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政治的利益か?人々のニーズか? 日本国際ボランティアセンター 高橋清貴

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1 政治的利益か?人々のニーズか? 日本国際ボランティアセンター 高橋清貴
ODA政策における平和構築をどう読むか 政治的利益か?人々のニーズか? 日本国際ボランティアセンター 高橋清貴

2 三つのレベルで検証 概念・考え方について 日本の政策、政府の対応について プロジェクト実施上の留意点について

3 国際社会の議論 カナダ イギリス スウェーデン EU CPR

4 カナダ 平和構築の重要課題 戦争により影響を受けた子供たち 平和構築におけるジェンダー問題 小火器拡散
平和構築のための多国間メカニズムの強化 平和支援活動のコーディネート

5 イギリス 紛争減少(Conflict Reduction)の推進 社会的結合・抱合の促進 争議の解決と紛争防止のための国際的メカニズムの改善
戦争に訴える手段の抑制 安全保障セクターの改革 紛争状況における人権の保護 ポストコンフリクト国の平和構築

6 スウェーデン 「権利は権力に先行する」という考え方の下、5つの目標 予防的環境の醸成 構造的な危機要因の把握 国際的規範の確立とその履行
国際的な制度的枠組み及び予防手段の強化 多様な政策分野におけるスウェーデンの国際的紛争予防能力の強化

7 EU 紛争予防と平和構築に関わる援助の原則 オーナーシップ(Ownership) 予防(Prevention) 統一性(Coherence)
早期対応(Early Action) 協調(Co-ordination)

8 CPR(Conflict Prevention and Post-Conflict Reconstruction Network)
紛争予防、早期警戒 紛争分析、リスク管理 平和配慮(Conflict Sensitive Approach) 紛争処理(transform)、紛争マネージメント

9 国内議論 1999年9月 日カ平和構築合同シンポジウム 2001年4月 JICA「平和構築」調査研究報告書
1999年9月 日カ平和構築合同シンポジウム 2001年4月 JICA「平和構築」調査研究報告書 2002年12月 国際平和協力懇談会 2003年1月 JBIC「紛争と開発」調査研究報告書  2003年8月 ODA大綱見直し 2003年10月 緒方イニシアチブ

10 日本における「平和構築」に対する多様な理解
外務省: 国際的プレゼンスを示すための外交政治ツールとしての有効性、日米関係の強化、予算確保 JICA・JBIC:新イニシアチブで正統性確保、しかし内部でmainstreamするのに苦労 NGOs:混乱、統一した見解はない。資金獲得の手段 市民:ほとんど理解していないか、“危うさ”による全面否定 => このギャップをどう埋めるための議論の場をどう作るか?

11 概念・考え方について 「祈る平和」から「創る平和」へ、しかしどのような原則で?
「平和」についての考え方: 構造的暴力から暴力的紛争への連続性 「平和構築」でなく「紛争削減」(Conflict Reduction)へ 「紛争は社会変革の一部」(Oxfam)vs.「平和構築は社会変革の一部」(JBIC) 紛争と開発:開発援助を見る視点/レンズ Conflict Sensitive Approach, PCIA, PNA, etc. 複合的人道危機(Complex Humanitarian Emergencies)の中で予防的意味を帯びる 「人間の安全保障」との違い:個人 vs. 社会制度

12 日本の政策、政府の対応 平和憲法を持つ国の役割は何か?
「平和構築」にまつわるジレンマ:秩序 vs. 人権、etc. =>人権意識の薄い日本は「秩序」を優先 Work around Conflict(紛争を避けて援助)/Work in Conflict(紛争に配慮しながら援助)/ Work on Conflict(紛争を解決するために援助) =>日本は一気にaroundからonへ、人材・制度の不足 平和配慮(Do No Harm)には二つの考え方:Proactive(援助を能動的にテコとして使う)vs. Safeguard(紛争を助長しないように配慮する) =>日本はSafeguard対策が不徹底。 戦略性の欠如:「民主化」にも「介入」にも距離を置き、当事者から離れていく日本 「平和構築」における政府・JICAとNGOの関係

13 プロジェクト実施上の留意点 DividerとConnector:中間リーダーへのアクセスを
平和構築とジェンダー:社会的・文化的構造をどう乗り越える? 地域の伝統的紛争処理・管理能力の強化と長期的関与:いつから? 「平和(何も起こらない)状態」の評価は可能か?

