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<S3> 論理力Check 数学tも言語なりき

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1 <S3> 論理力Check 数学tも言語なりき
■ K(14) 補論A  事前にQ1&Q4を自己診断した自制力があればOK 1  ★ 1 変数関数の微分 と 勾配値=限界値 2 ★ 限界原理 と 最大化問題  主体均衡モデルの基礎 3 ★ 多変数関数の偏微分 と 等高線

2 前回の復習 合理的なら, ∇f(x*) = 0 が鍵
今後も「不明な点は,前回の授業スライド・K(14)を参照」して下さい 今回の必要最小限の知識を理解せずに,K(14)を理解できる? 賢明な選択・合理的な選択とは? 人生がこれまでの選択の結果なら,アナタの選択は賢明だった? なぜ? 埋没費用,機会費用とは? 各々が重要になる判断の例は? なぜ経済学では,(時に制約条件下の)最大化問題が重要になる? 本講義のM想定の下では,なぜ「勾配値がゼロ」が鍵になる?  目的関数・制約条件・最大化問題とは? M想定とは? ナブラとは? 不明な点が多いなら,読解・練習・授業後の要約check不足

3 本日の読解力Check: グラフの形を表す道具
学習上のハードルとしての心理的な抵抗感とは?    p.478 簡単に分かることでも,「数式を見ると計算できないと思い込む習慣」 実際,以要点は計算ではなく,抽象概念を論理的に理解する熟考力 関数 f(x) の 微分 f’(x) の 意味は?  日本語 p.476 微分 f’(x) が便利な点は?  日本語 p.477 f’ > 0  f(x)のグラフが右上がり: 単調増加関数  記号 f’ < 0  f(x)のグラフが右下がり: 単調減少関数  記号 f’ = 0  f(x)の接線が水平: 二次関数なら,極大値か極小値 関数 f(x,y) の 偏微分 fx(x,y) の 意味は?  日本語 p.479

4 1 1 変数関数u(x)の微分 と 勾配値=限界値 関数 u = f(x) : 従属変数u  独立変数x, 定数a,b,c
一次関数(直線): u = b x + c   曲線の特殊ケース(a=0) 二次関数(曲線): u = a x2 + b x + c f(x) の1 階の導関数 f’: f(x)をxで微分して求めた勾配(限界)値 直線の勾配: du / dx = f’ = b  直線の傾きは,係数b (水平線)  曲線の勾配: du / dx = f’ = 2a x + b  曲線の傾きは,接戦の勾配 ∴ 曲線の勾配値・限界値の求め方(= 微分)だけが大事  次頁 上記のそれぞれの「2階の導関数 f”」は?  uを2回微分 d2u / dx2 = f” =  水平線 f’ の勾配は,0 d2u / dx2 = f” = 2a  直線 f’ の勾配は,係数 2a

5 曲線の勾配(限界)値を求める代表的な公式
微分 = 勾配値(限界値)を示す導関数を求める作業1  2 p.477,479 関数 u = f(x) = a xb 導関数 du / dx = f’(x) = a b xb-1 d と ⊿(デルタ)の違いは? p.476 ⊿x→0 時の ⊿u / ⊿x 累乗 X b の復習 X 0 =  X 1 ÷ X 1 = X 1-1 = X0 = 1 X 1 = X    X X = X 1 X 1 = X 1+1 = X2 X - 1 = 1 / X     X - 1 X = X 0 = 1 X ½ = 𝑋      X ½ X ½ = X 1 = X

6 なぜ, 関数の傾きがそんなに重要なのか? 関数 u=f(x) は,uとxの関係を明確化する基本ツール
1章: 効用関数, 2章: 生産関数,費用関数,利潤関数 特に,その限界値 f’(=勾配値)が最重要   1.5 限界分析入門  限界効用,限界代替率, 限界生産力,限界費用,限界利潤 さらに,勾配値のグラフや最大化には,f”の符号が重要 ずっと右上がり,右下がり,頂点がある  利潤はどこで最大? ∴ 講義M想定では,最大化の仮定を単純化: ∇f(x*) = 0   内点解(p.486,491), 効用は狭義凹関数 (p.490のA点の排除) を仮定

7 Q1 グラフの「 勾配値のグラフ 」を描ける? 次の関数 f(x) のグラフの 勾配値 f’(x) のグラフは?
 x > 0 の領域の ラフなグラフ  x=1,4 の時の f’(1),f’(4)の値は? f(x) = 10   水平線の傾き=0   or 公式 f(x) = 10 x0 f(x) = 2x   直線の傾き=2   or 公式 f(x) = 2 x1 f(x) = 2x + 10   直線の傾きは2と同じ  or 1のf’ + 2のf’ f(x) = x2    p.477  or 公式 f’(x) = 2 x1 f(x) = 3x2 + 2x + 10   各項の勾配値の和 f(x) = 4 𝑥   公式 f(x) = 4 x½ K(14, 1章) 「 逓減的増加型の効用関数u  限界効用u’逓減 」 の理解の基礎 各々の f”の符号は?  f’の形が分かる便利な方法

