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Published byゆゆこ おなか Modified 約 7 年前
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ナノ粒子分散技術(ビーズミル) 分散・凝集のすべて 第3回コロイド実用技術講座 日時:2015年10月27日(火) 16:25~17:10
分散・凝集のすべて ナノ粒子分散技術(ビーズミル) 日時:2015年10月27日(火) 16:25~17:10 会場:日本化学会館 微粒子技術研究所 石井利博
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アシザワ・ファインテック株式会社 ■取扱品目 湿式および乾式ビーズミル(微粉砕・分散機) ■事業内容
微粉砕・分散機の総合メーカー アシザワ・ファインテック株式会社 ■取扱品目 湿式および乾式ビーズミル(微粉砕・分散機) 脱泡機、撹拌・混合機、混練機 ■事業内容 ビーズミルをはじめとする産業用粉体機械の開発・製作・メンテナンス ビーズミルなどを使用する受託加工 微粒子の開発、生産または利用されるお客様に対する技術コンサルティング ■所在地 本社、工場、実験室 千葉県習志野市 大阪支店 大阪府豊中市 微粒子技術研究所 栃木県小山市
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本日の内容 1.ビーズミルの特徴 2.ビーズミルの運転方法 3.ビーズミルの粉砕・分散効率に影響を与える因子 4.過分散とマイルド分散
5.まとめ
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粉砕と分散 粉砕:1つの大きな粒子を砕くこと 分散:もともとの微粒子の凝集体をほぐし 溶媒などへ均一に存在させること
粉砕:1つの大きな粒子を砕くこと 分散:もともとの微粒子の凝集体をほぐし 溶媒などへ均一に存在させること 粉砕は、ビーズと粒子間に働く摩擦とせん断力の複合的な作用(摩砕)によって行なわれる。分散には、ビーズが流れの中で移動する際に生じる速度差によるせん断力と、ビーズの自転による角速度差から発生する回転せん断力とが寄与する。
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顔料の分散 顔料の分散工程 重要な工程 分散機 顔料の特性を発揮させる 顔料表面のぬれの促進 溶媒中の凝集体を1次粒子まで解砕し分散
顔料の分散工程 重要な工程 顔料の特性を発揮させる 顔料粒子径:透明性・光沢・着色力などに影響 透明性・光沢 微細化により向上 分散機 顔料表面のぬれの促進 溶媒中の凝集体を1次粒子まで解砕し分散 ロールミル・高圧ホモジナイザー・ボールミル・ビーズミルなど 選定は製品の品質要求・粘度・生産規模などを考慮
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ナノ粒子の生成方法 粉砕は、ビーズと粒子間に働く摩擦とせん断力の複合的な作用(摩砕)によって行なわれる。分散には、ビーズが流れの中で移動する際に生じる速度差によるせん断力と、ビーズの自転による角速度差から発生する回転せん断力とが寄与する。
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微粉砕機・分散機の特徴 乾式微粉砕機 湿式微粉砕・分散機
微粉砕機・分散機の特徴 乾式微粉砕機 湿式微粉砕・分散機 湿式ビーズミルにおける粉砕・分散の原理は、ビーズ(粉砕媒体)をベッセル(粉砕室)内で攪拌し、その中をスラリー(対象物と溶媒の混合物)が通る過程で、ビーズが対象物に及ぼす衝突、せん断、圧縮、摩擦などの動的作用により、粉砕・分散が行われる。湿式ビーズミルにおいては、特にせん断力が支配的に働く。
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乾式ビーズミルと湿式ビーズミル 砕料 砕製物 湿式ビーズミルにおける粉砕・分散の原理は、ビーズ(粉砕媒体)をベッセル(粉砕室)内で攪拌し、その中をスラリー(対象物と溶媒の混合物)が通る過程で、ビーズが対象物に及ぼす衝突、せん断、圧縮、摩擦などの動的作用により、粉砕・分散が行われる。湿式ビーズミルにおいては、特にせん断力が支配的に働く。
