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質量販売に関する事故の防止について 関東液化石油ガス協議会 質量販売に関する事故の防止についてお話しいたします。
ご存知の通り、液石法のガスの販売には、ガスメーターを通しての体積販売と 質量販売があります。その内ほとんどは体積販売ですが、その利便性から、 質量販売は現在でも多く利用されています。 主な利用先はこの図にある、移動調理販売車(屋台)、キャンピングカー、 露天販売(各種イベント)、宴会会場での利用、キャンプ、などに加えて、 少量販売の家庭用としても利用されています。 しかし、最近では質量販売に関する事故も多く、行政も立入検査時には その管理状況が適法に実施されているかチェックされています。 これから、質量販売に関する事故の現状と防止するための対策について お話しいたします。 関東液化石油ガス協議会
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平成27年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針
第2 LPガス販売事業者等が講ずべき具体的な保安対策(4項目)及び 重点事故防止対策(3項目) 3.事故防止対策 (4)その他 ①質量販売に係る事故防止対策 (ア) 質量販売に関する事故が発生していることから、質量販売に関しては、 法令遵守を徹底し、供給開始時調査や定期消費設備調査及び14条 書面交付について、確実に実施すること。また、質量販売先の一般消 費者に対し、質量販売事故防止のためのリーフレット等により周知を 確実に実施すること。 (現状)平成25年7件、平成26年11件 (イ) LPガス販売事業者等による保安業務の実施が困難な山小屋等に対 する質量販売について、液石法施行規則第17条に基づいて、山小 屋等に対する質量販売の保安の確保のための業務を確実に実施 すること。 これは、平成27年度の「保安対策指針」です。 質量販売に係る事故防止については、このように求められています。 「質量販売に関する事故が発生していることから、質量販売に関しては、 法令遵守を徹底し、供給開始時調査や定期消費設備調査及び14条 書面交付について、確実に実施すること。また、質量販売先の一般消費者 に対し、質量販売事故防止のためのリーフレット等により周知を確実に 実施すること。」となっています。 あとは山小屋等に対する特則承認の確実な実施について述べられています。 では、質量販売に関する事故はどれくらい起きているのでしょうか。
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質量販売における事故発生件数 直近5年平均 (9.8件/年) このグラフは平成17年から平成26年までの10年間における質量販売の
ガス事故の発生件数を表したものです。 平成19年、20年に比べれば減少しているものの、ここ5年間の 平均では9.8件/年(約10件/年)起きています。 (この中には、販売ではない為、配送員が残ガス容器等を自宅内で 使用し、大きな事故になった事例2件は入っておりません。) ・H25/11 神奈川県茅ケ崎 重軽傷4名 ・H27/04 群馬県伊勢崎 死亡1、軽傷1
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質量販売事故による死傷者数の推移 このグラフは質量販売事故による死傷者数の直近5年間の 推移を表したものです。5年間49件の質量販売事故で、
死傷者56名(死亡3名、負傷53名)発生してしまい、年平均では 11.2人となっています。ということは、平均して、1つの事故では 1人以上の死傷者がでています。 質量販売に関する事故は、CO中毒や酸欠事故と同様に 液石法の事故では、死傷者の出る割合が高いという特徴があります。 ですので、保安対策指針にある2020年に向けての目標である 「死亡者をゼロ、負傷者を25名未満」を達成するためには、 質量販売に関する事故を減らすことも重要です。 *H22死亡2名・・・渋谷の駐車場で車の中でストーブ使用CO中毒中毒 *H26死亡1名・・・富士山山小屋CO中毒
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質量販売先における容器別事故件数 (平成17年~平成26年) 計 件数 5 8 14 16 10 11 7 102 50kg容器 1
