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微生物学1 細菌学総論.

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1 微生物学1 細菌学総論

2 細菌の分類

3 細菌における種の概念 動物,植物,真菌・・・二倍体(diploid) 同一種 → 有性生殖により繁殖力のある子孫をつくることができる
  同一種 → 有性生殖により繁殖力のある子孫をつくることができる    有性世代が確認できない真菌 → 不完全菌 細菌・・・一倍体(haploid)   遺伝子,表現型を含めた多面的分類基準による分類

4 細菌の分類法 古典的分類法 形態・・・サイズ,鞭毛,芽胞,莢膜,運動性,グラム染色 栄養・・・独立栄養/従属栄養,栄養素要求性
 形態・・・サイズ,鞭毛,芽胞,莢膜,運動性,グラム染色  栄養・・・独立栄養/従属栄養,栄養素要求性  生息環境・・・酸素要求性/耐性,塩分要求性/耐性          増殖/至適温度,至適pH  代謝経路の特徴・・・炭素源の資化性,酸の生成,          ガスの生成,特定の代謝物蓄積  遺伝子中のG+C含量  血清型 分子分類法  DNAーDNAハイブリダイゼーション  リボソームRNA(16S rRNA)塩基配列比較

5 細菌の基本的形態による分類 らせん(状)菌(spirillum) 球菌(coccus) 桿菌(bacillus)
スピロヘータ(spirochaete) 双球菌 レンサ状球菌 ブドウ状球菌

6 細菌の細胞構造・生育環境による分類 グラム染色による分類 グラム陽性菌の細胞壁 ペプチドグリカン(多重層) グラム陰性菌の細胞壁
 グラム陽性菌の細胞壁   ペプチドグリカン(多重層)  グラム陰性菌の細胞壁   ペプチドグリカン(単層)+外膜(リン脂質:リポ多糖) 酸素適応による分類  偏性好気性菌(aerobe)   好気呼吸のみ    緑膿菌,百日咳菌,結核菌,肺炎レジオネラなど  通性嫌気性菌(facultative anaerobe)   酸素存在下では好気呼吸,酸素がない場合は発酵,嫌気呼吸    大腸菌,炭疽菌,黄色ブドウ球菌,サルモネラ菌など  偏性嫌気性菌(anaerobe)   酸素存在下では生育できない    破傷風菌など

7 細菌の命名 2命名法 属名+種形容語 Escherichia coli Staphylococcus aureus 属(genus)
 属名+種形容語   Escherichia coli   Staphylococcus aureus 属(genus)  基準種(type species)・・・属の基準 種(species)および亜種(subspecies)  基準株(type strain)・・・種の基準となる株 Bergey's Manual of Systematic Bacteriology (2001~2012)

8 細菌の分類階級 階級 例 ドメイン Domain Bacteria (界) (Kingdom) (Eubacteria)
階級 例 ドメイン Domain Bacteria (界) (Kingdom) (Eubacteria) 門 Phylum Proteobacteria 綱 Class Gammaproteobacteria 目 Order Enterobacteriales 科 Family Enterobacteriaceae 属 Genus Escherichia 種 Species Escherichia coli 亜種 Subspecies

9 細菌の系統分類 Proteobacteria門 グラム陰性菌 綱 目 科 属
 綱  目  科  属 Alpha- Rickettsiales Rickettsiaceae Rickettsia 発疹チフスリケッチア  proteobacteria Orientia 恙虫病菌 Beta- Burkholderiales Alcaligenaceae Bordetella 百日咳菌  proteobacteria Neisseriales Neisseriaceae Neisseria 淋菌 Gamma- Legionellales Legionellaceae Legionella レジオネラ  proteobacteria Coxiellaceae Coxiella Q熱コクシエラ Pseudomonadales Pseudomonadaceae Pseudomonas 緑膿菌 Moraxellaceae Moraxella モラクセラ Vibrionales Vibrionaceae Vibrio コレラ菌 Enterobacteriales Enterobacteriaceae Escherichia 大腸菌 Klebsiella 肺炎桿菌 Salmonella チフス菌 Shigella 赤痢菌 Yersinia ペスト菌 Pasteurellales Pasteurellaceae Haemophilus インフルエンザ菌 Epsilon- Campylobacterales Campylobacteraceae Campylobacter カンピロバクター  proteobacteria Helicobacteraceae Helicobacter ピロリ菌 リケッチア グラム陰性球菌・球桿菌 グラム陰性桿菌 ラセン状菌