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乾式ビーズミルと湿式ビーズミルの比較 乾式ビーズミル 湿式ビーズミル △ 脱水・乾燥工程が必要 △ 集塵装置などの周辺機器が必要
○ 粒子径分布がシャープ(分級機能) △ ナノ領域は困難(サブミクロンが限度) 湿式ビーズミル △ 脱水・乾燥工程が必要 ○ ナノ領域が可能 粉砕・解砕(分散)可能粒子径 本日の内容
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・乾式ビーズミル、または、湿式ビーズミル
ビーズミルの選択方法 ・乾式ビーズミル、または、湿式ビーズミル 前後工程により決定 ・乾式ビーズミル 開回路粉砕 閉回路粉砕 ・湿式ビーズミル 本日の内容 パス方式 循環方式
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湿式ビーズミルの運転方法 パス方式 循環方式 パス方式 循環方式 対象物 粉砕・分散が容易なもの 粉砕・分散が難しいもの (ナノレベルまで)
ポンプ 流量 小 大 温度 高い 低い 目標粒子径 サブミクロン ナノレベル 粒度分布 ブロード シャープ 設備 パス回数に応じて増える 循環系のみ パス方式 ミルはプラグフローが理想的ですが現実はそうではない そのため、ショートパスを無くす為にポンプ供給量を少なく すると温度が上がる ショートパスの影響がある、 高度な要求は何十パスも必要 時間とコストがかかります しかし、循環運転が容易です タンク内に未処理品が残るのでは?というご心配をもたれるとおもいますが、 循環運転にて10パス相当の運転時間で全ての粒子がミルを通ったことになります. もちろんタンク内の完全混合は重要なファクターになりますので 攪拌も弊社でご提案いたします. このことから、目的によってパス運転にするのか循環運転にするかを選択します. 循環方式
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パス方式と循環方式の比較 多重パス方式 多連パス方式
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プレミキシング ビーズミルでの分散の効率化 固液混合操作(プレミキシング)が重要 プレミキシングにより、弱い凝集体の解砕とぬれが同時に進行
ぬれの度合いが分散に影響 スラリー
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ビーズミルの粉砕・分散効率に 影響を与える因子
ビーズミルの粉砕・分散効率に 影響を与える因子 ビーズミルの形状 ベッセル 撹拌部材 ビーズミルの運転条件 撹拌部材(アジテータ)の周速 ビーズ径 材質(密度) 見掛け充填率 滞留時間
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ビーズの選択 ビーズ径の選択の目安 粉砕/分散 原料粒子径/分散体粒子径 粒子硬度/粒子密度 スラリー粘度/スラリー密度
ビーズの選択 ビーズの選択 粉砕/分散 原料粒子径/分散体粒子径 粒子硬度/粒子密度 スラリー粘度/スラリー密度 ビーズ径の選択の目安 初期最大粒子径の10~20倍 到達粒子径はビーズ径の約1/1000
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微小ビーズの効果 ビーズ数 ∝ 1/ビーズ径比3 ビーズ重量 ∝ ビーズ径比3 ビーズ表面積 ∝ 1/ビーズ径比2 単位体積あたりのビーズ数
ビーズミルにおいて、効率よくファインな分散を行なう代表的な手法は、微小ビーズを使用することである。運転条件が同様の場合、微小ビーズを使用することで単位体積あたりのビーズ数が増加し、ビーズ間の空間は小さくなる。このため、粒子への接触確率が上がり接触回数は増加する。一方、ビーズ1粒あたりのエネルギーは小さくなる。以上のことから一次粒子に与えるダメージを抑えた分散が行える。また、粒子に対してビーズが過剰に大きい場合、微小ビーズを使用した際とは逆の現象が発生する。このため効率の良い分散を行うことができないことはもちろん、一次粒子にダメージを与えてしまい粒子特性自体を損なう恐れもある。
