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都心高層キャンパスと地域連携による応急対応・復旧復興に関する研究
○村上正浩(工学院大) 長能正武(災害リスクマネジメント研究所) 木下芳郎(ベクトル総研) 野澤 康(工学院大) 久保智弘(ABSコンサルティング)
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本研究課題の目的 首都圏にたつ超高層・工学院大学新宿キャンパスをテストケースとして・・・ 自助:震災時を想定した緊急時対応体制の整備
常務理事をトップとする地震防災対策タスクフォース 八王子キャンパス:地域防災拠点 (後方支援拠点) 新宿キャンパス: 地域防災拠点 輻輳に強い非常時通信網の整備 (約35km、長距離無線LAN ) 新宿・八王子地域の 広域連携体制 地域共助・公助:帰宅困難者(学生、教職員)を災害ボランティアとし、周辺事業者・ 地域住民・自治体(新宿区、都、八王子市)などとの協働体制の整備 新宿駅周辺滞留者対策協議会(38の新宿駅周辺の事業者・自治体・防災機関など)
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実証実験による有効性の検証(2008年度) 大学を地域防災拠点とした地域共助(東戸山住民)・公助による協働体制の検証 東戸山地区
工学院大・新宿キャンパス (地域防災拠点) 防災ワークショップ 新宿駅西口地域 発災対応による地震防災訓練 自助と、大学を地域防災拠点とした地域共助・公助および広域連携による協働体制の検証 自助による超高層ビル発災対応訓練と、地域共助・公助および広域連携による新宿駅周辺の滞留者対策・傷病者対応・学生ボランティア活動・地域情報の共有などを目的とした地震防災訓練
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震災を想定した緊急時対応体制の必要性(超高層建築)
状況 火災時 地震時 発災 一箇所(火災) 同時多発(火災、建物・設備損傷、什器転倒、多数の傷病者・閉込め者発生・・・) 館内 エレベータ稼動、通信可 エレベータ停止、ライフライン遮断、通信輻輳 周辺 平常、消防・警察出動 同時広域被災のため大混乱、交通マヒ、ライフライン損傷、通報不可、消防・警察対応困難、都心部に大量の滞留者、治安悪化・・・ 状況把握 可能(防災センター) 困難(現場のみ) 初動対応 通報、区分鳴動・防災センターによる逐次避難誘導、消防隊到着・消防活動 消防・防災センター対応困難、現場対応(初期消火、傷病者の救援救護、閉込め者救出、高層階から避難、不明者捜索、安否確認・・) 意思決定 防災センター 防災センターは麻痺状態、現場・災害対策本部(組織長、本部員・権限代行・・・) 避難者 基準階、帰宅 館内収容、帰宅困難者、地区内残留、数日滞在 対策・訓練 防火管理者、消防計画、消防組織(紙の組織)、消防用設備、避難訓練・・・ 防災管理者(2009年6月改正消防法)、防災計画・BCP、緊急時対応組織(現場の人、実効性・実戦力)、備蓄・資機材、非常時通信手段、地域共助・公助、発災対応訓練・・・
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超高層キャンパスの緊急時対応体制の整備 地震防災対策タスクフォース 2006年度
●緊急時対応体制の基本方針の検討(防火を目的とした消防組織や超高層建築 特有の緊急対応上の課題の明確化、震災対応方針・優先順位の検討など) 2006・2007年度 図上演習訓練、超高層キャンパスの発災対応訓練、駅前滞留者対策訓練を通じて ●緊急時対応組織の提案(自立分散した現場対応、災対本部の設置) ●震災対応マニュアルの策定(災対本部、現場対応、ポケットマニュアル) ●非常時情報収集・伝達手段の多重化(ICT援用) ●防災備蓄・資機材の整備(自立分散した現場対応、本部運営、帰宅困難対応) ●超高層建築の適切な震災避難方法の検討 図上演習訓練(2006) 発災対応訓練(2007) 滞留者対策訓練(2007)
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緊急時対応組織の提案 発災直後:緊急地震速報・リアルタイム地震観測システムの活用
緊急時対応組織の早期立ち上げ、 EV制御、全館非常放送による安全確保など 2階JobStation 新宿・災害対策本部 地域共助、公助、広域連携の拠点 1階アトリウム内 新宿西口・現地本部 (新宿区と協定締結)
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災害対策本部の震災対応マニュアルの策定 マニュアル(回覧)の主な構成 1. 震災対応の基本的な考え方 2. 災害対策本部の構成と役割
