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Published byよしたか ながおか Modified 約 7 年前
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気分はハムレット あなたは総合病院に勤める研修医救命救急センターの当直である.今晩も,昏睡の患者さんが立て続けに二人運び込まれてきた
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小平さん 65歳男性 昏睡 萩山さん 65歳男性 昏睡 (反射的に気道,血管確保) その後,さあどうしますか?
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することは決まっている 一番大事なことから 一番大事なことって何?
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一番大事なこと !! To be or not to be
生きているのか? 死んでいるのか? どうやって見分けるの?
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バイタルサイン(生命徴候) 小平さん: BP 180/100, PR 70, BT 36.5 萩山さん:
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2番目に大切な疑問 意識障害の原因は?
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Plum & Posnerの教科書から 意識障害の鑑別診断がいかに多いかを示した例:Plum & Posnerの鑑別診断表.This is a sample of a bad presentation. You don’t need to try what it says. I’ll tell you what. This is a table of causes of unconsciousness. It is from the famous textbook, “The Diagnosis of stupor and coma” by Plum & Posner. Emergency medicine is not a memory contest. You would never ever try to or be able to remember this table but what would you do without this table in your mind.
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意識障害の診断 救急外来でどちらをとるか?
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先進各国の CT台数 (1996年)
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意識障害鑑別診断:悩みの種 意識障害の半数以上は脳病変なし CT/MRIへの依存 神経学的診察:効率性不明 診断の遅れ
安易な“脳梗塞”の診断 撮影中の急変 神経学的診察:効率性不明 内科医が下す診断の中で最も難しいのが意識障害の鑑別診断である.Plum & Posnerによれば,意識障害の半数以上が,脳病変ではなく,全身疾患が原因である.しかし,現実には,ほとんどの意識障害例で,CTあるいはMRIが撮影されたり,意識障害の原因を推定することなしに神経内科医あるいは脳外科医にコンサルテーションが行なわれている.意識障害の鑑別診断の誤りは,重篤な全身疾患の見逃しや,CT/MRIの撮影中の急変といった救急場面での事故につながる.一方,脳病変を検出するため,救急外来で詳しい神経学的所見をとることは,時間の点で非現実的である.そこで,意識障害患者で,脳病変の有無を判断するために,誰もが施行可能で,かつ安定した成績が得られる指標がないかと考えた.
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CT or not CT !! 小平さん: BP 180/100, PR 70, BT 36.5 萩山さん:
それはあなたの勘 ?それともエビデンス?
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こんなものが役に立つのか?
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高血圧と徐脈は脳病変を示唆し, 低血圧と頻脈は全身性疾患を示唆する.
意識障害診断における仮説 高血圧と徐脈は脳病変を示唆し, 低血圧と頻脈は全身性疾患を示唆する. 背景 1. 脳卒中急性期の血圧上昇 2. クッシング効果 3. 意識障害を起こす全身疾患で血圧低下 そこで思いついたのがバイタルサインである.我々は脳卒中の急性期に血圧が上昇することを経験的に知っている.また,頭蓋内圧亢進症で,脳血流を維持するために,全身血圧が上昇し徐脈になる現象はクッシング効果として,古くから知られている.一方,意識障害を起こすような全身疾患で,しばしば血圧が低下することも,我々は経験的に知っている.ならば,次のような仮説を立てられる.すなわち,“意識障害の鑑別診断において,高血圧と徐脈は脳病変を示唆し,低血圧と頻脈は全身性疾患を示唆する”この研究では,この仮説を検証するために, Receiver operating characteristic (ROC) curveとStratum-specific likelihood ratios (SSLRs 階層別尤度比)という,二つの臨床疫学手法を組み合わせて,この仮説の検証を行なった.