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炭酸カルシウムの粉砕結果 ビーズ径を変えた場合
ビーズ径が小さいほうが粉砕速度は速い ビーズ径が小さいほうが投入動力量は少ない ビーズ径を0.3,0.5,1.0 mmに変えた場合の粉砕時間または投入動力量とX0.5の関係 ビーズ材質:ジルコニアビーズ充填率:85 vol% アジテータ周速:10 m/s X0.5:24.4 μm 固形分濃度:30 mass%
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ビーズ径選択の目安
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炭酸カルシウムの粉砕結果 運転条件を変えた場合
炭酸カルシウムの粉砕結果 運転条件を変えた場合 周速が速いほうが粉砕速度は速い 充填率が高いほうが粉砕速度は速い 運転条件を変えた場合の粉砕時間とX0.5の関係 X0.5:24.4 μm 固形分濃度:30 mass% ビーズ径:0.3 mm ビーズ材質:ジルコニア
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炭酸カルシウムの粉砕結果 運転条件を変えた場合
周速や充填率、ビーズ材質を変えても投入動力量を合わ せることで同じメディアン径が得られる 運転条件を変えた場合の投入動力量とX0.5との関係 メディアン径X0.5:24.4 μm 固形分濃度:30 mass% ビーズ径:0.3 mm
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炭酸カルシウムの粉砕結果 スラリー濃度を変えた場合
炭酸カルシウムの粉砕結果 スラリー濃度を変えた場合 スラリー濃度が高くなると 投入動力量は多くなる 初期のスラリー粘度とスラリー密度 30 mass%:5.1 mPa・s 1.23×103 kg/m3 50 mass%:10.9 mPa・s ×103 kg/m3 70 mass%:79.4 mPa・s 1.79×103 kg/m3 スラリーの固形分濃度を30,50または70 mass%とした場合の動力量とX0.5との関係 メディアン径X0.5:24.4 μm ビーズ径:0.3 mm ビーズ材質:ジルコニア ビーズ充填率:85 vol% アジテータ周速:10 m/s
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炭酸カルシウムの粉砕結果 投入動力量と粒子径分布幅との関係
炭酸カルシウムの粉砕結果 投入動力量と粒子径分布幅との関係 ビーズ径が小さいほうが 粒子径分布はシャープになる ビーズ径を0.3,0.5,1.0 mmと変えた場合の投入動力量と粒子径分布幅の関係 メディアン径X0.5:24.4 μm 固形分濃度:30 mass% ビーズ材質:ジルコニアビーズ充填率:85 vol% アジテータ周速:10 m/s
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二酸化チタンの分散結果 ビーズ径が小さく,密度が高いほうが分散速度は速い
ビーズ径が小さいほうが投入動力量は少ないビーズ径が同じ場合,投入動力量はX0.5に依存 ビーズ材質とビーズ径を変えた場合の分散時間または投入動力量とX0.5の関係 ビーズ径:0.05,0.1,0.3 mm ビーズ材質:ガラス,ジルコニア ビーズ充填率:80 vol% アジテータ周速:12 m/s X0.5:0.42 μm 固形分濃度:10 mass%
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二酸化チタンの分散結果 ビーズ径が小さく,充填率が高いほうが分散速度は速い
ビーズ径が小さいほうが投入動力量は少ないビーズ径が同じ場合,投入動力量はX0.5に依存 ビーズ径と充填率を変えた場合の分散時間または投入動力量とX0.5の関係 ビーズ径:0.1,0.3 mm ビーズ材質:ジルコニア ビーズ充填率:80,85 vol% アジテータ周速:12 m/s X0.5:0.42 μm 固形分濃度:10 mass%
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周速が速く,密度が高いほうが分散速度は速い
