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鹿児島県薬剤師会南薩支部における 「患者情報カード」作製による医療連携の取り組み
平静21年11月22日(日)~23日(月・祝) 第42回九州山口薬学大会in大分
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はじめに 当支部は鹿児島県の南西部に位置する南九州市、南さつま市、 枕崎市の人口約105,000人の地域の薬剤師会で、会員数104名、 保険薬局48件である。 お薬手帳(以下、手帳)の有用性について薬剤師は十分に認識 していると考えられる。しかし手帳が有益に活用され機能を発 揮しているかという点については、現場の薬剤師も常々疑問に 感じているのが現状である。 当支部では以前にも手帳とカバーの配布を行ったが、「患者情 報ページ」が手帳と一体化されていたため新しくなるたびに書 き換えが必要だったりして、思うように成果が上がらなかった。 その経験をもとに今回は「患者情報ページ」をカード化し、カ バーには支部名を入れることによって支部全体で取り組んでい ることを示し、再び手帳普及に努めた。
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実践内容(1)患者情報カードの作成 実践内容(2)お薬手帳配布時の対応 患者情報部分をカードにして、差し替えができるようにした。
カード記入をパソコン対応できる入力ソフトを作り、手書きの手間を省いた。 「アレルギー歴欄」に「食物アレルギー」「副作用歴(薬によるアレルギーも含 む)」に加えて「アレルギー体質」記入欄を新設した。 「主な既往歴」を「主な病名など(服薬上注意が必要なもの)」とし、病名も項目 を増やした。 通院している医療機関名と連絡先の記入欄を新設した。 常用している大衆薬・健康食品などの記入欄を新設した。 実践内容(2)お薬手帳配布時の対応 手帳携帯の必要性をしっかり説明する。(特に他科受診している患者さま) 他科受診の際は必ず医療機関に手帳を提示するよう指導する。 *「新療担規則」第20、21、30条 医師会・歯科医師会に対して支部長より各会長宛てに公文書を送付し手帳の閲覧、 有効活用を依頼した。(添付書類参照)
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実践内容(3)患者情報カードの作り変え ~会員へのお知らせ文書~
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配布状況調査(支部内5薬局対象)① ※調査対象期間:平成21年3月2日~3月14日
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配布状況調査(支部内5薬局対象)② ※調査対象期間:平成21年3月2日~3月14日
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配布状況調査(支部内5薬局対象)③ ※調査対象期間:平成21年3月2日~3月14日
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リピート調査(原薬局金峰店) ※調査対象期間:平成21年4月1日~9月30日
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意識調査アンケート(支部内全薬局対象:48件)① ※第1回目を5月、第2回目を9月に実施
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意識調査アンケート(支部内全薬局対象:48件)② ※第1回目を5月、第2回目を9月に実施
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意識調査アンケート(支部内全薬局対象:48件)③ ※第1回目を5月、第2回目を9月に実施
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意識調査アンケート(支部内全薬局対象:48件)④ ※第1回目を5月、第2回目を9月に実施
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意識調査アンケート(支部内全薬局対象:48件)⑤ ※第1回目を5月、第2回目を9月に実施
Q.患者情報カードが役に立った事例を教えてください。(第2回アンケート) ・他科受診の際の重複防止に役立った。 ・他の医療機関での副作用を発見できた。 ・副作用を予防できた(副作用のある薬の処方を未然に防ぐことができた)。 ・薬のアレルギー歴等、こちらでは収集できなかった情報を収集できた。 ・住所やアレルギー歴などの再チェックができた。 ・薬剤が追加処方される時、過去の副作用情報が役に立った。 ・住所、TELも聞かなくてすむため、新患患者の問診に役立った。 ・以前、他薬局で調剤された薬剤でALを起こしたことがあり、患者さまは薬剤名を覚えていな かったが、アレルギー既往歴に記載されていたので役に立った。 ・骨粗鬆症のビスフォスフォネート剤服用記入をみて、歯科と整形での連携が出来、抜歯が終了 するまで、しばらく休薬となった。 ・近所の歯科から「抜歯の予定があるが、休薬についてはどうすればよいのか」との問い合わせ があり今まで以上に密に連絡を取り合えるようになった。 ・薬による副作用がわかり、医師にフィードバックすることができた。
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結果 患者情報カードの今後 1.患者情報カードの配布状況
支部全体でみると、当初の予定よりカードの普及率が悪かったが、今回の調査対象となった薬局につ いては業務に支障を来たすことなく配布できた、との報告を受けている。 2.カードの記入内容に関して 従来のお薬手帳に比べて患者情報の内容が充実してきた。 (支部会員の意見を取り入れ、情報カードを改定したことにより記入し易くなった) 3.医師会、歯科医師会に対して患者情報カードを通じて、お薬手帳の事をより知ってもらう機会ができた。 4.患者さまにとって、カバー、情報カードを添付することによって携帯する意識が高まってきた。また、病 院で配布する診察券や血圧手帳をまとめるメリットを感じてもらうことが出来た。 患者情報カードの今後 薬剤師の意識だけでなく、事務職員の協力のもと、より一層のカードの添付率を上げていく為、保険 講習会等で働きかけていく。また新聞サザンウインドを活用し広報を続ける。 内容をより充実させていくため、日薬のDEM事業を参考に副作用情報などを充実させていくことで医 療機関に対して有用性をアピールしていく。 患者さまには医療機関受診時だけでなく常に携帯する意識をもってもらうよう呼びかけていく。 引き続きカバー・カードの普及状況を追跡調査していく。
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