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Published by磁 时 Modified 約 7 年前
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J Dermatol Sci ;75(1):16-23. Resveratrol inhibition of human keratinocyte proliferation via SIRT1/ARNT/ERK dependent downregulation of AQP3 レスベラトロールによるヒトケラチノサイトの増殖阻害は SIRT1/ARNT/ERK依存的なアクアポリン3の発現低下 を介している 2015/10/05 M1小松 俊之
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皮膚の構造
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表皮ケラチノサイトの分化 垢となって剥がれ落ちる 未分化な細胞で増殖能を持ち、AQP3が発現している
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AQP3に関して ・過剰発現でケラチノサイトの増殖と表皮肥厚化が起こり、AQP3KOマウスは皮膚腫瘍
水分子やグリセロールを輸送 netnature.wordpress.com 改 ・表皮ケラチノサイトに高発現な水とグリセロールのトランスポーター (J Biol Chem 2002;277:17147–53. ) ・過剰発現でケラチノサイトの増殖と表皮肥厚化が起こり、AQP3KOマウスは皮膚腫瘍 形成に抵抗性を持つ→乾癬やアトピー性皮膚炎、皮膚癌等の過増殖を伴う病態に関与 していると考えられる (J Invest Dermatol 2011;131:865–73.), (J Invest Dermatol 2008;128:2145–51.) ・細胞の増殖に関わるEGFRやERK1/2が阻害されると、AQP3の発現が低下する (Int J Mol Med 2008;22:229–36.), (Cancer Chemother Pharmacol 2008;62:857–65.)
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レスベラトロールに関して ・ブドウやブルーベリー、クワを含む様々な植物種において 見つかっているポリフェノールの一種
・フレンチパラドックスとの関係が指摘されている (赤ワイン) ・さまざまな細胞種において、抗増殖、抗酸化、抗炎症、抗転移、 抗血管新生作用等を示すことが知られている ・酵母、線虫、ハエ、魚類、マウス等で、種を超えた寿命延長効果が報告されている ・芳香族炭化水素受容体= aryl hydrocarbon receptor (AhR)に結合して核に移行 →AhR nucler translocator (ARNT)とヘテロ二量体形成 →下流遺伝子の発現制御、ERK経路と相互作用 ・SIRT1遺伝子を活性化し、様々な生理活性を示す 長寿遺伝子または抗老化遺伝子とも呼ばれ、飢餓やカロリー制限、運動によって 活性化する ヒストン脱アセチル化酵素であり、遺伝子の発現を抑制→遺伝子の損傷を防ぐ サーチュイン自体は、ヒストン脱アセチル化酵素であり、サーチュインが活性化するとヒストンが脱アセチル化されてヒストンのアルカリ性を示す豊富なアミノ基と核酸の名が示すように酸性の性質を有するDNAとの親和力が高まり、ヒストンとDNAが強く結び付いて、遺伝子の発現が抑制される。言い換えれば、DNAが休眠状態に入ることである。これと反対に、ヒストンがアセチル化されるとヒストンとDNAの親和力が低くなり、通常の遺伝子発現が活発化される 飢餓のような過酷な環境下ではDNAの活動が抑制され、DNAの安定化へと変化する。これが結果的にDNAの損傷防止につながり、このDNAの損傷防止は直接的に長寿につながる
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本研究では、レスベラトロールの抗増殖作用
背景と目的 ・AQP3は増殖に関与し、アトピー性皮膚炎や乾癬、皮膚腫瘍形成といった過増殖を伴う皮膚病への関与が報告されている ・AQP3は細胞の増殖に必要なEGFRやERKを介して増加する ・ポリフェノールの一種のレスベラトロールは、抗増殖作用を持つ AhRに結合し、AhR/ARNT二量体を介して遺伝子発現を制御する さらに、Sirt1シグナルを介して、様々な生理活性を示す 本研究では、レスベラトロールの抗増殖作用 のメカニズムを上記の経路に注目し調べた
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レスベラトロールの細胞毒性試験 レスベラトロールは、40μMまでは細胞毒性を示さず、50μM以上では、濃度依存的に毒性を示した。
NHEKsをレスベラトロール0-100μMで24時間処理した。 AAD cell viability assayで、細胞の生存率を調べた。 レスベラトロールは、40μMまでは細胞毒性を示さず、50μM以上では、濃度依存的に毒性を示した。
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レスベラトロールの細胞増殖への影響 レスベラトロールは、濃度依存的に細胞の増殖を抑制した
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで24時間処理した。 BrdU (最終濃度が10μM)を処理から16時間後に添加した。 チミジンアナログであるブロモデオキシウリジン=BrdUは、細胞周期の S 期において新たに合成された DNA に取り込まれる BrdU が取り込まれた (BrdU でラベルされた) DNA は、BrdU 抗体で検出することができる レスベラトロールは、濃度依存的に細胞の増殖を抑制した