8 A1 グラフの勾配値を推測する2つの方法 微分: 関数 f(x) の 勾配値 f’(x) を求めること
 関数f(x) 勾配値f’のグラフ      勾配値の勾配値f” f(x) = 10    f’= 0, f’(1)=0, f’(4)=0, f”= 0 f(x) = 2x   f’= 2, f’(1)=2, f’(4)=2, f”= 0 f(x) = 2x + 10  f’= 2, f’(1)=2, f’(4)=2, f”= 0 f(x) = x2    f’= 2x, f’(1)=2, f’(4)=8, f”= 2 > 0 f(x) = 3x2 + 2x  f’= 6x +2, f’(1)=8, f’(4)=26, f”= 6 >0 f(x) = 4 𝑥    f’= 4*½ x - 1/2 = 2 / 𝑥  f’(1)=2, f’(4)=1, f”= - X -3/2 = −1/ 𝑥 3 < for x > 0 4-5: f”>0 → 狭義の凸関数,6: f”<0 → 狭義の凹関数 + f’>0: 増加関数  4-5: 逓増的増加,6: 逓減的増加

9 増加関数(f’>0) の主要3パターン 逓増的増加 逓減的増加 一定的増加
逓増的増加    逓減的増加    一定的増加 すべて,f’(x)>0  傾きが正の右上がりの増加関数 違いは,f” > f” < f” = 0   f’ が右上がり     f’ が右下がり   f’ が不変 x f(x) x f(x) x f(x) 狭義の凸 狭義の凹 凹かつ凸

10 2 限界原理 と 最大化問題 経済学の核心 = 人はインセンティブに反応 L(04)
2 限界原理 と 最大化問題 経済学の核心 = 人はインセンティブに反応 L(04) = 余剰N(=便益Bー費用C)を最大化するかのように行動する How?  限界原理( p.35): 限界便益 B’ = 限界費用 C’ ∴ 余剰曲線のピーク  便益B曲線の勾配 = 費用C曲線の勾配 消費者や生産者の無制約下の余剰Nは,単峰山型  <S2>想定M  最適なx*(= Nを最大にするx)は? X*をどう求める?  N’ = B’- C’= 0 N’= 0 が鍵 ⇔ 限界原理 B’= C’ x N(x) x*

11 Q2 消費と生産の限界原理のイメージ 消費者(家計)や生産者(企業)の余剰N・便益B・費用Cとは?
たこ焼きを売る人(生産者,企業)の B,C,N とは? たこ焼きを買う人(消費者,家計)の B,C,N とは? 余剰Nが前頁のM想定のように単峰山型に常になるためには, Bが逓減的増加型の場合,Cのとりうるパターンは? Bが一定的増加型の場合,Cのとりうるパターンは? 以上のBとCの3つの組み合わせの各グラフ,それぞれの勾配 B’ と C’のグラフと,それによって決まる最適なx*を描ける?  前頁: Nを最大にするx*は,限界原理 B’(x*)=C(x*)を満たす

12 A2 家計と企業の主体均衡モデルのイメージ 生産者の利潤最大化・消費者の効用最大化モデルの基礎
生産者のB: 売上高,C: 生産・販売費用,N: 利潤 消費者のB: 効用(満足度),C: 購入費用,N: 純効用・余剰 余剰Nが単頂山型(N”<0 で N’=0 が存在)になるケース Bが逓減的増加: Cは,① 一定的増加 か ② 逓増的増加 Bが一定的増加: Cは,➂ 逓増的増加 増加関数BとC(B’>0 & C’>0)の代表的な3つの組み合わせ ① B”<0 & C”=0, ② B”<0 & C”>0, ➂ B”=0 & C”>0  記号による表記は便利 but 図が浮かぶ?  図解の練習

13 図解 Nが単峰山型になる場合の限界原理 B(x) B(x) C(x) B(x) C(x) C(x) x x x C' C' B' B' B'
① B“<0 & C”=0  ② B“<0 & C”>0 ➂ B”=0 & C”>0 x B(x) x B(x) x B(x) C(x) C(x) C(x) B' B' C' C' B' C' x x x X* X* X*

14 Q3 限界原理の使い方 1 缶 250円で売買されているビール,合理的な主体が選ぶ最適 缶数量x*は? その時の最大余剰N*(=B-C)は?
その缶ビールをx缶生産・販売するのに,C = 25 x2 の費用がか かる生産者  (前頁➂の競争市場の生産者行動) 生産者の便益(売上収入)は?   B= 250 x  前頁➂ その缶ビールをx缶消費すると,B = 1000 x1/2 の効用を得る消 費者  (前頁①の競争市場の消費者行動) 消費者の費用(支払額)は?   C= 250 x  前頁① 解法の確認: 常に単峰山型を満たす計算問題only 頂点: N’=B’-C’=0  限界原理 B’(x*)=C’(x*)  N(x*)

