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経営情報論A (2年生) 経営情報論B (3年生以上)
前期 火曜日5限 樋口徹 参考URL:
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【授業の到達目標及びテーマ】 組織経営にとって、情報は、ヒト、モノ、カネと並ぶ重要な資源である。特に、情報 は意思決定する際には不可欠なものである。本講義では、企業組織内の意思決 定に沿って、経営の基礎、経営戦略、ビジネスプロセス、情報システムについて 学習し、情報の経営における役割が理解できるようになることを目的とする。 【準備学習】 教科書の指定ページまたはホームページ上に掲載されているレジュメをプリント アウトし、予習することを課す。毎回、事後学習としてレポートを課す。
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【授業の概要及び授業計画】 ( )内はテキストの該当箇所
【授業の概要及び授業計画】 ( )内はテキストの該当箇所 第1回 講義概要と現代の組織(1章1節) 第2回 情報の視点から見た組織における構造変化(2章) 第3回 個人と組織の意思決定(3章1節) 第4回 企業戦略(3章2節) 第5回 事業戦略(3章3節) 第6回 学習する組織(3章4節) 第7回 企業の統治(4章5節)【中間テスト】 第8回 企業の情報化(資料配布) 第9回 情報システム(資料配布) 第10回 情報ビジネス(資料配布) 第11回 IE(Industrial Engineering) (資料配布) 第12回 統計手法(資料配布) 第13回 線形計画法(資料配布) 第14回 PERT (資料配布) 第15回 まとめ(資料配布) 【期末テスト】
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【事前・事後学習(Supplementary Individual Study)】 各回の終わりに、予習すべきテキストの箇所を指定します。 復習用の課題をToyoNet-Ace上で課します。必ず期限内に回答すること。 【成績評価の方法・基準(Grading Criteria and Method of Evaluation)】 毎回の課題:40+α%(各回3点分=42点) 中間テスト:30%(30点) 期末テスト:30%(30点) ※授業への貢献を評価に加えることもあります。 【テキスト(Textbooks)】 石井晴夫・樋口徹(2014)『現代組織のマネジメント』中央経済社
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座席固定 教壇 ・ E1 D1 C1 B1 A1 E2 D2 C2 B2 A2 E3 D3 C3 B3 A3 E4 D4 C4 B4 A4
・出席調査票の右上に 「C2」と記入してください。 ※列(アルファベット)が先 ・記入後、矢印の方向に 集めます。その際に自分 の分が上になるように してください。
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1-1-1 組織の概念と定義(p.1) 組織的な活動 (単独では不可能あるいは非効率的な目標を達成する活動)
人類は大昔から組織的な活動を行ってきた。 日本でも、旧石器時代の遺跡から、複数の人間で 協力 しながら 大型動物を狩猟し、獲物を解体し、肉を運搬していた痕跡が見つ かっている。 農作業や加工作業においても、 共同作業 によって、人類は収 穫量や生産量を増加させ、物資的な 生活 を豊かにしてきた。 現在までに、このような組織的な活動は様々な分野で高度に行われ るようになっている。 組織は、共通の目的を遂行するために 協働関係 にある人々の 集まりである。 \\\
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Organization(組織)の語義 (『ジーニアス英和辞典』)
(1)a (団体や会合などの) 組織化 、編成;組織、構成、 機構;計画、準備. b 組織的に〔系統だてて〕行う能力; 整然 としてい ること、秩序;方法. (2)( 目的 を持つ)組織体;団体、協会、組合、自治体. (3)(政党の)役員;(会社の)管理機関; 経営陣 . (4)有機体;生物。
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System(組織)の語義 (『ジーニアス英和辞典』)
(1)制度、組織;(輸送・通信) 組織網 、ネットワーク. (2) 体系 ;系統、学説;装置. (3)体系的方法、方式. (4)整然とした手順、秩序; ギャンブル の選択手順. (5)身体、体. (6)(支配)体制;社会秩序、〔 the System 〕体制側、おかみ. (7)〘コンピュータ〙システム;制御系. (8)〘化学〙系;〘鉱物〙(結晶の)系;〘地質〙系;〘生物〙 分類体系. (9)(考え・行動の)枠、型にはまった考え方〔行動〕、(自分の) 殻. (10)〘音楽〙音〔和声組織〕;譜表.
