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エンテロウイルス EV-D68 2015年11月17日.

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1 エンテロウイルス EV-D 年11月17日

2 ウイルス学 ピコルナウイルス科、エンテロウイルス属
ピコルナウイルス科、エンテロウイルス属  エンテロウイルス属には、ポリオウイルスや、無菌性髄膜炎の原因となるエ コーウイルス、手足口病の原因となりうるエンテロウイルス(EV)71型などが含 まれる。 病状や生物学的性状はライノウイルスに近く、多くのPCRでは両者は区別でき ない。 ノンエンベロープウイルスなので、エタノール消毒は効果が弱いことが推測さ れる。 参考

3 EVD-68の発見と経緯(これまで) 1962 初分離報告(米国カリフォルニア)
1962       初分離報告(米国カリフォルニア) 1970~      米国でNESSに対する自発的報告開始。報告数は少数 (2005年までに26株)。 2008~2009    フィリピンでの疫学調査で、日本人グループ(東北大学) が、小児重症呼吸器感染症の原因ウイルスとして報告。 振り返り調査の結果、世界各国で毎年1~数例程度は存在していることが明らかと なった。米国では2006年以降増加(2013年までに94件)。 オランダでは重症細気管支炎との関連性が指摘されている。 2014       米国で呼吸器感染症関連アウトブレーク 2014       麻痺の小児の増加 → EV-D68との関連が指摘された。 (参考) Rev Med Virol Mar;25(2): doi: /rmv Epub 2014 Dec 3. Global reemergence of enterovirus D68 as an important pathogen for acute respiratory infections. Imamura T1, Oshitani H.

4 EVD-68アウトブレーク(2014年米国) 重症呼吸器感染症:初期の報告
2014年8月:重症呼吸器感染症の小児増加の報告(Kansas Cityと Chicago)。重症例36サンプル中、30からEV-D68検出。 発熱例は少ない  23% (7/30) 全例 呼吸困難もしくは低酸素血症。 70% (21/30)は喘息や喘鳴の既往歴あり。  細菌の混合感染なし。 Severe Respiratory Illness Associated with Enterovirus D68 — Missouri and Illinois, 2014 MMWR September 12, 2014 / 63(36);

5 EVD-68アウトブレーク(2014年米国) 重症呼吸器感染症:全国レベル調査
2014年8月1日~10月31日の期間、重症呼吸器疾患の定義に合致した患 者のサンプル、1529(41州+DC)CDCにて解析。 699(46%)がEV-D68陽性。 Lancet Respir Med Nov;3(11): doi: /S (15) Epub 2015 Oct 5. Severe respiratory illness associated with a nationwide outbreak of enterovirus D68 in the USA (2014): a descriptive epidemiological investigation. Midgley CM

6 EVD-68関連か?(2014年米国) AFM(acute flaccid myelitis、急性弛緩性脊髄炎)
2014年9月:コロラド小児病院で9人の小児が神経系症状。年齢の中央値 は8歳。 全員発熱(多くは上気道感染症)があり、その3-16日後に発症。 CSF(cerebrospinal fluid、脳脊髄液)に白血球増加が見られた(>5 cell/μL) が、菌やウイルスの検出はなし。 8人中4人の鼻腔サンプルからEV-D68検出。血液から検出されたのが1名。 CSFから検出されていないので、鼻腔内からの検出は偶然の可能性あり。 メタゲノム解析を実施してもCSFからは検出されなかった。 MMWR October 10, 2014 / 63(40);   Acute Neurologic Illness of Unknown Etiology in Children — Colorado, August–September 2014 Lancet Infect Dis Jun;15(6): Greninger AL, et al. A novel outbreak enterovirus D68 strain associated with acute flaccid myelitis cases in the USA ( ): a retrospective cohort study.

7 EVD-68アウトブレーク(2015年日本) エンテロウイルスD68型が検出された、急性弛緩性脊髄炎を含む8症例―さいたま市
IASR 2015/10/15掲載、2015年10月29日更新 8例中麻痺が見られたのは一例のみ、咽頭ぬぐい駅からEV-D68検出、CSFからはなし。他7例は呼吸器 症状。 喘息症状を呈する患者からのエンテロウイルス68型(EV-D68)の検出―広島市 IASR 2015/10/29掲載 2015年8月~9月、広島市内で喘息と診断された例が急増。37人中16人(43%)からEV-D68が検出。 気管支喘息発作の急増とエンテロウイルスD68型陽性―鶴岡市 IASR 2015/11/5掲載 2015年9月上気道炎症状患者が急増。喘息と診断された65名のうち28名の咽頭ぬぐい液を検査し、35% (10/28)がEV-D68陽性。

8 これまでのところのまとめ 2014年夏、米国で重症呼吸器感染症の小児が多数報告された。EV-D68との関 連があると推測されている。
AFMとの関連性においては、CSFからウイルスが分離された報告が過去に一例し かなく、2014年アウトブレークではいずれも分離されていないため、注意して情報 を取り扱う必要がある。 日本における分離状況は以下の通り。出典は下記。


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