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HERMES Dual-Radiator RICH Detector について
HERMES Dual-Radiator RICH Detector について 柴田研究室 02M01132 田窪洋介 1. Ring Imaging CHerenkov (RICH) Detector ? 2. RICH in HERMES 3. Purpose 4. Mechanics 5. Efficiencies
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1. Ring Imaging CHerenkov (RICH) Detector ?
相対性理論によると、物質粒子は真空中の光速を超えた速度で運動することはできない。しかし物質中では物質の屈折率に反比例して光速が小さくなるため、“物質中の光速”を超えた速度で粒子が運動することはできる。つまり、物質中では粒子は超光速で運動することができる。 超光速で運動する粒子は物質中を通過すると「チェレンコフ光」を放出する。このチェレンコフ光のリングを測定することで、粒子の種類や速さを決定する検出器をチェレンコフ検出器という。チェレンコフ検出器には、チェレンコフ光が出たかどうかのみを検出して粒子識別する閾値型、チェレンコフ角を測定する微分型、それを発展させたリングイメージングチェレンコフ検出器(RICH)がある。 1
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チェレンコフ光の発光 + + π + Cherenkov light 分極 - 1) 荷電粒子が通過したときに物質は分極を起こす。
例えばπ が物質中を通過すると経路に沿って図のように分極が起こる。 2) この分極が元に戻るとき、そのエネルギーが光として放出される。粒子が超光速で運動しているために、出た光はある特定の角度にのみ生じる + 2
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超音速で運動する飛行機のだす衝撃波とよく似ている(ホイヘンスの原理)
チェレンコフ角 Particle 光のでる角度θと粒子の速度、屈折率には以下の関係がある。 Cherenkov light θ Cherenkov angle :θ Particle velocity : v refractive index : n Material Cherenkov light 3 超音速で運動する飛行機のだす衝撃波とよく似ている(ホイヘンスの原理)
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この関係式では短波長側で光子数が発散してしまう?
チェレンコフ光の波長 また、角度θと波長、発生する光子数の間には以下の関係がある。 N cut λ λ 例えば、λ=400~700nmの可視光領域では単位長さ(1cm)あたり約 個の光子が発生する。 この関係式では短波長側で光子数が発散してしまう? ⇒チェレンコフ光は物質の分極がもどるときに発生する光である。分極のもつエネルギーより大きいエネルギーの光子、つまりある波長より短い光は出ない。 4
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発光体の種類 チェレンコフ発光体の種類と屈折率 及び pion,kaon,proton の発光しきい値 (π、K、pの質量はそれぞれ0.14GeV、0.49GeV、0.94GeVとした) 5
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TOF Detector との比較 TOF (πーK) TOF (Kーp) RICH (πーK ) RICH (Kーp ) P(GeV/c)
2 4 6 8 10 12 14 16 20 P(GeV/c) 1)TOFは時間分解能100ps、設置距離4mを仮定 2)RICHはHERMES RICHのデータ TOF(Time of Flight) Detectorは、粒子の運動量が大きくなるとその二乗に比例して、検出器のサイズを大きくするか時間分解能をあげてやる必要がある。例えばπーK識別において、 P=1GeVでは時間分解能100psのとき検出器は1m程度で十分であるが、 P=3GeVでは時間分解能100psのとき検出器は10m以上の大きさが必要である。 6
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2. RICH in HERMES RICH Target Beam line HERMES Experiment
Beam : positron (Polarized ~ 55%) E ~ 27.5GeV Target : He, H, D (Polarized ~ 90%) 7
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3. Purpose Particle IDentification (PID) pion, kaon, proton の粒子識別
momentum range : 2.0 GeV ~ 15.0 GeV Monte Carlo hadron momentum spectra within the HERMES acceptance 8
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4. Mechanics Idea P = 6GeV 2つの屈折率が異なる物質からのチェレンコフ光を測定することで、 目的の運動量領域での粒子の識別ができる。 例) 6 GeVの粒子が入ってきた場合、 リングが2つできればπ。1つならばチェレンコフ角でKかpかを判別する。 ※運動量はスペクトロメータで 測定されている。 9
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Outlook エアロジェルタイル組み込み前 10 RICH outlook PMT matrix Soft steel plate
Mirror array Aerogel tiles Aluminum box Particle RICH outlook エアロジェルタイル組み込み前 10
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Detect System RICHに入射した粒子はエアロジェルとガス、2つの発光体を通過する。 発光体で出たチェレンコフ光は下流にある鏡で反射され、PMTで検出される。 光を反射するミラーのサイズは254×80cmであり、8分割されている。 反射率は85%以上、表面の凹凸は5nm以下である。 タイルとガスの間はルサイトで仕切られ、タイルの周りには窒素ガスが充填されている。 11
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Dual Radiator 目的の運動量領域はひとつの発光体ではカバーできない ⇒Dual Radiator system
Aerogel tiles (SiO ) & gas (heavy fluorocarbon) 2 refractive index (λ = 633 nm) and cherenkov light threshold momentum Aerogel tiles in RICH 1 tile size : 114 ×114 ×11.3 (mm) stacked in 17×5×5 12
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PMTs 1934本の0.75インチ(18.6mm)PMTを73×26 or 27列にMatrix状に並べてある。 PMTは16×15 or 16×8にグループ分けされ、データが読み出される。 1つのチェレンコフリングあたり10個程度のPMTでチェレンコフ光が検出される。 13
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Online display of a single event
Monitoring Online display of a single event どのPMTが光子を検出したかがモニターされる。この情報からIRT(Inverse Ray Tracing)という方法でチェレンコフ角が決定される。 14
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5.Efficiencies Contribution 1.8 2.2 5.6 5.2 2.5 - 7.1 7.2 ~3.0 ~1.1
:IRTで決定するチェレンコフ角の不定性 Aerogel [mrad] 発光した場所 PMTサイズ 波長による屈折率の変化 上の3つを加味したMCの結果 1.8 5.6 2.5 7.1 ~3.0 ~1.1 ~0.9 - 7.6 ~2.3 2.2 5.2 - 7.2 ~1.0 7.5 ~2.2 タイルのエッジ部分の効果 タイル毎の屈折率の違い 前方散乱 ガスの温度、圧力 実験値 ミラー 15
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Likelihood Analysis 粒子の識別には、Likelihoodという量を使う
2つの発光体でpion,kaon,protonについてlikelihoodを計算し、もっともLikelihoodが高い粒子であると識別する。計算されたlikelihoodが等しい場合は「X粒子(識別不能である)とする」 16
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Efficiencies 粒子識別の能力は左のような P-Matrixという値であらわされる。 左の図は上からそれぞれ
「πをπ、K、p、Xと識別する割合」 をあらわしている。 (Xは識別不能をあらわす) π、K、pとも90%以上の識別精度をあげている。 1.84 million DIS MC ( p > 2GeV) この値は 「本来iである粒子を、jである」 と識別する割合をあらわす。 Pion identify efficiencies 17
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