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AQP3のノックダウンによって、細胞の増殖が抑制された
(B)siRNAの確認、ウェスタンブロット (c) NHEKsにAQP3のsiRNAまたはSi-controlを添加し、24時間培養した。BrdU (最終濃度が10μM)を処理から16時間後に添加した。 AQP3のノックダウンによって、細胞の増殖が抑制された
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レスベラトロールによるAQP3の発現抑制 ①
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで24時間処理した。 RT-PCR法にて、AQP3の遺伝子発現を調べた レスベラトロールは、濃度依存的にAQP3の遺伝子発現を低下させた
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レスベラトロールによるAQP3の発現抑制 ②
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで24時間処理した。 ウェスタンブロット法にて、AQP3のタンパク質の発現量を調べた。 レスベラトロールは、濃度依存的にAQP3のタンパク質の発現量を低下させた
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レスベラトロールと増殖マーカー レスベラトロールは、 ERKのリン酸化を阻害しAQP3の発現を低下させた
NHEKsを40μMレスベラトロール (A,B)で24時間処理した。 EGFRやERKのリン酸化や、AQP3をウェスタンブロットで定量した。 レスベラトロールは、 ERKのリン酸化を阻害しAQP3の発現を低下させた (EGFRのリン酸化は抑制しなかった)
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U0126と増殖マーカー U0126は、 ERKのリン酸化を阻害しAQP3の発現を低下させた (EGFRのリン酸化は抑制しなかった)
NHEKsを 10μMのU0126 (MEK/ERK阻害剤)((C,D)で24時間処理した。 EGFRやERKのリン酸化や、AQP3をウェスタンブロットで定量した。 U0126は、 ERKのリン酸化を阻害しAQP3の発現を低下させた (EGFRのリン酸化は抑制しなかった)
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レスベラトロール・ARNTと増殖マーカー
NHEKsにSi-controlまたはsiARNTをトランスフェクトし、レスベラトロール40μMで24時間処理した レスベラトロールによるERKのリン酸化抑制と、AQP3の発現低下は、ARNTのノックダウンによって抑制された
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レスベラトロール・AhRと増殖マーカー NHEKsにSi-controlまたはsiAhRをトランスフェクトし、レスベラトロール40μMで24時間処理した。 レスベラトロールによるERKのリン酸化抑制と、AQP3の発現低下はAhRのノックダウンでは抑制されなかった
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レスベラトロールは、ARNTとSIRT1の遺伝子発現を濃度依存的に増加した
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで処理した。 (A) ARNTのqRT-PCR解析, 12時間(B) SIRT1のqRT-PCR解析,3時間 レスベラトロールは、ARNTとSIRT1の遺伝子発現を濃度依存的に増加した
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SIRT1のノックダウンによって、レスベラトロール によって誘導されるARNTの発現上昇が抑制された
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで処理した。 (D) si-SIRT1とsi-ControlのトランスフェクションによるARNTのqRT-PCR解析,12時間 SIRT1のノックダウンによって、レスベラトロール によって誘導されるARNTの発現上昇が抑制された
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SIRT1のノックダウンによって、レスベラトロール によるリン酸化ERKとAQP3の減少が抑制された
NHEKsをレスベラトロール20または40μMで処理した。 (E) si-SIRT1とsi-ControlのトランスフェクションによるERKのリン酸化とAQP3の 発現量のウェスタンブロットによる定量,24時間 (F)Eのタンパク質の定量値 SIRT1のノックダウンによって、レスベラトロール によるリン酸化ERKとAQP3の減少が抑制された
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まとめ レスベラトロールは、SIRT1/ARNT/ERK/AQP3経路を介してNHEKsの増殖を抑制する
(EGFRは脱リン酸化しない) 4.ERKの脱リン酸化により、AQP3の発現 が低下する。 5.AQP3の発現低下によって、NHEKsの 増殖は低下する。 (レスベラトロールのこの作用は、ARNTを介するが、AhRまたはAhR/ARNT複合体は解さない。)
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