1. 震災対応の基本的な考え方 2. 災害対策本部の構成と役割 3. 災害対策メンバーの参集 4. 対策本部の立ち上げ、運営 5. 対策本部各班の役割 6. 緊急連絡(安否確認・連絡体制 など)、業務継続・再開など 本部の役割や震災時に対応すべき事項・優先順位などを記載したマニュアルを整備 平時の業務体制に応じた組織整備、代替拠点の選定、本部設営、代行・交代ルール、本部備品・備蓄・機器、発生時期(入試時期、オープンキャンパス、理科教室など)・時間帯別の対応体制・対応事項の整理等の検討が今後の課題
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非常時情報収集・伝達手段の多重化 各フロアにある非常電話(屋内消火栓併設)に加え、本部、防災センター・警備室、各学科事務室などに携帯無線機・IP電話&FAXなどを配備し、通信手段を多重化 ※IP電話、緊急通報システムの非常用電源としてはUPSを各学科事務室などに設置 (消防庁消防研究センター、情報システム部協力) 館内IP網を利用し、緊急情報の速やかな把握と緊急通報を一斉同報できる緊急情報システムの導入(本部、防災センター・警備室、各学科事務室に配備中)
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ICTによる本部活動支援システムの試験開発
パッシブ型RFID学生証の導入(平時は講義の出欠管理把握に利用)を視野に入れ、学生証を利用した在館状況の早期把握システムの試験開発(情報システム部協力) アクティブ型RFIDを利用した高層階の避難状況の把握システムの試験開発 (情報通信研究機構協力) ※本部機能維持に不可欠な電力・照明の整備:自家発電機(ガスボンベ利用)、非常用照明
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発災対応訓練(大学災害対策本部、2階) 高層棟 中層棟
本部員参集、大学災害対策本部立ち上げ、情報収集・整理、意思決定、学生ボランティア派遣 など 中層棟 災害対策本部
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学科・フロア単位での自立分散した緊急対応体制
初期消火、傷病者・要援護者の救援救護と搬送、閉じ込め者(室内、フロア内、EV内など)の救出、被災情報等の把握、緊急情報の通報など 食堂・教室・図書館(食堂・エクステンションセンター・図書館を拠点) →学科別指定 避難所 研究室(学科事務室を拠点) →学科別指定避難所へ誘導、 安否確認・ 不明者確認、一時収容、帰宅困難対応など 事務室(法人・大学事務室を拠点) →本部参集、教室階の支援、非常階段内の 安全確認など 教室(各教室・教員) →学科別指定避難所 事務室(大学事務室を拠点)→災害対策本部 生協・体育館など(生協・警備室を拠点)→要援護者の受入? 非常時情報収集・伝達手段の多重化、防災資機材の充実、マニュアルの策定
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超高層キャンパス内の防災点検マップの作成
ドイツ:不特定多数が利用する既存建築物への専任安全管理者の設置 (施設の規模によって異なる) ・安全対策や消火設備等の管理,従業員に対する防災訓練の実施 ・DIN規格(Deutsche Norm)に基づく掲示 A:利用者・従業員等全て B:従業員等全て(利用者除く) C:消防署・管理者等
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発災対応訓練(高層棟12階以上) 発災対応訓練 高層棟
初期消火、傷病者対応(応急救護、搬送)、情報収集、情報伝達、指定避難教室への避難、安否確認 など 中層棟
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帰宅困難者・自宅被災者への対応(備蓄など)
2006年度学部生・院生の居住地データ(約6500人) →アドレスマッチングが可能であった約5000人 震度階 震度7 震度6強 震度6弱 震度5強 震度5弱 震度4 震度3以下 学生居住地 収容スペースや食料・水・トイレなどの備蓄の確保(食料は大学生協・食堂と協定締結) 、女性用備蓄の充実など 20km 10km 東京湾北部地震(M7.2) 新宿校舎 約5割が帰宅困難 約6割が 帰宅困難 新宿校舎 20km以内 殆どが震度6弱のエリアに集中 自宅が被災している可能性あり 八王子校舎
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超高層キャンパスの震災避難方法の検討 ○新宿キャンパス・高層棟(想定避難者約1500人、避難階段:1~11階は4系統・12
学科別指定避難所 ○新宿キャンパス・高層棟(想定避難者約1500人、避難階段:1~11階は4系統・12 ~28階は2系統)を対象に震災時を想定した避難モデルを構築 ○中層階での火災・上層階への煙の拡散、傷病者・要援護者の搬送、非常階段内の 混雑など多様な条件下で震災避難シミュレーションを実施