10 細菌の系統分類 Firmicutes門 グラム陽性菌 低G+C Actinobacteria門 グラム陽性菌 高G+C 綱 目 科 属
 綱  目  科  属 Clostridia Clostridiales Clostridiaceae Clostridium 破傷風菌 Mollicutes Mycoplasmatales Mycoplasmataceae Mycoplasma 肺炎マイコプラズマ Bacilli Bacillales Bacillaceae Bacillus 炭疽菌 Staphylococcaceae Staphylococcus 黄色ブドウ球菌 Lactobacillales Lactobacillaceae Lactobacillus 乳酸桿菌 Enterococcaceae Enterococcus 腸球菌 Streptococcaceae Streptococcus 肺炎球菌,レンサ球菌 Actinobacteria門 グラム陽性菌 高G+C  綱  目  科  属 Actinobacteria Actinomycetales Corynebacteriaceae Corynebacterium ジフテリア菌 Mycobacteriaceae Mycobacterium 結核菌 Propionibacteriaceae Propionibacterium アクネ菌 Bifidobacteriales Bifidobacteriaceae Bifidobacterium ビフィズス菌

11 細菌の系統分類  門  綱  目  科  属 Chlamydiae Chlamydiae Chlamydiales Chlamydiaceae Chlamydia トラコーマクラミジア Chlamydophila 肺炎クラミジア Spirochaetes Spirochaetes Spirochaetales Spirochaetaceae Borrelia ライム病ボレリア Treponema 梅毒トレポネーマ Leptospiraceae Leptospira ワイル病レプトスピラ Bacteroidetes Bacteroidetes Bacteroidales Bacteroidaceae Bacteroides フラジリス菌 Fusobacteria Fusobacteria Fusobacteriales Fusobacteriaceae Fusobacterium フゾバクテリウム

12 特殊な細胞構造をもつ細菌 マイコプラズマ(Mycoplasma) Firmicutes門,Mollicutes綱
 細胞壁を欠損している → 細胞壁合成阻害薬は無効  グラム陽性菌から進化   肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)

13 特殊な細胞構造をもつ細菌 リケッチア(Rickettsia) Proteobacteria門,Alphaproteobacteria綱
 グラム陰性短桿菌,多形性  偏性寄生性 → 培養に宿主細胞が必要   発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)   恙虫病菌(Orientia tsutsugamushi)

14 特殊な細胞構造をもつ細菌 クラミジア(Chlamydia) Chlamydiae門,Chlamydiae綱
 偏性寄生性,エネルギー産生系を宿主に依存している  細胞壁はあるがペプチドグリカンを欠く   トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)   肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae) 基本小体(感染性小体)  網様(構造)体

15 特殊な細胞構造をもつ細菌 スピロヘータ(Spirochaete) Spirochaetes門,Spirochaetes綱
 グラム陰性,細長いらせん状,運動性   ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)   梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)

16 特殊な細胞構造をもつ細菌 放線菌(Actinomycetes) Actinobacteria門,Actinobacteria綱
 グラム陽性,菌糸と胞子形成   ヒトに病原性を示すのはActinomyces属とNocardia属の一部   抗生物質生産菌はStreptomyces属に多い    ストレプトマイシン生産菌(Streptomyces griseus)

17 細菌の形態と構造

18 細菌の基本的形態 らせん(状)菌(spirillum) 球菌(coccus) 桿菌(bacillus)
スピロヘータ(spirochaete) 双球菌 レンサ状 ブドウの房状