(平成17年~平成26年) ( )内はB級事故 平成17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 平成26年 計 件数 5 8 14 16 10 11 7 102 50kg容器 1 4(1) 2 10(1) 20kg容器 1(1) 2(1) 15(2) 10kg容器 3 5(1) 20(1) 8kg容器 4 27 5kg容器 6 24 2kg容器 その他 質量販売先における容器別の事故件数はこのようになっています。 (黄色で塗られたカッコの数字はB級事故の件数です。) この10年、質量販売事故になった容器で多いのは8k容器27件、5k容器 24件、10k容器20件、20k容器15件、50k容器10件、2k容器 4件の順になっています。 しかし、B級事故では、50k1件、20k2件、10k1件と、2k1件を除いて、 大きな容器で質量販売を行った時に発生しています。
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平成26年の事故事例11件 最近の「質量販売に関する事故」(直近5年間) 年間10件程度発生 死傷者のでる割合が高い(年間約11人)
大きい容器でB級事故が多い LPガス事故の高止まり(特に死傷者数)の 大きな要因の1つとなっている。 以上、最近の質量販売に関する事故は、 年間10件程度発生 死傷者のでる割合が高い(年間約11人) 大きい容器でB級事故が多い であり、LPガス事故件数の高止まりの、大きな要因に なっています。 それでは、実際にどのような事故が起きたか、昨年(平成26年)に 実際に起きた事故11件を順に見てみましょう。 平成26年の事故事例11件
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事故事例(平成26年11件) ①2014/3/19(8kg×1本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:ガス栓とゴム管の接続不良
原因者 :一般消費者等 事故原因:ガス栓とゴム管の接続不良 被害状況:軽傷者2名 事故概要:ガス栓付近にあったソファーベッドを移動させた際に、ゴム管に接触したこと でゴム管とソケットの接続が緩み、隙間からヒューズ機構が作動しない流量で ガスが漏えいし、ガスストーブの点火時の火が引火した ②2014/5/3(8kg×2本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の取り扱いミス 被害状況:軽傷者4名 事故概要:お湯を沸かす際にヤカンと誤って容器をコンロの上で熱したため、当該容器 の内圧が高まり安全弁からガスが噴出し、コンロの火が引火した。 法違反 :(書面未交付、周知未実施、帳簿記載不備) 1件目は、原因者が一般消費者等の事故で、ガス栓付近の ソファーベッドを移動した時にゴム管とソケットの接続が緩み、 事故になったもので、軽傷者が2名でました。 ソファーの移動などはよくあることですが、ガスのホースやコック周り には特に注意が必要です。 2件目は長野で起きた事故で、信じられないような原因です。 それは、お茶会か何かの集まりで、お湯を沸かすのに、8k容器を ヤカンと間違ってコンロで熱したことにより、安全弁からガスが噴出し コンロの火に引火し、軽傷者を4名だしてしまいました。 嘘のような本当の話ですが、お客様の中にはこのように、ガスについて 何も知らない人もいるので注意しなければなりません。 また、この事案については、書面未交付、周知未実施、 帳簿記載不備の法違反がありました。 周知を行っていたら防げたかもしれません。
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事故概要:ホテルで従業員が5kg容器2本をコンロ2台各々に接続して使用中、容器を
