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経営にカリスマはいらない 森一夫 著 日経文庫プレミアシリーズ
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本書の特徴 有名企業の経営戦略をわかりやすく解説 紹介企業
シャープ、東芝、商船三井、ニコン、資生堂、富士フィ ルム、日清紡、マックス、新日本石油、クララオンライ ン
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富士フィルム 写真フィルムの大手 しかし、近年のデジタルカメラの普及により、利益の柱 であったフィルム事業は急速に縮小
デジタル化の影響でフィルム事業が地滑り的に落ち 込んだ
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写真フィルム事業の終焉 社長の古森重隆氏曰く、「自動車が売れなくなった自 動車メーカー」の状況。
しかし古森重隆氏の果敢な舵取りにより、2008年3 月期営業利益は前年比83%増の過去最高の2073 億円を記録。
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写真フィルム事業の縮小 フィルム部門で5000人を削減 四社の特約店の営業権を買い取り、販売子会社を設 けて直接販売に切り替え。
特約店組織により全国にフィルムを卸していた。これにより国内7割のシェアを 持っていた。米コダックは新規参入を拒む不公正な取引制度と非難し、日米フィ ルム摩擦の一因であったが、フィルムが売れなくなった今、その組織の維持自体 が大きな重荷となっていた。
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写真フィルム以外の事業 偏光板フィルムの生産拡張に2500億円を超す投資。
液晶ディスプレーの用途での需要が増大し、V字回復 の大きな要因となった。
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その他の事業 「富士フィルム先進研究所」の設立 2001年に富士ゼロックスを連結子会社に。 2008年に富山化学工業をM&Aで子会社化
(460億円を投資し、化学、光学、デジタルと多様な研究者の知を自由に 交流させ、新たな技術開発の場を設けた。) 2001年に富士ゼロックスを連結子会社に。 (米国ゼロックスと折半出資していた富士ゼロックスを子会社とした。その際、社名 から「写真」を取り、富士フィルムホールディングスという持ち株会社を設けて、そ の下に富士フィルムと富士ゼロックスをぶら下げる組織とした。) 2008年に富山化学工業をM&Aで子会社化 (富士フィルムの持ち株比率は66%で、以前まで筆頭株主だった大正製 薬も34%を持ち、新薬開発をする方針。富士フィルムは画像診断システ ムや創薬支援技術などに強い)
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古森社長の経験 東大経済学部卒後、63年に入社 経営企画室に配属なるも、デスクワークは性に合わな いと、希望を出し営業部門へ移る
会社主力の写真感光材ではなく地味な産業材料部門 の営業へ配属に
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非主力部門で総合力を鍛える 傍流は人材の層が薄いため、若手にも大きな仕事を 任される これから売り込む部門では営業に知恵も体力も必要
売上高が小さく、業績を上げられないと事業整理にも 繋がるのできちんと部門内で収益計算をしなければ ならない → これらの経験により総合力を養う
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時代を読む 写真部門が構造的に廃れる時代が来ることは、古森 氏曰く「80年代には認識していた」
写真製版事業に触れていたため、それがコンピュータ 化する動きを肌で感じていた
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大西社長への提案 古森氏は課長時代から新規事業の開発にもっと利益 を振り分けるように社長へ献策していた
しかし本業が儲かっている時代には、新規事業にな かなか身が入らず、プリンター、光ディスク、医薬品な ど手がけていたが、デジタル化の大波が来るまでは、 柱になることはなかった
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焦点はミドルマネジメント 古森氏曰く、成長し続ける会社に必要なのは「人を強 くすること」、鍵は「ミドルマネジメント」である、と。
「戦いの単位は課。課長が強くなければならない。課 長が状況判断をして、みんなと相談した上で、どういう 戦略、戦術をとるかを決めて遂行し、部下の評価をき ちんをする。それがしっかりできる会社が強い」
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本書のまとめ このような様々な経営戦略、そこへ至る社長の略歴、 若い時のストーリーなどが描かれている。
本書を読むことにより、良い会社というのは何なのか、 働くうえで何が重要かなどを考えさせられる。
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個人的に 大きな時代転換により、何が衰退するかわからない 時代 会社選びで重要なのは何か? → 利益の柱を複数持っているか
→ 利益の柱を複数持っているか → 新たな利益の柱を生み出そうとする取り組みを絶え ず行えているか これらが企業研究でも良い着眼点に!
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