14 「平和構築」における課題 政策の一貫性と透明性: too much ideal? ギャップの問題:依存性を生まない緊急援助は可能か?
治安との関係:軍と人道支援の関係(CIMIC) 紛争分析・評価(PCIA)などの制度整備:当事者参加は可能か? 援助の政治性・戦略性:NGOはODAと補完関係になるべきか? 国際的枠組みの強化 =>現場(ローカル)での紛争解決・平和構築と、グローバルな紛争助長要因削減への取り組み

15 日本国内で「平和構築」を進めるにあたって
特に、ODAとの関連で Do No Harmの視点:PCIA、PNAの見直し 「平和」は「対話」から:Peacebuilding Annual Consultationの立ち上げ 「次世代」への継承という視点 「紛争と経済(Greed & Grievance)」を通して市民の意識喚起:市場確保のための「平和構築」の問題性

16 PNAの主なフロー 国レベル プロジェクトレベル ⑤平和構築支援プログラム ①背景・現状分析 ②紛争分析 ③支援策一覧抽出 ④スクリーニング
紛争予防配慮 ⑦ステークホルダー分析 ⑥対象地域での現状把握 紛争予防配慮 支援 メニュー ●次に、PNAの主なフローについて簡単に説明します。もっと見やすい図は、PNAマニュアルの8ページの図3に書いていますので、そちらをご参照ください。 ●PNAは大きく分けて、国レベル(国別事業実施計画の開発課題マトリックス)と、対象地域レベル(個別のプロジェクト)のアセスメントに分けられます。 ●国レベルは、主に5つのステップからなります。 ステップ①の「背景・現状分析」では、紛争勃発の背景→紛争勃発→紛争終結→現状→今後の見通しまで、一連の流れを整理します。  →具体的には:  ・紛争が勃発した背景  ・停戦・和平合意までの経緯  ・和平合意以降の動向  ・現状  ・紛争地域/民族・宗教の構成  ・国内避難民・難民等のマッピング  ・ステークホルダーの分析  ・平和構築支援体制  ・今後の見通し当 ステップ②の「紛争分析」では、  →紛争要因のうち解決されていない要因 OR 紛争の結果生みされ、対処しなければ紛争の要 因となりかねない要因と、その他紛争経験国・地域特有のニーズを分析します。 ステップ③の「支援策一覧抽出」では、先ほど説明があった7つの分野の支援メニューを参考に、支援策一覧を抽出します。 ステップ④の「スクリーニング」では、平和構築の視点以外の側面からスクリーニングを行い、支援策一覧の中からJICAとして優先度の高いプログラムを抽出します。他の側面とは、  ・先方政府の方針  ・他ドナーの動向  ・我が国の外交政策  (・治安)  (・予算) の観点から、支援策を必要性等をスクリーニングします。 ステップ⑤の「平和構築支援プログラム策定」では、優先度の確認された支援策を、複数の平和構築支援プログラム案として、まとめます。 この時には、紛争予防配慮:紛争要因(未解決・再発要因)を助長しないよう&なるべく積極的に解消するような視点を盛り込む必要があります。 そして、これを国別事業実施計画に反映します。 ・重点分野及び重点課題 ・プログラム ・重点分野への統合 ・横断的留意点に紛争予防配慮の視点を導入 ●プロジェクトレベルは、主に3つのステップからなります。 ステップ⑥の「対象地域での現状把握」では、対象地域において、国レベルで紛争の要因やニーズが、プロジェクト対象地域においてどのように現れているか、について分析します。 その上で、プロジェクトが状況を悪化させる可能性があるかないかにつき、検証した上で、もし悪化させる可能性があれば、対応策を検討します。(=紛争予防配慮アセスメント) さらに、ステップ⑦の「ステークホルダー分析」では、主要なステークホルダーを抽出し、また和平を促進しうるアクター(例えば女性グループ等)を確認します。 その上で、ステークホルダーの選定が妥当であったか、PNA協議のプロセスが透明性が確保されていなか、検証します。 その上で、最後のステップとして、プロジェクト概要を作成します。 (デスクベースと現地調査) このようにして、PNAによって、紛争の負の影響を回避し、正の影響を促進しうる国別事業実施計画やプログラム、プロジェクトを形成します。 ●具体的な成果品は、国レベルのPNAについては、P16の表1、プロジェクトレベルのPNAについては表3になります。 実施計画策定 支援 メニュー 要望調査 案件採択 案件実施 国別事業実施計画