二酸化チタンの分散結果 周速が速く,密度が高いほうが分散速度は速い 投入動力量はX0.5に依存 ビーズ材質と周速を変えた場合の分散時間または投入動力量とX0.5の関係 ビーズ径:0.1 mm ビーズ材質:ガラス,ジルコニア ビーズ充填率:80 vol% アジテータ周速:10,12,14 m/s X0.5:0.42 μm 固形分濃度:10 mass%
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二酸化チタンの分散結果 ビーズ径が小さいほうが 粒子径分布はシャープになる ビーズ径を変えた場合の投入動力量と粒子径分布幅の関係
ビーズ径が小さいほうが 粒子径分布はシャープになる ビーズ径を変えた場合の投入動力量と粒子径分布幅の関係 ビーズ径:0.05,0.1,0.3 mm ビーズ材質:ジルコニア ビーズ充填率:80 vol% アジテータ周速:12 m/s X0.5:0.42 μm 固形分濃度:10 mass%
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二酸化チタンの分散結果 ビーズ径を変えた場合
二酸化チタンの分散結果 ビーズ径を変えた場合 ビーズ径が小さいほうが分散速度は速い ビーズ径が小さいほうが投入動力量は少ない ビーズ径を変えた場合の分散時間または投入動力量とX0.5の関係 ビーズ径:0.05,0.1,0.3 mm ビーズ材質:ジルコニア ビーズ充填率:80 vol% アジテータ周速:12 m/s メディアン径X0.5:2.93 μm 固形分濃度:10 mass%
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粉砕・分散速度と運転条件の関係 応力数 応力強度 粉砕 分散 A.Kwade:Powder Technology,105,382(1999)
A.Kwade,J.Schwedes:Powder Technology,122,109(2002)
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ビーズミルは粒子を効率よく 粉砕・分散する装置 ・粉砕 ・分散 砕料粒子径に適したビーズ径 アジテータ周速:速 ビーズ充填率:高
ビーズミルは粒子を効率よく 粉砕・分散する装置 ・粉砕 砕料粒子径に適したビーズ径 アジテータ周速:速 ビーズ充填率:高 高能率化、高効率化が可能 注意:スラリーの発熱やビーズとミル内部の摩耗を考慮した運転条件が必要 ※砕料の粒子径と硬度に合わせて適切なエネルギーを与える ・分散 凝集形態や大きさに適したビーズ径 アジテータ周速:速 ビーズ充填率:高 高能率化、高効率化が可能 注意:投入動力が大きいと1次粒子まで粉砕していまい過分散になる スラリーの発熱やビーズとミル内部の摩耗を考慮した運転条件が必要 ※作用点を増やす 1次粒子を破壊しない (マイルド分散)
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従来型ビーズミルでのナノ粒子の分散 従来型ビーズミルでのナノ粒子の分散 粒子に与えるエネルギーが大きい 分散後の問題点
従来型ビーズミルでのナノ粒子の分散 従来型ビーズミルでのナノ粒子の分散 1パスあたりの滞留時間を長く 粒子に強い衝撃力やせん断力 粒子に与えるエネルギーが大きい 粒子表面へのダメージやエネルギーの蓄積 粒子の表面状態の活性化 分散後の問題点 異常な粘度増加や再凝集 特性の低下
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ビーズ径やアジテータの回転数のコントロール 1次粒子のサイズ、形状、比表面積、結晶構造、 表面状態などを維持したまま分散する処理方法
マイルド分散 ® ビーズ径やアジテータの回転数のコントロール 1 のエネルギーを100回 100 のエネルギーを1回 1次粒子のサイズ、形状、比表面積、結晶構造、 表面状態などを維持したまま分散する処理方法
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微小ビーズの効果 × 200μm程度より大きなビーズを使用した場合 ○ 数10~100μm程度のマイクロビーズが有効
ビーズ数が少なく著しく効率が低下 粒子の破壊や活性化を促進させ、特性の低下や再凝集の原因 ○ 数10~100μm程度のマイクロビーズが有効 ビーズ数を多くし作用点を多くする 粒子に与えるダメージを最小限に抑える 数10~100μm程度のマイクロビーズが有効 ビーズ数 ∝ 1/ビーズ径比3 ビーズ重量 ∝ ビーズ径比3 ビーズ表面積 ∝ 1/ビーズ径比2