19 細菌の大きさ (mm) 梅毒トレポネーマ 0.1 × 10 大腸菌 0.5 × 2 枯草菌 1 × 5 ブドウ球菌 1 クラミジア 0.4
梅毒トレポネーマ 0.1 × 10 大腸菌 0.5 × 2 枯草菌 1 × 5 ブドウ球菌 1 クラミジア 0.4 Candida albicans(酵母) 10 ポックスウイルス 0.2 ポリオウイルス 0.03

20 細菌の観察法 光学顕微鏡観察・・・限界0.2 mm 油浸法(高倍率) 染色法 グラム染色・・・細胞壁の構造を反映
 油浸法(高倍率) 染色法  グラム染色・・・細胞壁の構造を反映    1.クリスタルバイオレット or ゲンチアナバイオレット(ペプチドグリカン染色)    2.ヨウ素ヨウ化カリウム溶液(固定)    3.アルコール(脱色)    4.サフラニン or フクシン(対照染色)   グラム陽性菌・・・多層のペプチドグリカン → 青紫   グラム陰性菌・・・単層のペプチドグリカン + 外膜 → 赤  抗酸菌染色・・・染色されにくいが,脱色しにくい性質を利用   フェノール-フクシン染色後,塩酸-エタノールで脱色  鞭毛染色法,異染小体染色法,莢膜染色法,芽胞染色法

21 細菌細胞の構造

22 真核細胞と原核細胞(細菌)の違い 真核細胞 原核細胞(細菌) 核膜 あり なし 遺伝子 直鎖状(染色体) 普通は環状DNA
真核細胞 原核細胞(細菌) 核膜 あり なし 遺伝子 直鎖状(染色体) 普通は環状DNA 有糸分裂 あり なし 核小体 あり なし リボソーム 80S(60S+40S) 70S(50S+30S) 転写と翻訳 核内で転写/細胞質で翻訳 連続的 ミトコンドリア あり なし 細胞壁ペプチドグリカン なし あり 細胞骨格(アクチン繊維など) あり なし 細胞内膜系(小胞体,ゴルジなど) 発達 なし

23 細菌細胞の表層構造 細胞質膜(内膜)・・・リン脂質からなる二重膜 細胞壁 グラム陽性菌 ペプチドグリカン(多重層)+タイコ酸
細胞壁 グラム陽性菌 ペプチドグリカン(多重層)+タイコ酸 グラム陰性菌 ペプチドグリカン(単層):外膜 外膜・・・リン脂質(内側)とリポ多糖(LPS)からなる二重膜  LPS・・・リピドA(脂質部分)+コア多糖+O特異多糖(O抗原)    内毒素(エンドトキシン) → エンドトキシンショック    TLR4(Toll-like receptor 4)により認識  ポーリン・・・外膜貫通タンパク質 → 低分子量の物質を透過 ペリプラズム・・・細胞質膜と外膜の間のスペース

24 ペプチドグリカンの構造 N-アセチルムラミン酸 MurNAc N-アセチルグルコサミン GlcNAc テトラペプチド 架橋 架橋

25 Staphylococcus aureus
ペプチドグリカンの架橋 Escherichia coli (グラム陰性菌) Staphylococcus aureus (グラム陽性菌) ペンタグリシン架橋

26 タイコ酸の構造 D-Ala ペプチドグリカン グリセロールタイコ酸 D-Ala ペプチドグリカン リビトールタイコ酸

27 リポ多糖(LPS)の構造 O特異多糖 (O抗原) n コア多糖 リピドA リピドA

28 プロトプラストとスフェロプラスト リゾチーム・・・GlcNAcとMurNAc間のグリコシド結合を切断
プロトプラスト・・・細胞壁を欠如した細菌   等張液中でリゾチーム処理 スフェロプラスト・・・細胞壁の一部が残存した細菌   グラム陰性菌をEDTA存在下でリゾチーム処理

29 細菌の細胞質内構造 染色体・・・遺伝情報をもち,自律複製するDNA 通常は環状二本鎖 プラスミド・・・染色体以外の自律複製核酸
  通常は環状二本鎖 プラスミド・・・染色体以外の自律複製核酸 リボソーム・・・タンパク質合成を担う微粒子   リボソームタンパク質とrRNAからなる 70S(30S+50S) 芽胞・・・環境抵抗性の休眠細胞    栄養細胞