③2014/7/7(5kg×10本) 原因者 :一般消費者等+販売事業者 事故原因:容器交換作業ミス 被害状況:軽傷者4名 事故概要:ホテルで従業員が5kg容器2本をコンロ2台各々に接続して使用中、容器を 交換したところ、取り外した容器のバルブの閉止が不完全な状態で調整器 を取り外したため、漏えいしたガスに隣りのコンロの火が引火した CO CO CO ④2014/7/29(20kg×1本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の取り扱いミス 被害状況:死亡1名 事故概要:山小屋において、屋外式風呂釜を屋内に設置し、排気設備も設置されて いなかった、一酸化炭素を含む排気が浴室内に滞留し、入浴時の従業員 1名が一酸化炭素中毒により浴槽内で倒れ、溺死した。 (販売事業者には浴室への設置については連絡が入っていなかった) 3件目名はホテルでの従業員による、容器交換作業ミスによる 事故で、軽傷者が4名も出てしまいまいた。これは、5k容器2本を コンロ2台に接続して使用中に、容器を交換した際に、バルブの 閉止が不完全だったためガスが漏えいしコンロの火が引火した ものです。毎回の作業だったので、従業員はついうっかりしてしまった のでしょう。 4件目は富士山の山小屋で起きた死亡事故です。 これは屋外式風呂釜を屋内に設置し、排気設備も無く、一酸化 炭素を含む排気で従業員が風呂場で倒れ、溺死したものです。 このお風呂は以前から何度か軽いCO中毒がおきていたようであり、 入るときには空気の入れ替えを注意する様にいわれていました。
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事故概要:キッチンカーに防風対策がなかったため、風の影響で業務用グリドルの種火 が消えたことによりガスが漏えいし、コンロの火が引火した
⑤2014/8/16(10kg×3本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の点火ミス 被害状況:軽傷者3名 事故概要:キッチンカーに防風対策がなかったため、風の影響で業務用グリドルの種火 が消えたことによりガスが漏えいし、コンロの火が引火した ⑥2014/9/16(10kg×2本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の容器設置ミス 被害状況:カバン等焼損 事故概要:露店で開店準備のため業務用コンロを温めていたところ、通行人の自転車 が容器をひっかけたが、固定していなかったためにゴム管が外れ、ガスが 漏えいしコンロの火が引火した。 5件目です。これは業務用のキッチンカーによる事故です。 この車には防風対策がなかったため、業務用グリドルの 種火が消え、ガスが漏えいしコンロの火が引火したもので、 軽傷者が3名でました。 今回たまたま消えたのではなく、以前から何度かは種火が 消えたことはあるでしょうが、以前は事故にはならなかったので、 大丈夫だろうと思って何もしないでいたところ、事故になった ものです。 6件目は屋台での事故です。開店準備の為、コンロを温めて いたところ、通行中の自転車が容器をひっかけたことにより、 ガス管が外れ、ガスが漏えいしコンロの火が引火しました。 これも容器が容易には転倒しないようにしているか、ヒューズ ガス栓を使用していれば防げた事故です。
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事故概要:祭り会場で、綿あめ器のバーナー2個の内、1個が着火しなかったので確認
⑦2014/9/21(8kg×3本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の器具の取り扱いミス 被害状況:軽傷1名 事故概要:祭り会場で、綿あめ器のバーナー2個の内、1個が着火しなかったので確認 したところ爆発した。これは1つのバーナーを接続しないでガス栓を開放した ため、漏えいしたガスにバーナーの火が引火したものである。通常は販売事 業者が渡した2口ヒューズガス栓を使用するが、その時は調子が悪く、持参 した安全装置のない2口ガス栓を使用した。 ⑧2014/10/11 (5kg×1本、8kg×1本、10kg×1本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の取り扱いミス 被害状況:重傷1名 事故概要:集会所で不要となった容器を廃棄処分するために、2本の残ガスを放出後、 残り1本がコンロと接続されていたので残ガスを放出しようとしてコンロ点火 つまみを回したところ爆発した。 7件目も屋台での事故です。綿あめ器のバーナー2個のうち、 1つのバーナーにホースを接続しないでガスを開放したため、 漏えいしたガスにコンロの火が引火したもので、軽傷者が 1名でました この時は業者の用意した2口ヒューズガス栓の調子が悪く、 安全装置のない2口ガス栓をしようしたため、事故になり ました。 8件目もガスを扱っている者には信じられない事故です。 集会所で不要になった容器を廃棄処分するために、 2本の容器の残ガスを放出後にコンロに点火したところ 爆発したもので、重傷者1名がでてしまいました。 基本的なLPガスの性質を知っているものならば、ガスを 放出など決してしませんが、知らない消費者や、大丈夫だろう と安易に考えてしまう消費者はいるのです。