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二酸化チタンの 従来の分散とマイルド分散®の比較 投入動力量とX0.5の関係 粒子径分布
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二酸化チタンの 従来の分散とマイルド分散®の比較 従来の分散 マイルド分散 SEM観察 X線回折
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マイクロビーズ対応型ビーズミル 従来型ビーズミルでのマイルド分散の欠点 マイクロビーズ対応型ビーズミルの開発 分散時間が短くなり、能率が向上
マイクロビーズ対応型ビーズミル 従来型ビーズミルでのマイルド分散の欠点 低い回転数 → 分散時間が長い、能率の低下 マイクロビーズ → スラリーとの分離が難、取扱い難 マイクロビーズ対応型ビーズミルの開発 遠心分離セパレータ 微小ビーズの安定運転が可能 ベッセル形状やアジテータ形状の工夫 回転数を高くしてもマイルド性が失われないビーズの動きに着目 分散時間が短くなり、能率が向上
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理想のビーズ流動を阻害する要素 スラリ流れで出口に偏る 重力で下部に偏る 局部的な強衝撃 遠心力による押付け エネルギー密度の不均一
シャフト付近仕事せず 遠心力による押付け エネルギー密度の不均一 共回り=仕事せず
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理想的なビーズの動き 軸を中心に周方向に回転する1次流れ(旋回流)と 軸流が大きいほど 効率よく微細化
軸を中心に周方向に回転する1次流れ(旋回流)と 軸径方向に回転する2次流れ(軸流)の組み合わせ 軸流が大きいほど 効率よく微細化 投入動力量 / MJ/kg X0.5 / μm 粒子に対して均一なエネルギー付加を行なうには、ビーズに拘束力を持たせず流れの中でせん断力を発生させる必要がある。このため、ベッセル内部での流れが重要なファクターとなってくる。MAXナノ・ゲッター内部のビーズ流動は、軸を中心に周方向へ回転する1次流れ(旋回流)と、軸径方向に回転する2次流れ(軸流)が複合することで形成される。 さらにミクロの領域では、ビーズの接触頻度が増すことで、単位体積あたりのビーズが、粒子へ作用する接点数が増加する。また、流れの中でビーズ間に生じるせん断力も、ビーズ間距離が近くなることで大きくなる。これらが流動層全体で作用するため、これまでのビーズミルに比べて、高い混合性と均一で効率の良いエネルギー付与を実現している。 さらにMAXナノ・ゲッターでは、ビーズ分離に独立遠心分離機構を採用し、ビーズ分離と分散力を独立させている。このため、幅広い運転条件の選定が可能であり、微小ビーズの使用と安定した分離、粉砕・分散の繊細なコントロールを実現している。 ビーズが『らせん流』となって動いている
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理想的なビーズの動き『単段らせん層流』 ビーズの動きが単段で乱れがなく、 『層流』の状態で動いている 層流 乱流
粒子に対して均一なエネルギー付加を行なうには、ビーズに拘束力を持たせず流れの中でせん断力を発生させる必要がある。このため、ベッセル内部での流れが重要なファクターとなってくる。MAXナノ・ゲッター内部のビーズ流動は、軸を中心に周方向へ回転する1次流れ(旋回流)と、軸径方向に回転する2次流れ(軸流)が複合することで形成される。 さらにミクロの領域では、ビーズの接触頻度が増すことで、単位体積あたりのビーズが、粒子へ作用する接点数が増加する。また、流れの中でビーズ間に生じるせん断力も、ビーズ間距離が近くなることで大きくなる。これらが流動層全体で作用するため、これまでのビーズミルに比べて、高い混合性と均一で効率の良いエネルギー付与を実現している。 さらにMAXナノ・ゲッターでは、ビーズ分離に独立遠心分離機構を採用し、ビーズ分離と分散力を独立させている。このため、幅広い運転条件の選定が可能であり、微小ビーズの使用と安定した分離、粉砕・分散の繊細なコントロールを実現している。