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対象と方法 期間: 2000年1月-12月 施設: 旭中央病院救命救急センター
期間: 2000年1月-12月 施設: 旭中央病院救命救急センター 対象: 意識障害 (GCS: Glasgow Coma Scale <15) 例 (15才以上,頭部外傷を除く) 指標: 収縮期 (SBP)・拡張期 (DBP)血圧, 脈拍 (PR), 体温 (BT) ,意識障害 (GCS). Gold Standard:最終診断 対象は,2000年1月から12月までに旭中央病院救命救急センターを受診した意識障害( Glasgow Coma Scale 15未満)529例である.当外来では,意識障害に限らず,全例でGCSとバイタルサインが記録されている.したがって,研究の型はprospective observational cross-sectional studyとなる.年齢は15歳以上で頭部外傷例は除外した.これは頭部外傷の場合,初診医は意識障害の原因は頭部外傷にあると考えるので,意識障害の鑑別診断のための本研究にはそぐわないと判断したからである. この529例について,バイタルサインと,GCSを記録し,意識障害の原因により患者群を分類した. Gold standardとは,診断指標の価値を最終的に判断するための基準である.例えば,内視鏡診断のgold standardが病理組織診断ということになる.
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意識障害529 例の特徴 Characteristic 脳病変あり 脳病変なし P Value n = 312 n = 217
年齢, 平均 ± S.D ± ± 女性, 数. (% ) 137 (43.9) 98 (45.2) 0.78 Glasgow Coma Scale 9.88 ± ± 収縮期血圧 (mmHg) 168 ± ± 27 <0.0001 拡張期血圧 (mmHg) 90 ± ± 17 <0.0001 脈拍 (/min) ± ± 24 <0.0001 体温 ± ± 結果:意識障害529例中,脳病変ありが312例,なしが217例であった.この二群間で,収縮期血圧,拡張期血圧,は脳病変ありの群で有意に高く,脈拍は脳病変ありの群で有意に少なかった.一方,体温は2群間で差がなかった.このように臨床的にもクッシング効果を支持する所見が得られた.2群間では,年齢,性別,およびグラスゴーコーマスケールで差はなかったので,上述のバイタルサインの差が,これらの属性の差ではないことがわかる.
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脳病変のある例の原疾患とバイタルサイン n 血圧 脈拍 体温 (mmHg) (/min) (℃) 脳卒中
脳出血 / 脳梗塞 / くも膜下出血 / 慢性硬膜下血腫 / 小計 / 脳腫瘍 / てんかん / 髄膜炎/脳炎 / 合計 / (値は平均値) 脳病変のある例の原因疾患とその疾患ごとのバイタルサインを示す.原因疾患では,脳卒中が3/4を占める.脳卒中群で血圧が高い傾向にあるが,脳腫瘍やてんかん群でも,次に示す脳病変のない群と比較すると,血圧が高いことがわかる.
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脳病変のない例の原疾患とバイタルサイン n 血圧 脈拍 体温 (mmHg) (/min) (ÞC)
薬物中毒 / 肝性脳症 / 糖尿病性昏睡 / 低血糖 / 電解質異常 / 尿毒症 / 低酸素血症/ / びまん性脳虚血 その他 / 合計 / (値は平均値) 意識障害患者のうち,脳病変のない群の原因疾患とバイタルサインである.低酸素血症びまん性脳虚血とは,慢性閉塞性肺疾患による低酸素血症,高炭酸ガス血症,敗血症,心筋梗塞・心不全といった循環不全などにより意識障害をきたした場合を示す.その他疾患は,アジソン病,甲状腺機能低下症,偶発性低体温症,緊張病性昏迷,チアミン欠乏症(ウェルニッケ脳症),アナフィラキシーショック等を含む
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収縮期血圧と脳病変の有無 脳病変なし 脳病変あり 患者数 <90 90- 100- 110- 120- 130- 140- 150-
20 40 60 80 100 120 脳病変なし 脳病変あり 患者数 収縮期血圧の分布を脳病変の有無により分けてヒストグラムで表した.血圧が高いほど脳病変のある群の比率が高くなる傾向がはっきり現れている. <90 90- 100- 110- 120- 130- 140- 150- 160- 170- 180<= 収縮期血圧 (mmHg)
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拡張期血圧と脳病変の有無 20 40 60 80 脳病変なし 脳病変あり 患者数 <50 50- 60- 70- 80- 90-
20 40 60 80 脳病変なし 脳病変あり 患者数 拡張期血圧の分布を脳病変の有無により分けてヒストグラムで表した.収縮期血圧ほどではないが,やはり血圧が高いほど脳病変のある群の比率が高くなる傾向がはっきり現れている. <50 50- 60- 70- 80- 90- 100- 110<= 拡張期血圧 (mmHg)
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脈拍と脳病変の有無 脳病変なし 20 40 60 脳病変あり 患者数 <50 50- 60- 70- 80- 90- 100-