15 A3 1 変数の最大化問題 最適数量x*  B(x*), C(x*), N* = B* - C*
微分の計算自体はQ1でOK  計算ではなく概念理解力の問題 B’=250 = C’=50x : ➂の下図  x* = 5, B*=1250, C*=625, N*=625 B’=500 / x1/2 = C’=250 : ①の下図  x* = 4, B*=2000, C*=1000, N*=1000 参考:  𝑥 =2 の両辺を平方すれば,x=4 二次関数なら高校数学でもOK,しかし限界原理の方が簡単・便利 特に経済学では,多変数の制約付き最大化が中心( 補論B)

16 3 多変数関数u(x,y)の偏微分 と 等高線 関数 u = f(x,y) : 従属変数u  複数の独立変数 x & y, 定数a,b,c
一次関数(平面): u = a x + b y + c  直線の一般ケース(b=0) 二次関数(曲面): u = a x2 + b y2 + c  曲線の一般ケース(b=0) f(x,y) のxに関する偏微分 fx: x以外は定数とみなし, Q1のように微分 平面のx軸方向の勾配: ∂u / ∂x = fx = a  p   曲面のx軸方向の勾配: ∂u / ∂x = fx = 2a x f(x,y) のyに関する偏微分 fy: y以外は定数とみなし, Q1のように微分 平面のy軸方向の勾配: ∂u / ∂y = fy = b   曲面のy軸方向の勾配: ∂u / ∂y = fy = 2b y

17 Q4 偏微分といっても,計算法は同じ 次の関数 f(x,y) の x と y の偏微分 fx と fy は?
f(x,y) = 3x2 + 2xy + y f(x,y) = 4 𝑥 𝑦  f(x,y) = 4 x½ y½ 最重要問題  凹関数・コブダグラス型 各々をさらにx,yで偏微分した fxx fxy=fyx fyy の値は?  ★ 補論B: ラグランジュ法の命題B2(凹関数p.493) But 想定Mの下では,2階の条件の吟味は不要

18 A4 大切なのは,意味と使い方の理解 ∴ 計算スキルはQ1レベルで十分,むしろ意味と使い方の理解が大事
f(x,y) = 2x + 3y + 10 fx= 2, fy= 3, fxy=fyx= 0, fxx= 0, fyy= 0 f(x,y) = x2 + y fx= 2x, fy= 2y, fxy=fyx= 0, fxx= 2, fyy= 2 f(x,y) = 3x2 + 2xy + y fx= 6x + 2y, fy= 2y + 2x, fxy=fyx= 2, fxx= 6, fyy= 2 f(x,y) = 4 x½ y½   fx= 2 y1/2 x -1/2 , fy= 2 x1/2 y -1/2 , fxy=fyx= x -1/2 y -1/2) fxx= - y1/2 x -3/2 < 0, fyy= - x1/2 y -3/2 < 0, for x, y >0 ∴ 計算スキルはQ1レベルで十分,むしろ意味と使い方の理解が大事

19 全微分 と 等高線 U = f(x,y) = 4 x1/2 y1/2 の全微分  p.42
d U = fx dx + fy dy  x や y が増えると(dx や dy),偏微分だけ,Uが増える(d U) もしxやyが変化しても,Uを一定(dU = 0)に固定すると? d U = 0 = fx dx + fy dy  (x,y)平面でのUの等高線 あるレベルUの等高線の傾き: dy / dx = - fx / fy  pp.43-4 学習する等高線: 2次元の方が3次元よりも理解しやすい 効用関数の無差別曲線, 生産関数の等産出量曲線

20 多変数の(狭義)凹関数 と 等高線 U 3次元の効用関数U p.492 x も y も増えるに従い, U1 < U2
各レベルの水平な切り口 (x,y)平面上に無差別曲線 U2は,U1よりも東北方向 ∴右上の無差別曲線ほど効用Uが高い But 同じ曲線上の点は,無差別(同じ水準のU) U2 y U1 U1 U2 x

21 本日の要点 & 次回への準備 微分は「傾き」だから,ハードルは 心理的アレルギー 次回準備 消費(1章): ①型の消費の多変数バージョン
実際,本講義前半で必要な計算技術は,Q1レベルのみ むしろ,限界原理や無差別曲線等の 抽象概念の 論理 の 熟考力 そのためには,事前読解での忍耐強い熟考練習が不可欠 しかもQ1&Q4のような練習で疑問を明確化,Otherwise 次回はハード 次回準備 消費(1章): ①型の消費の多変数バージョン K(14)   <S4> 無差別曲線・最適消費・限界分析 Q3&4  最初のハードル: 抽象概念と論理の読解力  本日の理解

22 M想定と2階の条件 本講義では,目的関数N(x)は狭義の凹関数と仮定(M1) ∴ 本講義では,Q4のような2階の条件の計算の必要はない
 へシアンは負値定符号(1変数の場合: f’’<0) さらに, なる内点解x*>0の存在を仮定(M2) ∴ 1階の条件を満たす内点解x*は,唯一の大域的な最大値 ∴ 本講義では,Q4のような2階の条件の計算の必要はない 参考: 関数の仮定がなければ,1変数f(x)の無制約の場合でも, 極大値(局所的な最大値)を見つけるには,近傍での次の作業を要する 1解の条件 f’ = 0  および  2解の条件 f’’ < 0


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