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単段らせん状層流 ① 周方向の回転流 (アジテータの回転に伴う流れ) ② 縦方向の回転流 (遠心力が生み出す流れ)
(アジテータの回転に伴う流れ) ② 縦方向の回転流 (遠心力が生み出す流れ) ①と②が複合し「らせん状の層流」が ベッセル内全体に形成される ↑ベッセル内イメージ (上部から) ←ベッセル内の ビーズの動き (サイドから) MAXナノ・ゲッターの最大の特徴は、ビーズの動きをコントロールすることです。こちらはMAXナノ・ゲッター内部で起きているビーズの流れを上部と、サイドから見たイメージとなっております。 シャフトが回転することで周方向への流れが生まれます。さらにその時発生する遠心力による流れをコントロールし縦方向の回転流に変化させます。これらの流れが複合し、らせん状の層流がベッセル内全体に形成されます。 これにより、先ほど申し上げた、局部的に衝撃力や強シェアをかけない、働かないビーズや動かないビーズをなくす、乱流による粗密混在状態を発生させない、ビーズ同士の速度差を均一にする理想のビーズの動きを実現しております。 さらに、ビーズが粉砕室内を大流量で循環することにより、もう一つの重要な要素である作用頻度を増やすことを実現いたしました。
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マイクロビーズ対応型ビーズミル 理想的なビーズの動き 『単段らせん状層流』
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粉砕機構とビーズ流動の比較 ナノ粒子大量生産用 ビーズミル 粉砕向けビーズミル 粉砕室形状 容器全体 円周外部に狭く限定 アジテータ形状
シングルロータ 多段ピン 遠心力の利用 ビーズを移動させる ビーズを押付ける 乱流の発生 少ない(らせん状層流) 多い ビーズ拘束力 弱い 強い ビーズの移動距離 大 (大循環) 小 (局所滞留) ビーズ攪拌状態 流動せん断 強制せん断 ビーズ流動 ナノ粒子に対し理想的 粉砕向き、高粘度向き こちらにMAXナノゲッターの機構と従来の代表的なミルの機構を比較した表を示しております。粉砕室の形状がMAXナノ・ゲッターは容器全体であるのに対して従来では円周外部に狭く限定されていたり、ビーズの拘束力をあえて弱くしビーズ同士の流動せん断を行うのに対して、ビーズの拘束力を強め強制的にせん断を行うなど内部の機構が大きく異なっております。 その他にも遠心力を粉砕・分散のために直接利用するのではなくビーズを移動させるために利用しているなど従来の概念とは大きく異なる概念を取り入れているということがお分かいただけるかと思います。
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分散例 軽質炭酸カルシウム 処理前 マイルド分散処理後 従来の分散処理後 マイルド分散処理後
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分散例 二酸化チタン 3枚のSEM写真は ×10万倍で撮影 原料 X0.5=400nm BET値=111.8㎡/g マイルド分散 従来の分散
分散例 二酸化チタン 原料 X0.5=400nm BET値=111.8㎡/g 3枚のSEM写真は ×10万倍で撮影 マイルド分散 針状を維持したまま 一次粒子に分散 従来の分散 過大なシェアにより 針状が崩れる X0.5=27.0nm X0.5=19.6nm BET値=114.4㎡/g BET値=144.3㎡/g
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まとめ 粉砕・分散処理 製造プロセスや対象物の特性に合せた装置の選定が重要 ビーズミル
製造プロセスや対象物の特性に合せた装置の選定が重要 ビーズミル 粒子をマイクロメートルからナノメートル領域まで微粉砕・分散することが可能 マイクロビーズの使用で能率化・効率化が可能 マイルド分散により、粒子の機能・特性を保持したまま ナノメートル領域までの分散が可能 ビーズミルを使用することで微粒子を効率よく 生成することが可能
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