20 40 60 脳病変あり 患者数 脈拍の分布を脳病変の有無により分けてヒストグラムで表した.脈拍が少ないほど脳病変のある群の比率が高くなる傾向があるが,血圧ほどはっきり分かれない <50 50- 60- 70- 80- 90- 100- 110- 120- 130<= 脈拍 (/分)
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ROC曲線 receiver operating characteristic curve(受診者動作特性曲 線)
診断法の精度を比較する 視覚的比較ができる 縦軸:感度 、横軸:偽陽性率 A:偽陽性率も感度も低い C:偽陽性率も感度も高い 曲線がより左上方に位置するほど 優れている 曲線の下の面積ROC AUC で定量比較可能 ここで,ROC曲線とStratum-specific likelihood ratios (SSLRs 階層別尤度比)について説明しておく.Receiver operating characteristic (ROC) curve:とはX軸を偽陽性率(1-特異度),Y軸を感度としてプロットしたグラフである.ROCは診断指標の優劣を比較するのに用いる.例えば,空腹時血糖における糖尿病の診断を考えてみよう.図でA, B, Cの点を,それぞれ,血糖値のカットオフポイント,140, 120, 100として,糖尿病診断の感度と偽陽性率を考えてみればよくわかる.すなわち,A=140の点では,感度も偽陽性率も低い.B=100の点では感度は高くなるが,偽陽性率も高くなる.カットオフ値として理想的な点は,図の左上,つまり感度が100%,偽陽性率が0となるポイントである.ある診断指標がROC曲線はここに近づくほど,その診断指標は優れていることになる.カットオフ値としては,この理想点に一番近い点,例えば,糖尿病診断の際の空腹時血糖ならば,B=120の点を選ぶことになる. ROC曲線を用いると,複数の診断指標の間でその優劣を比較することもできる.左上隅の理想点に近くなれば,ROC曲線の下側になる部分の面積(ROC area under the curve: ROC AUC)が広くなるはずである.したがって,この部分の面積を比較して,診断指標の優劣を決定する.
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各バイタルサインのROC Curve分析 ROC AUC 感度 (ROC曲線下面積) 収縮期圧= 0.90 拡張期圧= 0.83
脈拍= 0.63 感度 脈拍 意識障害における脳病変の検出能力を,各バイタルサインごとにROC曲線として表した.すると収縮期圧ROCが,感度100%,偽陽性率0%の理想点に最も近く,優れた指標であることがわかった.収縮期圧のROCAUCは,急性心筋梗塞におけるクレアチンキナーゼのROCAUC=0.67 (1) ,糖尿病における空腹時血糖のROCAU=C0.83 (2)よりも大きく,他の診断指標と比較してもすぐれていることがわかる. 1.Peirce JC, Cornell RG. Integrating stratum-specific likelihood ratios with the analysis of ROC curves. Med Decis Making 1993;13: 2.Erdreich LS, Lee ET. Use of relative operating characteristic analysis in epidemiology. A method for dealing with subjective judgement. Am J Epidemiol 1981;114: 偽陽性率 ( 1- 特異度 )
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診断指標のROC AUC 収縮期血圧(意識障害での脳病変) 0.90 空腹時血糖(糖尿病) 0.83
収縮期血圧(意識障害での脳病変) 0.90 空腹時血糖(糖尿病) クレアチンキナーゼ(急性心筋梗塞)0.66 Swets は,ROC AUC の 価値が,0.5ー0.7 の時は低く, 0.7 ー0.9 の時は中等度, 0.9以上の時は高いとしている.本研究における収縮期血圧のROC AUCは,0.9と,様々な診断指標のROCAUCと比較しても,優れていると考えられる. Swets JA. Measuring the accuracy of diagnostic systems. Science 1988;240:
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収縮期血圧の階層別尤度比 ・感度・特異度・検査後確率
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検査前・検査後確率と 尤度比(LR:Likelihood Ratio)
検査前確率*f (LR) = 検査後確率
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Fagan's Nomogram 詳しい計算式は省くが,SSLRを用いれば,検査前確率,すなわち,病歴や身体所見による医師の判断と,SSLRを加味して,検査後確率を算出することができる.この算出のためのノモグラムが上記Faganのノモグラムである.たとえば,空腹時血糖値150の時のSSLRが10とすれば,検査前に医師が,糖尿病の確率は五分五分と判断しても, Faganのノモグラムによって糖尿病の確率は9割以上となる.