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事故概要:屋台で予備容器に犬をつないでいたため、リードが引っ掛かり転倒した際に バルブが緩み、漏えいしたガスに燃焼器具の火が引火した。
⑨2014/10/12 (20kg×2本) 原因者 :一般消費者等 事故原因:消費者の取り扱いミス 被害状況:のれん焼損 事故概要:屋台で予備容器に犬をつないでいたため、リードが引っ掛かり転倒した際に バルブが緩み、漏えいしたガスに燃焼器具の火が引火した。 ⑩2014/12/12 (50kg×3本) 原因者 :不明 事故原因:不明 被害状況:軽傷2名 事故概要:事務所のファンヒーターを修理後、再度同様に目が痛むとの連絡が消費者 からあり訪問したところ、消費者がファンヒーターに点火したところ爆発した。 9件目はまた屋台の事故です。これは屋台の予備容器に犬をつないだため、 リードがひっかかり容器が転倒した際にバルブがゆるみ、漏えいしたガスに 引火したものです。 容器は転倒を防止せねばならず、20k容器は重さや取ってなど、 分からないでもありませんが、決して犬をつないではなりません。 10件目はファンヒーターの不調による事故で原因者も不明です。
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事故原因:調整器と容器の接続不良及び調整器の作動不良 被害状況:軽傷1名
⑪2014/12/23 (8kg×1本) 原因者 :一般消費者等、販売事業者 事故原因:調整器と容器の接続不良及び調整器の作動不良 被害状況:軽傷1名 事故概要:消費者が鋳物コンロに点火した際に、コンロの火が調整器から容器に広 がった。原因は消費者自らが調整器を容器に接続したが、不十分であり 接続部分から漏えいしたガスとコンロの点火操作を数回行なったガスに コンロの火が引火した。(販売事業者は接続と燃焼テストを消費者に申し 入れたが拒否された。) 法違反 :(書面未交付、周知未実施、消費設備調査未実施等) 最後11件目ですが、これは原因者が一般消費者等と販売事業者、 事故原因は調整器と容器の接続不良及び調整器の作動不良 による事故で、軽傷者1名です。 消費者が自ら調整器を容器に接続したが、不十分であり接続した 部分から漏えいしたガスに鋳物コンロの火が引火しました。 法違反では、書面の未交付、周知未実施、消費設備調査未実施等 がありますが、販売事業者は、接続と燃焼テストを消費者に申し入れ ましたが、拒否されたそうです。 これを防ぐには、質量販売の依頼があった時点で、法令で定められて いることに加えて、自主保安として実施していることを、最初に伝えて、 了解を得てから販売することが事故防止につながります。
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直接的には、 一般消費者が原因者 26年度の質量販売に係る事故の原因者 一般消費者等(10) ・ソファー移動でゴム管接続の緩み
一般消費者等(10) ・ソファー移動でゴム管接続の緩み ・容器をヤカンと間違った (内2件は販売事業者も原因) ・容器バルブの不完全な閉止 ・屋外用風呂釜を屋内設置等 ・防風対策なしで種火が消えてガス漏えい ・予備容器が自転車に引っかけられガス漏えい ・バーナーに未接続でガス漏えい ・集会所で廃棄の為残ガス放出 ・予備容器に犬を繋ぎ、転倒してガス漏えい ・調整器の取り付け不十分によるガスもれ 不明(1) ・不調ガスファンヒーター修理後に爆発 平成26年度の質量販売に関する事故を見てきましたが、 直接の原因のほとんどは、一般消費者等によるものです。 (うち2件は販売事業者にも原因あり) ・ソファー移動でゴム管接続の緩み ・容器をヤカンと間違った ・容器バルブの不完全な閉止 ・屋外用風呂釜を屋内設置等 ・防風対策なしで種火が消えてガス漏えい ・予備容器が自転車に引っかけられガス漏えい ・バーナーに未接続でガス漏えい ・集会所で廃棄の為残ガス放出 ・予備容器に犬を繋ぎ、転倒してガス漏えい ・調整器の取り付け不十分によるガスもれ 直接的には、 一般消費者が原因者