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組織の意味 (『広辞苑』) (1)組み立てること。組み合わせて一つの まとまり を作ること。 (2) 織物 で緯糸と経糸とを組み合わせること。 (3)ほぼ同形・同大で、働きも似通った細胞の集団。集まって 器官 を構成する。 (4)ある目的を達成するために、 分化 した役割を持つ個人や下 位集団から構成される集団。 組織には、オーガニゼーションやシステムと同様に、多様な語義が含まれている。本講義では、社会科学分野における組織のマネジメントを考察することを目的としているので、自然科学に関するものは考慮から除外することとする。対象とする組織は、 人々 によって構成される組織体である。野生の動物などでも、効率的な捕食や保身のために、組織的な行動をしているものも多数いるが、本講義では複数の人間によって構成される組織に限定して話を進める。
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バーナードによる(公式)組織の定義 (バーナード)
バーナードによる(公式)組織の定義 (バーナード) 「公式組織」を『 意図的 に調整された複数の人間の活動や諸 力のシステム』と定義している 。 さらに、バーナードは、公式組織成立に不可欠な3要素として、 ①共通の 目的 、 ② コミュニケーション 、 ③ 貢献意欲 の3つを具体的に挙げ、公式組織および組織的活動の体系化に多 大な貢献をした。 参考文献:Chester I. Barnard. (1938), The functions of Executives.山本安次郎・田杉競・ 飯野春樹訳(1968)『経営者の役割』
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1-1-2 公式組織の成立とその前提条件(p.3) 組織的な活動
バーナードの考え方では、公式組織は、単なる人の集団ではなく、 共通の目的 を 持った 集団 である。 その集団の中では、構成員間の適切な コミュニケーション によって各構成員が行う 活動は 調整 されている。 さらに、そのような組織が 存続 していくためには、構成員から必要な 貢献 が確 保できている状態を維持しなければならないとされている。 現実の世界では、組織に参加している全員が同じ目的を持っていることは稀なことであ る。例えば、実際に企業の中で働く従業員の入社の動機は 経済的 なものから優良 企業で働きたいという意識など千差万別である。 それでも、企業と従業員にとって、 経済的利益 (営利)は共通の目的となりうる。そ れを獲得するために、企業と従業員は協力して経済的目的を達成する。従って、企業が 掲げる目的と各従業員の目的が 背反 関係にないことが重要となる。 組織が存続あるいは目的を達成するためには、安定的に構成員の貢献意欲を引き出 せる 協働関係 を構築することが必要となる。
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組織化の度合い A図は人々の目的がバラバラで、協働関係も成立していない状態を示している。B図は、目的が一致している構成員が集まり、ある程度の協働関係が構築されている組織が出現している。C図では、人々(構成員)の目的が調整され、組織内の 秩序 に沿って、高度な協働関係が構築されている。
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1-1-3 公式組織とマネジメント(p.5) 公式組織のマネジメント
公式組織は、共通の目的を遂行するために協働関係にある 人々の集まりである。組織が機能するための最初の条件とし て、 協働関係 が構築されていることが挙げられる。 そして、協働関係を構築するためには、各構成員が共有する 共通の 目的 が存在し、構成員間の コミュニケーション や組織全体としての秩序などがある程度整備されていなけれ ばならない。 組織目的を確実かつ効率的に達成するためには優れた 「 マネジメント 」が必要となるのである。 国際標準化機構(ISO: International Organization for Standardization)は、マネジメントを「組織を指揮し、管理するた めの 調整 された活動」と定義している
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ドラッカーが指摘したよくある7つの間違い Peter F. Drucker
ドラッカーが指摘したよくある7つの間違い Peter F. Drucker. (1999), Management Challenges for the 21st Century.上田惇生訳(1999)『明日を支配するもの』pp.5-45 マネジメントは 企業 のためのものである。(マネジメントとは、 あらゆる 組織 のための体系であり、機関である。) 組織には唯一の正しい構造がある。(今日、必要とされるものは、 唯一の正しい構造の探求ではなく、それぞれの仕事に合った組織 構造の 探求 であり、 発展 であり、 評価 である。) 人のマネジメントには唯一の正しい方法がある。(行うべきは、人 をマネジメントすることでなく、 リード することである。その目的 は、ひとりの人間の強みと知識を生産的たらしめることである。) 技術と市場とニーズはセットである。(今後のマネジメントは、技術 とその用途を基盤とすることができなくなった。それらのものは 制約条件 にすぎない。マネジメントが基盤とすべきは、 顧客 にとっての価値であり、支出配分についての顧客の意思決定であ る。 経営戦略 は、ここから出発しなければならない。)
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ドラッカーが指摘したよくある7つの間違い(続き) Peter F. Drucker
ドラッカーが指摘したよくある7つの間違い(続き) Peter F. Drucker. (1999), Management Challenges for the 21st Century.上田惇生訳(1999)『明日を支配するもの』pp.5-45 ⑤マネジメントの範囲は法的に規定される。(マネジメントは、あら ゆる プロセス を対象としなければならない。経済全体に おける成果と仕事ぶりに焦点を合わせなければならない。) ⑥マネジメントの範囲は国境で制約される。(国境は制約条件とし て意味を持つだけであるということである。現実のマネジメン トは、政治でなく、 経済の実体 が規定する。) ⑦マネジメントの世界は組織の内部にある。(マネジメントとは、 組織に成果 をあげさせるためのものであり、したがって、 まず初めにそれらの成果を明らかにし、次にそれを実現する ために手にする 資源 を組織しなければならないということ である。マネジメントは、企業、社会、大学、病院、あるいは女 性保護協会のいずれであれ、自らの 外部 において成果 を上げるための機関である。)
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1-1-4 現代の組織を取り巻く環境の変化(p.7) ボーダーレスな世界
①組織活動が国境を超え、 地球規模 で行われるようになっている。 これを物理的に可能にしているのは、飛行機、船舶、鉄道、トラック などの 交通 および 輸送機関 などの発展である。交通およ び輸送ネットワークが全世界に広がり、それらのネットワーク上を人 やモノが頻繁に移動している。 ②この交通および輸送機関の発展を支えているのが、 ICT (情報通 信技術)やマネジメント技術である。ICTの進展が無ければ、交通お よび輸送機関の確実かつ効率的な運営は不可能。 ③高度な マネジメント 技術が、人々のモビィリティ(移動)やモノの 輸送状況およびその状態を把握し、効率的に管理する重要な役割 を担っている。 ※組織内外とのコミュニケーションが可能になったとしても、適切な分 業体制の構築とその運営を管理するマネジメント手法が確立され ていなければ、大きな効果は期待できない。
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