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バイタルサイン(生命徴候) 小平さん: BP 180/100, PR 70, BT 36.5 萩山さん:
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(階層別) 尤度比 感度 & 特異度 Cutoff Point
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収縮期血圧の階層別尤度比 ・感度・特異度・検査後確率
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詳しい計算式は省くが,SSLRを用いれば,検査前確率,すなわち,病歴や身体所見による医師の判断と,SSLRを加味して,検査後確率を算出することができる.この算出のためのノモグラムが上記Faganのノモグラムである.たとえば,空腹時血糖値150の時のSSLRが10とすれば,検査前に医師が,糖尿病の確率は五分五分と判断しても, Faganのノモグラムによって糖尿病の確率は9割以上となる.
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萩山さん 小平さん
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応用問題 63歳の男性が昏睡状態で救急外来に搬入されてきた.同伴してきた職場の同僚によれば,昼前に勤務先で気分が悪いと言って倒れたとのこと.その同僚から聴いた限りでは,会社員として普通の生活を送っており,特に持病や通院している様子には見えなかったが,家族も駆けつけてはおらず,それ以上の詳しい病歴はわからなかった。 63歳の男性が昏睡状態で救急外来に搬入されてきた.同伴してきた職場の同僚によれば,昼前に勤務先で気分が悪いと言って倒れたとのこと.その同僚から聴いた限りでは,会社員として普通の生活を送っており,特に持病や通院している様子には見えなかったが,家族も駆けつけてはおらず,それ以上の詳しい病歴はわからなかった。
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63歳男性,職場で卒中様意識障害 収縮期血圧: 70mmHg(触診) 脈拍120/分 体温36度:ただし四肢末梢冷感著明 浅い頻呼吸
腹部正中手術痕→10年前胃癌手術,脾摘 出血傾向 神経学的所見:明らかな局在徴候なし 血圧80/40,脈拍120/分,浅い頻呼吸でチアノーゼがある.腋窩体温は36度であったが,四肢末梢の冷感が著明
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意識障害診療の難しさ=面白さ 診療情報:病歴,診察所見 緊急性 鑑別診断の多さ 様々な疾患,病態に精通
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意識障害のDos & Donts 基本的情報に集中 病歴,バイタルサイン,身体所見 脳よりも全身を考える 治療可能な病気を優先
CTに頼るな:”CT偽陰性“に注意 酔っ払いは弘法大師
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基本的情報に集中 病歴,バイタルサイン,身体所見 情報が少ない:開き直り 要点に集中できる 雑音が少ない→迷いが少ない
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意識障害の評価の仕方 目 口 手足 自発的に動く 開眼を維持できる 自発語あり 自発的に動かす 刺激で初めて動く 刺激で初めて開眼
目 口 手足 自発的に動く 開眼を維持できる 自発語あり 自発的に動かす 刺激で初めて動く 刺激で初めて開眼 呼びかけて発語,発声 痛みで動く 刺激でも動かない 刺激しても開眼せず 呼びかけても応答なし 痛みに反応しない
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意識障害における神経学的診察(案) ーこれしかできないんじゃないー
眼:瞳孔,眼球の位置,眼球の自動運動 顔面左右対称性 頚部の向き(項部硬直) 四肢:特に左右差に注目 肢位 筋緊張 自発運動,痛覚刺激による誘発運動