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一般消費者の質量販売に係る事故の原因 ①ガスに関する知識の欠如 ・ヤカン ・集会所放出 ②慣れ(だいじょうぶだろう) ・露天商2件
①ガスに関する知識の欠如 ・ヤカン ・集会所放出 ②慣れ(だいじょうぶだろう) ・露天商2件 ・キッチンカー ・屋外用風呂釜 ③ついうっかり(ヒューマンエラー) ・ソファー移動 ・バルブ不完全 ・バーナー未接続 ・取付不十分 では、事故の原因を分類してみると大きく3つに分けられます。 第一がガスに関する知識の欠如です。先ほどのヤカンや集会所での ガス放出がこれにあたります。最近の家庭では、子供に家事の 手伝いをさせない傾向がありますので、今後知識の欠如はさらに 増加するものと思われます。 第二が「慣れ」(だいじょうぶだろう)で、2件の容器転倒の屋台、 キッチンカー、山小屋があります。露天商など業務としてガスを 利用している人に多く、今までの経験で勝手に大丈夫と考えて しまします。しかし、安全を軽視することが続けば、いずれは事故 になります。 第三はついうっかり(ヒューマンエラー)で、これは誰にでも起こることです。 前年ではソファー移動、バルブ不完全閉止、バーナー未接続、 取付不十分などがあり、これは体積販売でも同じです。
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販売事業者の責任も大きい 一般消費者の質量販売に係る事故の原因 質量販売事故の主たる原因者は一般消費者であるが、
販売事業者としての義務未実施 (法令遵守×) ガス事故を防ぐという意識が希薄 (自主保安×) 質量販売事故の主たる原因者は一般消費者であるが、 質量販売事故を防ぐ主たる実施者は販売事業者である LPG しかし、原因は全て一般消費者等にあり、我々販売事業者には関係 ないかというと、そんなことはありません。販売事業者の責任も大きいの です。 いくつかの事例では法令を順守していないものもありましたし、自主保安 という観点から、ガス事故を防ぐという意識が希薄になっていることも 見受けられます。 質量販売では全てが消費設備で一般消費者の管理責任、そして 主たる原因者は一般消費者ですが、質量販売を防ぐ主たる実施者は 我々販売事業者です。
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質量販売に関する事故の防止対策 質量販売事故の原因 質量販売事故の防止 販売事業者による対策 販売事業者に原因 ①法令違反
①社員の教育(法令遵守) ②社内体制の整備 ③確実で有効な周知 ・ガスの基本知識 ・慣れによる危険 ・ついうっかりの防止 ④安全な器具の推奨 販売事業者に原因 ①法令違反 ②おざなりな周知等 一般消費者に原因 ①ガスに関する知識の欠如 ②慣れ(だいじょうぶだろう) ③ついうっかり(ヒューマンエラー) では、どの様な対策を講じれば良いのでしょうか。 質量販売事故の原因としては、 販売事業者に原因があるものとして ①法令違反と②おざなりな周知等がありますし、 一般消費者等に原因があるものとしては、 ①ガスに関する知識の欠如 ②慣れ(だいじょうぶだろう) ③ついうっかり(ヒューマンエラー)がありました。 これに対し、防止対策としてはこの4つがあります。 すべて販売事業者による対策です。 まず法令を中心にした社員への教育です。 続いて社内体制の整備。そして、一般消費者等に 対する確実で有効な周知です。最後には安全な機器の 推奨があります。 では順に4つの防止対策を説明いたします。 LPG
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①社員の教育(法令遵守) 法令違反を起こさない為、事務担当者も含め全員に教育すること。 液石法
