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豚流行性下痢 (Porcine Epidemic Diarrhea : PED)

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1 豚流行性下痢 (Porcine Epidemic Diarrhea : PED)
1970年代初頭に英国とベルギーで発生が報告され、その後世界各国で発生が報告されているが、米国やオーストラリアでの発生報告はない。 PEDウイルスはNidovirales, Coronaviridae, Coronauirusに属するが、同様の疾病を起こす豚伝染性胃腸炎(TGE)ウイルスとはまったく異なるコロナウイルスである。 冬季に発生することが多いが、豚群内での伝播はTGEに比べ比較的遅い。 食欲不振、元気消失に続く水様性下痢が特徴で、哺乳豚の死亡率は約50~100%で新生豚より高い。 主病変は小腸腸壁の菲薄化で、小腸絨毛の萎縮により、通常は絨毛丈:陰窩長の比が7:1から3:1のものが1:1になる。 繁殖用豚舎の徹底した消毒とオールアウトによりウイルスの完全撲滅をはかり、常在化を阻止するが、オールアウトが困難な場合や常在化が強固な場合は母豚へのワクチン接種により発病予防し清浄化に努める。

2 原因ウイルス コロナウイルス科(Coronaviridae)、アルファコロナウイルス属(Alphacoronavirus)に属するウイルスである。 ウイルス粒子は直径約95~190nmの球形または不定形で、エンベロープの表面に放射状に突き出たスパイクを持つ。 ゲノムはプラス一本鎖RNAである。なお、PEDウイルス株間での抗原学的差異は報告されておらず、血清型は単一と考えられている。同じアルファコロナウイルス属のTGEウイルスとはウイルス中和法や蛍光抗体法による交差反応性はない。 ウイルスは感染豚の腸上皮細胞で増殖し、多量のウイルスが糞便中に排泄され、感染が広がる。 ウイルスは環境中で比較的安定しており、糞便中では気温40℃湿度30%~70%では最低7日間遺伝子が検出され、飼料中では室温で少なくとも28日間、-20℃のスラリー中でも少なくとも28日間、豚に感染性を持つことが証明されている。

3 PEDの症状(哺乳豚) 哺乳豚:嘔吐と水様性下痢が認められる。特に10日齢以下の豚では黄色水様性下痢を呈し、急速に脱水状態となり削痩する。発病豚は3~4日の経過で死亡することが多く、致死率は50%前後、時に100%に達する。

4 PEDの病変 胃の未消化凝固乳の滞留と膨満、小腸における未消化凝固乳の貯留ならびに腸壁の菲薄化と弛緩が観察される。

5 PEDの組織病変 PEDの病変は小腸腸絨毛の著しい萎縮と粘膜上皮細胞の空胞化、扁平化、壊死および脱落である。

6 PEDの流行状況  中国では1970年代、韓国では1980年代より発生が確認され、両国でPEDは常在化し哺乳豚下痢の原因の一つとなっており、時として流行も報告されている。2005~2008年には中国、韓国、ベトナム、タイ、およびフィリピンでPEDの流行が確認された。2010年以降、中国各地で7日齢以下の哺乳豚を中心とする発生が増加し、PEDによる被害が深刻化している。 米国では、2012年まで抗体陽性豚も発生も確認されていなかったものの、2013年4月にPEDを疑う下痢の発生が確認され、5月17日にPEDと診断された。発生は急速に拡大、4月には1州計2件であったが、6月には12州計218件、8月には17州計479件、11月には19州計1,373件(11月24日現在)の発生が報告され、現在も発生は継続中である。発生当初は肥育豚と種豚での発生であったが、現在では哺乳豚、離乳豚を含むすべての発育ステージの豚で発生が報告されている。カナダでは、1980年にPEDを疑う下痢の発生が確認されているが、その後のPEDの発生報告はない。 ヨーロッパでは、PEDは主に離乳豚や肥育豚の下痢として散発的に発生するのみであり、低い割合で抗体陽性豚は確認されているものの、大きな流行には至っていない。