30 細菌の構造 莢膜・・・多糖類からなる細胞表面層(明瞭な境界あり) 粘液層(不明瞭な境界) 鞭毛・・・フィラメント状の運動器官
  粘液層(不明瞭な境界) 鞭毛・・・フィラメント状の運動器官   極毛性 菌体の一端または両端に1本(ずつ)の鞭毛    (極)単毛性 菌体の一端に1本の鞭毛    両毛性 菌体の両端に1本ずつの鞭毛   叢毛性(極多毛性) 菌体の端に複数の鞭毛   周毛性 菌体の周囲に多数の鞭毛     フラジェリン・・・鞭毛の繊維タンパク質     H抗原・・・鞭毛抗原 線毛・・・細胞表面に存在する運動性のない繊維状器官   性線毛・・・接合に関与

31 鞭毛 単毛菌 コレラ菌,腸炎ビブリオ, 緑膿菌,レジオネラなど 両毛菌 スピリルム, カンピロバクターなど 叢毛菌 ピロリ菌など 周毛菌
 コレラ菌,腸炎ビブリオ,  緑膿菌,レジオネラなど 両毛菌  スピリルム,  カンピロバクターなど 叢毛菌  ピロリ菌など 周毛菌  多くの腸内細菌

32 細菌の生理と代謝

33 細菌の増殖 二分裂による増殖 世代時間(倍加時間) 1~3時間が多い 大腸菌 最速20分 結核菌 13時間 対数増殖期・・・世代時間一定
 世代時間(倍加時間) 1~3時間が多い    大腸菌 最速20分    結核菌 13時間  対数増殖期・・・世代時間一定  誘導期・・・増殖環境に適応するまでの期間  定常期・・・栄養の欠乏と老廃物蓄積による増殖停滞と死滅  死滅期・・・死滅菌数が増殖菌数を上回った状態 集落形成  固形培地表面 1個の細菌 → 塊 コロニー(集落 colony)

34 細菌の増殖曲線 定常期 (静止期) 対数増殖期 死滅期 生菌数(対数) 誘導期 (適応期) 培養時間

35 細菌のエネルギー源および炭素源 エネルギー源 有機物の酸化 グルコース + 酸素 → 二酸化炭素 無機物の酸化 水素,硫化水素 光合成
 有機物の酸化 グルコース + 酸素 → 二酸化炭素  無機物の酸化 水素,硫化水素  光合成 炭素源  従属栄養・・・有機物  独立栄養・・・二酸化炭素   光合成細菌の多く

36 栄養因子 主要栄養素 炭素源・・・解糖系,TCA回路を介してエネルギー生産に利用 糖類,有機酸,アルコール,(アミノ酸)
   糖類,有機酸,アルコール,(アミノ酸)  窒素源・・・アミノ酸生合成に利用    アミノ酸,アンモニウム塩,硝酸塩  無機塩類    P,S,K,Mg,(Na,Ca)    Fe シデロフォアによる運搬 微量栄養素  微量金属    Mn,Co,Zn,Cu,Mo,Ni,Se  増殖因子    ビタミン,アミノ酸,核酸塩基

37 環境因子 水分・・・細菌菌体の75~85%は水分 温度 中温菌(26~39℃)
 中温菌(26~39℃)  低温菌(15℃以下),高温菌(45~80℃),超高温菌(80℃以上) 水素イオン濃度(pH)  多くの細菌・・・pH5~9  好酸性菌,好アルカリ菌 二酸化炭素  独立栄養細菌  従属栄養細菌  淋菌や髄膜炎菌 3~10% CO2 イオン強度および浸透圧  多くの細菌には耐塩性がない・・・高濃度食塩による食料保存  好塩菌(halophile)  海洋細菌,腸炎ビブリオ菌  耐塩性細菌  Staphylococcus属 7.5% NaCl