規則第13条(書面の記載事項) 規則第16条(販売方法の基準) 規則第18条(容器・調整器等の基準) 規則第37条(消費設備の調査) 規則第44条(消費設備の技術上の基準) 例示基準14(容器屋内設置時の措置) 特則承認(山小屋等) その他 高圧ガス保安法 液化石油ガス保安規則第6条第2項 〃19条(貯蔵の方法に係る技術上の基準) 〃20条(貯蔵の規制を受けない容積) 〃39条(周知の義務) 〃40条(周知させるべき高圧ガスの指定等) 〃41条(販売事業者等に係る技術上の基準) 〃49条(移動に係る技術上の基準等) 〃58条(その他消費に係る技術上の基準) (平成26年質量販売に係る事故の 法違反内容) 書面の交付 周知 帳簿の記載 販売方法の基準 消費設備の調査 法令違反を起こさない為、事務担当者も含め全員に教育すること。 まずは社員の教育です。 平成26年度の質量販売に関する事故の法令違反としては、 書面の交付、周知、帳簿の記載、販売方法の基準、 消費設備の調査がありました。 このような違反をしない為には、事務担当者も含めた全員に 保安教育時や各種会議の際に、法令の教育することが必要です。 質量販売に関する法令には、液石法及び高圧法で様々な条文が ありますが、特にその中でも・・・
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質量販売が可能な場合(液石法規則第16条第13号)
・屋外で移動して消費する場合(屋台、お祭り等) ・内容積20L以下の容器により販売する場合 ・内容積25L以下の容器により販売する場合 (カップリング付容器弁を有するもの) ・1年以内に取引が停止し登録行政庁認めた場合 ・高圧ガス保安法適用の販売と不可分な場合 ・経済産業大臣が配管に接続することなく引き渡しを認めた場合 ・災害救助法第23条の応急仮設住宅で消費する場合 配管に接続しなくても良い場合(液石法規則第16条第3号) ・屋外に置いて移動して消費する先への販売 ・調整器が接続された内容積8L以下の容器での販売 ・内容積25L以下の容器(カップリング付容器弁を有するもの) 質量販売が可能な場合、配管に接続しなくても良い場合、
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質量販売における技術上の基準(液石法規則第44条第2号)
(1) 第2号ロ ・屋外で移動して消費する場合 ・内容積25L以下の容器(カップリング付容器弁を有するもの)で消費 する場合 ・上記を除き、内容積20L以下の容器で消費する場合 (2) 第2号イ ・(1)以外の容器で消費する場合 ・内容積20Lを超え25L以下の容器(カップリング付容器弁を有するもの) を硬質管と接続する場合、ガス漏れ遮断、耐震遮断機能を有すること 消費設備の調査(液石法規則第37条第1号ロ) ・液化石油ガスの最初の引渡し時及び(毎月、年1回、4年に1回以上) (カップリング付容器弁) 質量販売における技術上の基準、消費設備の調査、 については特に重要ですので、マニュアル本等を使い 確実に理解するまで教育してください。
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②社内体制の整備 事務担当者を含め全員が質量販売に対応できるようにする 質量販売の担当者を置き管理する
月に1回は業務主任者により内容を確認する 質量販売台帳を整備する 質量販売用の14条書面、周知文書を用意する 質量販売マニュアル(ルール)を整備する(自社製・日液協作成等) (販売の是非、配管接続義務の有無、消費設備調査、14条書面交付、周知等) 山小屋等における特則承認(必要な場合) 続いては社内体制の整備です。いくら教育しても、社内体制が 整備されていないと、なにもできません。 事務担当者を含め全員が質量販売に対応できるようにします。 営業所では日中は事務担当者だけになるケースが多々あります。 ですので、事務担当者も重要なキーパーソンです。 それ以外では、 質量販売の担当者を置き管理する 月に1回は業務主任者により内容を確認する 質量販売台帳を整備する 質量販売用の14条書面、周知文書を用意する 質量販売マニュアル(ルール)を整備する(自社製・日液協作成等) (販売の是非、配管接続義務の有無、消費設備調査、14条書面交付、周知等) (質量販売フローチャートの掲示) 山小屋等における特則承認(必要な場合) フローチャート 消費設備調査 14条書面+周知
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②社内体制の整備(法定業務等の確実な実施)