7 PEDウイルスの遺伝学的分類 遺伝学的解析により、本ウイルスは2つの遺伝学的グループ(GroupIおよびGroupII)に分類される。

8 我が国でのPEDの流行状況 国内では、1980年代前半より散発的に発生が確認されていたが、1990年代より大規模な発生が相次ぎ、特に1996年には約8万頭が発症、哺乳豚を中心に4万頭の死亡が報告されている。その後も散発的に発生が報告されたが、2006年の1件以降、7年間発生は確認されていなかった。 2013年沖縄県で発生したPEDが、鹿児島に広がり、全国的な広がりを見せた。また11月上旬には茨城県でPEDが発生したが、被害は大きかったものの一端収束した。しかし、ワクチンの供給体制の遅れや衛生管理の不備により再び全国に広がり現在に至っている。

9 最新の発生状況 平成26年9月以降の発生状況は、ワクチンの供給体制が整ったが、北海道から沖縄まで発生が続いている。
千葉県、茨城県、愛知県、鹿児島県、群馬県、熊本県、宮崎県および長崎県では発生が10件以上と多くなっている。 発症頭数は、鹿児島県が最も多く、続いて茨城県、秋田県で、千葉県や熊本県も多くなっている。

10 わが国におけるPED発生の推移Ⅰ

11 わが国におけるPED発生の推移Ⅱ

12 PED発生都県における 沈静化の状況Ⅰ (平成26年8月31日まで)
昨年の8月までには、発生県では、ほとんど沈静化されていた。 発生農場の割合が0%の県がほとんどである。 栃木県、群馬県、愛知県、長崎県、宮崎県および鹿児島県では完全に沈静化されてないが90%以上は沈静化されている。

13 PED発生都県における沈静化の状況Ⅱ 発生県では、ほとんど沈静化されていない。
完全に沈静化されたのは、北海道、秋田県、新潟県、静岡県、鳥取県だけである。 宮城県、千葉県および東京都では、50%以上沈静化がみられる。 青森県、三重県、愛媛県および宮崎県では、ちょうど50%沈静化されている。

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15 PEDの診断 豚の下痢を起こす原因は多岐におよび、しかも本病はTGEと症状では区別がつかないので病原診断を確実に行う。
RT-PCRによるウイルス遺伝子の検出:糞便または腸内容物中のウイルス遺伝子をRT-PCRにより検出する遺伝子検査は迅速であり、TGEとの鑑別に有効である。 下痢便材料にPEDの免疫血清を添加し、免疫電顕法により集積するウイルス粒子を確認する。 感染子豚の小腸の凍結切片を蛍光抗体法により観察する。 小腸、特に空腸下部から回腸にかけてのホルマリン固定・パラフィン包埋切片を用いて免疫組織化学染色によりウイルス抗原の検出を行う。 発症時と回復期の血清中の抗体価を調べ抗体の有意上昇を確認する。 ウイルス分離は困難であるが、トリプシン添加しVero E6細胞(ミドリザル腎由来細胞)に接種し融合性のCPEを確認する。

16 初生豚の下痢便中のPEDウイルス粒子

17 初生豚下痢便中のPEDウイルス粒子

18 下痢便材料に回復期血清を加え 免疫電子顕微鏡法により観察した

19 PEDウイルスに感染した初生豚の 腸管の凍結切片の蛍光抗体染色

20 PEDウイルスのVeroE6細胞でのCPE
左は正常なVeroE6細胞で右側が10μg/mlの   トリプシンを添加し培養したVero細胞

21 Antibiotics have little effect. Supportive measures such as the provision of electrolyte solutions and warmth are helpful with piglets and weaners. It is sensible to try to spread infected faeces from scouring pigs around the whole herd to develop a rapid immunity. Vaccination - Vaccines are not available and would probably not be cost-effective.