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シミュレーションモデル 避難行動に影響を及ぼす階段室内の密度による速度低減、避難者属性(健常者、傷病者・要援護者)を考慮した挙動パラメータの把握 エージェントモデル 120名の学生が 参加した実地実験 ○火災 (消火/未消火) ○避難可能階段 (4系統/ 2系統) ○避難方法 (一斉/順次) ○避難者属性別 (健常者/傷病者・ 要援護者) ネットワークモデル
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シミュレーション結果 火災発生・上層階へ煙拡散、2系統利用可、一斉避難、傷病者あり 火災なし、非常階段内の混雑による避難行動の制約 低層階に防火区画に入れない避難者が存在 中層階に煙が充満する時間に多数の避難者が存在 ①高層階は順次避難が有効、傷病者などとの同時避難は回避、②利用可能な非常階段の系統数を早期に把握し、健常者・傷病者などの避難方法を速やかに判断、③傷病者などが一時待機可能な安全区画の整備の必要性などを確認。
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災害ボランティア活動(傷病者対応、1階アトリウム)
工学院大・学生ボランティアと、 東京DMAT、東京医科大病院、 新宿消防署、新宿消防団 の協働による傷病者対応訓練 工学院大・学生ボランティア ・傷病者搬送・誘導 ・トリアージタグへの記録
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共助・公助および広域連携による協働体制の構築
新宿駅周辺滞留者対策協議会 2007年度:駅前滞留者対策訓練 ○超高層建築など各事業者による自助、地域連携による共助、自治体による公助 の役割の明確化、協働体制を推進するための新宿ルールを策定 (新宿区) ○地域情報を集約・共有する現地本部(防災拠点)の重要性 →新宿区との協定により新宿キャンパス1階アトリウムに新宿駅西口地域の防災 拠点となる現地本部設置、災害時優先電話増設(6回線、NTT東日本協力) ※防災無線放送設備(エステック広場予定)も設置検討中 ○新宿・八王子両キャンパス間を結ぶ非常時通信網を構築 →自助として新宿・八王子両キャンパスの情報共有、現地本部を拠点として新宿・ 八王子地域の情報共有、周辺事業者・滞留者への帰宅支援情報などの提供 自治体および地元事業者と協働による新宿駅前滞留者対策訓練(2008年1月25日)
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長距離無線LANによる輻輳に強い非常時通信網の構築
新宿校舎へ 八王子校舎へ 新宿中央公園へ 新宿区役所へ (消防庁消防研究センター、情報システム部協力) 4.9GHz帯IEEE802.11J、Alvarion製長距離無線LAN、8~11Mbps程度の通信速度を確保 (新宿・八王子キャンパス間、それ以外20Mbps以上)※本年度に両キャンパス間は常設完了
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非常時通信網を利用した広域情報共有 長距離無線LANによるIPネットワーク網を利用して、
音声情報、FAX情報、映像情報、WebGISによる広域な各種被災情報・交通情報・帰宅支援情報(位置情報、文字情報(テキスト・表など)、写真情報)などが共有可能 (消防庁消防研究センター、大妻女子大、星陵女子短大協力)
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新宿西口 現地本部訓練 (1階アトリウム) 大学・周辺事業者・自治体の協働による情報収集、 周辺事業者・駅前滞留者への情報提供 など
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まとめ 超高層・新宿キャンパスを地域防災拠点とし、自助・共助・公助および広域連携により、速やかな応急対応・復旧復興を可能とする減災対応システムを構築 最終年度の実証実験を通じて、構築したシステムの必要性・効果、一方で多くの課題を確認。今後も継続的なシステムの改良が必要。 自助:緊急時対応上の課題、傷病者・要援護者・死亡者対応、避難誘導計画の策定、各種情報システムの維持管理、マニュアル改良・充実と周知・改善(PDCAサイクル)、災害ボランティア活動への保証と体制、防災教育の充実、BCP策定など・・・・ 共助・公助:役割・対応ルールの明確化、医療機関との連携強化・体制づくり、DCP策定、首都圏レベルでの広域な連携体制へ発展(滞留者・傷病者対応など)など・・・・
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