消費設備調査の確実な実施 1、容器の設置状況・・・腐食防止、温度上昇防止等 2、調整器 ・・・腐食、調整圧力等、期限管理 3、燃焼器 ・・・燃焼器の適合性 4、接続管(自主保安) ・・・腐食防止、漏えい試験等 5、その他 販売事業者の接続義務(法定以外もできるだけ実施) 書面の交付 台帳の整備 周知の実施 ガスの移動 元に戻りまして、社内体制の整備では、法定業務等の確実な実施が 必要です。 消費設備調査の確実な実施(容器、調整器、燃焼器、接続管等) 販売事業者による接続義務(法定以外でもできるだけ実施)、 書面の交付、台帳の整備、周知の実施、ガスの移動(容器の運搬) などが必ず行われるように社内で整備します。 消費設備調査や接続の拒否などのトラブルを防止するためには、 質量販売の申し込みの時点で、必要な事項の実施を説明し、 納得していただいた上で販売することがよいと考えます。 質量販売 台帳
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③確実で有効な周知 伝える相手は... 多くの消費者にとって プロパンガスは、 生活の関心事のほんの一部でしかない
①ガスに関する知識の欠如 ・ヤカン・集会所放出 ②慣れ(だいじょうぶだろう) ・露天商2件・キッチンカー・屋外用風呂釜 ③ついうっかり(ヒューマンエラー)・ソファー移動・取付不十分・バーナー未接続等 多くの消費者にとって プロパンガスは、 生活の関心事のほんの一部でしかない 3番目が確実で有効な周知です。 我々はプロパンガスを生業(なりわい)としていますので、 プロパンガスに関する知識もあり、大きな関心事ですが、 多くの消費者にとって、プロパンガスは生活の関心事の ほんの一部でしかありません。 一般消費者は、ガスよりはガス器具へ興味が大きく、それよりは 今日の料理の事に関心があります。露天の販売員の方々も ガスよりは調理器具や材料、売上に多くの関心があります。 一般消費者 ・・・ガス<ガス器具<料理・風呂<好きなこと色々 露天販売員等・・・ガス<調理器具・材料<売上<好きなこと色々
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ではどうしたら、確実で有効な 周知を行うことができるのか?
まず第1は「対面で説明」することです。 (周知文書を渡すだけでは、効果は期待できない) LPG ではどうしたら確実で有効な周知を行うことができるので しょうか? まず第一は「対面で説明することです」。 これは体積販売の周知でも同じことですが、 容器や調整器の管理責任も一般消費者等にある質量販売の 場合には特に重要です。
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対面で説明することで 個々の消費者にあった説明をすることができる 高齢者等には特に判りやすく説明することができる
事故が多く、注意すべきポイントを説明することができる 消費者からの質問を受けることができる(双方向) お願いすることができる 文字を読むよりも分かりやすい 対面で説明することにより、 個々の消費者にあった説明をすることができる 高齢者等には特に判りやすく説明することができる 事故が多く、注意すべきポイントを説明することができる 消費者からの質問を受けることができる(双方向) お願いすることができる 文字を読むよりも分かりやすい などの点があります。 LPG
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第2は「相手に合った書類」を用いること。 (対面説明と併せて効果2倍) 相手の状況に近く興味を持ちやすい イラストで分かりやすい
(対面説明と併せて効果2倍) 相手の状況に近く興味を持ちやすい イラストで分かりやすい 書類があると説得力が増す 後で読み返すことができる 多くの人が周知内容を知ることができる 第二は「相手に会った書類」を用いること、があります。 法定周知文書はもちろん、それ以外にも屋台やキャンプなどに特化した 各種パンフレットがあります。それらを用いることにより、 相手の状況に近く興味を持ちやすい イラストで分かりやすい 書類があると説得力が増す 後で読み返すことができる 多くの人が周知内容を知ることができる などの効果がありますので、パンフレットは必要です。