38 環境因子 酸素・・・酸化によるエネルギー生成,活性酸素による毒性 好気呼吸・・・酸素を電子受容体とするエネルギー生成
 好気呼吸・・・酸素を電子受容体とするエネルギー生成  嫌気呼吸・・・NO3-,SO42-,フマル酸イオンなどを電子受容体とする  発酵・・・電子受容体を必要としない嫌気的エネルギー生成 偏性好気性菌(aerobe)・・・好気呼吸   緑膿菌,百日咳菌,結核菌,肺炎レジオネラなど 微好気性菌・・・好気呼吸だが低酸素分圧を好む   ライム病ボレリア,ピロリ菌など 通性嫌気性菌(facultative anaerobe)  酸素存在下では好気呼吸,酸素がない場合は発酵,嫌気呼吸   大腸菌,炭疽菌,黄色ブドウ球菌,サルモネラ菌など多くの細菌 耐気性嫌気性菌(通性嫌気性菌として分類することも多い)  好気呼吸しないが,耐酸素性   レンサ球菌,乳酸桿菌など 偏性嫌気性菌(anaerobe)・・・嫌気呼吸や発酵,活性酸素を無毒化できない   破傷風菌,ボツリヌス菌など 沼地,動物の腸内などに生息

39 細菌の培養 培地 液体培地・・・微生物の培養に用いる栄養素を含んだ水溶液 固形培地・・・寒天培地,玄米,オートミール 選択培地 → 増菌培養
 液体培地・・・微生物の培養に用いる栄養素を含んだ水溶液  固形培地・・・寒天培地,玄米,オートミール   選択培地 → 増菌培養     特定の細菌が増殖,それ以外の細菌の増殖抑制  培地の滅菌 → 雑菌の増殖を阻止 培養・・・微生物を人工的に増殖させること  好気培養  嫌気培養・・・密閉容器内で酸素除去状態    無菌操作 ← コンタミネーション・・・雑菌の混入  固形培養    コロニー(細菌集団)の形成 ← 単一の細菌細胞    分離培養,純培養  連続培養・・・新鮮培地の供給,細菌の排出

40 細菌増殖の測定 菌体量の測定 遠心集菌 → 湿重量,乾燥重量 全窒素量測定 菌数の測定 全菌数測定 細菌計数チャンバー(顕微鏡下)
  遠心集菌 → 湿重量,乾燥重量   全窒素量測定 菌数の測定   全菌数測定    細菌計数チャンバー(顕微鏡下)    コールターカウンター    濁度計   生菌数測定    希釈 → コロニー数計数

41 異化作用 異化(catabolism)・・・栄養素の分解によるエネルギー生産(分解代謝) → ATPとしてエネルギー貯蔵
 発酵・・・電子受容体を必要としない嫌気的エネルギー生成    解糖系(Embden-Meyerhof経路)    基質レベルのリン酸化・・・有機化合物の分解と共役してATP生産     グルコース → 2×ピルビン酸 + 2ATP + 2NADH     2×アセトアルデヒド + 2NADH → 2×エタノール・・・アルコール発酵     2×ピルビン酸 + 2NADH → 2×乳酸・・・乳酸発酵  呼吸・・・酸化的リン酸化が組み込まれたエネルギー生成    酸化的リン酸化・・・電子伝達系によるATP生産     プロトン濃度勾配・・・プロトン駆動力 → ATP合成酵素    TCA回路 アセチルCoA → 2CO2 + ATP + 3NADH + FADH2

42 同化作用 同化(anabolism)・・・生体成分の生合成(合成代謝) アミノ酸,核酸塩基,脂肪酸の生合成
 アミノ酸,核酸塩基,脂肪酸の生合成    生物種によって経路は異なるが,生合成産物は共通  ペプチドグリカンの生合成・・・細菌に特異的    UDP-GlcNAc → UDP-MurNAc-pentapeptide → 脂質中間体    -(重合)→ ペプチドグリカン糖鎖 -(架橋)→ ペプチドグリカン   トランスグリコシダーゼ・・・糖鎖伸長   トランスペプチダーゼ・・・架橋    βーラクタム系抗菌薬の標的 → ペニシリン結合タンパク質(PBP)    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)      PBP2'・・・βーラクタム抵抗性