17 イギリスのSCA

18 911後 - シフトする世界の外交政策 軍事的手段によるテロの増加、悪化する状況 -「新しい脅威」であるテロと大量破壊兵器(WMD) へのフォーカス -法的強制力で根絶できない「エイズ」 「忘れられた危機」がさらに看過される -ヘッドラインの影に隠れた紛争に苦しむ何百万人もの人々 -資金配分の偏り オックスファム・インターナショナルが100カ国近くで活動する中で、安全保障の定義が変わるに従って影響を受ける状況を目撃しています。 1: 「新しい脅威」であるテロと大量破壊兵器(WMD) へのフォーカス ルワンダの例のように非戦闘員の保護の失敗事態は新しいことではありません。 911以降、各国首脳たちはテロと大量破壊兵器への脅威への対処に重点を置いてきました。2003年のG8サミットでは各国首脳はこの問題が世界の安全保障に対する最大の脅威であるという認識で一致しました。 軍事費も増えています。 2: 忘れられた危機 しかし、世界の何百万人の人々にとっては恐怖は新しいものではありません。多くの紛争において、反政府集団も政府も同様に、長期にわたって民間人を恐怖に陥れてきました。オックスファムとそのパートナーたちは、大量破壊を既に目撃しています。スーダン、コロンビア、リベリア、インドネシア等、世界の至るところで何百万人という人々が殺され、性的虐待を受け、負傷し、あるいは自分たちの家を捨てざるを得ない状況に負いこまれています。数十年に渡り、この様な紛争はテロリズムを遥かに上回る死者と破壊とを引き起こしてきました。2001年以降の動向は、以前にも増して非戦闘員が被害を受けやすくした可能性があります。 人道危機のマップと政治マップがおおきな違いを示している。 「火事を目の前で見ているのに誰が起こしたか、という議論だけをして、火事に苦しむ人を救わないのはおかしい」という人がいます。 3: 悪化する状況 911以降、こうした状況は悪化しています。 優先地域への大規模な人道援助とその他の地域への過小な援助 (詳しくは次のスライド) テロに対する戦いのなかで無視される人権 2001年9月11日からの1年間でアメリカ政府は、67か国の政府にテロ対策資金として約38億ドルの軍事支援を行いましたが、これら67か国のうちの半数はアメリカ国務省が人権水準の低さを批判した国々です。 Arms sales increasing, and going to allies that are known for human rights abuses. 脅かされる人道援助の独立性と不偏性 イラクとアフガニスタンで人道援助物資を配布するために軍隊を使うという先例が作られつつあります。さらに、EU憲法草案は人道援助をテロ対策と結び付けています。世界中で起きている戦争において、人道援助の不偏性へのこの様な侵害は、人道援助を必要性に基づいて行うことを妨げるものです。これによって結果的に、人道援助を行う側や、援助する対象となる人々までもが攻撃の対象となる可能性があります。 亡命希望者に対して保護をしなくなってきた(Western Europe, USA, Australia.) 無視された危機(neglected crises)の中で、ヘッドラインの影にかくれて苦しむ人々がいる ほんの一部がニュースやテレビに載る。さらに少ない危機が政府によって「どうやってこの国の人たちを救うか」と議論されています。 そのような紛争は2001年からの出来事とは殆ど関係がありません。国際社会の現在のそのような紛争に対する対応は、政治・外交的な関与という点でも、人道援助という点でも、一貫性に欠けています。 ↑↓(悪循環)

19 これは国連のCAPに対するドナーの反応を示した額です(2003年の計算によります)
例えば2003年7月の時点でコンゴ民主共和国には260万ドル、一人あたり17$となっていますが、これはアピール額の19%でした。 一方、イラクへのアピールに対しては100%資金が提要されました。

20 国民ひとりあたりで頭割りしたときの人道援助の額
$7 per American $4 for Japan Norway more than $50


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