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第3は「事故事例」を伝える (正しく使えば安全だが、使い方を誤ると 事故になる ことを知ってもらう)→消費者は知らない
(正しく使えば安全だが、使い方を誤ると 事故になる ことを知ってもらう)→消費者は知らない 特に質量販売に関する事故には死傷者が多い LPG 第三は質量販売の事故事例を伝えることです。 我々は、ガスの使い方を誤ると事故が起き、死傷者が発生している 事を知っていますが、一般消費者は基本的に知りません。 決して脅すわけではありませんが、ガスを使うときには緊張感をもって もらうため、周知時に、使用形態の類似した事故を伝えて、 注意を喚起してください。
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指差し呼称の推奨(意識レベルを上げる) 第4は「ヒューマンエラー」を知ってもらう ヒューマンエラー ・バルブを閉めたつもりだが…
第4は「ヒューマンエラー」を知ってもらう ・バルブを閉めたつもりだが… ・ゴム管を接続したつもりだが… ヒューマンエラー ヒューマンエラー(3つの基本エラー) ミステイク(間違える) 行為のスリップ(うっかりする) 記憶のラプス(忘れる) 脳を守るため (人間の特性) 周知の最後は「ヒューマンエラー」を知ってもらうことです。 これは質量販売はもとより、体積販売をはじめ、作業事故全般に関係 しています。 ヒューマンエラーは長い年月をかけて人類が獲得した「生き残るための 特質」から発生するものであり、決して、注意するだけで防ぐことは できません。 これを予防するための良い方法の一つとして「指差し呼称」があります。 接続・点火・交換などガスの重要な作業の後には、指差し呼称を するようにお願いしてください。 *接続・点火・交換などの作業変更時には 指差し呼称の推奨(意識レベルを上げる)
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④安全な機器の推奨 1、ヒューズガス栓の使用 2、カップリング付き容器の使用 3、安全な消費機器の使用
質量販売の事故防止対策の4番目は安全な機器の推奨です。 昨年の事故事例の中にも、ヒューズガス栓が付いていれば防げた 事故がいくつかありました。質量販売は移動することも多く、 なんらかの原因でホースが外れることがありますので、ヒューズガス栓 の使用が求められます。 また、より安全なカップリング付き容器の使用、これは容器から 調整器等の着脱がワンタッチで簡単で、万一器具が外れても、 ワンタッチカップリング構造ですからガスは遮断され、安全性の高い器具です。 そして安全な消費機器の使用があります。質量販売で使用するコンロ なども、立ち消え安全装置などの安全装置の付いた機器を使うように お願いしてください。
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質量販売の事故防止対策(まとめ) 最近の「質量販売に関する事故」(直近5年間) 年間10件程度発生 死傷者のでる割合が高い(年間約11人)
大きい容器でB級事故が多い 消費者に起因する事故が多い ①社員の教育(法令遵守) ②社内体制の整備 ③確実で有効な周知 ・対面で説明 ・相手に合った書類を利用 ・事故事例を伝える ・ヒューマンエラーを知ってもらう (指差し呼称の推奨) ④安全な機器の推奨 以上お話したことを再度まとめますと、 質量販売の事故防止対策としては、 ①社員の教育(法令遵守) ②社内体制の整備 ③確実で有効な周知 ・対面で説明 ・相手に合った書類を利用 ・事故事例を伝える ・ヒューマンエラーを知ってもらう (指差し呼称の推奨) ④安全な機器の推奨 を実施してください。
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御清聴ありがとうございました。 質量販売に係る事故も減らして2020年目標 (死亡者0、負傷者25名未満)を達成しよう。 LPG
質量販売に係る事故も減らして2020年目標 (死亡者0、負傷者25名未満)を達成しよう。 LPG 以上の対策で質量販売に関する事故を減少させ、 2020年目標(死亡ゼロ、負傷者25名未満)を 達成しましょう。 御清聴ありがとうございました。 御清聴ありがとうございました。
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