43 ペプチドグリカンの生合成 トランスペプチダーゼ トランスグリコシダーゼ

44 細菌の行動と適応

45 細菌の運動性と集団生活 細菌の運動 鞭毛・・・回転運動(スクリュー)による移動 スパイク(接着器官)による滑走 マイコプラズマ
 鞭毛・・・回転運動(スクリュー)による移動  スパイク(接着器官)による滑走 マイコプラズマ 細菌の集団生活  バイオフィルム・・・細胞外多糖に覆われた細菌集団    外敵や抗菌物質の攻撃を受けにくい   緑膿菌,黄色ブドウ球菌,表皮性ブドウ球菌など

46 細菌の環境変化対応 外界からのシグナル 温度,pH,酸素濃度,浸透圧の変化等 栄養素,化学物質の存在 細菌の細胞密度 ↓
代謝経路,行動の変更

47 (two-component system)
二成分制御系 (two-component system) 二成分制御系  外界からのシグナル受容・・・センサーキナーゼ(sensor kinase)  細胞内へのシグナル伝達・・・response regulator   転写調節因子 → 遺伝子発現調節  global control・・・環境の変化に対応して多くの異なった遺伝子群が発現調節   レギュロン・・・一つの転写調節因子の支配下にある遺伝子単位(オペロン)の集合  走化性・・・誘引物質に向かって進み,忌避物質から遠ざかる行動    遺伝子発現を伴わない二成分制御    誘引物質(忌避物質)濃度の時間変化を感知

48 二成分制御系 シグナル分子 細胞質膜 細胞質 Sensor kinase ATP P Response regulator P 活性型
不活性型 活性型 P シグナル伝達作用の発現

49 トランスポーター 細胞質膜・・・親水性物質や電荷をもつ物質は透過できない 能動輸送(濃度勾配に逆らった輸送)が必要
 能動輸送(濃度勾配に逆らった輸送)が必要 トランスポーター(輸送体)  エネルギーを利用して物質を能動輸送する   単輸送(uniport)・・・単一物質が輸送   共輸送(symport)・・・二つの物質が同一方向に輸送   対向輸送(antiport)・・・二つの物質が反対方向に輸送  プロトン濃度勾配・・・細胞内:低,細胞外:高   単純輸送(simple transport)・・・プロトン濃度勾配を利用して輸送  ABC(ATP binding cassette)システム   ATPの加水分解エネルギーを利用  多剤耐性(MDR)トランスポーター

50 タンパク質分泌機構 タンパク質分泌機構 エフェクター分子・・・菌体外で働くタンパク質
 エフェクター分子・・・菌体外で働くタンパク質  Sec translocon・・・小胞体膜の通過に関与する装置   構造タンパク質,ATPase,シグナルペプチダーゼ,シャペロン   細菌の細胞質膜通過にも同様の装置が使われる

51 グラム陰性菌のタンパク質分泌装置 type I分泌装置・・・連続したチャンネル ポーリンタンパク質(外膜) 膜融合タンパク質
 ポーリンタンパク質(外膜)  膜融合タンパク質  ABCトランスポーター(細胞質膜)   大腸菌のα-ヘモリジン type II分泌装置・・・2段階分泌  細胞質膜の通過(SecまたはTat)  外膜の通過(secreton)   コレラトキシン type III分泌装置・・・細胞質膜と外膜を貫通した装置  エフェクター分子注入  毒力(virulence)に関与 type IV分泌装置・・・線毛構造を通した分泌  接合機構に類似

52 菌体密度感知機構 菌体密度感知機構(quorum sensing) 菌体密度を感知して行動を変化
 菌体密度を感知して行動を変化 AI(autoinducer)・・・同種であることを仲間に知らせる低分子化合物  Vibrio fischeri(海洋細菌)   AHL(acylated homoserine lactone)   発光タンパク質の合成,AHL合成酵素の活性化 → 正のフィードバック  緑膿菌・・・日和見感染菌   菌体密度高 → AHL → バイオフィルム形成  コレラ菌   菌体密度感知 → コレラ毒素,線毛遺伝子発現


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