東北大学 21COE研究会

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1 宇宙大規模構造の最近の話題 計60分 松原隆彦 (名古屋大学) 東北大学 21COE研究会
松原隆彦 (名古屋大学) 東北大学 21COE研究会 「初期宇宙の解明と新たな自然像」 9/20/2005

2 宇宙の大規模構造 銀河の赤方偏移サーベイ 銀河の後退速度を丹念に測定 宇宙の3次元構造をマッピング

3 3次元的大規模構造の発見 Bootes Void :
Kirshner, Oemler, Schechter & Shectman (1981) 239 galaxies

4 3次元的大規模構造の発見 Perseus-Pisces chain: 21cm redshift survey
Giovanelli & Haynes (1985), Giovanelli et al. (1986) galaxies

5 3次元的大規模構造の発見 Bubble構造: CfA redshift survey
de Lapparent, Geller & Huchra (1986) 1100 galaxies

6 Redshift Survey の大規模化 CfA II survey (1989-): 11,000 galaxies
Las Campanas Redshift Survey (1996): 26,000 galaxies

7 最新のRedshift Survey 2dF Survey (-2003):
250,000 galaxies Sloan Digital Sky Survey (-2008): 1,000,000 galaxies (ongoing)

8 Sloan Digital Sky Survey
SDSS (Sloan Digital Sky Survey) 2.5m 専用望遠鏡 [Apache point, New Mexico] 現在進行中 (2008まで) 1,000,000 galaxies, 100,000 quasars

9 Sky coverage の拡大

10 大規模構造の起源 初期宇宙の密度ゆらぎ ゆらぎの重力進化
初期宇宙のインフレーション期において量子ゆらぎが古典化して生成された(と信じられているが、詳細は不確定) 微小なゆらぎ ランダムガウス場(に極めて近い) ゆらぎの重力進化 重力:引力のみ ⇒ 密度ゆらぎの増幅 線形成長 & 非線形成長 非線形成長によるゆらぎの非ガウス化

11 大規模構造形成のシミュレーション Simulation by A.V.Kravtsov

12 大規模構造と宇宙論 宇宙論モデルによって異なる大規模構造の進化 時間 宇宙論モデル

13 構造の解析:空間相関関数 東辻・木原 (1969) dV1 r dV2 両方のセル中に銀河が含まれる確率 空間相関関数
銀河の空間相関関数の導入 銀河のクラスタリングパターンの定量化 dV1 r 両方のセル中に銀河が含まれる確率 空間相関関数 dV2

14 空間相関関数 直感的意味 : 大きい : 小さい

15 空間相関関数の観測例:非線形領域 例:CfA survey Davis & Peeblesによる解析 (1983)
ベキ則モデルによるフィット

16 SDSS銀河の相関関数 SDSS射影相関関数 (射影相関関数) ほぼベキ則だが、多少のずれが確認される 数Mpcスケールに肩
Abazajian et al. 2005

17 Halo Occupation Distribution
非線形クラスタリングの現象論的モデル P(N|M) 質量MのハローがN個の銀河を持つ確率(モデル化) 1-halo correlation 2-halo correlation

18 HODモデルと数値シミュレーション Zehavi et al. 2003

19 パワースペクトル パワースペクトル 相関関数のフーリエ変換に対応 線形領域では、直接の理論予言量 宇宙の構成成分や、初期ゆらぎに敏感
(Linear Theory)

20 SDSSによるパワースペクトル測定 Tegmark et al. 2004

21 線形パワースペクトル、線形相関関数 線形理論により、宇宙モデル依存性がはっきり決まる Matsubara 2004

22 宇宙初期のバリオン音響振動 コールドダークマター + バリオン + 光子 → 宇宙の晴れ上がり以前において音響振動:
コールドダークマター + バリオン + 光子 → 宇宙の晴れ上がり以前において音響振動: バリオン振動:波数 ~ 100 h-1Mpc

23 宇宙初期のバリオン音響振動と相関関数 バリオン音響振動によるピーク SDSS (Eisenstein et al. 2005)
(y-axis is not standard) My prediction (2004) (y-axis is logarithmic)

24 (Extended) Alcock-Paczynski Effect (1)
ダークエネルギー成分に敏感 real space   redshift space closed open

25 (Extended) Alcock-Paczynski Effect (2)
Matsubara 2004

26 赤方偏移空間の相関関数 相関関数の等高線マップ(特異速度による変形も考慮) Matsubara 2004

27 バリオン音響振動とEAP効果による ダークエネルギーへの制限
近将来的な(高赤方偏移)銀河サーベイで期待される制限 Matsubara 2004

28 まとめ 宇宙の大規模構造 赤方偏移サーベイ 非線形相関関数 線形クラスタリング バリオン音響振動
赤方偏移サーベイによる、宇宙の3次元構造のマッピング 赤方偏移サーベイ 史上最大のSDSS:現在進行中(2008年まで) 非線形相関関数 ほぼベキ則、ベキ則からのずれ ← HODモデル 線形クラスタリング 大規模サーベイによって観測可能に バリオン音響振動 振動の見かけのスケールにより、ダークエネルギーを制限


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