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意識障害のDos & Donts 基本的情報に集中 病歴,バイタルサイン,身体所見 脳よりも全身を考える 治療可能な病気を優先
CTに頼るな:”CT偽陰性“に注意 酔っ払いは弘法大師
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脳よりも全身疾患を考える 意識障害の半分は脳以外の全身疾患 正しい診断で救命できる疾患が多い 緊急性の高い疾患が多い
見逃せば事故に直結しやすい
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アイウエオチップス Alcoholism:慢性硬膜下血腫,ウェルニッケ脳症,振戦せん妄
Insulin:低血糖,ケトアシドーシス,高浸透圧性昏睡 Uremia:尿毒症 Encephalopathy, Endocrinopathy, Electrolytes:内分泌代謝脳症 Opiate, Decreased O2:薬物中毒,低酸素血症,高炭酸ガス血症 Trauma:頭部外傷,慢性硬膜下血腫 Infection:髄膜炎,脳炎,敗血症性ショック Psychiatry:緊張病性・ヒステリー性昏迷,ポルフィリア Syncope, Stroke:Adams-Stokes,てんかん
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意識障害のDos & Donts 基本的情報に集中 病歴,バイタルサイン,身体所見 脳よりも全身を考える 治療可能な病気を優先
CTに頼るな:” 偽陰性“に注意 酔っ払いは弘法大師
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意識障害を起こす脳疾患で CT所見に乏しいもの
髄膜炎・脳炎 脳静脈洞血栓症 脳幹病変 てんかん重積状態 “写真に写らないから病気がない” のではありません
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意識障害のDos & Donts 基本的情報に集中 病歴,バイタルサイン,身体所見 脳よりも全身を考える 治療可能な病気を優先
CTに頼るな:” 偽陰性“に注意 酔っ払いは弘法大師
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アルコールと意識障害 慢性硬膜下血腫 ウェルニッケ脳症 低血糖 低ナトリウム血症 橋中心性髄鞘崩壊 肝性脳症 代謝性アシドーシス
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意識障害と紛らわしい病態 譫妄(痴呆,アルコール離脱,薬物) 昏迷(うつ病,ヒステリー,緊張病) 頚椎脱臼(高位脊髄障害)
閉じ込め(Locked in)症候群
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63歳男性,職場で卒中様意識障害 収縮期血圧: 70mmHg(触診) 脈拍120/分 体温36度:ただし四肢末梢冷感著明 浅い頻呼吸
腹部正中手術痕→10年前胃癌手術,脾摘 出血傾向 神経学的所見:明らかな局在徴候なし 血圧80/40,脈拍120/分,浅い頻呼吸でチアノーゼがある.腋窩体温は36度であったが,四肢末梢の冷感が著明
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Key Message 基本的な臨床情報の大切さ わかっているようで実はわからないこと 検査前確率を高めることの大切さ
たとえば,収縮期血圧が170以上であれば,検査前確率が母集団と同じと考えた(つまり,目の前にいる意識障害患者の診断について,医者が何も考えなかった)としても,意識障害が脳病変による確率は90%ということになる.また逆に,収縮期圧が90未満であれば,脳病変のある確率が4%以下ということになり,頭部CTをやるよりも,意識障害の原因を探るために他の検査を優先した方がいいことになる. さらに,この170,90という目安は,医者が何も考えない場合であって,現実には,医者が他の情報も総合して,検査前確率を出すから,バイタルサインの有用性はもっと高くなる.たとえば,検査前確率が30%と考えれば,収縮期血圧が100でも,検査後確率は5%以下となるし,検 査前確率が70%と考えれば,収縮期血圧が160でも,検査後確率は90%を越える.
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