22 汚染飼料が原因? カナダ食品検査庁(CFIA)は、Grand Valley Fortifiers社製の飼料ペレットに使われている米国原産の豚の血漿に関してバイオアッセイ試験を行った。 問題の豚の血漿には、豚にPEDを引き起こすことが可能なPEDウイルスが含まれていたことが実証された。 豚の血漿は、乾燥状態で飼料に添加され、補助たんぱく質として子豚に与えられている。 日本では、米国のAPC社製造の豚血漿蛋白だけが輸入流通している。

23 豚のロタウイルス感染症 豚A群ロタウイルスにより起こる子豚の急性下痢症である。 世界各国で発生が見られ、日本でも全国的に発生している。
本病は一度発生すると常在化し、1~6週齢の子豚および離乳後7日以内の子豚に多発する。 不顕性感染も多く、1週齢未満の哺乳豚は乳汁免疫により発病しないことが多い。 子豚全体の発病率は高いが、死亡率は低く   0~15%である。

24 豚ロタウイルス 豚ロタウイルス粒子 正常なMA104細胞 ロタウイルス感染MA104
豚ロタウイルスはReoviridaeのRotavirusに属し、A,B,C,Eのそれぞれの血清型のウイルスが知られている。 ウイルスゲノムは11本に分節した二本鎖RNAで、ウイルス粒子は車輪の様な形態を示し、直径約75nmである。 豚A型ロタウイルスはトリプシン添加によりMA104細胞(アカゲザル腎由来細胞)でCPEを示し増殖する。 豚A群ロタウイルスには、5種類のVP7血清型(G3,G4,G5,G10,G11)およびVP4遺伝子型(P5,P6,P7,P13,P19)が存在することが報告されている。 豚ロタウイルスは低pH(pH3.5)、エーテル、クロロフォルム、フルオロカーボン、凍結融解、超音波処理に対して安定であり、糞便中では室温で数ヶ月間感染性を保持する。

25 豚ロタウイルス感染症の症状および病変 豚A群ロタウイルス感染によるものがほとんどであるが、B群やC群のウイルスも発病に関係するとみられる。
哺乳豚では黄色ないし黄白色の下痢便、離乳豚では灰色ないし黒褐色の水様性下痢便を排泄する。 発病豚は元気消失し、下痢が激しいと脱水症状を示すが死亡率は15%未満である。 主たる病変は小腸粘膜上皮の壊死・脱落による絨毛の萎縮と一部融合である。

26 灰黄白色下痢便を排泄する離乳豚

27 灰色下痢便を 排泄する育成豚

28 豚ロタウイルスが感染し短くなった小腸絨毛

29 豚ロタウイルス感染により短くなった 小腸絨毛の走査電子顕微鏡像

30 豚ロタウイルス感染症の診断 子豚の下痢の原因は多岐にわたり、しかも本病の症状はTGEやPEDと類似するため、病原学的診断を行わなければならない。 発病初期の下痢便材料を用いて電子顕微鏡により直接ウイルス粒子の検出を行う。 抗原検出ELISAやラテックス凝集反応等によりウイルス抗原を検出する(人のA群ロタウイルス検出キットが使用可能)。 RT-PCR法によるロタウイルス遺伝子の検出を行う。 A群ロタウイルスはトリプシンを添加しMA104細胞に接種し、回転培養を行い分離が可能である。 剖検した豚の小腸の凍結切片を用いて蛍光抗体法を行う。 ロタウイルスは常在化しているので抗体検査による診断は困難である。

31 ロタウイルス検査キット 陽性 陰性 判定無効 検体採取 試薬への検体浮遊 スティックの浸漬 反応⇛判定 人ロタウイルス抗原検出用キットとして現在はTFP社のイムノカートSTロタウイルス、栄研科学社のディップスティック栄研ロタおよび第一科学社のロタレックスドライなどが市販されている。 畜産現場では動物用ロタウイルス検査キットとしてSinovus Biotech社(スウェーデン)のラピッド・ロタディップスティックの使用が推奨されている。

32 下痢便中の豚ロタウイルス粒子の 電子顕微鏡による確認

33 下痢便材料からMA104細胞により ウイルスを分離し蛍光抗体法で確認する

34 蛍光抗体法による腸管に感染した 豚ロタウイルス抗原の検出


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